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審決分類 審判 査定不服 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) D02J
審判 査定不服 特36 条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) D02J
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) D02J
管理番号 1147405
審判番号 不服2002-19707  
総通号数 85 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1996-04-09 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-10-10 
確定日 2006-11-15 
事件の表示 平成 6年特許願第221615号「インターレースノズル」拒絶査定不服審判事件〔平成 8年 4月 9日出願公開、特開平 8- 92839〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成6年9月16日の特許出願であって、平成14年5月30日付けで拒絶理由が通知され、その指定期間内である同年7月8日付けで意見書が提出され、同年9月3日付けで拒絶査定がされたところ、同年10月10日に審判が請求されるとともに、同年11月6日付けで願書に添付した明細書の補正(以下、「審判時補正」という。)がされたものであり、その後、当審において、平成18年5月26日付けで拒絶理由を通知し、その指定期間内である同年7月27日付けで、意見書及び手続補正書が提出されたものである。

2.本願発明
明細書の請求項1?3に記載された発明(以下、「本願発明1」?「本願発明3」という。)は、それぞれ、平成18年7月27日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1?3に記載されるとおりの以下のものである。
「【請求項1】細管状の糸道部と該糸道部内に少なくとも1個以上開口した流体噴射孔Aiを有するループヤーン製造用のインターレースノズルにおいて、糸道部が糸条入口側にある1個以上の糸条導入部Yiと、それに連続して設けられた流体処理部Ytに分かれてなり、糸条導入部Yiの流体処理部に近接した開口面積Aと、流体処理部Ytの糸条導入部に近接した開口面積Bで表される開口面積比B/Aが1.5≦B/A≦30の関係を満たし、糸条導入部Yiと流体処理部Ytの境界線Cから、流体噴射孔Aiの中心線と糸条導入部Yiの中心線とが交わる点Dまでの距離aが0.5mm以上10mm以下となることを特徴とするインターレースノズル。
【請求項2】糸条導入部Yiの中心線lYと流体噴射孔Aiの中心線lAのなす流体噴射角度θが50°以上110°以下であることを特徴とする請求項1記載のインターレースノズル。
【請求項3】糸道部にスリットを有していることを特徴とする請求項1または2項記載のインターレースノズル。」

3.原査定の拒絶の理由及び当審が通知した拒絶理由の概要
3-1.原査定の拒絶の理由の概要
本願の出願当初の明細書の特許請求の範囲の請求項1?3に係る発明は、特開平6-184850号公報に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、これについては特許を受けることができない。

3-2.当審が通知した拒絶理由の概要
審判時補正により補正された明細書については、
(理由1)特許請求の範囲の請求項1?3は、特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項のみを記載したものではないから、特許法第36条第5項及び第6項に規定する要件を満たしていない、
(理由2)発明の詳細な説明は、当業者が容易に以下の発明の実施をすることができる程度に、その発明の目的、構成及び効果を記載したものでないから、特許法第36条第4項に規定する要件を満たしていない、
というものである。

4.当審が通知した拒絶理由についての検討
4-1.本願明細書の記載不備として当審が通知した拒絶理由の概要
「3-2.」における(理由1)及び(理由2)は、概略、以下の(1)?(10)の内容である。

4-1-1.(理由1)に関して
(1)「糸道部」及びそれを備える「インターレースノズル」の構造が不明である。
(2)「流体処理部Ytの糸条出口側の開口面積B」が、どの箇所における横断面の面積を意味するのかが不明確である。
(3)「糸条導入部Yiの流体処理部側の開口面積A」が、どの箇所における横断面の面積を意味するのかが不明確で、特定できない。
(4)「糸条導入部Yi」が複数ある場合の、開口面積Aの意味するところが明確でない。
(5)「糸条導入部Yi」の形状が不明である。すなわち、途中で、径や形状が変化しているものまでを包含するという趣旨なのか?
(6)「流体処理部Yt」の形状が不明である。すなわち、途中で、径や形状が変化しているもの、例えば、テーパー状に径が拡大していくものまでを包含するという趣旨なのか?
(7)「流体噴射孔Ai」が複数ある場合の、「流体噴射孔Aiの中心線と糸条導入部Yiの中心線とが交わる点D」の意味するところが明確でない。
(8)請求項3に記載の「スリット」の位置、形状、目的又は技術的意味が不明であるから、インターレースノズルの構造が不明である。

