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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1151619
審判番号 不服2004-13496  
総通号数 87 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2000-05-12 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-06-30 
確定日 2007-02-05 
事件の表示 平成11年特許願第221053号「画像処理装置」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 5月12日出願公開、特開2000-134497〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成11年8月4日(優先権主張平成10年8月20日)の出願であって、平成16年5月26日付で拒絶査定がされ、これに対し、同年6月30日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同年7月26日付で手続補正がなされたものである。

2.平成16年7月26日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成16年7月26日付の手続補正を却下する。

[理由]
(1)本願補正発明
平成16年7月26日付の手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲の請求項1は、
「3つの原色信号からなる原色デジタルカラー信号に非線形処理を行う非線形処理手段を有する画像処理装置であって、この非線形処理手段は、前記原色デジタルカラー信号の原色信号の3軸を直交方向に配置した信号の座標空間において、前記3つの原色信号の値が等しいグレイ信号の軸に沿って、このグレイ信号の軸から少なくとも所定の幅を持って拡がった、前記グレイ信号を含むグレイ領域に、前記デジタルカラー信号が含まれるか否かを判別するグレイ領域判別手段と、このグレイ領域判別手段によって前記デジタルカラー信号が前記グレイ領域に含まれると判別されたグレイ領域内信号の場合と、前記グレイ領域にないと判別されたグレイ領域外信号の場合とでそれぞれ異なる補間を行って出力する処理であって、前記座標空間において3つの原色信号に対応した3軸の方向のそれぞれに対して垂直な平面で構成される単位立方体の頂点に位置するデータを用いて3次元補間処理を行う領域対応非線形処理手段と、を有し、前記グレイ領域の単位立方体のサイズは、前記グレイ領域の周辺部における単位立方体のサイズより小さく、前記グレイ信号の軸が、単位立方体の、非同一平面上の2つの頂点を通り、前記グレイ領域は、このグレイ信号の軸が通る単位立方体を構成する前記3軸の方向のそれぞれに対して垂直な平面の両側に、さらに前記グレイ信号の軸が通る単位立方体と同じサイズの別の単位立方体が隣接して構成された領域であり、前記領域対応非線形処理手段は、前記デジタルカラー信号が前記座標空間において位置する単位立方体の頂点のデータを用いて3次元補間処理を行うことを特徴とする画像処理装置。」と補正された。

本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例
[第1引用例]
原査定の拒絶の理由に引用された、特開平10-136216号公報(以下、「第1引用例」という。)には、次の事項が図面と共に記載されている。

(a)「請求項1に係る発明のカラー画像処理装置は、上記課題を解決するために、入力されるカラー原画の画像情報を読み取る入力手段と、入力された画像情報の各色分解信号に基づく入力色データにより色修正する色修正手段と、色修正された修正画像データを出力する出力手段とを備えたカラー画像処理装置において、色分解信号空間を格子状に分割し、これら格子点の座標をテーブルに格納する第1格子手段と、上記格子内の特定単位立体をさらに格子状に分割し、その格子点の座標をテーブルに追加格納する第2格子手段とを備える一方、画像情報の入力色データが、上記格子内の特定単位立体の内に属するか否かによって、異なる色修正方法が用いられることを特徴としている。」(段落【0011】)
(b)「上記の発明によれば、画像情報の各色分解信号に基づく入力色データは、色分解信号空間を格子状に分割したいずれかの単位立体内に属することになる。ここで、例えば肌色を精度良く出力したい場合には、予め、この肌色を含む単位立体を特定単位立体に設定しておく。これによって、特定単位立体はさらに格子状に分割され第2格子手段として、格子点の座標がテーブルに追加格納される。
したがって、入力色データがこの特定単位立体内に属する場合には、さらに細かい格子の内のいずれの単位立体に属するか否かが判断され、その細かい格子の単位立体の頂点の座標である第2格子手段のテーブルデータにて色修正が行われる。」(段落【0012】?【0013】)
(c)「上記の入力装置1は、原画を読取るための例えば図示しないカラースキャナを備えており、このカラースキャナにてカラーの原画を光走査してR(赤)、G(緑)及びB(青)のデジタルの色分解信号(以下、「RGB信号」と称する)を得るようになっている。なお、このカラースキャナは、光走査した原画からRGBについて各256段階のデジタル信号に色分解するようになっている。」(段落【0042】)
(d)「次に、上記の色修正装置2は、図3に示すように、RGBによる色分解信号空間を格子状に分割して第1格子10とし、この第1格子10の各格子点の座標つまり色修正データである各単位立体の頂点の座標をテーブルとしてのルックアップテーブルとして用意し、RGBについて3次元補間を行うことによって色修正信号CMY(K)を決定するものである。なお、ルックアップテーブルは図示しないRAM(Random Access Memory) に格納されている。また、上記の分割された第1格子10とその各単位立体の頂点の座標を格納したルックアップテーブルは、第1格子手段としての機能を有している。
次に、特定の色として例えば肌色を高精度に色修正したい場合のために、予め肌色に相当するRGB信号を含む特定の単位立体11をさらに格子状に分割して第2格子20とし、この第2格子20のそれぞれの格子点の座標もルックアップテーブルに追加格納しておく。なお、この第2格子20とその格子点の座標のルックアップテーブルは、第2格子手段としての機能を有している。」(段落【0044】?【0045】)
(e)「本実施の形態のカラー画像処理装置では、図8に示すように、白、黒及び灰色等の無彩色を高精度に色修正するために、複数の特定単位立体71?75が設けられており、それぞれさらにいくつかの図示しない格子に分割され、その格子点もルックアップテーブルに追加されている。なお、これら特定単位立体71?75は、R=G=B=0の黒とR=G=B=255の白の色信号とを結ぶ線分を含むように構成されている。
このように、本実施の形態のカラー画像処理装置では、複数の特定単位立体71?75は、無彩色を含む単位立体であるので、白、黒及び灰色から構成される無彩色を高精度に出力したい場合に好適である。これによって、無彩色の変換誤差が低減し、精度良く再現されることになる。したがって、白黒多値画像の色修正を高精度に行うことが可能となる。」(段落【0118】?【0119】)

