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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1149695
審判番号 不服2004-17921  
総通号数 86 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-09-13 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-08-04 
確定日 2007-01-05 
事件の表示 特願2001-218819「産業廃棄物管理票の振分け、紐付けの自動化」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 9月13日出願公開、特開2002-259552〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
実用新案登録出願日:平成13年3月5日
特許出願日 :平成13年 6月15日(特許法第46条第1項の規定による出願)
拒絶理由通知 :平成15年12月 9日
補正書の提出 :平成16年 1月13日(以下、この補正を「補正1」という。)
拒絶理由通知 :平成16年 3月16日
補正書の提出 :平成16年 5月10日(同年6月23日付けの手続き却下の処分により却下)
拒絶査定 :平成16年 6月23日
審判請求 :平成16年 8月 4日
補正書の提出 :平成16年 8月 4日(以下、この補正を「補正2」という。)

第2.平成16年8月4日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成16年8月4日付の手続補正を却下する。

[理由]
1.本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正である「補正2」により、特許請求の範囲は、
「【請求項1】
産業廃棄物中間処理業における産業廃棄物管理票(マニフェスト)の最終処分終了報告に関連する振分け、紐付けの自動化に関する情報処理において、
中間処理業者のコンピュータ単体が
排出事業者から受託した産業廃棄物のマニフェスト(1次マニフェスト)の作業入力(産業廃棄物の名称、数量、1次マニフェスト番号等の1次マニフェスト情報の入力)を行い保存するステップ、
該中間処理業者における産業廃棄物(1次)の中間処理により発生する1つ又は複数の産業廃棄物(2次)の構成比を保存するステップ
前記産業廃棄物(2次)の構成比と作業入力において入力された該産業廃棄物(1次)の数量を乗じて、受託した該産業廃棄物(1次)の中間処理により発生する1つ又は複数の産業廃棄物(2次)のおのおのの数量を算出し、産業廃棄物(2次)のそれぞれの名称ファイルボックスに、算出されたそれぞれの産業廃棄物(2次)の数量と、該1次マニフェストのマニフェスト番号を、対で保存(振分け)するステップ、
中間処理後の産業廃棄物(2次)を別の処分業者に委託するにあたり発行するマニフェスト(2次マニフェスト)の作業入力(産業廃棄物の名称、数量、2次マニフェスト番号等の2次マニフェスト情報の入力)において、該産業廃棄物(2次)の名称を選択して委託する数量を入力すれば、該産業廃棄物(2次)の名称ファイルボックスを参照し、該産業廃棄物(2次)の名称ファイルボックスの1次マニフェストのマニフェスト番号リストの中から発生日順に、該2次マニフェストの委託する数量に見合う一次マニフェストの数量相当分の一次マニフェスト番号を反転表示(紐付け)させるステップ、
内容を確認し必要なら調整して該2次マニフェストを発行し2次マニフェスト番号に紐付けられた1次マニフェストの1つ又は複数のマニフェスト番号と2次マニフェスト作業入力情報を保存するステップ、
結果として2次マニフェストを発行すれば自動的に1次マニフェストと紐付けされ、産業廃棄物中間処理業における産業廃棄物管理票(1次マニフェスト)と最終処分終了報告(2次マニフェスト)を関連づける振分け、紐付けの自動化に関する情報処理技術」と補正された。(以下、「補正2発明」という。)