4-1-2.(理由2)に関して
(9)発明の詳細な説明には、「開口面積比B/A」が記載されるだけで、「開口面積A」及び/又は「開口面積B」の具体的な値が記載されていない。
特定の「開口面積比B/A」の値を実現するための「開口面積A」及び「開口面積B」の組合せが、極めて多数あることは自明であるから、「開口面積A」及び「開口面積B」を定めることは、当業者にとっても過度の試行錯誤を要求するものである。
なお、実施例においては、段落0033に記載されるとおり、特定のデニール数の芯糸及び鞘糸を供給糸に採用しているが、糸条導入部Yiにおける供給糸とのクリアランスが特定されている、又は、自明であるとも認められないから、実施例においても、「開口面積A」は不明である。
(10)発明の詳細な説明には、流体噴射孔の径が記載されていないが、ループ形成能力や開繊能力が、流体噴射孔の径、流体噴射角度及び流体噴射量等の組合せによって変化することは明らかであるから、発明の課題を解決するために最適の流体噴射孔の径を定めることは、当業者にとっても過度の試行錯誤を要求するものである。また、当業者が、発明の詳細な説明に記載の実施例の追試をすることも極めて困難である。

4-2.当審が通知した拒絶理由に応答してされた明細書の補正の概要
4-2-1.特許請求の範囲の補正
審判時補正により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1について、
「細管状の糸道部と該糸道部内に少なくとも1個以上開口した流体噴射孔Aiを有するループヤーン製造用のインターレースノズルにおいて、糸道部が糸条入口側にある1個以上の糸条導入部Yiと、それに連続して設けられた流体処理部Ytに分かれてなり、糸条導入部Yiの流体処理部側の開口面積Aと、それに近接する流体処理部Ytの糸条出口側の開口面積Bで表される開口面積比B/Aが1.5≦B/A≦30の関係を満たし、糸条導入部Yiと流体処理部Ytの境界線Cから、流体噴射孔Aiの中心線と糸条導入部Yiの中心線とが交わる点Dまでの距離aが0.5mm以上10mm以下となることを特徴とするインターレースノズル。」を、
「細管状の糸道部と該糸道部内に少なくとも1個以上開口した流体噴射孔Aiを有するループヤーン製造用のインターレースノズルにおいて、糸道部が糸条入口側にある1個以上の糸条導入部Yiと、それに連続して設けられた流体処理部Ytに分かれてなり、糸条導入部Yiの流体処理部に近接した開口面積Aと、流体処理部Ytの糸条導入部に近接した開口面積Bで表される開口面積比B/Aが1.5≦B/A≦30の関係を満たし、糸条導入部Yiと流体処理部Ytの境界線Cから、流体噴射孔Aiの中心線と糸条導入部Yiの中心線とが交わる点Dまでの距離aが0.5mm以上10mm以下となることを特徴とするインターレースノズル。」と補正する。
請求項2、3についての補正はない。

すなわち、請求項1に記載された、
「糸条導入部Yiの流体処理部側の開口面積A」を、「糸条導入部Yiの流体処理部に近接した開口面積A」と補正し、
「それに近接する流体処理部Ytの糸条出口側の開口面積B」を、「流体処理部Ytの糸条導入部に近接した開口面積B」と補正したものである。

4-2-2.発明の詳細な説明等の補正
請求項1の補正に伴って、発明の詳細な説明及び図面の簡単な説明における、請求項1の記載に略対応する箇所を補正した。

4-3.当審が通知した拒絶理由に対する審判請求人の主張
4-1.で述べた理由(2)、(3)、(5)、(6)及び(9)に対して、請求人は、概略、以下のとおり、主張している。