[第2引用例]
原査定の拒絶の理由に引用された、特開平8-139945号公報(以下、「第2引用例」という。)には、次の事項が図面と共に記載されている。

(f)「本発明は、カラー画像処理装置、特に回路規模を小さく、色補正処理を実現することができるカラー画像処理装置に関するものである。」(段落【0001】)
(g)「ここで無彩色判定部12、40、70による無彩色判定方法について説明する。図9は前記第2の実施例の説明で挙げられた無彩色判定部40による無彩色判定方法の原理を説明するモデル図である。これは各色をRGB系列及びCMY系列で現出するときの色空間および各色要素の配置を立方体座標で表すとともに、この色空間で無彩色判定の方法を「単純色差による方法」とした場合の概念図を表したものである。この図中、符号O1はRGB系列で色を表すための座標の原点を示し、この原点O1の位置が色の「黒」に相当する。一方、図中、符号O2はCMY系列で色を表すための座標の原点を示し、この原点O2の位置が色の「白」に相当する。また、RGB系列の色要素とCMY系列の色要素との間には、RとC、BとY、GとMとが互いに補色の関係にあるから、それらの立方体座標上での配置関係は互いに対角線の両端になるように設定されている。
この、単純色差による方法では、RGB色空間において、
|R-G|≦S
|G-B|≦S ………(5)
|B-R|≦S
を満足する範囲を無彩色部と判定する。ここで、
S:無彩色判定範囲
である。」(段落【0039】?【0040】)

