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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A23G
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A23G
管理番号 1152433
審判番号 不服2004-10837  
総通号数 88 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-05-24 
確定日 2007-02-14 
事件の表示 特願2001-375969「曲面状チョコレートの製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 6月17日出願公開、特開2003-169604〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成13年12月10日の出願であって、平成16年4月6日付で拒絶査定がなされ、これに対し、平成16年5月24日に拒絶査定に対する審判請求がされるとともに、平成16年6月10日付で手続補正がなされたものである。

2.平成16年6月10日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成16年6月10日付の手続補正を却下する。
[理由]
上記補正は、特許請求の範囲の請求項1を、
「チェーンベルト上にたて2本の棒をわたし、これに、可撓性の受け型の右と左を順次固定し、たて2本の棒のうち左の棒はチェーン上に固定し、右の棒は可撓性の受け型が上に動いたときに横にスライドできる程度に自由とし、一度に多数の可撓性の受け型にチョコレート液又は混入物を混入したチョコレート液を入れ、これをチェーンベルトで移動し、冷却トンネルに入れ、冷却してチョコレートを半固状とし、可撓性の受け型の底部の少なくとも1部を別途下方より横棒を用いて上方に動かして、チョコレートを曲面とし、冷却し、固化せしめることを特徴とする曲面状チョコレートの大量生産方法。」と補正するものである。
しかし、平成15年12月22日付手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明に、上記補正に係る「チェーンベルト上にたて2本の棒をわたし、これに、可撓性の受け型の右と左を順次固定し、たて2本の棒のうち左の棒はチェーン上に固定し、右の棒は可撓性の受け型が上に動いたときに横にスライドできる程度に自由とし」及び「チェーンベルトで移動し、冷却トンネルに入れ」という事項を加入することによって、補正後の当該請求項に記載される発明には「大量生産」という新たな「解決しようとする課題」が付け加えられることになった。そうすると、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の解決しようとする課題は同一であるとはいえず、上記補正は、特許法17条の2、4項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当しない。
そして、上記補正は、同条4項の他号に規定する事項にも該当しないので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
(1)本願発明
平成16年6月10日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし5に係る発明は、平成15年12月22日付手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。
「可撓性の受け型にチョコレート液又は混入物を混入したチョコレート液を入れ、振動を与えるか又は振動を与えることなく、冷却してチョコレートを半固状とし、受け型の底部の少なくとも1部を別途下方より横棒を用いて上方に動かして、チョコレートを曲面とし、冷却し、固化せしめることを特徴とする曲面状チョコレートの製造方法。」

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された、特開昭60-83534号公報(以下、「引用例」という。)には、
(a)「柔軟な菓子成形用モ-ルド内に流動性を有する菓子生地を充填し,要すれば菓子生地に非流動化処理を行い、次いで、該菓子生地を充填したモ-ルドを彎曲し、その彎曲した状態を保持したまま菓子生地を固化することを特徴とした彎曲した菓子の製造法。」(特許請求の範囲の項)、
(b)「ここに用いる柔軟な菓子成形用モールドとは、例えば薄いスチールベルトに菓子生地を充填する凹陥部をプレスしたものなど彎曲させることができるようなモールドを指し、所望する彎曲の程度により材質を選ぶようにする。このような材質としてゴム、シリコン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレタンなど柔軟な高分子化合物が望ましい。」(1頁右下欄18行?2頁左上欄5行)、
(c)「この発明における菓子生地とは、モールドに充填するときは流動性を示すが、冷却、加熱などの処理により固化する菓子生地を指し、例えばキャンデー、チョコレート、ゼリー、アイスクリ-ム、羊羹、甘味せんべい、カステラ、ムース、プリンなどの菓子生地が利用可能である。」(2頁左上欄6?11行)、
(d)「これらの菓子生地は、充填後モールドを彎曲した際流れ出したり一方に片寄ったりしないように必要に応じ冷却或いは加熱などの非流動化処理を行ない、流動性はないがまだ固化せず変形可能な状態とする。次いで、菓子生地を充填したモールドを彎曲させ、彎曲した状態を保持したまま菓子生地を固化する。 」(2頁左上欄12?19行)、及び
(e)「なお、モールド内で彎曲して固化した菓子生地は、通常モールドの彎曲状態を元に戻すことにより容易に取り出すことができる。このようにして得た菓子は、円弧状、L字状、U字状、円筒状、S字状或いは波形など今までにない彎曲状態となり、楽しい形態のものとなる。」(2頁右上欄12?17行)と記載されている。
上記摘示事項(c)には、「チョコレート」が例示されているから、引用例には、「柔軟な菓子成形用モ-ルドにチョコレート液を入れ、冷却してチョコレートを流動性はないがまだ固化せず変形可能な状態とし、次いで、チョコレート生地を充填したモールドを彎曲させ、彎曲した状態を保持したままチョコレート生地を冷却し、固化せしめることを特徴とする彎曲したチョコレートの製造方法」が記載されているといえる。

(3)対比・判断
本願発明と引用例に記載された発明を対比すると、後者の「柔軟な菓子成形用モ-ルド」及び「彎曲したチョコレート」は、前者の「可撓性の受け型」及び「曲面状チョコレート」に相当し、また、後者の「流動性はないがまだ固化せず変形可能な状態」は、前者の「半固状」に相当することから、両者は、「可撓性の受け型にチョコレート液を入れ、振動を与えることなく、冷却してチョコレートを半固状とし、チョコレートを曲面とし、冷却し、固化せしめることを特徴とする曲面状チョコレートの製造方法」の点で一致し、ただ、前者では、受け型の底部の少なくとも1部を別途下方より横棒を用いて上方に動かして、チョコレートを曲面とするのに対して、後者では、チョコレートを曲面とする具体的方法が明らかでない点で、両者は相違する。
上記相違点について検討するに、チョコレート入り受け型を彎曲させると、チョコレートを入れた側の受け型面は、凸状か凹状のどちらかの曲面を含む曲面を呈することは明らかであり、凸状の曲面にするには、可撓性の受け型のチョコレートを入れた側とは反対側の受け型の底部の中央部を下方より横棒を用いて上方に動かせばよいことは、当業者であれば容易に想到し得ることであり、それにより、当業者の予期し得ない効果が奏されるものではない。
そして、本願発明に係る効果は、引用例に記載された事項から予測されるところを超えて優れているとはいえない。
してみると、本願発明は引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたといえる。

(4)むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本出願に係る他の請求項について検討するまでもなく、本出願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-10-19 
結審通知日 2006-11-14 
審決日 2006-11-30 
出願番号 特願2001-375969(P2001-375969)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A23G)
P 1 8・ 121- Z (A23G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 村上 騎見高  
特許庁審判長 田中 久直
特許庁審判官 鈴木 恵理子
河野 直樹
発明の名称 曲面状チョコレートの製造方法  
代理人 戸田 親男  
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