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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G10K
管理番号 1147293
審判番号 不服2004-16908  
総通号数 85 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1996-10-11 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-08-12 
確定日 2006-11-16 
事件の表示 平成 7年特許願第 88606号「マイクミキシングシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成 8年10月11日出願公開、特開平 8-263083〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成7年3月23日の出願であって、平成16年7月9日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年8月12日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年9月13日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成16年9月13日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成16年9月13日付けの手続補正を却下する。
[理由]
(1)補正の内容
本件補正は、次のような請求項の補正を含むものである。
(a)請求項1において、「音程を前記データ単位における前記音程値と照合」(補正前)とあるのを「音程と前記音程値とを照合」(補正後)と補正する。
(b)請求項2(補正前)を削除する。
(c)請求項3(補正前)を請求項2(補正後)に繰り上げるとともに、「前記音楽信号に対応して基準となる音程情報」(補正前)とあるのを「音楽信号に対応するように、所定のタイミングと基準となる音程値が対応されたデータ単位に複数設けられて形成されている音程情報」(補正後)と、「前記マイクロホン入力手段から入力される音声信号の音程を、前記音程情報入力手段によって得られる前記音程情報と照合」(補正前)とあるのを「前記音程情報の前記データ単位における前記所定のタイミングとなった時点で前記マイクロホン入力手段から入力される音声信号の音程と前記音程情報とを照合」(補正後)と、それぞれ補正する。

(2)補正の適合性
(2-1)補正の範囲(第17条の2第3項)
上記各補正事項は、願書に最初に添付した明細書の【0032】、【0037】、【0041】及び図2、図3の記載に基づくものであり、願書に最初に添付した明細書及び図面に記載した事項の範囲内においてする補正である。

(2-2)補正の目的 (第17条の2第4項)
上記補正事項(a)は、明りょうでない記載の釈明に該当する。
上記補正事項(b)は、請求項の削除に該当する。
上記補正事項(c)は、請求項2(補正前)の削除に伴い、項番を繰り上げ、さらに請求項を限定的に減縮するものであり、しかも補正の前後において、産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、明りょうでない記載の釈明及び特許請求の範囲の減縮に該当する。

(2-3)独立特許要件(第17条の2第5項)
上記のとおり、本件補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正を含むものである。そこで独立特許要件について検討する。

(a)補正後発明
補正後の請求項1及び2に係る発明のうち請求項1に係る発明(以下、「補正後発明1」という)は、次のとおりのものである。
「【請求項1】 音楽情報ソースから音楽情報を得て音楽信号として出力する音楽信号出力手段と、
所定の情報ソースから前記音楽信号出力手段から出力される音楽信号に対応するように、所定のタイミングと基準となる音程値が対応されたデータ単位に複数設けられて形成されている音程情報を入力する音程情報入力手段と、
マイクロホン入力手段と、
前記音楽信号出力手段からの前記音楽情報の出力中に、前記音程情報の前記データ単位における前記所定のタイミングとなった時点で前記マイクロホン入力手段から入力される音声信号の音程と前記音程値とを照合し、該照合結果に基づいて補正情報を発生させる音程補正情報発生手段と、
前記音程補正情報発生手段からの前記補正情報に基づいて前記マイクロホン入力手段から入力される前記音声信号の音程を変化させる音程可変手段と、
前記音程可変手段からの出力信号と、前記音楽信号出力手段からの前記音楽信号をミキシングして出力するミキシング手段とを備えて構成されることを特徴とするマイクミキシングシステム。」

