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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G11B
審判 査定不服 特36 条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G11B
管理番号 1149442
審判番号 不服2003-23354  
総通号数 86 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-11-08 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-12-02 
確定日 2006-12-28 
事件の表示 特願2002-120139「情報再生装置および情報再生方法」拒絶査定不服審判事件〔平成14年11月 8日出願公開、特開2002-324359〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯・本願発明
1.手続の経緯
本願は、平成 7年 4月26日に出願した特願平 7-102121号の一部を平成14年 4月23日に新たな特許出願としたものであって、平成15年10月29日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成15年12月 2日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、平成15年12月26日付けで手続補正がなされたものである。
そして、当審により平成18年 2月 1日付けで1回目の拒絶理由(適用条文 特許法第29条第1項第3号及び同法第29条第2項)が通知され、これに対し平成18年 4月10日付けで意見書及び手続補正書が提出され、更に当審により平成18年 5月16日付けで2回目の(最後の)拒絶理由(適用条文 特許法第17条の2並びに同法第36条第4項又は第5項及び第6項)が通知され、これに対し平成18年 7月21日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。

2.本願発明
本願の請求項1及び2に係る発明は、明細書及び図面の記載からみて、平成18年 7月21日付け手続補正により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1及び2に記載されたとおりのものと認められるところ、その請求項2に記載された発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。
「【請求項2】 入力情報に基づく複数の記録データが記録されてなる記録媒体を再生する再生方法であって、
前記複数の記録データは、それぞれ別の記録動作によって記録されたものであり、
前記記録媒体において、
書き換え可能な領域においては、前記複数の記録データのうち一の記録データと隣接する記録データとの間には、リンク領域が設けられて当該一の記録データと当該隣接する記録データとが記録され、
読み出し専用領域においては、前記一の記録データとは異なる記録データと隣接する記録データとの間には、リンク領域が設けられずに当該一の記録データとは異なる記録データと当該隣接する記録データとが連続して記録されており、
前記リンク領域がデータ領域として使用されるか否かの情報が、リンク領域として使用されるセクタ内に記録され、
前記複数の記録データ、および前記リンク領域がデータ領域として使用されるか否かの情報を再生する再生工程と、
前記リンク領域がデータ領域として使用されるか否かの情報に基づいて、前記記録データの境界にリンク領域が設けられたか、又はリンク領域が設けられずに記録されたかを判断する判断工程と
を備え、
前記判断工程の判断結果に基づいて前記再生工程における再生が行われることを特徴とする情報再生方法。」

第2 平成6年改正前特許法第36条第4項について
1.平成18年 5月16日付け拒絶理由の概略
理由A(第17条の2):(略)
理由B(第36条第4項又は第5項及び第6項):
(1)(略)
(2)(略)
(3)請求項1及び2に係る発明と、発明の詳細な説明に記載された実施例との対応関係が不明である。すなわち、請求項1、2に係る発明はそれぞれ「情報再生装置」、「情報再生方法」であると認められるが、「書き込み可能領域として扱う領域」と「再生専用領域として扱う領域」を有する記録媒体の情報再生装置及び情報再生方法は、どの実施例に対応しているのか不明である。なお、複合型のディスクが記載された実施例5には、該複合型のディスクに記録された情報をどのように再生するかについては記載されていない。

2.検 討
(i)前記拒絶理由B(3)は、要するに本願の請求項1及び2に係る発明と明細書の発明の詳細な説明に記載された実施例との対応関係が不明である点を指摘したものであり、この点が、平成18年 7月21日付け手続補正により解消したか否かについて、以下に検討する。

(ii)請求人は、平成18年 7月21日付け意見書の(5-2)欄において、「情報再生装置の動作(情報再生方法)に関しては、「書き換え可能な領域」については実施例2の段落0049に詳細な説明があ」る旨主張しているが、前記段落0049には、「S1でU-TOC領域やFAT領域等に記録されている読み出す情報の情報量と開始アドレスを読み出し」と記載されているように、本願請求項2に記載された「リンク領域がデータ領域として使用されるか否かの情報が、リンク領域として使用されるセクタ内に記録され」たものを前提としていないことから、出願人の前記主張を採用することはできない。更に、前記実施例2(段落0038、図1、図2等参照)は、第nクラスタにすでに記録されているデータを読み出して、該読み出したデータと今回記録するデータの先頭分を合成して前記第nクラスタの最初から記録していることから、「複数の記録データは、それぞれ別の記録動作によって記録されたもの」とする、請求項2の前提条件とも対応していない。

