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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1148857
審判番号 不服2004-4302  
総通号数 86 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2001-12-14 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-03-04 
確定日 2006-12-15 
事件の表示 特願2000-162867「携帯端末におけるテキストデータの送受信方法」拒絶査定不服審判事件〔平成13年12月14日出願公開、特開2001-344175〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は平成12年5月31日の出願であって、平成16年1月23日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成16年3月4日に拒絶査定に対する審判が請求されるとともに、同年4月5日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成16年4月5日付け手続補正について
[補正却下の決定の結論]
平成16年4月5日付け手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は次のとおり補正された。
「情報通信ネットワーク上の所定のサーバーに対し、前記情報通信ネットワーク上に設けられたゲートウェイサーバーを介して携帯端末からテキストデータを送信するための携帯端末におけるテキストデータの送信方法であって、
前記携帯端末が有する画面表示制御機能によって、
当該携帯端末の画面上に複数のテキスト入力ボックスを所定の方向に並べて配置し、当該携帯端末を操作するユーザーによってテキストデータが書き込まれた場合に、書き込まれたテキストデータを、前記テキスト入力ボックス中に入力する書き込み処理を実行し、
前記書き込み処理において、前記ユーザーによって書き込まれたテキストデータの文字数が入力中の前記テキスト入力ボックスに入力可能な文字数を超えたときは、前記画面表示制御機能によって、前記テキスト入力ボックスの配置順序に従って次の前記テキスト入力ボックスに前記ユーザーによって書き込まれたテキストデータを入力し、
前記書き込み処理において、前記ユーザーによって書き込まれたテキストデータの文字数が、前記携帯端末から送信可能な文字数として制限された文字数を超えたときには、前記画面表示制御機能によって、最も古い文章が入力されているテキスト入力ボックス中のテキストデータを読み出して、前記ゲートウェイサーバーに出力し、前記テキストデータを読み出したテキスト入力ボックスを空の状態にするテキスト送信動作を実行し、当該テキスト送信動作を、前記ユーザーによるテキストデータの書き込みが完了するまで繰り返し実行し、
前記ゲートウェイサーバーによって、
前記携帯端末において前記テキスト送信動作が繰り返し行われた場合に、前記携帯端末から複数回にわたって前記テキストデータが出力された場合には、出力された前記テキストデータを、古い文章から順に並べて一つながりのテキストデータにし、
一つながりにした前記テキストデータを前記所定のサ-バーに対して出力すること、
を特徴とする携帯端末におけるテキストデータの送信方法。」
本件補正によれば、補正後の請求項1には以下の1)?3)の事項が含まれている。
1)携帯端末は「画面表示制御機能」を有している。
2)画面表示制御機能によって、携帯端末の画面上に「複数のテキスト入力ボックスを所定の方向に並べて配置」している。
3)ユーザーによって書き込まれたテキストデータの文字数が入力中のテキスト入力ボックスに入力可能な文字数を超えたときは、画面表示制御機能によって、「前記テキスト入力ボックスの配置順序に従って次の前記テキスト入力ボックスに前記ユーザーによって書き込まれたテキストデータを入力」している。
そして、上記2)、3)に関して、入力可能な文字数を超えたときは、テキスト入力ボックスの配置順序に従って次のテキスト入力ボックスに入力される(上記3))から、「複数のテキスト入力ボックスを所定の方向に並べて配置」(上記2))した後に、入力可能な文字数を超えたときには、テキスト入力ボックスの配置順序に従って次のテキスト入力ボックスに入力(上記3))がなされるものである。

これらの事項が本願の出願当初明細書又は図面(以下、「出願当初明細書等」という。)に記載されているかどうかについて以下に検討する。
1)について
本願の出願当初明細書等には、「WEBブラウザ」は記載されているが、「画面表示制御機能」については記載がされていない。