(b)引用例
(b1)原査定の拒絶理由で引用された特開平4-81880号公報(以下、「引用例1」という)には、「カラオケ装置」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項アないしオが記載されている。
ア 「〔発明の概要〕
本発明は、伴奏データと共にその歌の主旋律データの記録されている記録媒体を使用するカラオケ装置に関し、予め伴奏データ及び主旋律データが記録された記録媒体を再生する再生手段と、歌い手の歌う主旋律データと再生手段からの主旋律データとを比較する比較手段とを有し、この比較手段の比較結果に基いて、歌い手の歌う主旋律データを補正するようにしたことにより、再生された伴奏データに対して歌い手の歌う主旋律の音程を良好にするようにし、いわゆる音痴な人でもカラオケを楽しむことができるようにしたものである。」(公報1頁左下欄17行?同頁右下欄10行)
イ 「〔実施例〕
以下に、第1図を参照して本発明カラオケ装置の例について詳細に説明する。
この第1図において、(1)はマイクロフォンで、このマイクロフォン(1)によって歌い手の歌う旋律音が音声信号として増幅器(2)を介して後述するピッチコントローラ(3)及びピッチ検出部(4)に供給される。ピッチコントローラ(3)は、増幅器(2)よりの音声信号の周波数を後述する演算部(5)よりの制御信号に応じて可変し、加算器(10)に供給する。」(公報2頁左下欄7行?16行、第1図)
ウ 「(6)は、光学ディスク(例えばコンパクトディスク)で、この光学ディスク(6)に、伴奏データを記録すると共に、例えばサブコードエリア等に、主旋律データ(歌の旋律音データ)を記録する。尚、この主旋律データは、通常、五線譜に記譜できるか、または、五線譜に記譜された主旋律音をデータとしたものである。この光学ディスク(6)に記録された伴奏データ及び主旋律データを、光学ピックアップ(7)を介して再生回路(8)に供給する如くする。再生回路(8)は、光学ピックアップ(7)よりの再生信号を信号処理し、例えば加算器(10)には、アナログの伴奏の音声信号を供給し、主旋律検出部(9)には再生したディジタル信号を供給する。この主旋律検出部(9)は、再生回路(8)よりの再生ディジタル信号より主旋律データを抽出し」(公報3頁右下欄11行?4頁左上欄5行、第9図)
エ 「上述の如く構成すると、第3図のフローチャートに示す如く、ステップ(100)では、光ディスク(6)より光学ピックアップ(7)にて再生された再生信号が再生回路(8)に供給され、この再生回路(8)より加算器(10)に伴奏にあたる音声信号が供給される。そして、一方、再生回路(8)よりのディジタル信号が主旋律検出部(9)に供給され、主旋律データが抽出される。例えば、第14図Aに示すような旋律線の場合の主旋律データは第14図Bに示す如きデータとなる。そして、この主旋律データに子音のための処理が施される。そしてステップ(101)に移行する。ステップ(101)では、マイクロフォン(1)より増幅器(2)を介して、ピッチコントローラ(3)及びピッチ検出部(4)に夫々例えば第14図Cに示すような歌い手の歌った歌の音声信号が供給される。そしてピッチ検出回路(4)が歌い手の歌った音声信号、即ち、主旋律の旋律音のピッチを検出して、ピッチデータを得、これを演算部(5)に供給する。そして、ステップ(102)に移行する。
ステップ(102)では、演算部(5)がピッチ検出部(4)よりのピッチデータと主旋律検出部(9)よりの主旋律データに基いて補正量の演算を行い、例えば第14図Dに示すような制御信号を得る。そして、ステップ(103)に移行する。
ステップ(103)では、演算部(5)がピッチコントローラ(3)に制御信号を供給する。これによって、ピッチコントローラ(3)が、増幅器(2)よりの歌い手の歌った音声信号のピッチを可変し、この可変して補正した音声信号を加算器(l0)に供給する。加算器(10)は、再生回路(8)よりの伴奏の音声信号と、ピッチコントローラ(3)よりの歌い手の歌った音声信号を補正した音声信号を加算する。この加算器(10)よりの加算音声信号は増幅器(11)を介してスピーカ(12)に供給され、このスピーカ(12)によって拡声される。そして、ステップ(104)に移行する。」(公報6頁右上欄4行?同頁左下欄19行、第3、14図)
オ 「上述から明らかなように、いわゆるカラオケ用の伴奏データ以外に歌に相当する主旋律データを予め記録した光学ディスク(6)を再生して、主旋律データを得、この主旋律データと、歌い手の歌った主旋律を処理して得たピッチデータとを比較して、この結果に基いた制御信号によって、歌い手の歌う主旋律を補正して出力するようにしているので、再生された伴奏データに対して、歌い手の歌う主旋律の音程を良好にすることができる。」(公報6頁右下欄5行?13行)
(b2)同じく引用された特開平5-297867号公報(以下「引用例2」という。)には、「同期演奏装置」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項カが記載されている。
カ 「次に、上記構成において実施される同期演奏について説明する。まず、同期演奏情報を作成する際には、演奏者はCDプレーヤ12を操作して所望するCD11の曲を再生し、その再生音楽に合わせてMIDI機器である楽器により演奏を行う。このとき、MIDIシーケンサ14は、その楽器から出力されるMIDIコードからなる演奏情報を入力すると共に、タイムコード再生部13から出力されるタイムコードを順次入力して、図4に示すように、タイムコードT1 、T2 、T3 、…と所定数のMIDIコードからなるMIDIメッセージM1 、M2 、M3 、…とを対応させて同期演奏情報を順次作成し内部メモリ141に記憶する。そして、演奏を終了して同期再生を行う際には、CDプレーヤ12においてCD11を再生させると、MIDIシーケンサ14は、タイムコード再生部13から出力されるタイムコードを順次入力して、その入力したタイムコードと等しいタイムコードを同期演奏情報から検索し、対応するMIDIメッセージを順次MIDI音源モジュール15へ出力して再生させる。
これにより、CDの再生音楽に合わせて電子楽器により演奏された演奏情報が記憶されると共に、CDの再生音楽と電子楽器による演奏を同期させて繰り返し再生させることができる。」(段落【0021】、【0022】、図4)