(3)対比
(ア)第1引用例に記載された発明(以下、「引用発明」という。)の「R(赤)、G(緑)、及びB(青)のデジタルの色分解信号」(前掲(c))、「RGBによる色分解信号空間」(前掲(d))、及び「R=G=B=0の黒とR=G=B=255の白の色信号とを結ぶ線分」(前掲(e))は、本願補正発明の「3つの原色信号からなる原色デジタルカラー信号」、「原色デジタルカラー信号の原色信号の3軸を直交方向に配置した信号の座標空間」、及び「3つの原色信号の値が等しいグレイ信号の軸」にそれぞれ相当する。
(イ)引用発明は、色分解信号空間を構成するRGBについて3次元補間を行うことによって色修正信号CMY(K)を決定しており(前掲(d))、本願補正発明の「原色デジタルカラー信号に処理を行う処理手段」に相当する構成を備えている。
(ウ)引用発明の「特定単位立体71?75」は、RGBによる色分解信号空間において、R=G=B=0の黒とR=G=B=255の白の色信号とを結ぶ線分を含むように構成された、無彩色を含む単位立体であり(前掲(e))、本願補正発明の「グレイ信号の軸に沿って、このグレイ信号の軸から拡がった、前記グレイ信号を含むグレイ領域」に相当する。
(エ)引用発明においては、色分解信号空間を格子状に分割し、前記格子内の特定単位立体をさらに格子状に分割し、画像情報の入力色データが、前記格子内の特定単位立体の内に属するか否かによって、異なる色修正方法を用いており(前掲(a))、さらに前記特定単位立体の一例として、無彩色を高精度に色修正するために、複数の特定単位立体71?75を設けている(前掲(e))。
したがって引用発明は、本願補正発明の「グレイ信号を含むグレイ領域に、デジタルカラー信号が含まれるか否かを判別するグレイ領域判別手段」に相当する構成を備えている。
(オ)引用発明においては、RGBによる色分解信号空間を格子状に分割して第1格子とし、該第1格子の各格子点の座標つまり色修正データである各単位立体の頂点の座標をテーブルとしてのルックアップテーブルとして用意し、RGBについて3次元補間を行うことによって色修正信号CMY(K)を決定しており、特定の色を高精度に色修正したい場合のために、前記特定の色に相当するRGB信号を含む特定の単位立体をさらに格子状に分割して第2格子とし、該第2格子の各格子点の座標も前記ルックアップテーブルに追加格納している(前掲(d))。
さらに、前記特定単位立体の一例として、無彩色を高精度に色修正するために、複数の特定単位立体71?75を設けており(前掲(e))、したがって引用発明は、本願補正発明の「グレイ領域判別手段によってデジタルカラー信号がグレイ領域に含まれると判別されたグレイ領域内信号の場合と、前記グレイ領域にないと判別されたグレイ領域外信号の場合とでそれぞれ異なる補間を行って出力する処理であって、前記座標空間において3つの原色信号に対応した3軸の方向のそれぞれに対して垂直な平面で構成される単位立方体の頂点に位置するデータを用いて3次元補間処理を行う領域対応処理手段」、「グレイ領域の単位立方体のサイズは、前記グレイ領域の周辺部における単位立方体のサイズより小さ」いこと、及び「領域対応処理手段は、デジタルカラー信号が座標空間において位置する単位立方体の頂点のデータを用いて3次元補間処理を行うこと」に相当する構成を備えている。
(カ)引用発明の「特定単位立体71?75」は、R=G=B=0の黒とR=G=B=255の白の色信号とを結ぶ線分を含むように構成されており(前掲(e))、本願補正発明の「グレイ信号の軸が、単位立方体の、非同一平面上の2つの頂点を通」ることに相当する構成を備えている。

以上を踏まえ、本願補正発明と引用発明を対比すると、両者は、
「3つの原色信号からなる原色デジタルカラー信号に処理を行う処理手段を有する画像処理装置であって、この処理手段は、前記原色デジタルカラー信号の原色信号の3軸を直交方向に配置した信号の座標空間において、前記3つの原色信号の値が等しいグレイ信号の軸に沿って、このグレイ信号の軸から拡がった、前記グレイ信号を含むグレイ領域に、前記デジタルカラー信号が含まれるか否かを判別するグレイ領域判別手段と、このグレイ領域判別手段によって前記デジタルカラー信号が前記グレイ領域に含まれると判別されたグレイ領域内信号の場合と、前記グレイ領域にないと判別されたグレイ領域外信号の場合とでそれぞれ異なる補間を行って出力する処理であって、前記座標空間において3つの原色信号に対応した3軸の方向のそれぞれに対して垂直な平面で構成される単位立方体の頂点に位置するデータを用いて3次元補間処理を行う領域対応処理手段と、を有し、前記グレイ領域の単位立方体のサイズは、前記グレイ領域の周辺部における単位立方体のサイズより小さく、前記グレイ信号の軸が、単位立方体の、非同一平面上の2つの頂点を通り、前記領域対応処理手段は、前記デジタルカラー信号が前記座標空間において位置する単位立方体の頂点のデータを用いて3次元補間処理を行うことを特徴とする画像処理装置。」である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1]
本願補正発明が、原色デジタルカラー信号に非線形処理を行っているのに対し、引用発明においては、入力色データに対し行われる色修正が非線形処理か否か明らかでない点。

[相違点2]
本願補正発明の「グレイ領域」が、「グレイ信号の軸から少なくとも所定の幅を持って拡がった」領域であり、かつ「グレイ信号の軸が通る単位立方体を構成する前記3軸の方向のそれぞれに対して垂直な平面の両側に、さらに前記グレイ信号の軸が通る単位立方体と同じサイズの別の単位立方体が隣接して構成された領域」であるのに対し、引用発明においては、R=G=B=0の黒とR=G=B=255の白の色信号とを結ぶ線分を含む単位立体71?75のみを、無彩色を含む特定単位立体として定義しており、前記「グレイ信号の軸から少なくとも所定の幅を持って拡がった」領域に相当する領域が定義されていない点。

