• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01R
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01R
管理番号 1146999
審判番号 不服2003-15707  
総通号数 85 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-09-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-08-13 
確定日 2006-11-06 
事件の表示 特願2000-585674号「リソグラフィ接触要素」拒絶査定不服審判事件〔平成12年6月8日国際公開、WO00/33089、平成14年9月24日国内公表、特表2002-531915号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、1999年12月1日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1998年12月2日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成15年5月15日付けで拒絶査定がなされ、これに対し同年8月13日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年11月18日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成15年11月18日付け手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成15年11月18日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項27は、
「基板上にマスク材料の複数の層を連続的にパターン化し、マスク材料の各層は開口を有し;各パターン化ステップの後に導電性材料を堆積して、
基板に対して接合され且つ第一のマスク材料層内の開口中に形成されたポスト部品と、
第一の場所に於てポスト部品に対し結合され且つポスト部品から延び且つ第二のマスク材料層内の開口中に形成されたビーム部品とを有する、
接触要素を形成し;
導電性材料を堆積するステップの前に、シード材料を第二のマスク材料の区域の略全部にシードし;
マスク材料の複数の層を除去すること:
を含む接触要素を形成する方法。」
と補正された。
上記補正は、平成14年11月28日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲(以下、「拒絶査定時の明細書の特許請求の範囲」という。)の請求項39に記載した「接触要素を形成する方法」の発明に、「導電性材料を堆積するステップの前に、シード材料を第二のマスク材料の区域の略全部にシードし;」という工程を付加するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項27に記載された事項により特定される発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成15年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用した、米国特許第5,828,226号明細書(以下、「引用例」という。)には、図面と共に、次の事項が記載されている。
ア.「In operation, probe array 11 is made parallel ……the integrated circuit is electrically operated.(実施において、プローブの列11は、ウェハー10又は少なくとも検査されるウェハー10上の集積回路と平行に作られる。組立部品が下げられるかウェハー10が上昇させられると、ピンは集積回路と接触し、集積回路が電気的に作動する。)」{4欄25行?29行、()内は当審による仮訳。以下、同様。}
イ.「Fig.5 illustrates insulating substrate 51……removes the sacrificial copper but leaves the nickel. (図5は表面から裏面に至る多数の導体を有する絶縁基板を示している。無電解の銅の層53が多数のピンを形成する準備として基板51上に配置される。図6において、フォトレジスト層54が適用され、55のような多数の孔のパターンが形成される。銅の層53はその孔を通してエッチングされ、通路が形成される。図7において、通路は電気メッキするニッケルにより満たされ、56のような多数のポストが形成される。図8において、フォトレジスト層が除去され、ポストの一部が露出される。図9において、それぞれのポストの周囲の領域を満たすように銅の層59が配置される。それぞれのポストの上面にも銅が配置される。図10において、銅の層はポストの上面が面一となり、ニッケルが銅の層59から露出するように、平らにされる(研磨される)。これで、ポストの形成は完成する。
図11は、ビーム形成の最初のステップを図示している。ここにおいて、フォトレジスト層63がプローブの列に適用され、64のような多数の孔のパターンが形成される。フォトレジスト層54の孔(図6)はポストの大きさと位置を決定する。フォトレジスト層63の孔(図11)は、ビームの位置と方向を決定する。…(中略)…
図12において、孔はニッケルメッキすることにより満たされ、これにより、71のような多数のビームが形成される。図13において、フォトレジストが除去され、銅の層59が露出される。銅の層59と53は、犠牲となる銅を除去し、ニッケルを残す選択的エッチングにより、図14に示すようにエッチングされる。)」(5欄57行?6欄22行)
そして、図11には、図10における平らな上面の上にフォトレジスト層63が形成された態様が図示されている。
上記記載事項ア、イ及び図示内容から、引用例には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「集積回路に接触するポスト及びビームを含むプローブを形成する際に、次の工程を順に行う方法。
1.絶縁基板51上に銅の層53を配置し、その上にフォトレジスト層54を適用し、エッチングにより銅の層53に多数の通路をパターンとして形成し、フォトレジスト層54の孔55及び銅の層53の通路に、電気メッキすることによりニッケルを満たして、多数のポストを形成する;
2.フォトレジスト層54を除去し、ポストの周囲の領域を満たすように銅の層59を配置し、上面を平らにした上で、その上面に多数の孔をパターンとして形成するようにフォトレジスト層63を設け、該孔をニッケルメッキすることにより満たし、多数のビームを形成し、フォトレジスト層63、銅の層59及び53を除去する。」

同じく、原査定の拒絶の理由に引用した特開平9-18118号公報には、
「【従来の技術】図1A?図1Fには、電気めっきを用いて基板上に導電体層を形成するための従来の方法を示す概略的な断面図が示されている。周知のように、導電体層16を形成するための過程は、図1Aに示されているように、初めに上面を有する基板10を用意し、その上に金属からなるシード層(seed layer)12をスパッタリング等の技法を用いて形成する。フォトレジスト層14は、スピンコーティング法によりシード層12の上に形成された後、その一部が予め定められた形状にパターニングされる。その後、フォトレジスト層のパターニングされた部分が現像液により除去されることによって、その部分の下のシード層12の上面が露出される。
【0003】その後、図1Bに示されているように、導電体層16は露出されたシード層12の上面に形成され、図1Cに示すように、フォトレジスト14の残りの部分は適切な溶液により除去される。導電体層16により被覆されないシード層12の残りの部分は、適切なエッチング液により、図1Dに示すように除去される。」(段落【0002】?【0003】)と記載されており、図1Bには、シード層12を基板全体に設け、その上にフォトレジスト14を設けて所望の箇所に電気メッキし、その後、フォトレジスト14及び導電体層16により被覆されないシード層を除去することが図示されている。
上記記載及び図示内容から、電気メッキを用いて基板上に導電体層を形成する際に、パターニングされたマスク材料に導電性材料を堆積するステップの前に、シード材料をマスク材料の区域の略全部にシードし、後にマスク材料及び導電体層により被覆されないシード層を除去することが従来周知の技術手段であるということができる。

