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審決分類 |
審判 査定不服 産業上利用性 特許、登録しない。 G06Q 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 G06Q |
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管理番号 | 1150588 |
審判番号 | 不服2003-9924 |
総通号数 | 87 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2002-07-12 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-06-02 |
確定日 | 2007-01-10 |
事件の表示 | 特願2000-380872「協同取引の方法」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 7月12日出願公開、特開2002-197317〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成12年12月14日の出願であって、平成15年2月26日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年6月2日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年6月11日付で手続補正がなされたものである。 2.審判請求後の補正について (1)本件補正の内容について 平成15年6月11日付の手続補正(以下「本件補正」という。)により、補正前の請求項1、3、4、5、及び7は削除された。 本件補正により、補正前の請求項2は、 「ネットワークを介して商品を注文すると、顧客からの注文に応じて特注製品を生産・販売するためのコンフィギュア・ツー・オーダー(CTO)を完了し、注文情報の転送と応答を提供する共同取引の方法であって、 顧客が電子注文システム(EOS)によって提供される商品のカタログ、商品の解説、商品の価格のチェックおよびクレジット履歴のチェックを可能とするウェブページを介して商品を注文するステップと、 商品注文情報を、当該商品注文情報に従って対応する情報転送を作る協同サーバに転送するステップと、 協同サーバが、製品製造用の製品タイプと資料目録を開くための基本初期データを生成する資料目録(BOM)モジュール、当該基本初期データを開き、顧客側の価格リストを作り、売り注文を自動的に作り出す機能を有する売り注文(SO)モジュール、仕事注文を自動的に開き、見込み利用可能サーバから資料の生成情報を取得し、顧客の電子メールを作り出し、資料の準備ステータスをチェックする仕事注文(WO)モジュール、HDI標準を維持する製品注文(PO)モジュールを含み、仕事注文のサーチを提供するショップフロア制御システム(SFCS)サーバ、ERPサーバから供給/需要ステータス情報を検索するために使用される見込み利用可能(ATP)サーバ、共同取引のための計画、および、制御を提供する計画サポートサーバの企業リソース計画バックボーンを介して接続され、データウェアハウスとショップフロア制御システムサーバに接続されるSFCSバックボーンを有する複数の企業リソース計画(ERP)サーバに前記商品注文情報を転送するステップと、 顧客の確認用テーブルリストを返還するステップとを含むことを特徴とする共同取引の方法。」 と補正され、補正後の請求項1とされた。 さらに、本件補正により、補正前の請求項6は、 「ネットワークを介して商品を注文することによってコンフィギュア・ツー・オーダー(CTO)を完了し、注文情報の、見込み利用可能(ATP)な転送と応答を提供する共同取引の方法であって、 サーバ側のウェブ注文サーバから顧客の製品注文、製品および注文量、価格および通貨交換レート、出荷方法/請求金額、注文日/出荷日/標準到着日を構成する顧客注文確認情報を含む顧客の需要情報を取得するステップと、 企業リソース計画(ERP)サーバから顧客側の価格リスト、資料目録モジュールにおける主な品目、生成品目、計画、通貨交換レートを含む製品の供給情報を取得するステップと、 見込み利用可能(ATP)サーバに前記供給情報と需要情報を転送するステップと、 見込み利用可能サーバが供給情報と需要情報の生成を完了するときに、確認された売り注文(SO)を顧客に提供するステップと、 見込み利用可能サーバが供給情報と需要情報の生成を完了できないときに、利用可能な日付を顧客に予告するステップとを含むことを特徴とする共同取引の方法。」 