(4)判断
上記相違点について検討する。

[相違点1について]
一般に、色修正や色補正等の画像処理において、非線形処理は線形処理とともに当業者に自明な手段である。
引用発明は、RGBの色分解信号空間を複数の単位立方体に分割し、各単位立方体の頂点の座標を入力値とし、各頂点毎に設定された値を出力値とする3次元ルックアップテーブルを用意し、前記頂点毎の値に基づき3次元補間処理を行うことにより、任意の入力値に対する出力値を得ている点において、本願補正発明と差異はなく、前記出力値としてどのような値を設定するかは、前記ルックアップテーブルを用いて実現させたい処理内容に応じて当業者が適宜決定し得る事項であり、前記処理内容を周知の非線形処理とすることは、当業者が必要に応じて適宜採択し得る設計事項にすぎない。

[相違点2について]
画像処理装置において、色空間をRGBを座標軸とする立方体座標で表し、該RGB色空間において、「黒」を表す点と、「白」を表す点とを結ぶ直線を中心とした一定の幅を有する範囲が無彩色領域となるように、前記幅を決定することは、当業者に周知の技術である。例えば、上記第2引用例には、カラー画像処理装置において、RGB系列で表された色空間の座標の原点を「黒」とし、前記色空間を表す立方体座標において、前記原点と対角線の配置関係にある点を「白」とし、前記色空間において、|R-G|≦S、|G-B|≦S、及び|B-R|≦S(Sは無彩色判定範囲)を満足する範囲を無彩色部と判定する旨記載されており(前掲(f)、(g))、前記範囲はR=G=Bなる直線を中心とした一定の幅を有する領域を形成している。
引用発明は、RGBの色分解信号空間において、R=G=B=0の黒とR=G=B=255の白の色信号とを結ぶ線分を含む単位立体のみを、無彩色を高精度に色修正するための特定単位立体として設けているが(前掲(e))、該特定単位立体は、特定の色を高精度に色修正したい場合、前記特定の色を含む任意の単位立体に対し設定可能であり(前掲(d))、安定したグレイを再現可能とするために、引用発明に上記の周知技術を適用して、前記特定の色としての無彩色の領域を、RGB色空間において「黒」を表す点と「白」を表す点とを結ぶ直線を中心とした一定の幅を有する範囲内とすることは、当業者が容易に想到し得たものと認められる。
そして、その際、前記範囲内に複数の特定単位立体が3軸の方向にそれぞれ隣接した状態で含まれるように、前記範囲の幅、及び単位立体のサイズを決定することは、当業者が必要に応じて適宜決定し得る設計事項にすぎない。

そして、本願発明の奏する作用効果も、引用発明の奏する作用効果から当業者が予測できる以上の格別のものとも認められない。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は特許法第17条の2第5項で準用する第126条第5項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明
平成16年7月26日付の手続補正は以上のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成16年4月12日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「複数の原色信号からなる原色デジタルカラー信号に非線形処理を行う非線形処理手段を有する画像処理装置であって、この非線形処理手段は、前記原色デジタルカラー信号の原色信号の軸を直交方向に配置した信号の座標空間において、グレイ信号の軸に沿って、このグレイ信号の軸から少なくとも所定の幅を持って拡がった、前記グレイ信号を含むグレイ領域に、前記デジタルカラー信号が含まれるか否かを判別するグレイ領域判別手段と、このグレイ領域判別手段によって前記デジタルカラー信号が前記グレイ領域に含まれると判別されたグレイ領域内信号の場合と、前記グレイ領域にないと判別されたグレイ領域外信号の場合とに応じたそれぞれ異なる非線形処理を行う領域対応非線形処理手段とを有することを特徴とする画像処理装置。」

(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、及びその他の記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明は、前記2.で検討した本願補正発明について具体的な限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記2.(3)及び(4)の対比、判断に記載したとおり、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、第1引用例及び第2引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-11-29 
結審通知日 2006-12-05 
審決日 2006-12-18 
出願番号 特願平11-221053
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04N)
P 1 8・ 575- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松永 稔  
特許庁審判長 杉山 務
特許庁審判官 田中 幸雄
伊知地 和之
発明の名称 画像処理装置  
代理人 渡辺 望稔  
代理人 福島 弘薫  
代理人 三和 晴子  

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