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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1151444
審判番号 不服2004-18126  
総通号数 87 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-09-17 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-09-02 
確定日 2007-02-08 
事件の表示 平成 9年特許願第154642号「質問回答サービス装置および質問回答サービスプログラムを記録した媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 9月17日出願公開、特開平11-250130〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続きの経緯・本願発明
本願は、平成9年6月12日(優先権主張平成8年8月19日)の出願であって、平成16年7月29日に拒絶査定がされ、これに対して同年9月2日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同日付けで手続き補正がなされたもので、本願の発明は、その特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載されたものと認められるところ、その請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。
「【請求項1】 課金情報を蓄積する課金情報データベースと、
電子メールの履歴情報を記憶する履歴情報データベースと、
質問者の端末より到来する電子メールを回答者の端末へ転送し、その後回答者の端末から送られてくる電子メールを質問者の端末へ転送するとともに、質問者の端末から到来する質問情報を含む電子メールには質問を示す情報を付した該電子メールの履歴情報として前記履歴情報データベースに蓄積し、回答者の端末から到来する回答情報を含む電子メールには回答を示す情報を付した該電子メールの履歴情報として前記履歴情報データベースに蓄積する質問回答処理部と、
質問者の端末より回答を了承した事を示す電子メールが到来すると了承を示す情報を付した該電子メールの履歴情報として前記履歴情報データベースに蓄積し、かつ、前記課金情報データベースの課金情報に対して使用量の加算を行う更新処理を行う課金処理部と
を有することを特徴とする質問回答システム。」

2 引用例
原査定の拒絶の理由で引用された特開平6-274402号公報(以下「引用例1」という。)には次の事項が図面と共に開示されている。(記載箇所は段落番号等で表示)
(1) 「【請求項1】 回線に接続された顧客のパソコン等の処理機器とパソコン通信サービスのプライベートフォーラムCUGのもとで、電子メールを用いて質問、回答Q/Aを行い、顧客に情報サービスを提供する顧客サポートセンタを備えたリモートサポートサービスシステムであって、顧客サポートセンタは、サーバ上に、顧客ごとのプライベートフォーラムCUGの識別情報や顧客の連絡先等の顧客情報を管理する顧客データベースと、これまでに対応した顧客ごとのQ/Aデータを管理する対応履歴データベースと、顧客ごとのシステム構成やネットワーク構成などの製品情報を管理する製品情報データベースとを有し、上記サーバは、顧客からのメール文書を自動受信するメール受信機能と、作成された回答のメール文書を自動発信するメール発信機能と、受信および発信したメール文書の対応履歴データベースへの登録を行う処理機能と、対応履歴データベースのQ/Aデータを定期的に顧客単位に分類整理して報告書を作成し、顧客に提供可能にする報告書作成機能を備えていることを特徴とするリモートサポートサービスシステム。」

(2) 「【0013】 【課題を解決するための手段】本発明は、顧客と顧客サポートセンタとの間で対話し顧客サポートセンタが情報提供を行うための媒介手段としてパソコン通信サービスのプライベートフォーラムCUGを利用するものであり、顧客はパソコン通信機能をもつパソコンやWS等から電子メールで質問をCUGを介して顧客サポートセンタへ送り、顧客サポートセンタからCUGを介して回答を受け取るが、顧客のパソコンやWS等にサポートツールを設けることによって、顧客の操作負担を軽減する。」

(3) 「【0020】12は、対応履歴データベース8、製品情報データベース9、マニュアル情報ファイル10の検索や調査を行い回答を作成するための二次回答用端末である。13は、対応履歴データベース8に基づいて顧客ごとのQ/Aデータを定期的にまとめて作成される報告書形式の顧客カルテである。」

(4) 「【0023】図2の(b)は、利用顧客4が質問を行う場合であり、利用顧客4は、質問文書とともに必要な場合テスト、デバッグを依頼するために、データやプログラムなどのユーザ資源を顧客サポートセンタ3へメールで送出する。顧客サポートセンタ3では、質問を受信すると問題解決を図り、回答を作成して対応履歴データベース8にQ/Aデータとして登録するとともに、ユーザ資源に対するテストあるいはデバッグを行う。
【0024】図2の(c)は、顧客サポートセンタ3から利用顧客4への回答の発信処理であり、回答文書、ユーザ資源、あるいはサンプルプログラム等がメールで利用顧客4に送られ、受信が行われる。」

同じく、原査定の拒絶の理由で引用された特開平8-16271号公報(以下「引用例2」という。)には次の事項が図面と共に開示されている。(記載箇所は段落番号等で表示)
(5) 「【0014】図6は、図1中の課金集計プログラムによる処理の一具体例を示すフローチャートである。(中略)そして、課金リソース使用実績レコード中に記録された当該課金リソースの使用量(提供された“サービス”の量)と、検索された課金リソーステーブル31中のエントリに定義されている当該課金リソースの課金単価(提供された“サービス”の単価)に基づいて、当該課金リソース使用実績レコードについての課金量(提供された“サービス”についての課金量)を算出する(ステップ606)。続いて、当該課金リソース使用実績レコード中に記録された課金識別子に対応する課金レコードを課金ファイルから読み出し(ステップ607)、ステップ606で算出された課金量を上記課金レコード中の累積課金に加算して(ステップ608)から、この課金レコードを課金ファイル33に出力し、課金ファイル33を更新して(ステップ609)(略)」