(c)当審の判断
(c1)対比
補正後発明1と引用例1に記載の発明とを対比すると、
(i)引用例1には、光ディスク(6)より光学ピックアップ(7)にて再生された再生信号が再生回路(8)に供給され、この再生回路(8)より伴奏にあたる音声信号が供給されることが記載されており(引用例1の上記エの記載参照)、引用例1に記載の発明も、補正後発明1と同様の「音楽情報ソースから音楽情報を得て音楽信号として出力する音楽信号出力手段」を有するものといえる。
(ii)引用例1には、光学ディスク(6)に、伴奏データを記録すると共に、例えばサブコードエリア等に、主旋律データ(歌の旋律音データ)を記録し、光学ピックアップ(7)にて再生された再生信号が再生回路(8)に供給され、この再生回路(8)より加算器(10)に伴奏にあたる音声信号が供給される一方、再生回路(8)よりのディジタル信号が主旋律検出部(9)に供給され、主旋律データが抽出され、演算部(5)に入力され、その演算部(5)は、歌い手の歌った音声信号、即ち主旋律の旋律音のピッチを検出して、ピッチデータを得、演算部(5)は、そのピッチデータと主旋律検出部(9)よりの主旋律データに基づいて補正量の演算を行うことが記載されており(引用例1の上記ウ?オの記載参照)、上記主旋律データは、歌い手の歌う主旋律の音程を補正するための基準となるものであるから、補正後発明1でいう「基準となる音程値」に対応するものといえる。
してみれば、引用例1に記載の発明も、音程情報が、“前記音楽信号出力手段から出力される音楽信号に対応するように、所定のタイミングと基準となる音程値が対応されたデータ単位に複数設けられて形成されている”点は別として、「所定の情報ソースから基準となる音程値を含む音程情報を入力する音程情報入力手段」を有するものといえ、その点では、補正後発明1と変わりがない。
(iii)引用例1には、カラオケ用の伴奏データ以外に歌に相当する主旋律データを予め記録した光学ディスク(6)を再生して、主旋律データを得、この主旋律データと、マイクロフォンから歌い手の歌った主旋律を処理して得たピッチデータとを比較して、この結果に基いた制御信号によって、歌い手の歌う主旋律を補正して出力するようにしているので、再生された伴奏データに対して、歌い手の歌う主旋律の音程を良好にすることが記載されており(引用例1の上記ア、イ、エ、オの記載参照)、引用例1に記載の発明も、“音程情報のデータ単位における所定のタイミングとなった時点で”照合する点は別として、補正後発明1でいう「前記音楽信号出力手段からの前記音楽情報の出力中に、前記マイクロホン入力手段から入力される音声信号の音程と前記音程値とを照合し、該照合結果に基づいて補正情報を発生させる音程補正情報発生手段」を有するものといえ、その点では、補正後発明1と変わりがない。
(iv)引用例1の上記ア?オの記載によれば、引用例1に記載の「マイクロフォン(1)」、「ピッチコントローラ(3)」及び「加算器(10)」は、それぞれ補正後発明1の「マイクロホン」、「音程可変手段」及び「ミキシング手段」に相当することは明らかであり、また、引用例1に記載の発明が、「マイクミキシングシステム」を対象としている点でも、補正後発明1と変わりがない。
(c2)一致点
以上の点(i)ないし(iv)を踏まえると、補正後発明1と引用例1に記載の発明とは、
「音楽情報ソースから音楽情報を得て音楽信号として出力する音楽信号出力手段と、
所定の情報ソースから基準となる音程値を含む音程情報を入力する音程情報入力手段と、
マイクロホン入力手段と、
前記音楽信号出力手段からの前記音楽情報の出力中に、前記マイクロホン入力手段から入力される音声信号の音程と前記音程値とを照合し、該照合結果に基づいて補正情報を発生させる音程補正情報発生手段と、
前記音程補正情報発生手段からの前記補正情報に基づいて前記マイクロホン入力手段から入力される前記音声信号の音程を変化させる音程可変手段と、
前記音程可変手段からの出力信号と、前記音楽信号出力手段からの前記音楽信号をミキシングして出力するミキシング手段とを備えて構成されることを特徴とするマイクミキシングシステム。」である点で一致し、次の点で相違する。