(iii)また、請求項2に係る発明は、「複数の記録データは、それぞれ別の記録動作によって記録されたもの」、及び「書き換え可能な領域においては、前記複数の記録データのうち一の記録データと隣接する記録データとの間には、リンク領域が設けられて当該一の記録データと当該隣接する記録データとが記録され」をその必須の構成要件としていることから、該発明の書き換え可能な領域での記録データの記録/再生に関する事項は、発明の詳細な説明の実施例3についての説明のみに基づくものであると認められるところ、実施例3では、隣接する記録データ間にリンク領域が設けられたもののみが記載(図3参照)されている。一方、請求項2に係る発明の「読み出し専用領域においては、前記一の記録データとは異なる記録データと隣接する記録データとの間には、リンク領域が設けられずに当該一の記録データとは異なる記録データと当該隣接する記録データとが連続して記録され」に関する事項は、発明の詳細な説明の実施例5についての説明のみに基づくものであるところ、前記読み出し専用領域には、「リンク領域として使用されるセクタ」自体が存在しない。してみれば、請求項2の「リンク領域がデータ領域として使用されるか否かの情報に基づいて、前記記録データの境界にリンク領域が設けられたか、又はリンク領域が設けられずに記録されたかを判断する判断工程」は、書き換え可能な領域での記録データの再生工程においてのみに有効な工程であるが、書き換え可能な領域では、前述のとおり前記判断工程に基づいて判断するまでもなく記録データの境界にリンク領域が設けられているのであるから、前記「判断工程」の技術的意味が不明である。

(iv)前記(ii)(iii)のとおり、本願発明は、書き換え可能な領域における情報の再生に関して、どの実施例とも対応していないことが明らかであるから、当審において平成18年5月16日付けで通知した拒絶理由の理由B(3)は、依然として解消していない。

3.「第2」のむすび
したがって、本願明細書の発明の詳細な説明には、当業者が容易に発明を実施をすることができる程度に、その発明の目的、構成及び効果が記載されているとは認められないから、本願は、平成6年改正前特許法第36条第4項に規定する要件を満たしていない。