4-3-1.理由(2)に対して
「流体処理部Ytの糸条導入部に近接した開口面積B」と補正したことにより、理由(2)は解消した。また、明細書の段落0014や0015の記載とも整合し、図1のBの矢印の位置と不整合も解消した。

4-3-2.理由(3)に対して
補正前の「糸条導入部Yiの流体処理部側の開口面積A」は、図1及び図2に示されたとおり、糸条導入部と流体処理部との境界線Cに近傍した糸条導入部Yiの横断面積を意味する。したがって、「糸条導入部Yiの流体処理部に近接した開口面積A」と補正したことにより、開口面積Aは明確となり、特定が可能である。

4-3-3.理由(5)に対して
断面形状についてはいずれの形状についても使用できる。本願発明において、糸条導入部Yiと流体処理部Ytは断面形状及び断面積がどの部分でも同じであることが基本であるが、本願発明の特徴の1つが糸道の面積を急激に変化することであることを鑑みれば、開口面積比B/Aが1.5≦B/A≦30となっていればよく、断面形状及び断面積の多少の変化は許容される。

4-3-4.理由(6)に対して
4-3-3.で述べたと同様に、糸条導入部Yiと流体処理部Ytは断面形状及び断面積がどの部分でも同じであることが基本であるが、断面形状及び断面積の多少の変化は許容される。

4-3-5.理由(9)に対して
開口面積Aや開口面積Bについては、糸道部の径についての従来からの知見が豊富にあり、繊維の太さによってどの程度の開口面積を必要とするのかは、当業者にとって自明、もしくは当業者の多少の試行錯誤により決定可能である。すなわち、従来からの知見により繊維の太さから開口面積A(糸条導入部)は適宜決定でき、開口面積Aが決まれば「開口面積比B/Aが1.5≦B/A≦30」となるように多少の試行錯誤により開口面積Bを決定することができ、過度の試行錯誤とはならない。
なお、糸道部の径については、例えば前記の特開昭58-197334号公報(表1)や特開平6-212526号公報(表1)等に記載されている。

4-4.当審が通知した拒絶の理由(2)、(3)及び(9)についての検討
4-4-1.理由(2)について
4-2-1.で述べたように、「糸条導入部Yiの流体処理部側の開口面積A」が、「糸条導入部Yiの流体処理部に近接した開口面積A」と補正された。
しかしながら、補正後の請求項1の記載では、「開口面積A」がどの箇所における横断面の面積を意味するのかが明確になったということはできない。以下、詳述する。
第1に、補正後の「糸条導入部Yiの流体処理部に近接した」という規定は、「近接」という特定自体あいまいなものであって、糸条導入部と流体処理部との境界面からの離隔範囲が一義的に特定されるものとは認められず、また、本願の明細書に、「近接」の範囲を特定するような記載も見当たらないから、結局、どの箇所における横断面の面積を意味するのかは不明である。
第2に、4-3-3.で摘示したように、理由(5)に関わって、請求人は、糸条導入部は断面形状及び断面積がどの部分でも同じであることが基本であるが、「多少の変化は許容される」旨を主張している。とすれば、「糸条導入部Yiの流体処理部に近接」の範囲であっても、位置が異なれば、開口面積Aが異なることとなる。本願各発明は、「開口面積比B/Aが1.5≦B/A≦30」の不等式関係を満たすものであり、開口面積Aは、式B/Aの分母であるから、開口面積Aの変動によるB/Aの変動幅は大きいと解されるところ、補正後の「糸条導入部Yiの流体処理部に近接した」との規定によって、開口面積Aが一義的に定まらないとすれば、上記の不等式関係を満たすインターレースノズルの範囲は不明りょうである。
第3に、「糸条導入部Yiの流体処理部に近接した開口面積A」との記載によれば、「開口面積A」、すなわち、何らかの位置ではなく、「面積」が、流体処理部に近接していることとなり、字句配列においても、開口面積Aを定める「箇所」を、特定してはいない。(なお、仮に、「開口部の面積A」と表現すれば、字句上は、一応、箇所の特定がある記載となるが、「…流体処理部に近接した開口部…」ということとなり、結局、どの箇所を特定しているのかは不明となる。)
したがって、理由(2)の点において、補正後の請求項1の記載には不備がある。