2)3)について
本願発明の詳細な説明の、発明の実施の形態の項(明細書の段落【0030】、【0036】、図6、図7)には、WEBブラウザが備える空の状態のテキスト入力BOXに、所定の方法にて電子メール本文データを書き込み、当該テキスト入力BOXの入力文字数制限値に達した場合、「本文続きを書く」の文字(アイコン等)を選択して、次の空の状態のテキスト入力BOXに電子メール本文データを図6(b)に示す如くに連続して書き込むことが記載されている。
そして、図6、図7には、最初に1個の入力BOXが配置され、アイコンを選択することによりテキスト入力BOXの下方に新たなテキスト入力BOX設けられことが記載されている。
これらの記載によると、本願出願当初明細書等には、まずWEBブラウザが備える1個の空の状態のテキスト入力BOXに所定の方法で電子メール本文データを書き込み、入力文字制限値に達した場合にユーザがアイコンを選択することにより、テキスト入力BOXの下方に新たなテキスト入力BOXが設けられて、この空の状態のテキスト入力BOXに電子メール本文データを連続して書き込むことが記載されているものと認められる。
(なお、出願当初明細書の請求項3、段落【0011】には「携帯端末上のWEBブラウザに複数のテキスト入力BOXを設け、該複数のテキスト入力BOXに順次にテキストデータを書き込むステップ」が記載されているが、発明の実施の形態の項には、上記のような段落【0030】、【0036】等の記載があるだけであるから、請求項3、段落【0011】の記載は、上記のような段落【0030】、【0036】に記載された事項を意味しているものと認められる。)

そうすると、出願当初明細書等の記載によれば、入力ボックスは、ユーザがアイコンを選択することにより、順次入力BOXの下方に新たに配置されるから、2)の「画面表示制御機能によって、携帯端末の画面上に複数のテキスト入力ボックスを所定の方向に並べて配置」することが出願当初明細書等に記載されているということはできない。
また、出願当初明細書等では、入力文字制限値に達した場合にユーザがアイコンを選択することにより、新たなテキスト入力BOXがテキスト入力BOXの下方に設けられて、この空の状態のテキスト入力BOXに電子メール本文データを連続して書き込むことができるものであるから、上記3)の、「ユーザーによって書き込まれたテキストデータの文字数が入力中のテキスト入力ボックスに入力可能な文字数を超えたときは、画面表示制御機能によって、前記テキスト入力ボックスの配置順序に従って次の前記テキスト入力ボックスに前記ユーザーによって書き込まれたテキストデータを入力」することが出願当初明細書等に記載されているということはできない。

そして、これら1)?3)の事項が出願当初明細書等の記載から明らかであるということもできない。

したがって、本件補正は願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、特許法第17条の2第3項の規定する要件を満たしていないから、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成16年4月5日付け手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成15年11月4日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「情報通信ネットワーク上の所定のサーバーより供給されるテキストデータを、前記情報通信ネットワーク上に設けられたゲートウェイサーバーを介して携帯端末に受信させるテキストデータの受信方法であって、
前記携帯端末から前記所定のサーバーに対してテキストデータの受信要求を送信し、
前記ゲートウェイサーバーによって、
前記携帯端末からの受信要求に応じて前記所定のサーバーより供給される全テキストデータを受信して蓄積し、
前記蓄積した全テキストデータを、前記携帯端末において一度に表示可能な文字数又は前記携帯端末のメモリに記憶可能な文字数に基づいて分割し、複数のページを生成し、
前記生成した複数のページのデータを、ページ単位で前記携帯端末に出力すること、
を特徴とする携帯端末におけるテキストデータの受信方法。」

(1)引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願日前に頒布された刊行物「特開平9-51353号公報」(以下「引用刊行物1」という。)には、図面とともに以下の記載がある。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、送信端末からメールサーバに送信されて蓄積される電子メールを、受信端末により受信する電子メールシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】電話回線等を利用した電子メールシステムでは、送信端末から送信された電子メールが、メールサーバに蓄積され、受信端末からの送信要求によって、メールサーバ内の所定の電子メールが受信端末に送信されるようになっている。
【0003】このような電子メールシステムでは、通常、送信端末から送信されてメールサーバ内に蓄積される1つの電子メールを最小単位として扱われており、その最小単位である1つの電子メールが、メールサーバから受信端末に送信されるようになっている。
【0004】また、特開平6-290122号公報には、電子メールセンター(メールサーバ)に入力された電子メールを意味的な関係によって複数に分割し、分割された内容情報が、受信端末によって利用できるようになった電子メールシステムが開示されている。」(第2頁左欄第23?42行)