第3 特許法第29条第2項について
1.引用例
当審において平成18年 2月 1日付けで通知した拒絶理由に引用した特開平4-212761号公報(以下、「引用例1」という。)は、各種書替可能型光ディスク等の記録可能な記録媒体に、情報の記録再生を行う情報記録再生装置に関するもので、次の技術事項が図面とともに記載されている。なお、下線は当審で付与した。
(a)
「【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところが、各ブロック毎に付加セクタを設定した場合、大容量のデータを多数のセクタに渡って記録する場合、ブロック毎に設けられた付加セクタにそれぞれ付加データを記録する必要があるので、ディスクの利用効率が低下するとともに、データの転送速度の低下を招くという問題点を有している。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の情報記録再生装置は、上記の課題を解決するために、事前に記録されたアドレスにより記録領域の物理セクタ番号が与えられる記録可能型記録媒体に、非完結型インタリーブを用いて情報の記録再生を行う情報記録再生装置において、所定数n個の有効セクタ毎にその前部にn1 個の前部付加セクタ、後部にn2 個の後部付加セクタを設定した(n+n1 +n2 )個のセクタにより構成されるブロックを単位として、記録すべき情報を上記n個の有効セクタ単位に分割し、各ブロックの有効セクタの情報に対しそのブロックの前部付加セクタに記録する前部付加データと後部付加セクタに記録する後部付加データとを生成・付加して上記情報を記録する第1モードと、それぞれ(n+n1 +n2 )個のセクタにより構成される複数のブロックに渡って、先頭のブロックにおける記録すべき情報の前部のn1 個のセクタのみに前部付加データを付加するとともに末尾のブロックにおける記録すべき情報の後部のn2 個のセクタのみに後部付加データを付加して上記情報を連続的に記録する第2モードとのいずれかのモードにより情報の記録を行う記録手段を備えていることを特徴とするものである。」
(b)
「【0029】
【実施例】本発明の一実施例を図1乃至図7に基づいて詳細に説明すれば、以下のとおりである。
【0030】図6に示すように、書替可能型記録媒体としての光磁気ディスク1には、その内周側端部にTOC領域1aが設けられるとともに、TOC領域1aより外周寄りの大部分の領域が情報記録領域1bとされている。
【0031】情報記録領域1bには、音楽情報を始め、文字・画像・コードデータ等の各種の情報が記録される一方、TOC領域1aには、情報記録領域1bに記録された各情報に関する付加情報、例えば、各情報毎の開始ブロック位置及び終了ブロック位置等が記録されるようになっている。
【0032】?【0035】(略)
【0036】本情報記録再生装置は、いわゆる磁界変調方式で記録を行うように構成され、かつ、記録済の情報の上に新たな情報を重ねて記録するオーバーライトが行えるようになっている。
【0037】上記情報記録再生装置は、いわゆるパーソナルコンピュータ等の上位装置(図示せず)から記録/再生等の指示を受けたり、或いは上位装置との間で文字・画像情報等のデータの入出力を行うための端子6を備え、記録を行う際には、上位装置から端子6を介して入力される情報がインターフェース18からディジタルデータfとして切替回路19に供給される。なお、上位装置は、本情報記録再生装置に対して記録、再生等の指令を発するものである。
【0038】切替回路19には、インターフェース18からのディジタルデータfと、セクタデータ生成回路20からの付加データeが入力されている。端子6及びインターフェース18を介してコントローラ13が上位装置から情報の記録等の指示を受けると、コントローラ13が切替回路19に切替指示を送る。切替回路19は、この切替指示に基づいて、上記データe、fの内、何れか一方を選択して、それをディジタルデータhとして記録信号処理回路7に出力するように構成されている。
【0039】記録信号処理回路7では、ディジタルデータhに対してエラー検出訂正用パリティの生成付加が行われるとともにサブコード生成回路17からのサブコード情報が付加された後、EFM変調され、更に、フレーム同期信号が付加されてコイルドライバ8に供給されるようになっている。
【0040】コイルドライバ8は供給された信号に基づいて、コイル5を駆動し、それと同時に光ヘッド4から光磁気ディスク1にレーザ光が照射されることにより、信号の記録が行われるものである。なお、ここでの信号フォーマットは、例えば、従来例として前記図9及び図10に示したものと同様とすることができる。
【0041】一方、再生時には、光ヘッド4で再生された信号が再生アンプ10により増幅され、事前記録情報検出回路11と再生信号処理回路15とに送られる。事前記録情報検出回路11は、例えば、帯域通過フィルタとPLLにより構成され、帯域通過フィルタにより抽出された再生信号中の事前記録情報に対し、PLLによって同期したクロックが生成されるようになっている。そして、絶対アドレスのバイフェーズマーク変調信号からなる前記事前記録情報に同期したクロックがCLV制御回路9に供給される。
【0042】CLV制御回路9では、事前記録情報検出回路11からの上記同期クロックと、内部に保有している基準周波数との比較を行い、その差信号でスピンドルモータ3の回転制御を行うようになっている。これにより、正確なCLV制御が実現される。又、事前記録情報検出回路11で抽出された再生信号中の事前記録情報は、アドレス検出回路12へ供給される。