2.本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前である拒絶査定時の特許請求の範囲に記載された発明は、平成16年5月10日付の手続補正が却下処分になっていることから、「補正1」であり、その特許請求の範囲の記載は以下のとおりである。(以下「補正1発明」という)
「【請求項1】
産業廃棄物中間処理業における産業廃棄物管理票(マニフェスト)の最終処分終了報告(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則第8条の2十八第二項 法第12条の3第4項又は第十2条の5第5項の規定)に関する1次マニフェスト(1次M)の振分けと2次マニフェスト(2次M)の紐付けにおいて
排出事業者から受託した1次Mの管理票交付者氏名又は名称、交付年月日及び交付番号、産業廃棄物(産廃)種類名及びその数量、単位を記憶保存する1次Mデータ記憶手段と
1次Mの産廃が2次Mの産廃に振分けられる業界における標準的な構成比あるいは自社の構成比を記憶する産廃構成比記憶手段と
1次Mの産廃の数量を入力すると、1次Mデータ振分け登録手段により振分けられるいくつかの2次Mの産廃別数量を産廃構成比により算出する計算実行手段と
1次Mの産廃種類名と数量を入力すると、該種類名にリンクして設定された中間処理によって発生するいくつかの2次M産廃種類名ファイル(含む有価物)に該1次Mデータと
l次Mの産廃構成比により算出された数量と単位が振分けられる1次Mデータ振分け登録手段と
2次M産廃種類名ファイルに1次Mから振分けられた数量、単位と該1次Mのデータを関連付けて記憶保存する2次M産廃種類名ファイル記憶手段と
中間処理業者が中間処理後の廃棄物を別の処分業者に委託するにあたり排出事業者として交付する2次Mの管理票交付者氏名又は名称、交付年月日及び交付番号、産廃種類名及びその数量、単位を記憶保存する2次Mデータ記憶手段と
2次M登録で産廃種類名を入力すると2次M産廃種類名ファイルのデータをコンピュータ画面に表示する2次M産廃種類名ファイルのデータ表示手段と
2次M登録で2次M産廃種類名ファイルのデータ表示後排出数量を入力すると、その数量に見合うデータを交付年月日順に反転表示、内容を確認して実行し該2次Mに紐付いた
1次Mデータを記憶する2次M産廃紐付けデータ記憶手段と
2次M産廃種類名ファイルから排出数量に見合うデータとして選択したデータを2次M産廃種類名ファイルから2次M産廃紐付けデータファイルへ移動する2次M産廃種類名データ移動登録手段と
2次Mの最終処分終了登録で該2次Mデータと該2次Mに紐付けされた2次M産廃種類名ファイルを表示する2次M産廃紐付けデータ表示手段と
2次M産廃紐付けデータ表示画面で最終処分終了日及び最終処分場名称・郵便番号・住所を入力すると2次M産廃紐付けデータにリンクして登録する最終処分終了報告登録手段と
2次Mの最終処分終了日データから1次Mの最終処分終了データを選択する場合は、1次Mの交付番号をキーに2次M産廃種類名(A?N)ファイルを検索し、該1次Mの交付番号が残っていたら保留、残っていなければ最終処分終了報告ファィルを検索し1件ならば該データを、2件以上のデータが存在する場合は一番新しい最終処分終了日データを最終処分終了データとする最終処分終了データの確定手段を有する産業廃棄物管理票最終処分終了報告の1次Mの振分けと2次Mの紐付けに関する情報処理技術」

3.補正の適否についての判断
「補正2」が、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる事項である、特許請求の範囲の減縮(同法第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)を目的とするものであるか否かについて検討する。

「補正2発明」は、「補正1発明」を特定するために必要な事項である「2次Mの最終処分終了日データから1次Mの最終処分終了データを選択する場合は、1次Mの交付番号をキーに2次M産廃種類名(A?N)ファイルを検索し、該1次Mの交付番号が残っていたら保留、残っていなければ最終処分終了報告ファィルを検索し1件ならば該データを、2件以上のデータが存在する場合は一番新しい最終処分終了日データを最終処分終了データとする最終処分終了データの確定手段」との最終処分終了日データに係る処理を行うものである「最終処分終了データの確定手段」の記載を削除することを含むものである。これは、直列に記載された発明特定事項の一部を削除するものであるので、特許請求の範囲の減縮に該当しない。
したがって、本件「補正2」は特許法第17条の2第4項第2号に掲げる事項である、特許請求の範囲の減縮を目的とするものとはいえない。

また、「補正2」が、特許法第17条の2第4項第3号(誤記の訂正)、第4号(明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。))に規定される事項を目的とするものでないことは明らかである。

4.むすび
以上のとおりであるから、本件補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当せず、また、請求項の削除、誤記の訂正、又は明りょうでない記載の釈明を目的としたものにも該当しない。
したがって、本件手続補正は、特許法第17条の2第4項の規定に適合しないので、同法第159条第1項で準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3.本願発明について
1.本願発明
平成16年8月4日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、前記「第2 2.本件補正前の特許請求の範囲の記載」に掲げた「補正1発明」のとおりである。

2.原査定の理由
原査定の拒絶の理由の概要は次のとおりである。
平成16年1月13日付けでした手続補正は、請求項1に記載された「最終処分終了データの確定手段」等の各手段、及び、【発明の詳細な説明】の、【0002】、【0003】、【0005】、【0006】、【図面】が出願当初明細書及び図面に記載されていない点で願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

