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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 産業上利用性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1148725
審判番号 不服2004-18107  
総通号数 86 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-08-09 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-09-02 
確定日 2006-12-26 
事件の表示 特願2001- 17334「納期調整システム」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 8月 9日出願公開、特開2002-222240、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成13年1月25日の出願であって、その特許請求の範囲の請求項1ないし4に係る発明は、平成16年9月24日付の各手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載される次のとおりのものである。
「【請求項1】 ネットワークを介して互いに接続された第1端末、第2端末及びサーバを用いてユーザに提供する商品あるいはサービスの納期を調整するシステムであって、
前記第1端末から前記サーバに前記商品あるいはサービスの納期遅れを許容する第1ユーザのユーザデータ及び遅れ許容期間データを供給し、
前記第2端末から前記サーバに前記商品あるいはサービスの納期短縮を要求する第2ユーザのユーザデータ及び短縮期間データを供給し、
前記サーバは、
前記第1ユーザのユーザデータ、商品あるいはサービスの仕様データ及び遅れ許容期間データ、並びに前記第2ユーザのユーザデータ、商品あるいはサービスの仕様データ、及び短縮期間データを記憶するユーザデータ記憶手段と、
前記第1ユーザの商品あるいはサービス、及び前記第2ユーザの商品あるいはサービスの進行状況を記憶する状況記憶手段と、
前記第2ユーザからの前記短縮期間データに応じ、前記ユーザデータ記憶手段にアクセスして前記許容期間データで特定される許容期間のうち前記第2ユーザの前記短縮期間データで特定される短縮期間を満たすユーザデータを、前記許容期間と前記短縮期間とが一致するか否かを判定することで抽出し、抽出したユーザデータの商品あるいはサービスの進行状況から前記納期短縮に伴う仕様変更に対応可能な商品あるいはサービスのユーザデータを前記状況記憶手段にアクセスしてさらに抽出し、前記第1ユーザの商品あるいはサービス、及び前記第2ユーザの商品あるいはサービスの納期を管理する管理部に対して両ユーザの納期を互いに交換する納期変更を出力する処理手段と、
を有し、
前記商品は車両であり、
前記ユーザデータ記憶手段は、前記第1ユーザが発注した車両の仕様データ、第2ユーザが発注した車両の仕様データを記憶し、
前記状況記憶手段は、前記第1ユーザの発注に係る車両の生産進行状況、及び前記第2ユーザの発注に係る車両の生産進行状況を記憶し、
前記処理手段は、前記ユーザデータ記憶手段にアクセスして抽出したユーザデータの車両の生産進行状況からその車両仕様を前記第2ユーザの発注に係る車両仕様に変更できる場合に該ユーザデータをさらに抽出する
ことを特徴とする納期調整システム。

【請求項2】 請求項1記載のシステムにおいて、
前記状況記憶手段は、前記車両の進行状況として、少なくとも生産待ちステージ、生産開始ステージ、生産完了ステージの3つのステージで前記進行状況を記憶し、
前記処理手段は、前記ユーザデータ記憶手段にアクセスして抽出したユーザデータの車両進行状況が前記生産待ちステージである場合には該ユーザデータをさらに抽出し、生産開始ステージである場合にはそれ以降に前記第2ユーザの発注に係る車両仕様に変更可能な場合のみ該ユーザデータをさらに抽出し、生産完了ステージである場合には該ユーザデータを抽出しない
ことを特徴とする納期調整システム。

【請求項3】 請求項1、2のいずれかに記載のシステムにおいて、
前記処理手段は、前記第2ユーザに対して前記抽出されたユーザデータを送信し、前記第2ユーザからの応答を受信した場合に前記管理部に対して出力することを特徴とする納期調整システム。
【請求項4】 請求項3記載のシステムにおいて、
前記第1端末から前記サーバに前記遅れ許容期間データに応じた割引金額データを供給し、
前記第2端末から前記サーバに前記短縮期間データに応じた追加料金データを供給し、
前記処理手段は、前記第2ユーザに対して前記抽出されたユーザデータを、前記追加料金データで特定される追加料金と前記割引金額データで特定される割引料金が近い順にリスト形式で送信することを特徴とする納期調整システム。」

2.原査定の理由の概要
原査定の拒絶の理由の概要は、次のとおりである。
本願発明は、機能等を実現するために、どの様なハードウエア資源を利用して、どの様な処理を行っているのか具体的に記載されていないから、自然法則を利用した技術思想の創作に当たらず、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていないので、特許を受けることができない。
また、本願発明は、構成である処理が具体的に記載されていないから、発明の構成を明確に特定できず、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

3.当審の判断
本願は、「・・・ユーザデータ記憶手段にアクセスして・・・許容期間と・・・短縮期間とが一致するか否かを判定することで抽出し、・・・進行状況から・・・仕様変更に対応可能な・・・ユーザデータを・・・状況記憶手段にアクセスしてさらに抽出・・・処理手段」と記載されるように、記憶手段に記憶されたデータにアクセスしてデータを抽出し、そして、他の記憶手段に記憶されたデータにアクセスしてさらに抽出することによりユーザデータを絞り込むとの、2段階の抽出を行うという具体的な処理が示されているものである。
また、本願の、「進行状況」とのデータから「仕様変更に対応可能な」ものを判断することについては、各仕様に係る各工程を行っている生産ラインの、生産の進行の状況を示すデータである「進行状況」により、各仕様変更に対応可能かの判断が可能であると当業者が理解できるものであることから、当業者が当該判断する構成を特定できないとはいえない。

4.むすび
以上のとおりであるから、本願は、請求項1ないし4の記載が、自然法則を利用した技術思想の創作に当たらないとも、発明の構成が明確に特定できないともすることができない。したがって、本願については、原査定の拒絶理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって結論のとおり審決する。
 
審決日 2006-12-13 
出願番号 特願2001-17334(P2001-17334)
審決分類 P 1 8・ 14- WY (G06F)
P 1 8・ 537- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 石川 正二  
特許庁審判長 杉山 務
特許庁審判官 伊知地 和之
青柳 光代
発明の名称 納期調整システム  
代理人 吉田 研二  
代理人 石田 純  

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