(3)対比・判断
本願補正発明と引用発明とを対比すると、後者における「プローブ」、「絶縁基板51」、「フォトレジスト層54」、「銅の層59」、「フォトレジスト層63」、「ニッケル」、「ポスト」、「ビーム」は、その機能ないし構造からみて、それぞれ、前者における「接触要素」、「基板」、「第一のマスク材料層」、「シード材料」、「第二のマスク材料層」、「導電性材料」、「ポスト部品」、「ビーム部品」に相当する。
そして、フォトレジスト層54及びフォトレジスト層63は複数の層を構成し、開口を有しており、最終的に除去されるものであり、また、後者のポストは、フォトレジスト層54の開口中に形成され、絶縁基板51に接合されるものであり、後者のビームは、フォトレジスト層63の開口中に形成され、ポストに結合されるものであり、「ポストの周囲の領域を満たすよう銅の層59を配置」し、「その上面に多数の孔をパターンとして形成するようにフォトレジスト層63を設け」ることは、前者の「導電性材料を堆積するステップの前に、シード材料を第二のマスク材料の区域の略全部にシード」することに相当するから、両者は、
「基板上にマスク材料の複数の層をパターン化し、マスク材料の各層は開口を有し;各パターン化ステップの後に導電性材料を堆積して、
基板に対して接合され且つ第一のマスク材料層内の開口中に形成されたポスト部品と、
第一の場所に於てポスト部品に対し結合され且つポスト部品から延び且つ第二のマスク材料層内の開口中に形成されたビーム部品とを有する、
接触要素を形成し;
導電性材料を堆積するステップの前に、シード材料を第二のマスク材料の区域の略全部にシードし;
マスク材料の層を除去すること:
を含む接触要素を形成する方法。」
である点で一致し、次の点で相違する。
相違点:第二のマスク材料層の形成工程において、本願補正発明においては、「基板上にマスク材料の複数の層」ができるように「連続的にパターン化し」、接触要素を形成した後、「マスク材料の複数の層を除去する」のに対し、引用発明では、第一のマスク材料層を除去してから、第二のマスク材料層を形成し、接触要素を形成した後に除去するマスク材料層は第二のマスク材料層のみである点。

上記相違点について検討すると、2.(2)で述べたように電気メッキを用いて基板上に導電体層を形成する際に、パターニングされたマスク材料に導電性材料を堆積するステップの前に、シード材料をマスク材料の区域の略全部にシードし、後にマスク材料及び導電体層により被覆されないシード層を除去する技術手段は周知であり、この技術手段を引用発明における第二のマスク形成ステップに用いることを妨げる理由も見当たらないから、これを、引用発明における第二のマスク材料形成ステップに適用し、導電性材料を堆積した後、表面を平坦にして、フォトレジスト層54を除去することなく、その上にシード層を設けるようにして、上記相違点に係る本願補正発明の特定事項とすることは当業者が容易に想到し得ることである。
また、そのことによる効果も当業者が予測し得る範囲のものである。
したがって、本願補正発明は、引用発明及び周知の技術手段に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

(4)むすび
以上のとおり、本件補正は、平成15年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に違反するものであるから、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成15年11月18日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項27に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、拒絶査定時の明細書の特許請求の範囲の請求項39に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「基板上にマスク材料の複数の層を連続的にパターン化し、マスク材料の各層は開口を有し;各パターン化ステップの後に導電性材料を堆積して、
基板に対して接合され且つ第一のマスク材料層内の開口中に形成されたポスト部品と、
第一の場所に於てポスト部品に対し結合され且つポスト部品から延び且つ第二のマスク材料層内の開口中に形成されたビーム部品とを有する、
接触要素を形成し;
マスク材料の複数の層を除去すること:
を含む接触要素を形成する方法。」

(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用した引用例及びその記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。
(2)対比・判断
本願発明は、本願補正発明の「導電性材料を堆積するステップの前に、シード材料を第二のマスク材料の区域の略全部にシードし;」という限定を省略したものである。
そして、本願発明の構成要件を全て含み、更に上記限定を含む本願補正発明が、上記2.(3)で述べたように引用発明に基づいて当業者が容易に想到できたものであるから、本願発明も同様の理由により、当業者が容易に想到できたものである。
なお、請求人は、「シード層は、ビーム部品におけるポスト部品が接合された面の略全面に形成」され、該シード層を「マスクやエッチングストッパとして利用できる」という効果を主張しているが、シード層は、その材料は限定されておらず、しかも、本願明細書には「例えば銅」と記載されていることからみても、該主張は発明の特定事項に基づかない主張であることは明らかであり、採用できない。

4.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は引用発明及び周知の技術手段に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-06-12 
結審通知日 2006-06-13 
審決日 2006-06-27 
出願番号 特願2000-585674(P2000-585674)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H01R)
P 1 8・ 121- Z (H01R)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 稲垣 浩司  
特許庁審判長 山崎 豊
特許庁審判官 芦原 康裕
一色 貞好
発明の名称 リソグラフィ接触要素  
代理人 大賀 眞司  
代理人 田中 克郎  
代理人 稲葉 良幸  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