4-4-2.理由(3)について
4-2-1.で述べたように、「それに近接する流体処理部Ytの糸条出口側の開口面積B」が、「流体処理部Ytの糸条導入部に近接した開口面積B」と補正された。
しかしながら、補正後の請求項1の記載では、「開口面積B」がどの箇所における横断面の面積を意味するのかが明確になったということはできない。以下、詳述する。
第1に、補正後の「流体処理部Ytの糸条導入部に近接した」という規定は、「近接」という特定自体あいまいなものであって、流体処理部と糸条導入部との境界面からの離隔範囲が一義的に特定されるものとは認められず、また、本願の明細書に、「近接」の範囲を特定するような記載も見当たらないから、結局、どの箇所における横断面の面積を意味するのかは不明である。
第2に、4-3-4.で摘示したように、理由(6)に関わって、請求人は、流体処理部は断面形状及び断面積がどの部分でも同じであることが基本であるが、「多少の変化は許容される」旨を主張している。とすれば、「流体処理部Ytの糸条導入部に近接」の範囲であっても、位置が異なれば、開口面積Bが異なることとなる。本願各発明は、「開口面積比B/Aが1.5≦B/A≦30」の不等式関係を満たすものであるところ、補正後の「流体処理部Ytの糸条導入部に近接した」との規定によっては、開口面積Bが一義的に定まらないとすれば、上記の不等式関係を満たすインターレースノズルの範囲は不明りょうである。
第3に、「流体処理部Ytの糸条導入部に近接した開口面積B」との記載によれば、「開口面積B」、すなわち、何らかの位置ではなく、「面積」が、糸条導入部に近接していることとなり、字句配列においても、開口面積Bを定める「箇所」を、特定してはいない。(なお、仮に、「開口部の面積B」と表現すれば、字句上は、一応、箇所の特定がある記載となるが、「…糸条導入部に近接した開口部…」ということとなり、結局、どの箇所を特定しているのかは不明となる。)
したがって、理由(3)の点において、補正後の請求項1の記載には不備がある。

4-4-3.理由(9)について
4-3-5.で摘示した請求人の主張を整理すると、請求人は、
第1に、「開口面積Aや開口面積Bについては、糸道部の径についての従来からの知見が豊富」である旨、
第2に、「繊維の太さによってどの程度の開口面積を必要とするのかは、当業者にとって自明、もしくは当業者の多少の試行錯誤により決定可能である」から、「繊維の太さから開口面積A(糸条導入部)は適宜決定」できる旨、
第3に、「開口面積Aが決まれば、多少の試行錯誤により開口面積Bを決定することができ、過度の試行錯誤とはならない」旨、を主張している。

しかしながら、本願各発明は、ループヤーン製造用のインターレースノズルに係るものであって、本願明細書の段落0015に「本発明のインターレースノズルは急激に糸道の面積が変化していることで、全体として流体の流れは糸条走行方向に流れ、糸条を高オーバーフィード率でノズルに供給した際においても、ノズル入口で弛みや溜りを生じさせることなく、流体処理部に導くこととなるため、糸条に安定して均一なループを付与することが可能となる。」と記載され、また、請求人が、意見書において、「本願発明においては糸道の面積に急激な変化を持たせることが特徴の1つ」と主張しているように、開口面積比B/Aが1.5≦B/A≦30の関係を満たすような、糸道の面積における急激な変化を発明の特徴に備えることにより、ループヤーン製造用のインターレースノズルにおける特有の効果を奏するものであるとされている。
そうであるとすれば、開口面積Aと開口面積Bが、いずれもインターレースノズルの糸道部の径の値として知られていたかどうかにかかわらず、ループヤーン製造用のインターレースノズルの糸道部における開口面積Aと開口面積Bとの組合せについて、当業者の知見が豊富に存在することはあり得ないから、第1の主張には根拠がない。

