• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1151073
審判番号 不服2004-23126  
総通号数 87 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-11-11 
確定日 2007-01-25 
事件の表示 平成10年特許願第110756号「デジタル画像形成装置」拒絶査定不服審判事件〔平成11年12月24日出願公開、特開平11-355534〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯
本願は、平成10年4月21日(優先権主張平成10年4月10日)の出願であって、平成16年10月4日付で拒絶査定がされ、これに対して同年11月11日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同年12月13日に手続き補正がなされたものである。

2.本願発明
平成16年12月13日付の手続き補正は、補正前の請求項1ないし5、8を削除したものであるので、特許法第17条の2第4項第1号に規定する請求項の削除を目的とするものに該当し、適法な補正である。
そして本願の請求項1に係る発明は、同手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のものである。(以下、「本願発明」という。)
「原稿画像を読み取る読み取り手段と、
読み取り手段により読み取られた画像情報をファイル単位で蓄積する蓄積手段と、
蓄積手段に蓄積された画像情報を記録媒体に印刷する印刷手段と、
蓄積済みのファイルの削除を指示する手段と、
前記蓄積手段が満杯になったことを検知する満杯検知手段とを有し、
前記蓄積手段の満杯を検知した際に、あらかじめ蓄積済みファイルを、蓄積日時が最も古いものから順にソートしてから満杯状態であることを表示し、ソートされた蓄積済みファイルの中から削除するファイルの選択を催促するガイダンスを表示する
ことを特徴とするデジタル画像形成装置。」

3.引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開昭63-48058号公報(以下、「引用例」という。)には、図面と共に、次の記載がある。

ア 「第1図は、本発明の一実施例における画像通信端末装置の構成を示すブロック図である。この装置は音声画像同時通信が可能なもので、電話機部と画像通信部とから構成されている。電話機部は、通話回路1とこの通話回路1に接続されるハンドセット2とからなり、これらにより加入者線3を介して通話相手との間で音声通話を行なう。
画像通信部は、例えば透明タブレットからなる画像入力部4を有し、この画像入力部4により入力された地図等の画像情報を制御部5およびバッファメモリ7を経てCRTディスプレイ等の表示部8に画像表示するとともに、制御部5によりバッファメモリ7から通信部6に導入している。この通信部6はデータリンク制御回路と回線インタフェース回路とを有し、上記画像情報を加入者線3へ送信する。一方加入者線3を介して通話相手から画像情報が送られると、この画像情報を通信部6で受信したのち制御部5およびバッファメモリ7を経て表示部8に導き画像表示する。また、この画像通信部は画像情報保存用の例えばRAMからなる蓄積部9を有しており、図示しないキー入力部から保存指示が入力されたときにバッファメモリ7に一時記憶されている画像情報をファイル化して蓄積部9に記憶する。
ところで、上記制御部5はマイクロコンピュータを主制御回路として備えたもので、通信制御や画像情報の入力制御、表示制御の他に、画像情報の保存・消去に係わる制御手段50として次のような各制御手段を有している。すなわち、第2図に示す如く保存画像消去手段51と、蓄積部9の残り容量を検出する空容量検出手段52と、この空容量検出手段で検出された空容量を随時または空容量が無くなったときにその旨を表示部8に表示させる空容量表示制御手段53と、画像ファイルの消去に備え画像情報の通信動作に入る前に蓄積部9に記憶されている画像ファイルの目次を表示部54に表示させる目次表示制御手段54とを有している。このうち保存画像消去手段51は、通話中に画像通信の要求指示が入力されたとき、画像通信動作に移行する前に通話路を保持したまま蓄積部9の保存画像ファイルの消去の有無を加入者に問合わせ、この状態で消去する画像ファイル名が指定入力されたときに蓄積部9の該当する画像ファイルを検索して消去し、消去を行なわない旨が入力されたのち画像通信を開始させるものである。」(2頁左下欄10行?3頁左上欄15行)

イ 「さて、この状態で加入者が画像情報を送信するかまたは通話相手からの画像情報を受信するためにキー入力部の画像通信スイッチを操作すると、制御部5はステップ3dに移行してここで先ず蓄積部9に保存中の画像ファイルの目次を表示部8に表示させ、しかるのちステップ3eで画像ファイルを消去指示の入力監視を行なう。尚、上記ステップ3dでは目次とともに蓄積部9の空容量も表示される。いま蓄積部9の空き容りが十分にあり、加入者が画像ファイルを消去する必要がないと判断して消去しない旨を入力したとすると、制御部5はステップ3fで蓄積部9の空容量の確認を行なったのちステップ3gに移行してここで表示部8の表示モードを目次表示モードから入力画像の表示モードに切換え、しかるのちステップ3hで画像画像通信を開始させる。一方、蓄積部9の空容量が無いにも拘らず画像ファイルの消去を行なわずに画像通信を行なおうとした場合は、制御部5はステップ3fで空容量無しと判定してステップ3jに移行し、ここで表示部8に「メモリ容量が有りません」なる表示を行なって加入者に知らせ、しかるのちステップ3dに戻って画像ファイルの消去を促す。すなわち、蓄積部9に空容量が無い状態では画像通信に移行しない。
そして、この状態で加入者が不要な画像ファイル名を例えばキー入力部から入力すると制御部5は、ステップ3kに移行してここで消去する画像ファイル名を導入し、ステップ3lで蓄積部9に保存されている各画像ファイルの中から上記画像ファイル名に該当する画像ファイルを検索して消去する。」(3頁右上欄4行?左下欄23行)

ウ 「さらに上記実施例では音声画像同時通信を行なう端末装置を対象として説明したが、ファクシミリ装置のような画像情報の通信のみを行なう端末装置に適用してもよい。その他、制御部の制御手順および制御内容、画像入力部、画像表示部および蓄積部の構成等についても、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実態できる。」(4頁左下欄17行?右下欄4行)