と補正され、補正後の請求項2とされた。 (2)補正の適否 補正前の請求項1、3,4,5,及び7に係る本件補正は、特許法第17条の2第4項第1号に掲げられた請求項の削除を目的とするものであり、補正前の請求項2及び6に係る本件補正は、同第4号に掲げられた明瞭でない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)を目的とするものである。 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第4項に規定した要件を満たしているので、適法である。 3.原審の拒絶理由の概要 原審の拒絶の理由を以下に示す。 (1)原査定の拒絶の理由1(特許法第36条第6項第2号) 原査定の拒絶の理由1は、拒絶理由及び拒絶査定の記載からみて、以下のとおりである。なお、特許法第36条第4項についての事項は省略した。 『(請求項1?5について) 補正後の請求項1の記載は、依然としてその記載の内容が不明瞭であり、特許を受けようとする発明が明確でない。 つまり、「顧客が?商品を注文するステップ」において、「電子注文システムをチェックするための機構」とは何であるのか、また、「顧客のクレジット履歴を含むウェブページ」とは何であるのか、いずれも技術的に不明瞭であり、これらの「ウェブページ」を介して商品を注文するという動作において、商品の注文とウェブページとの技術的関連性が不明瞭である。 また、「商品注文情報を商品のホスト供給サーバにハイパーリンクされている協同サーバに転送するステップ」という記載は、「商品のホスト供給サーバにハイパーリンクされている」という技術的事項がその他の構成要素とどのような技術的関連性を有するのか不明瞭である。 また、「協同サーバが、?商品注文情報を転送するステップ」という記載は、転送先である「複数の企業リソース計画(ERP)サーバ」が含むモジュールについて列挙されているが、これの列挙された一連のモジュールがその他の構成要素とどのような技術的関連性を有するのか不明瞭である。 そして、「カスタマイズされたテーブルリストを返還するステップ」とあるが、該テーブルがどこで、どのようにカスタマイズされるのか、なんら記載されておらず、その技術的内容が不明瞭である。 以上のように、補正後の請求項1の記載は、その発明を特定するための事項どうしの技術的な関連が明確にされていないため、特許を受けようとする発明が明確でない。 補正後の請求項2?5は、引用する請求項1に、請求項1に記載された各ステップと同様の、他の構成要素との技術的関係が明確でない断片的な技術的事項を付加するものであり、これらの限定をもって発明を特定するための事項どうしの技術的な関連が明確であるとはいえず、いずれも、特許を受けようとする発明が明確でない。 (請求項6,7について) 補正後の請求項6の記載において、「供給/需要生成」とは、なんであるのか、「供給/需要情報を転送する」ことと関係があるのか、技術的内容が明確でない。また、「確認された売り注文(SO)を顧客に提供するステップ」とあるが、その他の箇所には、「確認された売り注文(SO)」についての記載はなんらなく、該売り注文が何であるのか、特許を受けようとする発明が明確でない。また、「見込み利用可能の日付を顧客に推定するステップ」とは、日本語として、また技術的に不明瞭である。 補正後の請求項7の記載において、「生成された結果情報」とは何であるのか、技術的内容が不明瞭である。 したがって、補正後の請求項6,7は依然として技術的に及び/または日本語としてその内容が不明瞭であるため、特許を受けようとする発明が明確でない。』 (2)原査定の拒絶の理由2(特許法第29条第1項柱書) 原査定の拒絶の理由2は、拒絶理由及び拒絶査定の記載からみて、以下のとおりである。 『いずれの請求項も、「サーバ」といった、コンピュータを用いることを示唆する記載はあるものの、それぞれのステップについての記載は、その動作の主体が明示されないステップを含むものであり、また、これらのステップがコンピュータのソフトウェアによって実施されるとしても、それぞれのステップは、データのやりとり、あるいは、コンピュータ間の関係が抽象的に特定されているのみであり、コンピュータのソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を利用して具体的に実現されているという程度に記載されていないことは明らかである。 