「【0007】本発明は、このような問題を解決するものであり、その目的は、受信端末におけるメモリ残量が少なく、メールサーバから送信される電子メールの全てをメモリ部に書き込むことができない場合にも、その電子メールの全てを確実に表示部に表示することができる電子メールシステムを提供することにある。」(第2頁右欄第7?12行)

「【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の電子メールシステムは、メールサーバに蓄積された電子メールを、受信端末によって受信する電子メールシステムであって、前記メールサーバは、メールサーバに蓄積された電子メールを、受信端末のメモリ部のメモリ残量に基づいて複数に分割するようになっており、前記受信端末は、複数に分割された電子メールそれぞれに対して、メモリ部のメモリ残量に基づいて送信を要求し、受信した各分割電子メールをメモリ部に格納するとともに、メモリ部に格納された各分割電子メールを、入力部からの指示によって、順次、表示部に表示するようになっていることを特徴とする。
【0009】前記メールサーバは、電子メールを区切り符号が付された部分にて分割するようになっている。
【0010】前記受信端末は、表示部にて分割された電子メールが表示されている間に、メールサーバに対して分割された電子メールの送信を要求して、その分割電子メールを受信するようになっている。」(第2頁右欄第13?31行)

「【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明の電子メールシステムの一例を示すブロック図である。この電子メールシステムは、送信端末から送信された電子メールを蓄積するメールサーバ10を有している。メールサーバ10は、蓄積された所定の電子メールを受信端末20に送信するようになっている。
【0013】メールサーバ10は、その全体の制御を行う主制御部11と、送信端末から送信される電子メールを蓄積するメール蓄積部12とを有している。主制御部11は、メール蓄積部12に蓄積された所定の電子メールの送信要求を受信端末20から受け取ると、受信端末20に対して電子メールの送信処理を開始する。このとき、受信端末からの送信要求信号には、受信端末20のメモリ部24におけるメモリ残量の情報が含まれている。
【0014】主制御部11は、受信端末20からの送信要求を受け取ると、まず、分割制御部13に対して、メール蓄積部12に蓄積された複数の電子メールから所定の電子メールを取り出して、その電子メールを、受信端末20のメモリ部24におけるメモリ残量に基づいて、複数に分割するように指示する。分割制御部13は、メール蓄積部12から所定の電子メールを取り出して、メール分割メモリ部14に読み込み、メール分割メモリ部14にて複数に分割するようになっている。分割された各電子メールは、メール分割メモリ部14にそれぞれ記憶される。メール分割メモリ部14に記憶された各分割電子メールは、受信端末20に送信する際に、主制御部11によって制御される送信制御部15によって送信メモリ部16に与えられて、その送信メモリ部16にて、分割された各電子メールが一時的に記憶された後に、送信部17から受信端末20に送信される。
【0015】受信端末20は、全体の制御を行う主制御部21と、送信される各分割電子メールを受信する受信部22とを有している。受信部22は、主制御部21にて制御される受信制御部23によって、各分割電子メールの受信が制御される。受信制御部23は、メモリ部24のメモリ残量に基づいて、各分割電子メールを受信するように、受信部22に対して、メールサーバ10に送信を要求することを指示する。
【0016】受信部22にて受信された各分割電子メールは、メモリ部24に読み込まれる。そして、メモリ部24に読み込まれた分割電子メールは、入力部27からの指示に基づいて、主制御部21によって制御される組立部25により、1つの電子メールとしてみなされるように組み立てられて、表示部26に表示される。
【0017】図2は、メールサーバ10のメール蓄積部12に蓄積された電子メールの一例を示す模式図である。この電子メール30は、受信人、発信人、および内容の情報が記載されたヘッダー部30aと、文本体30bとによって構成されている。文本体30bは、複数の文章F1、F2、…、F20によって構成されている。このような電子メール30は、メールサーバ10の分割制御部13によって、文本体30bがほぼ均等なサイズになるように、句読点、ピリオド等の区切り符号毎に分割されて、それぞれが分割電子メールとしてメール分割メモリ部14に読み込まれる。」(第2頁右欄第32行?第3頁左欄第40行)