(c3)相違点
相違点1
音程情報入力手段から入力される音程情報が、補正後発明1では、「前記音楽信号出力手段から出力される音楽信号に対応するように、所定のタイミングと基準となる音程値が対応されたデータ単位に複数設けられて形成されている」ものであるのに対して、引用例1に記載の発明では、主旋律データ(基準となる音程値を含む)である点。
相違点2
補正後発明1では、「前記音程情報の前記データ単位における前記所定のタイミングとなった時点で」前記マイクロホン入力手段から入力される音声信号の音程と前記音程値とを照合するものであるのに対して、引用例1に記載の発明では、そのことが明確でない点。
(c4)相違点の検討
そこで、上記各相違点について検討する。
相違点1について
引用例2には、タイムコードT1 、T2 、T3 、…と所定数のMIDIコードからなるMIDIメッセージM1 、M2 、M3 、…とを対応させて同期演奏情報を順次作成し内部メモリ141に記憶し、同期再生を行う際には、CD11を再生させ、タイムコードを順次入力して、その入力したタイムコードを同期演奏情報から検索し、そのタイムコードに対応するMIDIメッセージを順次再生させ、これにより、再生音楽と演奏を同期させて再生させることが記載されており(引用例2の上記カ、図4の記載参照)、言い換えると、引用例2には、“所定のタイミング(タイムコード)と演奏情報(MIDIメッセージ)が対応されたデータ単位に複数設けられて形成されている”同期演奏情報を用いて、そのデータ単位における所定のタイミング(タイムコード)となった時点の演奏情報(MIDIメッセージ)を求めて、再生音楽と演奏を同期させる技術が開示されている。
そして、引用例1に記載の発明は、カラオケ用の伴奏データ以外に歌に相当する主旋律データを予め記録した光学ディスクを再生して、主旋律データを求めて、この主旋律データと、マイクロフォンから歌い手の歌った主旋律を処理して得たピッチデータとを演算部で比較し、この結果に基いた制御信号によって、歌い手の歌う主旋律を補正して出力するようにして、再生された伴奏データに対して、歌い手の歌う主旋律の音程を良好にするものであり(引用例1の上記イ、エ、オの記載参照)、そのようなカラオケ用の伴奏データ以外の歌に相当する主旋律データ(基準となる音程値)は、通常、その音楽信号(伴奏データ)のタイミングと対応(同期)させることが普通の態様である。
してみると、引用例1に記載の発明において、音楽信号(伴奏データ)に対応(同期)する所定のタイミングの基準となる音程値(主旋律データ)を求めるために、その音程情報を、引用例2の技術を適用して、“所定のタイミングと基準となる音程値が対応されたデータ単位に複数設けられて形成されている”ように構成し、音楽信号(伴奏データ)と基準となる音程値を対応(同期)させる程度のことは当業者が適宜なし得ることといえる。
すなわち、引用例1に記載の発明において、音程情報入力手段から入力される音程情報を、補正後発明1のように、「前記音楽信号出力手段から出力される音楽信号に対応するように、所定のタイミングと基準となる音程値が対応されたデータ単位に複数設けられて形成されている」ように構成する程度のことは当業者が適宜なし得ることといえる。
相違点2について
上記相違点1でも検討したように、上記相違点1の構成は、データ単位における所定のタイミング時点の基準となる音程値を求めることが前提であり、補正後発明1が、音程情報として、上記相違点1の構成を採用したことに伴い、“前記データ単位における前記所定のタイミングとなった時点で”基準の音程値を求めて、その音程値と前記マイクロホン入力手段から入力される音声信号の音程とを照合する、すなわち、補正後発明1のように「前記音程情報の前記データ単位における前記所定のタイミングとなった時点で」前記マイクロホン入力手段から入力される音声信号の音程と前記音程値とを照合する程度のことは当業者が適宜になし得ることといえる。

