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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1152807
審判番号 不服2004-23100  
総通号数 88 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-11-11 
確定日 2007-02-22 
事件の表示 平成10年特許願第 69157号「出力デバイス色設定装置」拒絶査定不服審判事件〔平成11年10月 8日出願公開、特開平11-275372〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯
本願は、平成10年3月18日の出願であって、平成16年10月5日付で拒絶査定がされ、これに対して同年11月11日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同日付で手続き補正がなされたものである。

2.平成16年11月11日付の手続き補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成16年11月11日付の手続き補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1(請求項の数は全部で2である。)は、
「第1のデバイスでの色表示を、第2のデバイスにおける色表示にあわせて表示させる出力デバイス設定装置であって、
各デバイス間の色空間の対応情報を記憶するデバイス情報記憶部と、
出力を合わせる基準となる第1のデバイスを指定させる第1の指定手段と、
設定対象である第2のデバイスを指定させる第2の指定手段と、
前記第1の指定手段で設定された第1のデバイスの色空間情報をデバイス非依存の色空間に変換する第1の変換手段と、
前記第1の変換手段により変換されたデバイス非依存色の色空間情報を、色域圧縮により第2のデバイスの色空間の色域に補正する色域圧縮手段と、
前記色域圧縮手段により色域の補正が行われたデバイス非依存色の色空間情報を第1のデバイスの色空間情報に変換する第2の変換手段と、
前記第2の変換手段より出力された色空間情報を、第1のデバイスにおける色空間情報に対する第2のデバイスにおける色空間の対応情報として前記デバイス情報記憶部に記憶させる保存手段と
を有する事を特徴とする出力デバイス色設定装置。」と補正された。
上記補正は、補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「デバイス情報記憶部」に記憶される情報についての具体的な限定を付加して補正後の請求項1とするものであって、特許法17条の2第4項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法17条の2第5項において準用する同法126条5項の規定に適合するか)について検討する。

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開平04-078896号公報(以下、「引用例」という。)には、図面と共に、次の記載がある。

ア 「〔課題を解決するための手段〕
本発明の画像処理装置は、前記目的を達成するため、画像を表示する表示装置と、印刷特性の異なる複数の印刷装置とを備え、前記複数の印刷装置の印刷特性に応じて前記表示装置の表示特性を補正する手段を設けたことを特徴とする。
〔作用〕
本発明の画像処理装置においては、表示装置における表示特性が可変となっており、印刷装置の印刷特性に応じて表示特性が補正される。たとえば、色再現範囲が狭い印刷装置で印刷を行う場合には、表示装置における色再現範囲も狭められる。
これにより、表示装置には、印刷装置で実際に印刷される画像と同じ画像が表示されることになる。」(2頁右上欄1行?14行)

イ 「ネットワーク1に対して、画像入力装置2、表示装置3及び特性の異なる複数の印刷装置4、5が接続されている。画像入力装置2には、カラーの原稿Dの画像を読み込んで赤、緑及び青の色信号R,G、Bを得る画像入力部2a、RGB色分解信号からL*a*b*表色系に変換する色信号変換回路2b及び変換後のL*a*b*表色系信号をネットワーク1に対して送り出すインタフェース2cが設けられている。また表示装置3には、ネットワーク1からのL*a*b*表色系信号を取り込むインタフェース3a、L*a*b*表色系からRGB色分解信号に変換する色信号変換回路3b、複数の印刷装置4、5に応じて表示特性を補正するための色補正回路3c、画像入力装置2で読み込まれた原稿Dの画像を表示するカラーCRTデイスプレイ等の表示部3dが設けられている。上記色補正回路3cは、第2図に示すように、マトリクス・マスキング回路6及びガンマ変換ルックアップテーブル7を備えている。
また、複数の印刷装置4、5には、それぞれ、ネットワーク1からのL*a*b*表色系信号を取り込むインタフェース4a、5a、L*a*b*表色系信号をイエロー、マゼンタ、シアン及び黒の色材信号Y、M、C、Kに変換する色変換回路4b、5b及び信号Y、M、C、Kに基づいて用紙上に印刷を行い印刷物P1、P2を生成する印刷部4c、5cが設けられている。」(2頁右上欄20行?右下欄6行)