【0043】アドレス検出回路12は、例えば、バイフェーズマーク復調回路及びアドレスデコーダからなり、事前記録情報検出回路11で抽出された事前記録情報のバイフェーズマーク復調を行った後、アドレスデコーダによりディスク上のアドレス、すなわち、物理セクタ番号にデコードされて、この物理セクタ番号がコントローラ13に供給される。
【0044】再生信号処理回路15では再生アンプ10から供給される再生信号中の光磁気信号成分からEFM復調が行われ、更に、エラー検出訂正用パリティを用いたエラー検出訂正処理を行われる。そして、再生処理済の信号データがインターフェース18を介して端子6から上位装置に出力される。
【0045】?【0048】(略)
【0049】図1は本発明の第1モードによって文字情報等の比較的容量の小さい情報又はディレクトリ等の管理情報等、ブロック単位で記録・再生を行うのが好適な小容量情報daを光磁気ディスク1に記録する場合の情報配置を示す模式図であり、図中Iはブロック構成、IIは各ブロックのセクタ構成を示している。
【0050】図1のIのように、各ブロックにはB0、B1、B2…等のブロック番号が付与されるとともに、同図中IIのように、各ブロック内の個々のセクタには、時間を基準として“分”:“秒”:“1秒内のセクタ番号(本実施例では1秒内に75セクタが含まれるため、0?74のいずれかの値)”の組合せからなる物理セクタ番号が付与されている。各ブロックのデータdgは8セクタで構成され、例えば、ブロック番号B0のブロックの先頭セクタに物理セクタ番号(01:00:00)が与えられている。
【0051】情報の記録に際して、コントローラ13は、上位装置からインターフェース18を介して与えられる所定ブロック番号範囲の記録指令に対し、上記所定ブロック番号範囲が実際の物理セクタ番号のいずれの値に対応するかの演算を行う。具体的に、図1の例を用いて説明すれば、以下の通りである。
【0052】例えば、上位装置からブロック番号B1?B3のブロックに対する記録指示があった場合、ブロック当たりのセクタ数は“8”となっており、又、上記の如く、ブロック番号B0のブロックの先頭の物理セクタ番号は(01:00:00)で与えられることが予め定められているので、記録を開始するブロック番号B1のブロックの先頭の物理セクタ番号は、(01:00:00)+ブロック番号(1)×セクタ数(8)=(01:00:08)となり、容易にブロック番号B1のブロックの先頭の物理セクタ番号を求めることができる。
【0053】このようにしてブロック番号B1のブロックの物理セクタ番号が求まると、当該ブロックへのアクセス動作等を実行する。そして、ブロック番号B1のブロック(図3(a)参照)に対し、セクタデータ生成回路20により与えられるn1 個、ここでは2個の前部付加セクタに記録すべき前部付加データd1(同図(d))及び、n2 個、ここでは2個の後部付加セクタに記録すべき後部付加データd2とからなる付加データe(同図(b))と、インターフェース18を介して与えられる上位装置からの文字情報等の小容量情報daを有効セクタddに相当する4セクタのサイズに分割した分割データD1(同図(c))からなるディジタルデータfとが切替回路19により逐次切り替えられて所望の情報記録が行われる。
【0054】上記したブロック番号B1のブロックの記録手順を今1度説明すると、まず、物理セクタ番号(01:00:08)のセクタからの2セクタに記録すべき前部付加データd1がセクタデータ生成回路20より与えられ、切替回路19を介して記録信号処理回路7に供給されて光磁気ディスク1の情報記録領域1bに記録される(図3中期間t1)。
【0055】引続き、インターフェース18を介して与えられる上位装置からの文字情報等の小容量情報daの内、上記有効セクタddのサイズに相当する分割データD1として、(01:00:10)のセクタより4セクタ分与えられ、切替回路19を介して記録信号処理回路7に供給されて記録される(期間t2)。
【0056】その後、(01:00:14)のセクタより2セクタに相当する後部付加データd2がセクタデータ生成回路20により与えられ、切替回路19を介して記録信号処理回路7へ供給されて記録される(期間t3)。
【0057】以上の動作により1ブロック分の記録が完了し、以後連続してブロック番号B2及びB3のブロックがt4乃至t9に示す動作を経て記録される。
【0058】このようにして、パーソナルコンピュータ等の上位装置側からはブロック番号のみを指定すれば、本情報記録再生装置側で付加データeを付加して小容量情報daの記録を行うことができ、又、記録を行ったブロックはブロック単位で独立して書替を行うことが可能である。
【0059】なお、記録を行った小容量情報daの領域管理については、上位装置が領域管理情報そのものを小容量情報daとして所定のブロックを割り当て、前記と同様の動作を経て記録するか、或いは、コントローラ13及びTOCメモリ14を経てサブコード生成回路17で所定のフォーマットに変換後、記録信号処理回路7へ供給して記録を行えば良い。後者の方式の場合、通常、領域管理情報の記録領域としてTOC領域1aが使用される。