そして、これら相違点を総合的に考慮しても、補正後発明1は容易に推考し得るものであり、補正後発明1の効果についてみても格別顕著なものがあるとはいえない。
したがって、補正後発明1は、引用例1及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

(3)むすび
以上、本件補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成16年9月13日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし3に係る発明は、平成16年2月23日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載した事項により特定されるとおりのものと認められるところ、そのうち、請求項1に係る発明は、以下のとおりのものである。
「【請求項1】 音楽情報ソースから音楽情報を得て音楽信号として出力する音楽信号出力手段と、
所定の情報ソースから前記音楽信号出力手段から出力される音楽信号に対応するように、所定のタイミングと基準となる音程値が対応されたデータ単位に複数設けられて形成されている音程情報を入力する音程情報入力手段と、
マイクロホン入力手段と、
前記音楽信号出力手段からの前記音楽情報の出力中に、前記音程情報の前記データ単位における前記所定のタイミングとなった時点で前記マイクロホン入力手段から入力される音声信号の音程を前記データ単位における前記音程値と照合し、該照合結果に基づいて補正情報を発生させる音程補正情報発生手段と、
前記音程補正情報発生手段からの前記補正情報に基づいて前記マイクロホン入力手段から入力される前記音声信号の音程を変化させる音程可変手段と、
前記音程可変手段からの出力信号と、前記音楽信号出力手段からの前記音楽信号をミキシングして出力するミキシング手段とを備えて構成されることを特徴とするマイクミキシングシステム。」

(1)引用例
原査定の拒絶理由で引用された引用例、および、その記載事項は、前記「2.(2-3)(b)」に記載したとおりである。

(2)当審の判断
本願の請求項1に係る発明は、前記2.で検討した補正後発明1と、実質的な差異はない。
そうすると、補正後発明1が、前記「2.(2-3)(c)」に記載したとおり、引用例1及び2に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、本願の請求項1に係る発明も、同様の理由により、引用例1及び2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用例1及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、残る請求項2及び3に係る各発明について検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-09-13 
結審通知日 2006-09-19 
審決日 2006-10-02 
出願番号 特願平7-88606
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G10K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 荏原 雄一山下 剛史  
特許庁審判長 原 光明
特許庁審判官 西谷 憲人
堀井 啓明
発明の名称 マイクミキシングシステム  
代理人 脇 篤夫  
代理人 鈴木 伸夫  
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