次に、「繊維の太さから開口面積A(糸条導入部)は適宜決定」できるかどうかについては、仮に、請求人が主張するように、一般的なインターレースノズルにおいて、「繊維の太さによってどの程度の開口面積を必要とするのかは、当業者にとって自明、もしくは当業者の多少の試行錯誤により決定可能である」とはしても、本願各発明は、ループヤーン製造用のインターレースノズルに係るものであって、芯鞘糸条を高いオーバーフィード率で供給した際にも、糸条に安定したループを付与することが可能となるという、ループヤーン製造用のインターレースノズルに特有の作用を奏するものであるから、その際、「繊維の太さから開口面積A(糸条導入部)は適宜決定」できると認めることはできない。なお、請求人も、ループヤーン製造用のインターレースノズルにおいて、「繊維の太さによってどの程度の開口面積を必要とするのかは、当業者にとって自明、もしくは当業者の多少の試行錯誤により決定可能である」と明示的に主張しているものではない。
したがって、第2の主張も採用できない。

更に、開口面積Aが容易に決まらない以上、多少の試行錯誤により開口面積Bを決定することができるということはできない。
加えて、当審の拒絶理由通知において、「発明の詳細な説明には、「開口面積比B/A」が記載されるだけで、「開口面積A」及び/又は「開口面積B」の具体的な値が記載されていない。」こと、及び、「実施例においても、「開口面積A」は不明である。」ことを具体的に指摘したのに対して、意見書及び手続補正書をみても、実施例における「開口面積A」についての釈明もない。
したがって、第3の主張も、主張の前提において誤っているから、採用できない。

よって、発明の詳細な説明は、理由(9)の点において、当業者が容易に請求項1?3に係る発明を実施することができる程度に記載したものではない。

なお、請求人は、糸道部の径についての当業者の知見に関わって、特開昭58-197334号公報と特開平6-212526号公報を提示しているが、これら公報は、「流体処理性能が良好で且つ糸掛け性の容易な流体加工ノズル」及び「糸条に交絡と集束性を付与するインターレース装置」が記載されているものの、「ループヤーン製造用のインターレースノズル」に関する技術を開示するものではないから、本願発明1?3を実施するに当たって「開口面積A」を選択するに際して、特段の示唆があるものとは認められない。

4-5.まとめ
本願の明細書の特許請求の範囲の請求項1の記載では、少なくとも、「開口面積A」及び「開口面積B」がどの箇所における横断面の面積であるのかが不明であるから、特許請求の範囲の請求項1、及び請求項1を引用する請求項2及び3は、特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項のみを記載したものではない。
また、本願の明細書の発明の詳細な説明は、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に請求項1?3に係る発明の実施をすることができる程度に、その発明の目的、構成及び効果を記載したものではない。

4-6.むすび
以上のとおりであるから、本願は、その明細書の記載が、特許法第36条第4項、並びに、第5項第2号及び第6項に規定する要件を満たしていないものである。
したがって、本願は、平成18年5月26日付けで当審が通知した拒絶の理由により拒絶をすべきものである。

よって、結論のとおり、審決する。
 
審理終結日 2006-08-29 
結審通知日 2006-09-05 
審決日 2006-09-21 
出願番号 特願平6-221615
審決分類 P 1 8・ 534- WZ (D02J)
P 1 8・ 531- WZ (D02J)
P 1 8・ 121- WZ (D02J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 平井 裕彰  
特許庁審判長 石井 淑久
特許庁審判官 野村 康秀
澤村 茂実
発明の名称 インターレースノズル  

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