してみれば、これらの請求項に記載されたものは、全体として自然法則を利用しているとはいえず、特許法第29条第1項柱書でいう「発明」には該当しない。』 4.当審の判断 (1)上記理由1について (1-1)指摘事項1について まず、『顧客が?商品を注文するステップ」において、「電子注文システムをチェックするための機構」とは何であるのか、また、「顧客のクレジット履歴を含むウェブページ」とは何であるのか、いずれも技術的に不明瞭であり、これらの「ウェブページ」を介して商品を注文するという動作において、商品の注文とウェブページとの技術的関連性が不明瞭である。』との指摘事項(以下「指摘事項1」という。)について検討する。 請求項1には、商品を注文するステップについて以下のとおり記載されている。 「顧客が電子注文システム(EOS)によって提供される商品のカタログ、商品の解説、商品の価格のチェックおよびクレジット履歴のチェックを可能とするウェブページを介して商品を注文するステップ」 上記記載について検討すると、「商品のカタログ、商品の解説、商品の価格のチェック」及び「クレジット履歴のチェック」と商品を注文することとの関係が不明りょうであるので、ウェブページを介して商品を注文するという動作において、商品の注文とウェブページとの技術的関連性が不明りょうである。 したがって、依然として、指摘事項1については、対応する請求項1の記載が不明りょうである。 (1-2)指摘事項2について 次に、『また、「協同サーバが、?商品注文情報を転送するステップ」という記載は、転送先である「複数の企業リソース計画(ERP)サーバ」が含むモジュールについて列挙されているが、これの列挙された一連のモジュールがその他の構成要素とどのような技術的関連性を有するのか不明瞭である。』との指摘事項(以下「指摘事項2」という。)について検討する。 請求項1には、「複数の企業リソース計画(ERP)サーバ」が含むモジュールについて以下のとおり記載されている。 「製品製造用の製品タイプと資料目録を開くための基本初期データを生成する資料目録(BOM)モジュール、当該基本初期データを開き、顧客側の価格リストを作り、売り注文を自動的に作り出す機能を有する売り注文(SO)モジュール、仕事注文を自動的に開き、見込み利用可能サーバから資料の生成情報を取得し、顧客の電子メールを作り出し、資料の準備ステータスをチェックする仕事注文(WO)モジュール、HDI標準を維持する製品注文(PO)モジュールを含み」 上記記載について検討すると、モジュールの機能について記載されているが、上記記載には、これらのモジュール以外の電子注文システム、協同サーバなどの他の構成要素に関することが記載されておらず、上記記載ではこれらのモジュールが他の構成要素とどのような技術的関連性を有するのか不明りょうである。 したがって、依然として、指摘事項2については、対応する請求項1の記載が不明りょうである。 (1-3)指摘事項3について 次に、『そして、「カスタマイズされたテーブルリストを返還するステップ」とあるが、該テーブルがどこで、どのようにカスタマイズされるのか、なんら記載されておらず、その技術的内容が不明瞭である。』との指摘事項(以下「指摘事項3」という。)について検討する。 請求項1には、テーブルリストを返還するステップについて「顧客の確認用テーブルリストを返還するステップ」と記載されている。 上記記載について検討すると、返還される顧客の確認用テーブルリストがどこで、どのようにして作成されるのかが記載されておらず、該テーブルリストがどこでどのようにして作成されるのかが不明りょうであるので、該テーブルリストを返還するステップの技術的内容が不明りょうである。 したがって、依然として、指摘事項3については、対応する請求項1の記載が不明りょうである。 (1-4)まとめ 以上のとおり、他の指摘事項を検討するまでもなく、依然として、上記指摘事項1-3について、対応する請求項1の記載が不明りょうであるので、請求項1の記載では、特許を受けようとする発明が明確でない。 したがって、本願は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 (2)上記理由2について 動作の主体が明記されていないステップも記載されているが、発明の詳細な説明の記載からみて、請求項1に記載された協同取引方法の各ステップの処理は「協同サーバ」や「企業リソース計画(ERP)サーバ」などのコンピュータが実行していると認められるので、請求項1に係る発明は、その発明の実施にソフトウエアを必要とするところの、いわゆるソフトウエア関連発明である。 