したがって、上記アないしウの記載及び図面から、引用例には、
「画像入力部と、マイクロコンピュータを主制御回路として備える制御部と、バッファメモリと、表示部と、画像情報をファイル化して蓄積する蓄積部とを有するファクシミリ装置において、画像情報を送信または画像情報を受信する際に、蓄積部の空容量が無いにも拘らず画像ファイルの消去を行なわずに画像通信を行なおうとした場合は、制御部は蓄積部の空容量無しと判定して、「メモリ容量が有りません」なる表示を行ない、蓄積部に保存中の画像ファイルの目次を表示部に表示させ、この状態で消去する画像ファイル名が指定入力されたときに蓄積部の該当する画像ファイルを検索して消去する」発明(以下、「引用発明」という。)が開示されていると認めることができる。

4.対比
引用発明の「蓄積部」は、画像情報毎にファイル化して蓄積するものであるから、「画像情報をファイル単位で蓄積する蓄積手段」であるといえる。
一般にファクシミリ装置において、蓄積手段に蓄積するための「原稿画像を読み取る読み取り手段」、及び「蓄積手段に蓄積された画像情報を記録媒体に印刷する印刷手段」を備えることは普通に行われていることであるから、引用発明も当然に「原稿画像を読み取る読み取り手段」、及び「蓄積手段に蓄積された画像情報を記録媒体に印刷する印刷手段」を備えているといえる。
引用発明の「制御部」は、蓄積部の空き容量が無いことを判定するものであって、空き容量がないことは満杯を意味するから、本願発明の「蓄積手段が満杯になったことを検知する満杯検知手段」に相当する。
引用発明の「消去する画像ファイル名を指定入力して消去する」ことは、蓄積部の該当する画像ファイルの消去を指示するものであるから、引用発明は「蓄積済みファイルの削除を指示する手段」を有しているといえる。
一般に近時のファクシミリ装置は、デジタル処理によって画像の送信処理や受信処理、さらに受信した画像情報の印刷処理を行うデジタル画像形成装置であるから、引用発明のファクシミリ装置もデジタル処理によって画像の送信処理や受信処理、さらに受信した画像情報の印刷処理を行う「デジタル画像形成装置」であるといえる。
引用発明の「制御部は蓄積部の空容量無しと判定して、『メモリ容量が有りません』なる表示を行ない、蓄積部に保存中の画像ファイルの目次を表示部に表示する」ことは、蓄積部の空き容量が無いと判断した場合に、その旨を表示するとともに、蓄積されている画像ファイルを表示して、削除対象となる画像ファイルの入力を催促するものであるから、「蓄積手段の満杯を検知した際に、満杯状態であることを表示し、削除するファイルの選択を催促するガイダンスを表示する」ものであるといえる。

したがって、本願発明と引用発明とは、「原稿画像を読み取る読み取り手段と、読み取り手段により読み取られた画像情報をファイル単位で蓄積する蓄積手段と、蓄積手段に蓄積された画像情報を記録媒体に印刷する印刷手段と、蓄積済みのファイルの削除を指示する手段と、前記蓄積手段が満杯になったことを検知する満杯検知手段を有したデジタル画像形成装置」で一致し、次の点で相違している。

(相違点)
本願発明は「蓄積手段の満杯を検出した際に、あらかじめ蓄積済みファイルを、蓄積日時が最も古いものから順にソートしてから満杯状態であることを表示し、ソートされた蓄積済みファイルの中から削除するファイルの選択を催促するガイダンスを表示する」のに対して、引用発明は、「蓄積手段の満杯を検知した際に、満杯状態であることを表示し、削除するファイルの選択を催促するガイダンスを表示する」ものであり、蓄積済みファイルに対して蓄積日時が古いものから順にソートを行っていない点。

5.判断
(相違点)について
ファクシミリ装置において、蓄積保存した画像情報は、保存日時の古いものより新しいものの方が利用価値が高いことは一般的であり、一部の画像情報の消去にあたり古いものから順に削除することは当業者が普通に考えることで、以下に示すとおり周知技術でもある。
例えば、前記周知技術は、原査定の拒絶の理由に引用された特開平08-111730号公報に「【0001】【産業上の利用分野】本発明は、送信する画像情報や受信した画像情報を蓄積する画像メモリを備えたファクシミリ装置に係り、特に画像メモリの有効利用を図ったファクシミリ装置に関する。」、及び「【0020】消去手段14も、制御部1(専有でない)とRAM3の一部領域から構成され、上記現在残容量設定領域の値を画像ファイル登録の度毎に取得し、その値をRAM3内の所定残容量設定領域に設定されている所定残容量と比較し、現在残容量が所定残容量以下になっていれば、例えば登録の古い順から画像ファイルを消去する。そのため、消去手段14は、消去に際し、消去手段14に属するRAM3内のファイル管理テーブル17(図4参照)内の登録日時を参照する。」(4頁右欄8行?16行)と記載されている。
したがって、引用発明において「蓄積手段の満杯を検知した際に、あらかじめ蓄積済みファイルを表示」するときに、ユーザが登録の古い順から削除するため、該ファイルの表示を登録の古い順に並べることは、当業者が容易に想到できたものである。
そして、本願発明の作用効果も、引用発明から、当業者が予測できる範囲のものである。

6.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-11-27 
結審通知日 2006-11-28 
審決日 2006-12-11 
出願番号 特願平10-110756
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 仲間 晃  
特許庁審判長 杉山 務
特許庁審判官 脇岡 剛
鈴木 明
発明の名称 デジタル画像形成装置  
代理人 瀧野 秀雄  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