ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B65D |
---|---|
管理番号 | 1147314 |
審判番号 | 不服2006-4245 |
総通号数 | 85 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2003-09-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2006-03-08 |
確定日 | 2006-11-16 |
事件の表示 | 特願2002- 64917「個装箱」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 9月25日出願公開、特開2003-267387〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯・本願発明 本願は、平成14年3月11日に出願されたものであって、平成18年2月2日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成18年3月8日に拒絶査定に対する審判請求がなされたものであって、その請求項1に係る発明は、平成17年10月27日付け手続補正書によって補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のものと認められる(以下、本願発明という)。 【請求項1】製品を収容する未印刷の個装箱において、 外壁面の少なくとも一部に、該個装箱に収容される製品に関する事項が記載されたシートが、剥離自在に貼着されてなることを特徴とする個装箱。 2.引用文献の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用された本願出願前に頒布された刊行物である特開平10-10978号公報(以下、「引用文献1」という)には、以下の事項a?dが記載されている。 a:本発明は、医療材料又はそのパッケージに、情報の記載された剥離自在な複数のデータラベルを張り付けたことを特徴としている。(段落【0007】) b:この実施例で使用しているデータラベル2,3は、自由に剥がして、他の紙などに貼り直すことができるように裏面に接着剤が塗布したものを使用している。(段落【0010】) c:データラベルは2,3は、医療材料そのものに直接貼付するのが望ましいが、医療材料を収容する箱や袋などのパッケージに貼付してもよい。(段落【0011】) d:医療材料によっては、保険請求ができないものもあるが、データラベル2,3にはその情報も記載しておくことができる・・・・(段落【0014】) a?cの記載からみて、引用文献1には、「医療材料を収容する箱において、情報の記載されたデータラベルを、剥離自在に貼り付けた箱。」の発明が記載されているものと認められる。 同じく、原査定の拒絶の理由に引用された本願出願前に頒布された刊行物である特開2001-31174号公報(以下、「引用文献2」という)には、以下の事項eが記載されている。 e:収納空間形成部材に着脱自在に取り付けられ、・・・トイレ機器の種類・・・を表示する表示部材を有するので、収納空間形成部材には、トイレ機器の種類・・・を表示する表示部が不要となる。(段落【0006】) f:段ボール材で製作された外装箱体1には、梱包する衛生洗浄装置の仕様を示す表示は記載されていない。・・・もちろん、この外装箱体3にも、梱包する衛生洗浄装置の仕様を示す表示は記載されていない。(段落【0013】?【0014】) e,fの記載からみて、引用文献2には、表示部材を外装箱体に着脱自在に取り付けた梱包材において、外装箱体に表示が記載されていないものを用いたことが記載されている。 3.対比 本願発明と、引用文献1に記載された発明とを対比する。 引用文献1に記載された発明の「医療材料」「箱」「情報の記載されたデータラベル」「剥離自在に貼り付けた」は、本願発明の「製品」「個装箱」「収容される製品に関する事項が記載されたシート」「剥離自在に貼着」にそれぞれ相当し、引用文献1の「データラベル」が貼着されるのは、「箱」の外壁面の少なくとも一部であることは、明らかである。 したがって、本願発明と、引用文献1に記載された発明とは、<一致点>製品を収容する個装箱において、外壁面の少なくとも一部に、該個装箱に収容される製品に関する事項が記載されたシートが、剥離自在に貼着されてなる個装箱。 で一致し、<相違点>本願発明が、個装箱が未印刷であるのに対し、引用文献1には、未印刷である旨の記載はない点。 で相違する。 4.判断 上記<相違点>について検討する。 表示部材を容器に対し着脱自在としたものにおいて、その容器として未印刷のものを用いることは、引用文献2に記載されており(引用文献2の「表示が記載されていない」は、未印刷と同義であると認められる)、引用文献1に記載された発明の「箱」として、未印刷のものを採用することは、当業者であれば容易になし得ることである。また、本願発明の効果は、引用文献1,2に記載された発明から、当業者であれば予測できる程度のものであって格別なものではない。 5.むすび したがって、本願発明は、引用文献1,2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-09-13 |
結審通知日 | 2006-09-19 |
審決日 | 2006-10-05 |
出願番号 | 特願2002-64917(P2002-64917) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(B65D)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 武内 大志 |
特許庁審判長 |
寺本 光生 |
特許庁審判官 |
宮崎 敏長 石田 宏之 |
発明の名称 | 個装箱 |
代理人 | 山田 正紀 |
代理人 | 小杉 佳男 |
代理人 | 三上 結 |