「【0020】図4は、メールサーバ20の分割制御部13によって電子メール30の文本体30bを複数の分割電子メールに分割する際のメール分割メモリ部14のアドレスの説明図、図5および図6は、電子メール30から各分割電子メールを得るための分割制御部13の動作アルゴリズムを示すフローチャートである。分割制御部13は、まず、メール分割メモリ部14に読み込まれた電子メールのヘッダー部30aと文本体30bとの境界のアドレスS0を決定する(図5のステップS11参照、以下同様)。次に、ヘッダー部30aのサイズをアドレスS0によって求めるとともに、送信電子メール識別子30cを書き込むために必要なサイズのアドレスS0’をヘッダー部30aのアドレスS0に加えて、共通ヘッダー部30dのサイズHを決定する。さらに、文本体30bの全体のサイズBを、文本体30bの文末のアドレスSmから文頭のアドレスS0を減算処理することにより求める(ステップS12)。
【0021】その後、受信端末20から送信される受信端末20のメモリ部24におけるメモリ残量と、共通ヘッダー部30dとして要求されるサイズHとに基づいて、受信端末20のメモリ部24の空き領域に格納し得る文本体30bの分割サイズである限界メモリサイズL(>0)を求める。限界メモリサイズLは、受信端末20におけるメモリ部24のメモリ残量から、共通ヘッダー部30dのサイズHを減算処理することにより求められる(ステップS13)。
【0022】受信端末20は、入力部27に電子メールを表示部26に表示するように入力されると、各分割電子メールを表示部26に表示するようになっている。このために、表示部26による表示サイズに対応するメモリ部24のメモリサイズ(表示メモリサイズ)よりも限界メモリサイズLが大きい場合には(ステップS14)、限界メモリサイズLは表示メモリサイズとされる(ステップS15)。」(第3頁右欄第11?44行)

「【0023】次に、分割電子メールのサイズおよび各分割電子メールのアドレスが決定される。この場合、まず、全体のサイズがBである文本体30bを、各分割電子メールの限界メモリサイズLの大きさに均等に分割するものとして、電子メールの最大分割数mをB/Lによって求めるとともに、各分割電子メールのアドレスの平均値を、(Sm-S0)/mによって求められる。そして、分割電子メールの番号iの初期値を1に設定する(ステップS16)。
【0024】このような状態で、分割電子メールの分割番号が、最大分割数m以上になっていないことを確認して(図6のステップS17参照、以下同様)、メール分割メモリ部14内のすでに決定されたアドレスSi-1に、アドレスの平均値Sを加えて、それをアドレスSiとして設定する。このときのアドレスSiをjに設定する(ステップS18)。この場合、アドレスSiに書き込まれた内容が、句読点、ピリオド、疑問符等の区切り符号で終わっているかどうかを確認する(ステップS19)。
【0025】アドレスSiに書き込まれた内容が、区切り符号によって終了している場合には、設定されたアドレスjに対して、区切り符号のサイズを加えたアドレスをアドレスSiとする(ステップS20)。アドレスSiに書き込まれた内容が、区切り符号によって終了していない場合には、設定されたアドレスjに対して、区切り符号サイズだけアドレスを減算する(ステップS21)。そして、そのアドレスjが前段のアドレスSi-1になっていないことを確認して(ステップS22)、アドレスjに区切り符号があるかどうかを調べる。このようにして、アドレスjを順番に小さくすることによって区切り符号を検索し、区切り符号が見つかれば、アドレスjに区切り符号サイズを加えてアドレスSiを設定する。
【0026】その後、分割電子メールの設定値iをi+1とし(ステップS23)、同様の手順で文本体30bを分割して、分割電子メールのサイズおよびアドレスを設定する。」(第3頁右欄第45行?第4頁左欄第31行)