【0060】次に、図2の例を用いて、本発明の第2モードにより、静止画像情報等の主として比較的容量の大きい大容量情報dbを記録する際の記録動作につき説明する。なお、図2中Iはブロック構成、IIはセクタ構成を示し、前述の如く、1ブロックのデータdgが8セクタで構成されている。又、IIIは記録すべき大容量情報dbを示している。
【0061】まず、上位装置によりインターフェース18を介して与えられる指定ブロック番号のブロックからの記録指令に対し、コントローラ13は実際の物理セクタ番号に変換する演算を行う。具体的に図2の例により説明すれば、以下の通りである。
【0062】例えば、上位装置から物理セクタ番号B5625のブロックからの記録指示があった場合は、ブロック当たりのセクタ数は“8”であり、又、ブロック番号B0のブロックの先頭セクタの物理セクタ番号は(01:00:00)で与えられることが予め定められているので、記録を開始するブロック番号B5625のブロックの先頭セクタの物理セクタ番号は、(01:00:00)+ブロック番号(5625)×セクタ数(8)=(01:00:00)+45000=(11:00:00)となり、容易にブロック番号B5625のブロックの先頭セクタの物理セクタ番号を求めることができる。
【0063】このようにして求めた物理セクタ番号(11:00:00)のセクタ(図4(a))に対し、必要なアクセス動作を実行した後、まず、切替回路19をセクタデータ生成回路20側に切り替え(図4(b))、セクタデータ生成回路20から供給される付加データeをディジタルデータhとして記録信号処理回路7に供給することにより、ブロック番号B5625を有する先頭のブロックにおける先頭の2セクタに前部付加データd1(図4(d))を記録する(期間t1)。
【0064】次いで、切替回路19をインターフェース18側に切り替え、上位装置から端子6及びインターフェース18を介してディジタルデータfとして供給される大容量情報dbをディジタルデータhとして記録信号処理回路7に供給することにより、ブロック番号B5625の残りのセクタに静止画像情報等の大容量情報db(図4(c))を記録する(期間t2)。
【0065】以下、後続のブロック番号B5626のブロック以降に連続的に大容量情報dbを記録し(期間t3)、データ長に応じて、例えば、ブロック番号B6895のブロックまで記録を継続する(期間t3)。
【0066】そして、大容量情報dbの記録が終了すると、切替回路19をセクタデータ生成回路20側に切り替えて、例えば、ブロック番号B6895のブロックの末尾の2セクタに後部付加データd2を記録する(期間t5)。
【0067】この場合、大容量情報dbが末尾のブロックの6セクタ目で終了しているので、後部付加データd2が末尾のブロックの最後の2セクタに記録されているが、大容量情報daが末尾のブロックの5セクタ目以前で終了している場合も、それに続いて後部付加データd2が記録されていれば良い。
【0068】なお、上記のように記録した大容量情報dbの領域管理については、上位装置からの指示により、領域管理情報としてコントローラ13及びTOCメモリ14を経てサブコード生成回路17で所定のフォーマットに変換後、記録信号処理回路7へ供給されて記録が行われる。この場合は、領域管理情報の記録領域として、TOC領域1aが使用される。
【0069】以上のようにして記録された小容量情報da又は大容量情報dbの再生は、上位装置からの再生指令及び再生を行うべき領域のブロック番号がインターフェース18を介してコントローラ13に送られることにより、前述の記録時と同様に物理セクタ番号への変換を行った後、必要なアクセス動作を経て実施される。
【0070】再生情報が小容量情報daである場合は、図1の例で説明すれば、光ヘッド4からの再生信号が再生アンプ10で増幅され、再生信号処理回路15で再生信号中の光磁気信号成分に対しEFM復調が行われ、更に、エラー検出訂正用パリティを用いたエラー検出訂正処理が行われる。
【0071】ここでのエラー検出訂正動作では、図1における前部付加セクタに記録された前部付加データd1及び後部付加セクタに記録された後部付加データd2の付加データeをも使用して有効セクタddの再生処理が行われる。そして、再生処理済の信号データの内、有効セクタddに相当する4セクタの分割データD1、D2…のみが各ブロック毎にインターフェース18を介して上位装置へ出力されるようになっている。
【0072】又、再生情報が大容量情報dbである場合は、図2の例で説明すれば、光ヘッド4からの再生信号が再生アンプ10で再生され、再生信号処理回路15で再生信号中の光磁気信号成分に対しEFM復調が行われ、更に、エラー検出訂正用パリティを用いたエラー検出訂正処理が行われた後、インターフェース18及び端子6を介して上位装置に出力される。
【0073】?【0078】(略)
【0079】なお、光磁気ディスク1に記録を開始するに先立って、第1・第2の各モードでそれぞれ記録が行われる領域、ブロック当たりのセクタ数等が上位装置により与えられて光磁気ディスク1の所定領域に登録することができる。
【0080】又、上記のように、予め各モード用の領域を光磁気ディスク1上で個別して設定して置く代わりに、各情報がいずれのモードで記録されているかの識別符号を付すようにして、第1・第2モードによる記録情報を光磁気ディスク1上で混在させても良い。」
この記載事項と図面の記載とを総合勘案すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用例1発明」という。)が記載されているものと認めることができる。