そして、こうしたソフトウエアを利用するソフトウエア関連発明が、「自然法則を利用した技術的思想の創作」のうち高度ものである特許法上の「発明」であるためには、発明はそもそもが一定の技術的課題の解決手段になっていなければならないことから、ハードウエア資源を利用したソフトウエアによる情報処理によって、所定の技術的課題を解決できるような特有の構成が具体的に提示されている必要があるというべきである。 そこで、請求項1に記載された以下の各ステップの記載についてソフトウエアによる処理にハードウエア資源がどのように利用されたか具体的に提示されているかどうかを検討する。 (a)「顧客が電子注文システム(EOS)によって提供される商品のカタログ、商品の解説、商品の価格のチェックおよびクレジット履歴のチェックを可能とするウェブページを介して商品を注文するステップ」 (b)「商品注文情報を、当該商品注文情報に従って対応する情報転送を作る協同サーバに転送するステップ」 (c)「協同サーバが、製品製造用の製品タイプと資料目録を開くための基本初期データを生成する資料目録(BOM)モジュール、当該基本初期データを開き、顧客側の価格リストを作り、売り注文を自動的に作り出す機能を有する売り注文(SO)モジュール、仕事注文を自動的に開き、見込み利用可能サーバから資料の生成情報を取得し、顧客の電子メールを作り出し、資料の準備ステータスをチェックする仕事注文(WO)モジュール、HDI標準を維持する製品注文(PO)モジュールを含み、仕事注文のサーチを提供するショップフロア制御システム(SFCS)サーバ、ERPサーバから供給/需要ステータス情報を検索するために使用される見込み利用可能(ATP)サーバ、共同取引のための計画、および、制御を提供する計画サポートサーバの企業リソース計画バックボーンを介して接続され、データウェアハウスとショップフロア制御システムサーバに接続されるSFCSバックボーンを有する複数の企業リソース計画(ERP)サーバに前記商品注文情報を転送するステップ」 (d)「顧客の確認用テーブルリストを返還するステップ」 上記(a)のステップの記載を検討する。 上記(a)のステップの記載では、当該ステップにおける動作の主体が「顧客」という人間であると解せられるので、人間の動作について記載されているが、コンピュータの処理については何も記載されていない。 なお、仮に、当該ステップを顧客の指示に従いコンピュータが実行するものと解しても、上記(a)のステップの記載では、ハードウエア資源として「電子注文システム(EOS)」は記載されているが、「電子注文システム(EOS)」に関する記載は、単に、「商品のカタログ、商品の解説、商品の価格」を限定しているにすぎないので、上記(a)のステップの記載は、当該ステップの処理を「顧客が電子注文システム(EOS)によって提供される商品のカタログ、商品の解説、商品の価格のチェックおよびクレジット履歴のチェックを可能とするウェブページを介して商品を注文する」ことに特定したにすぎない。 よって、上記(a)のステップの記載では、ソフトウエアによる当該ステップの注文処理にハードウエア資源がどのように用いられているのか具体的に提示されていない。 上記(b)のステップの記載について検討する。 上記(b)のステップの記載では、ハードウエア資源として「協同サーバ」が記載されているが、「協同サーバ」に関する記載は、商品注文情報の転送先を特定しているにすぎないので、上記(b)のステップの記載は、当該ステップの処理を「商品注文情報を、当該商品注文情報に従って対応する情報転送を作る協同サーバに転送する」ことに特定したにすぎない。 よって、上記(b)のステップの記載では、ソフトウエアによる当該ステップの転送処理にハードウエア資源がどのように用いられているのか具体的に提示されていない。 上記(c)のステップの記載について検討する。 「製品製造用の製品タイプと資料目録を開くための基本初期データを生成する資料目録(BOM)モジュール、当該基本初期データを開き、顧客側の価格リストを作り、売り注文を自動的に作り出す機能を有する売り注文(SO)モジュール、仕事注文を自動的に開き、見込み利用可能サーバから資料の生成情報を取得し、顧客の電子メールを作り出し、資料の準備ステータスをチェックする仕事注文(WO)モジュール、HDI標準を維持する製品注文(PO)モジュールを含み、」の記載は、協同サーバに含まれるモジュール及びその機能をそれぞれ特定しているにすぎない。 