「【0027】このようにして、電子メールの文本体部30bは、最大分割数mの分割電子メールに分割され、各分割電子メールのサイズおよびアドレスが設定される。しかし、最大分割数mは分割の目安に過ぎず、そのm番目の分割電子メールのアドレスSiとして決定されても、メール分割メモリ部14のメモリに余裕があり、アドレスが最終のSmに達していない場合(Si<Sm)には(ステップS24)、最大分割数mとして新たに、m+1を設定して(ステップS25)、分割電子メールの数が増加される。
【0028】このようにして、分割制御部13によって電子メールが分割されて、メール分割メモリ部14の各アドレスに書き込まれると、メールサーバ10の送信制御部15は、受信端末20からその電子メールに関する送信要求を受け取ることにより、送信を開始する。
【0029】図7は、送信制御部13の動作アルゴリズムを示すフローチャートである。送信制御部13は、電子メールの受信端末20への送信要求を受け取ると、まず、メール分割メモリ部14内の分割メモリの総数mと、送信すべき分割電子メールの番号iを確認する(図7のステップS31参照、以下同様)。そして、送信すべき分割電子メールと共通ヘッダー部とを合成するために、メール分割メモリ部14内の共通ヘッダー部が記憶されたアドレス0?S0の内容を読み出して、送信メモリ部16に転送する(ステップS32)。次に、i番目の分割電子メールが書き込まれたメール分割メモリ部14のアドレスSi-1?Siの内容を読み出して、送信メモリ部16に転送する(ステップS33)。」(第4頁左欄第32行?右欄第9行)

そして、引用刊行物1には、電子メールシステムのサーバと受信端末間の接続方法については明記されていないが、一般に電子メールシステムにおいてサーバと受信端末は情報通信ネットワークにより接続されており、引用刊行物1にも、従来の技術(段落【0002】)として、電話回線を利用したメールシステムが記載されているから、引用刊行物1において、サーバと受信端末間が「情報通信ネットワーク」により接続されていることは明らかである。

これらの記載から、引用刊行物1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「情報通信ネットワーク上の所定のサーバから供給される電子メールを受信端末に受信させる電子メールの受信方法であって、
電子メールの文本体は句読点、ピリオド等の区切り符号を有しており、
前記受信端末から前記所定のサーバに対して、電子メールの受信要求を送信し、
受信要求のあるサーバに蓄積されている電子メールについて、
前記受信端末のメモリ部の空き領域に格納し得る電子メールの文本体の分割サイズである限界メモリサイズを求め、
受信端末の表示部による表示サイズに対応する表示メモリサイズよりも限界メモリサイズが大きい場合には限界メモリサイズは表示メモリサイズとされ、
限界メモリサイズに基づいて文本体を分割して電子メールを生成し、前記生成した複数の電子メールを、分割した単位で前記受信端末に出力する、受信端末における電子メールの受信方法。」

(2)対比
本願発明と引用刊行物1に記載された発明を対比すると、
引用発明の電子メールの「文本体」は、一般に電子メールの文本体はテキストデータであること、引用発明の電子メールの文本体は句読点、ピリオト等の区切り符号を有していることから、引用発明の電子メールの「文本体」は本願発明の「テキストデータ」に相当する。
また、本願発明の「ページ」とは、発明の詳細な説明(段落【0022】、【0023】)の記載によれば、電子メール本文データの全文字数を、携帯端末1のディスプレイ2にて1度に表示可能な文字数またはメモリ9に記憶可能な文字数にて分割したときの1単位を意味しているところ、引用発明も文本体を分割して複数の電子メールを生成し、生成した複数の電子メールを分割した単位で受信端末に出力しているから、引用発明も本願発明と同様に全テキストデータを分割して複数のページを生成し、生成した複数のページのページデータを、ページ単位で端末に出力しているということができる。