「記録を行う際には、上位装置から端子6を介して入力される情報が光磁気ディスク1に記録され、再生時には、光ヘッド4で再生された信号が再生処理されて端子6から上位装置に出力される情報記録再生方法であって、
前記光磁気ディスク1の情報記録領域1bにおいては、所定数n個の有効セクタ毎にその前部にn1 個の前部付加セクタ、後部にn2 個の後部付加セクタを設定した(n+n1 +n2 )個のセクタにより構成されるブロックを単位として、記録すべき情報を上記n個の有効セクタ単位に分割し、各ブロックの有効セクタの情報に対しそのブロックの前部付加セクタに記録する前部付加データと後部付加セクタに記録する後部付加データとを生成・付加して上記情報を記録する第1モードと、それぞれ(n+n1 +n2 )個のセクタにより構成される複数のブロックに渡って、先頭のブロックにおける記録すべき情報の前部のn1 個のセクタのみに前部付加データを付加するとともに末尾のブロックにおける記録すべき情報の後部のn2 個のセクタのみに後部付加データを付加して上記情報を連続的に記録する第2モードとのいずれかのモードにより情報が記録されており、
各情報がいずれのモードで記録されているかの識別符号を付されており、
前記第1モードで記録されたデータは、光ヘッド4からの再生信号が再生アンプ10で増幅され、再生信号処理回路15で再生信号中の光磁気信号成分に対しEFM復調が行われ、更に、エラー検出訂正用パリティを用いたエラー検出訂正処理が行われた信号データの内、有効セクタddに相当するセクタの分割データのみが各ブロック毎にインターフェース18を介して上位装置へ出力され、前記第2モードで記録されたデータは、光ヘッド4からの再生信号が再生アンプ10で再生され、再生信号処理回路15で再生信号中の光磁気信号成分に対しEFM復調が行われ、更に、エラー検出訂正用パリティを用いたエラー検出訂正処理が行われた後、インターフェース18及び端子6を介して上位装置に出力される情報記録再生方法。」