3.「補正1」の内容
「補正1」により、特許請求の範囲は、
「【請求項1】 産業廃棄物中間処理業における産業廃棄物管理票(マニフェスト)の最終処分終了報告に関連する振分け、紐付けの自動化に関する情報処理技術。
【請求項2】 中間処理業者が排出事業者から受託したマニフェスト(1次マニフェスト)の作業入力を行うと、中間処理により発生する1つ又は複数の産業廃棄物のおのおのの名称ファイルにマニフェスト番号と中間処理により発生する産業廃棄物の構成比から算出された産業廃棄物の数量が対で自動的に振り分けられる「請求項1」に関連する情報処理技術。
【請求項3】 中間処理後の廃棄物を別の処分業者に委託するにあたりマニフェスト(2次マニフェスト)を交付する時、産業廃棄物の名称を1つ選択して数量を入力すれば「請求項2」で振分けられた産業廃棄物の名称ファイルの1次マニフェストのマニフェスト番号の中から発生日順に2次マニフェストの数量に見合うマニフェスト番号が反転、内容を確認し必要なら調整して交付。
結果として2次マニフェストを交付すれば自動的に1次マニフェストと紐付けされる「請求項1」に関連する情報処理技術。」(以下「当初発明」という。)から、上記第2.2に記載された「補正1発明」と補正された。

4.「補正1」の新規事項の有無について検討
「補正1発明」は、「2次Mの最終処分終了日データから1次Mの最終処分終了データを選択する場合は、1次Mの交付番号をキーに2次M産廃種類名(A?N)ファイルを検索し、該1次Mの交付番号が残っていたら保留、残っていなければ最終処分終了報告ファィルを検索し1件ならば該データを、2件以上のデータが存在する場合は一番新しい最終処分終了日データを最終処分終了データとする最終処分終了データの確定手段」を有するものである。

しかしながら、「最終処分終了データの確定手段」は、当初発明に記載がなく、当初明細書等にも記載されている手段ではない。
また、「最終処分終了データの確定手段」による処理の対象となる、「最終処分終了日データ」について検討する。
「発生日順に」と「発生日」については、当初明細書段落【0004】等に記載あるものの、当該「日」はマニフェスト等の何らかのものが発生した日付であると認められるものであって、最終処分が終了したことに係るものであるとは認められない。その他には「日」については記載されていない。
そして、最終処分が産業廃棄物処理において、当然に行われる過程であるとしても、当初明細書に記載がない以上、新規事項の追加といわざるをえない。
したがって、「最終処分終了日」について、及び「最終処分終了日」に係る処理について、当初明細書に記載はなく、自明であるとも認められない。
さらに、「最終処分終了データの確定手段」による処理の対象となる「最終処分終了データ」についても検討する。
当初明細書段落【0001】に「最終処分終了報告に関連する」ものであることは記載され、中間処理業者が受託した、また、委託するに係ることは当初明細書段落【0004】に記載されているものの、最終処分に係る処理は当初明細書に記載されていないのであるから、「最終処分終了データ」について、及びそのデータに係る処理についても、当初明細書に記載はなく、自明であるとも認められない。
また、願書に添付した図面「図1」にも、「一次マニフェストの受領」や、「2次マニフェストの発行」等との記載はあるものの、最終処分に係る処理や、その日付について記載されていないのであるから、最終処分に係るものである「最終処分日終了日」、「最終処分終了データ」、及び各々に係る処理について、記載されているとも、自明であるとも認められない。
してみれば、「最終処分終了日データ」、「最終処分終了データ」を対象として処理を行うものである「最終処分終了データの確定手段」について、当初明細書等から自明であるとは認められない。
したがって、「最終処分終了データの確定手段」は、当初明細書等には記載されておらず、当初明細書等の記載から自明な事項であるともいえないのであるから、「補正1」は、新規事項を追加するものである。

5. むすび
以上のとおり、平成16年1月13日付けの手続補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

したがって、本願発明は、特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-09-25 
結審通知日 2006-10-17 
審決日 2006-10-31 
出願番号 特願2001-218819(P2001-218819)
審決分類 P 1 8・ 572- Z (G06F)
P 1 8・ 561- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 竹中 辰利小太刀 慶明  
特許庁審判長 杉山 務
特許庁審判官 岡本 俊威
青柳 光代
発明の名称 産業廃棄物管理票の振分け、紐付けの自動化  

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