したがって、両者は
「情報通信ネットワーク上の所定のサーバーより供給されるテキストデータを、端末に受信させるテキストデータの受信方法であって、
前記端末から前記所定のサーバーに対してテキストデータの受信要求を送信し、
全テキストデータを、前記端末において一度に表示可能か又は前記端末のメモリに記憶可能かに基づいて分割し、複数のページを生成し、
前記生成した複数のページのデータを、ページ単位で前記端末に出力する、
端末におけるテキストデータの受信方法。」の点で一致し、以下の点で相違している。
相違点1
本願発明の端末は携帯端末であるのに対して、引用発明の受信端末は携帯端末であるのかどうか不明である点。

相違点2
本願発明は、端末において一度に表示可能な文字数又は端末のメモリに記憶可能な文字数に基づいて全テキストデータを分割しているのに対し、引用発明は携帯端末において一度に表示可能なサイズ、又はメモリ部の空き領域に格納し得るサイズに基づいて全テキストデータを分割している点。

相違点3
本願発明は、ゲートウェイサーバを有しており、情報通信ネットワーク上の所定のサーバーより供給されるテキストデータを、前記情報通信ネットワーク上に設けられたゲートウェイサーバーを介して携帯端末に受信させるテキストデータの受信方法であって、ゲートウェイサーバーによって、前記携帯端末からの受信要求に応じて前記所定のサーバーより供給される全テキストデータを受信して蓄積し、前記蓄積した全テキストデータを分割しているのに対して、引用発明にはゲートウェイサーバは記載されておらず、全テキストデータの分割はサーバにより行われている点。

(3)当審の判断
以下、上記相違点について検討する。
相違点1について
携帯端末によりテキストデータを受信することは、原査定において周知文献として引用された特開平11-175426号公報(以下、「周知刊行物1」という。段落【0002】、【0003】の【従来の技術】の項)にも記載されているように周知であって格別のことではないから、引用発明の受信端末を携帯端末とすることは当業者が適宜になし得ることである。

相違点2について
引用発明は、端末において一度に表示可能なサイズ、又はメモリ部の空き領域に格納し得るサイズに基づいて全テキストデータを分割しているが、表示可能なサイズ、あるいはメモリに記憶可能なサイズとは結局テキストデータの文字数に対応するものであることから、この相違は実質的なものではなく、引用発明において本願発明の構成を採用することに格別の困難性はない。

相違点3について
情報通信ネットワーク上の所定のサーバからテキストデータを端末で受信させる場合に、所定のサーバと端末との間に設けられた装置を介してテキストデータ(メール)を受信させること、当該装置においてテキストデータを分割することは原査定において周知文献として引用された上記周知刊行物1(段落【0004】?【0006】には、サーバと携帯型端末の間に中継装置を設けること、中継装置においてコンテンツ文書を分割することが記載されている。)、及び特開平11-205458号公報(請求項1、請求項2には、メールサーバとページャ端末との間に電子メール転送装置を設けること、当該装置において電子メールを分割することが記載されている。)に記載されているように周知であって、また、ネットワークにおいてゲートウェイサーバを設けることも周知であるから、引用発明において、上既周知技術を適用してテキストデータをゲートウェイサーバを介して受信するように構成し、全テキストデータの分割を当該ゲートウェイサーバにより行って本願発明のように構成することは当業者が容易になし得ることである。
そして、本願発明のように構成したことによる効果も引用発明及び周知技術から予測できる程度のものである。

したがって、本願発明(請求項1に係る発明)は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)むすび
以上のとおり、本願発明(請求項1に係る発明)は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願はその余の請求項について論及するまでもなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-09-29 
結審通知日 2006-10-10 
審決日 2006-10-23 
出願番号 特願2000-162867(P2000-162867)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 561- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 須藤 竜也竹井 文雄  
特許庁審判長 大野 克人
特許庁審判官 竹井 文雄
小林 正明
発明の名称 携帯端末におけるテキストデータの送受信方法  
代理人 松本 孝  
代理人 黒田 健二  
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