3 対比
本願発明と引用例1に記載された発明(以下「引用発明」という。)とを対比する。
引用例1の請求項1に「電子メールを用いて質問、回答Q/Aを行い、顧客に情報サービスを提供する顧客サポートセンタを備えたリモートサポートサービスシステム」と記載されているとおり、引用例1記載の「リモートサポートサービスシステム」は、本願発明と同じ「質問回答システム」に関するものである。
引用例1の請求項1及び段落【0013】、【0023】、及び【0024】の記載から、引用例1記載の「顧客」が本願発明の「質問者」に相当することは明らかであり、また、引用例1の段落【0020】の記載及び図1を参酌すると、「顧客サポートセンタ」は「回答を作成するための二次回答用端末」を含んでいるから、引用例1記載の「顧客サポートセンタ」が本願発明の「回答者の端末」に相当する構成を有しているといえる。

引用例1の請求項1に記載された「これまでに対応した顧客ごとのQ/Aデータを管理する対応履歴データベース」は、本願発明の「電子メールの履歴情報を記憶する履歴情報データベース」に相当する。
また、引用例1の段落【0013】に記載された「顧客はパソコン通信機能をもつパソコンやWS等から電子メールで質問をCUGを介して顧客サポートセンタへ送り、顧客サポートセンタからCUGを介して回答を受け取る」という処理は、本願発明の「質問者の端末より到来する電子メールを回答者の端末へ転送し、その後回答者の端末から送られてくる電子メールを質問者の端末へ転送する」という処理に相当し、さらに、「対応履歴データベース」は「これまでに対応した顧客ごとのQ/Aデータを管理する」ものであるから、引用例1の請求項1に記載された「受信および発信したメール文書の対応履歴データベースへの登録を行う処理機能」は、本願発明の「質問者の端末から到来する質問情報を含む電子メールには質問を示す情報を付した該電子メールの履歴情報として前記履歴情報データベースに蓄積し、回答者の端末から到来する回答情報を含む電子メールには回答を示す情報を付した該電子メールの履歴情報として前記履歴情報データベースに蓄積する質問回答処理部」に相当する。

以上を踏まえると、両者の一致点及び相違点は以下のとおりである。
【一致点】
電子メールの履歴情報を記憶する履歴情報データベースと、
質問者の端末より到来する電子メールを回答者の端末へ転送し、その後回答者の端末から送られてくる電子メールを質問者の端末へ転送するとともに、質問者の端末から到来する質問情報を含む電子メールには質問を示す情報を付した該電子メールの履歴情報として前記履歴情報データベースに蓄積し、回答者の端末から到来する回答情報を含む電子メールには回答を示す情報を付した該電子メールの履歴情報として前記履歴情報データベースに蓄積する質問回答処理部とを有することを特徴とする質問回答システム。

【相違点】
本願発明が「課金情報を蓄積する課金情報データベース」及び「質問者の端末より回答を了承した事を示す電子メールが到来すると了承を示す情報を付した該電子メールの履歴情報として前記履歴情報データベースに蓄積し、かつ、前記課金情報データベースの課金情報に対して使用量の加算を行う更新処理を行う課金処理部」を有しているのに対して、引用発明ではこれらの構成を備えていない点。

4 当審の判断
上記相違点について検討する。
質問者が納得した回答を得られたことに対して対価を支払うことは、人為的取り決めであり、これが自然法則を利用した技術的思想でないことは明らかである。しかし、人為的取り決めであっても、具体的な実現手段にハードウェアを利用している場合は特許法の要件を満たす余地があるので、その視点から満たしていると善解するとしても、当該事項は、本願出願時点において広く知られていた事項である。
そして、所定のサービスに対して「課金情報データベースの課金情報に対して使用量の加算を行う更新処理を行う」ことにより課金処理を行うことは、前記引用例2の段落【0014】に記載されているとおり周知技術である。
引用発明は、質問と回答を電子メールでやりとりするものであるから、質問者が回答に納得すれば、了承した旨の電子メールを送信するのは普通のことであり、この了承した旨の電子メールを履歴情報として蓄積させることも必然的に行われるといえる。

したがって、上記相違点の構成は、本願出願時点において広く知られていた人為的取り決め、及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得るものと認められる。

5 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたもので、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-11-29 
結審通知日 2006-12-05 
審決日 2006-12-18 
出願番号 特願平9-154642
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 貝塚 涼  
特許庁審判長 杉山 務
特許庁審判官 田中 幸雄
松永 稔
発明の名称 質問回答サービス装置および質問回答サービスプログラムを記録した媒体  
代理人 竹内 進  
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