2.対 比
そこで、本願発明と引用例1発明とを比較する。

(i)引用例1発明の「記録を行う際には、上位装置から端子6を介して入力される情報が光磁気ディスク1に記録され、再生時には、光ヘッド4で再生された信号が再生処理されて端子6から上位装置に出力される情報記録再生方法」について、前記「上位装置から端子6を介して入力される情報」及び「光磁気ディスク1」は、それぞれ本願発明の「入力情報に基づく記録データ」及び「記録媒体」に相当する。更に、引用例1発明の前記「情報記録再生方法」は、「再生時」には、当然複数の情報が記録された光磁気ディスク1から前記情報を再生するものであり、この点において、本願発明の「記録媒体を再生する再生方法」に相当する。
(ii)前記(i)に関連して、引用例1発明のような光磁気記録においては、複数の情報(記録データ)をそれぞれ別の記録動作によって記録することは普通に行われており、引用例1発明においても、「複数の記録データ(情報)は、それぞれ別の記録動作によって記録されたもの」といい得る。
(iii)引用例1発明の光磁気ディスク1の「情報記録領域1b」は、情報の書き換えが可能な領域であるから、本願発明の「書き換え可能領域」に相当する。
(iv)引用例1発明の「所定数n個の有効セクタ毎にその前部にn1 個の前部付加セクタ、後部にn2 個の後部付加セクタを設定した(n+n1 +n2 )個のセクタにより構成されるブロックを単位として、記録すべき情報を上記n個の有効セクタ単位に分割し、各ブロックの有効セクタの情報に対しそのブロックの前部付加セクタに記録する前部付加データと後部付加セクタに記録する後部付加データとを生成・付加して上記情報を記録する第1モードと、それぞれ(n+n1 +n2 )個のセクタにより構成される複数のブロックに渡って、先頭のブロックにおける記録すべき情報の前部のn1 個のセクタのみに前部付加データを付加するとともに末尾のブロックにおける記録すべき情報の後部のn2 個のセクタのみに後部付加データを付加して上記情報を連続的に記録する第2モードとのいずれかのモードにより情報が記録され」は、前記第1モード及び第2モードのいずれにおいても、情報(記録データ)の前部及び後部にそれぞれ前部付加データ及び後部付加データを付加して記録するものであって(引用例1の図1ないし4を参照。)、前記前部付加データが記録されるセクタと後部付加データが記録されるセクタとを合わせて本願発明の「リンク領域」に相当する構成を有していることから、結局本願発明の「前記複数の記録データのうち一の記録データと隣接する記録データとの間には、リンク領域が設けられて当該一の記録データと当該隣接する記録データとが記録され」に相当する。
(v)引用例1発明の「各情報がいずれのモードで記録されているかの識別符号」について、前記第1モードでは各ブロック毎に前部付加データ及び後部付加データが付加されて情報が記録され、前記第2モードでは連続して記録される最初のブロックのみに前部付加データが付加されるとともに最後のブロックのみに後部付加データが付加されて情報が記録されることから、該第2モードでは、第1モードにおいて付加データが記録されるセクタ(リンク領域)にも情報を記録していることとなり、前記「各情報がいずれのモードで記録されているかの識別符号」は、結局各ブロックにおいて、前記付加データを記録したか否か、すなわち、リンク領域を設けた否かについての情報を示すものであるから、本願発明の「リンク領域がデータ領域として使用されるか否かの情報」に相当する。
(vi)引用例1発明の「前記第1モードで記録されたデータは、光ヘッド4からの再生信号が再生アンプ10で増幅され、再生信号処理回路15で再生信号中の光磁気信号成分に対しEFM復調が行われ、更に、エラー検出訂正用パリティを用いたエラー検出訂正処理が行われた信号データの内、有効セクタddに相当するセクタの分割データのみが各ブロック毎にインターフェース18を介して上位装置へ出力され、前記第2モードで記録されたデータは、光ヘッド4からの再生信号が再生アンプ10で再生され、再生信号処理回路15で再生信号中の光磁気信号成分に対しEFM復調が行われ、更に、エラー検出訂正用パリティを用いたエラー検出訂正処理が行われた後、インターフェース18及び端子6を介して上位装置に出力される」構成は、複数の情報を再生する再生工程を表したものであり、前記情報が第1モードで記録された場合と第2モードで記録された場合とに応じた再生が行われることが示されている。この場合、情報が第1モードで記録されたものであるか第2モードで記録されたものであるか、即ち、付加データが記録された領域(リンク領域)が設けられたか否かを判別しなければならないが、引用例1発明では前記(v)で対比した「識別符号」を再生して判別を行うものと解するのが相当である。よって、引用例1発明の前記構成は、本願発明の「前記複数の記録データ、および前記リンク領域がデータ領域として使用されるか否かの情報を再生する再生工程と、前記リンク領域がデータ領域として使用されるか否かの情報に基づいて」、「リンク領域が設けられたか、又はリンク領域が設けられずに記録されたかを判断する判断工程とを備え、前記判断工程の判断結果に基づいて前記再生工程における再生が行われる」構成に相当する。

そうすると、本願発明と引用例1発明とは次の点で一致する。
<一致点>
「入力情報に基づく複数の記録データが記録されてなる記録媒体を再生する再生方法であって、
前記複数の記録データは、それぞれ別の記録動作によって記録されたものであり、
前記記録媒体において、
書き換え可能な領域においては、前記複数の記録データのうち一の記録データと隣接する記録データとの間には、リンク領域が設けられて当該一の記録データと当該隣接する記録データとが記録されており、
リンク領域がデータ領域として使用されるか否かの情報が記録され、
前記複数の記録データ、および前記リンク領域がデータ領域として使用されるか否かの情報を再生する再生工程と、
前記リンク領域がデータ領域として使用されるか否かの情報に基づいて、リンク領域が設けられたか、又はリンク領域が設けられずに記録されたかを判断する判断工程と
を備え、
前記判断工程の判断結果に基づいて前記再生工程における再生が行われる情報再生方法。」