また、「仕事注文のサーチを提供するショップフロア制御システム(SFCS)サーバ、ERPサーバから供給/需要ステータス情報を検索するために使用される見込み利用可能(ATP)サーバ、共同取引のための計画、および、制御を提供する計画サポートサーバの企業リソース計画バックボーンを介して接続され、データウェアハウスとショップフロア制御システムサーバに接続されるSFCSバックボーンを有する」の記載は、「複数の企業リソース計画(ERP)サーバ」の構成を限定しているにすぎない。 さらに、「複数の企業リソース計画(ERP)サーバに前記商品注文情報を転送する」の記載は、転送先のサーバを「複数の企業リソース計画(ERP)サーバ」に特定しているにすぎない。 したがって、上記(c)のステップの記載は、当該ステップの処理を「製品製造用の製品タイプと資料目録を開くための基本初期データを生成する資料目録(BOM)モジュール、当該基本初期データを開き、顧客側の価格リストを作り、売り注文を自動的に作り出す機能を有する売り注文(SO)モジュール、仕事注文を自動的に開き、見込み利用可能サーバから資料の生成情報を取得し、顧客の電子メールを作り出し、資料の準備ステータスをチェックする仕事注文(WO)モジュール、HDI標準を維持する製品注文(PO)モジュールを含み、仕事注文のサーチを提供するショップフロア制御システム(SFCS)サーバ、ERPサーバから供給/需要ステータス情報を検索するために使用される見込み利用可能(ATP)サーバ、共同取引のための計画、および、制御を提供する計画サポートサーバの企業リソース計画バックボーンを介して接続され、データウェアハウスとショップフロア制御システムサーバに接続されるSFCSバックボーンを有する複数の企業リソース計画(ERP)サーバに前記商品注文情報を転送する」ことに特定しているにすぎない。 よって、上記(c)のステップの記載では、ソフトウエアによる当該ステップの転送処理にハードウエア資源がどのように用いられているのか具体的に提示されていない。 上記(d)のステップの記載について検討する。 上記(d)のステップの記載には、何らハードウエア資源について記載されていないため、当該ステップによる処理を「顧客の確認用テーブルリストを返還する」ことに特定したにすぎい。 よって、上記(d)のステップの記載では、ソフトウエアによる当該ステップの返還処理にハードウエア資源がどのように用いられているのか具体的に提示されていない。 したがって、請求項1の記載では、ソフトウエアによる各ステップの処理にハードウエア資源がどのように用いられているか具体的に提示されておらず、また、請求項1の記載全体としても、ハードウエア資源を利用したソフトウエアによる情報処理によって、所定の技術的課題を解決できるような特有の構成が具体的に提示されていないので、請求項1に係る発明は、「自然法則を利用した技術的な思想の創作」とはいえず、特許法上の「発明」に該当するとは認められないので、特許法第29条第1項柱書を満たしていない。 5.結び 以上のとおり、他の請求項を検討するまでもなく、請求項1の記載が不備であるので、本願は、特許法第36条第6項第2号に規定される要件を満たしていない。 また、他の請求項に記載された発明を検討するまでもなく、請求項1に記載された発明は、特許法上の「発明」に該当しないので、特許法第29条第1項柱書に規定される要件を満たしていない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-08-03 |
結審通知日 | 2006-08-08 |
審決日 | 2006-08-29 |
出願番号 | 特願2000-380872(P2000-380872) |
審決分類 |
P
1
8・
537-
Z
(G06Q)
P 1 8・ 14- Z (G06Q) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 菅原 浩二、篠原 功一 |
特許庁審判長 |
赤穂 隆雄 |
特許庁審判官 |
岩間 直純 佐藤 智康 |
発明の名称 | 協同取引の方法 |
代理人 | 野上 敦 |
代理人 | 藤井 敏史 |
代理人 | 宇谷 勝幸 |
代理人 | 齋藤 悦子 |
代理人 | 奈良 泰男 |
代理人 | 八田 幹雄 |