一方、次の各点で相違する。
(相違点1)
本願発明では、記録媒体の読み出し専用領域においては、一の記録データとは異なる記録データと隣接する記録データとの間には、リンク領域が設けられずに当該一の記録データとは異なる記録データと当該隣接する記録データとが連続して記録されているのに対し、引用例1発明では、この点について特段の記載がない点。

(相違点2)
リンク領域がデータ領域として使用されるか否かの情報について、本願発明では、前記情報がリンク領域として使用されるセクタ内に記録されるのに対し、引用例1発明では、前記情報に相当する識別符号が光磁気ディスクのどの領域に記録されているのか、明示されていない点。

(相違点3)
本願発明では、判断工程において、リンク領域がデータ領域として使用されるか否かの情報に基づいて、記録データの境界にリンク領域が設けられたか、又はリンク領域が設けられずに記録されたかを判断しているのに対し、引用例1発明では、前記情報に相当する識別符号に基づいて、第1モードと第2モードの何れにより情報が記録されたかを判断している点。

3.判 断
上記相違点1について:
1枚の光ディスク上に領域を分割して書き換え可能領域と読み出し専用領域とを設けることは、本願出願前に当該技術分野において周知の事項(例えば、特開昭63-20770号公報(前記拒絶理由の引例6)、特開平4-67471号公報(前記拒絶理由の引例5)、特開平7-78187号公報参照。)であり、また、前記読み出し専用領域(ROM領域)は、通常、情報の書き換えを考慮しない例えばCD-ROM等で採用するフォーマットにより、隣接する2つの記録データの間にはリンク領域が設けられずに記録されていることから、引用例1発明の記録再生方法に用いる光磁気ディスクにおいても、単に読み出し専用領域を設けると共に、該読み出し専用領域では、隣接する2つの情報(記録データ)の間にリンク領域が設けられずに記録するようにすることは、当業者が容易に想到し得るものである。

上記相違点2について:
ブロックを細分化したセクタ毎に、記録データだけではなくサブコードとして副情報を記録しておくことは、本願出願前に当該技術分野において周知の技術である(例えば、特開平4-349270号公報(前記拒絶理由の引例3)の図2、図3を参照)から、引用例1発明においても、識別符号を付加データが記録されるセクタ内、すなわちリンク領域として使用されるセクタ内に記録しておくことは、当業者が必要に応じて適宜なし得るものである。

上記相違点3について:
引用例1発明では、隣接する情報の間に付加データを記録する領域を必ず設けていることから、第1モード及び第2モードの何れで記録された情報であるかを示す識別符号は、隣接する情報の間に付加データを記録した領域が設けられていることを示す符号に他ならない。してみれば、引用例1発明においても、前記識別符号に基づいて、隣接する情報の記録された領域の間に付加データを記録した領域(リンク領域)が設けられている否かを判断し得ることは自明であるから、当該判断の工程を付加する程度のことは、当業者が容易に想到し得るものである。

そして、上記各相違点の判断を総合しても、本願発明の奏する効果は引用例1に記載された発明から当業者が十分に予測できたものであって、格別のものとはいえない。

以上の検討を総合すると、本願発明は、引用例1に記載された発明に基づいて、周知技術も勘案することにより当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願は、特許法第36条第4項に規定する要件を満たしていない。
また、本願の請求項2に係る発明は、引用例1に記載された発明に基づいて、周知技術も勘案することにより当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく、拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-10-20 
結審通知日 2006-10-24 
審決日 2006-11-10 
出願番号 特願2002-120139(P2002-120139)
審決分類 P 1 8・ 531- WZ (G11B)
P 1 8・ 121- WZ (G11B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 早川 卓哉  
特許庁審判長 山田 洋一
特許庁審判官 中野 浩昌
吉村 伊佐雄
発明の名称 情報再生装置および情報再生方法  
代理人 前田 実  
代理人 山形 洋一  

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