ウ 「上述のように印刷部4c、5cの画像形成方式が異なっていると、使用する色材、用紙等の違いにより、色の再現領域の広さ等が異なる。このため、画像入力装置2から同じL*a*b*表色系信号を印刷装置4及び5に供給しても、各印刷部4c、5cから出力される印刷物P1、P2の色調等が異なってしまう。ところが、表示装置3での表示特性が固定であると、印刷装置の相違による画質の差を表示部3dで確認することができない。
そこで本実施例においては、表示装置3での表示特性を各印刷装置4,5の特性に応じて補正可能としている。すなわち、印刷装置4で印刷を行う場合には、印刷部4cで得られる印刷物P1の画像と、表示部3dにおいて表示される画像とが等しくなるように、色補正回路3cにおけるマトリクス・マスキング回路6及びガンマ変換ルックアップテーブル7の特性を設定する。また、印刷装置5で印刷を行う場合には、同様に印刷部5cで得られる印刷物P2の画像と表示部3dにおいて表示される画像とが等しくなるように設定する。
上述の色補正回路3cの設定条件は、たとえば、下記の手順により求めることができる。
(1)白紙上に多数の色パッチを貼り付けて標準色原稿を用意する。
(2)各色パッチを測色し、L*a*b*表色系における明度指数L*、知覚色度指数a*、b*、或いは、XYZ表色系における3刺激値X、Y、Zを求める。
(3)画像入力装置2により標準色原稿を読み込む。
(4)読み取った標準色原稿の画像を所定のパラメータに設定された印刷装置4で印刷する。
(5)印刷装置4で得られた印刷物を測色して、標準色原稿の場合と同様にL*a*b*表色系或いはXYZ表色系による測色値を求める。
(6)印刷物の測色値で表示される表示装置3の入力信号R2、G2、B2を求め、ガンマ変換ルックアップテーブル7を逆に通し、信号R1、G1、B1を求める。なお、ガンマ変換ルックアップテーブル7は、原稿Dのグレーが表示装置3でグレーに表示されるように設定しておく。
(7)標準色原稿を画像入力装置2で読み取った信号R、G、Bと信号R1、G1、B1の最小2乗法によりマトリクスマスキング係数を求める。
上述の作業により、印刷装置4に対応した設定条件が求まる。同様にして、印刷装置5に対応した設定条件も求める。
このようにして求めた設定条件を使用して、先に述べたように、印刷装置4,5に応じて表示装置2の表示特性を補正することにより、印刷装置4,5で実際に印刷される画像と同じ画像が表示装置2に表示されることになる。
また、ネットワーク1に対しては、色の情報をL*a*b*表色系の信号で送り出しているので、色信号R、G、Bを直接送り出す場合に比べて、画像入力装置2、印刷装置4,5の特性によらずネットワーク1への接続ができるという効果がある。これは、XYZ表色系の信号を使用した場合も同じである。」(3頁右下欄1行?4頁右上欄18行)

したがって、上記アないしウの記載及び図面から、引用例には、
「ネットワーク1に接続された画像入力装置2、表示装置3及び特性の異なる複数の印刷装置4,5から構成される画像処理装置であって、表示装置3には、L*a*b*表色系からRGB色分解信号に変換する色信号変換回路3b、複数の印刷装置4、5に応じて表示特性を補正するための色補正回路3cと、表示部3dが設けられており、色信号変換回路3bによって変換された色信号R、G、Bを、印刷装置4の印刷部4c、あるいは、印刷装置5の印刷部5cの印刷物の測色値で表示される色信号R2、G2、B2に補正されるように色補正回路3cにおけるマトリクス・マスキング回路6及びガンマ変換ルックアップテーブル7の特性を設定し、表示装置における色再現範囲を前記印刷装置に応じたものとする画像処理装置」発明(以下、「引用発明」という。)が開示されていると認めることができる。

(3)対比
引用発明の「表示部3d」と「印刷部4c、5c」とは、本願補正発明の「第1のデバイス」と「第2のデバイス」に相当する。
引用発明の「色再現範囲」は、本願補正発明の「色域」に相当する。
一般に、出力デバイスにおける色再現範囲は、該デバイスの色空間や色表示を規定するものであるから、引用発明の「表示装置における色再現範囲を印刷装置に応じたものとする」ことは、「表示装置の色表示を印刷装置の色表示にあわせる」ことといえる。そうすると、引用発明の「表示装置における色再現範囲を印刷装置に応じたものとする画像処理装置」は、本願補正発明の「第1のデバイスの色表示を、第2のデバイスにおける色表示にあわせて表示させる出力デバイス設定装置」に相当する。
また、画像処理装置に対して複数の入出力デバイスを接続した場合、処理に関係するデバイスを選択的に指定する手段を設けることは、普通に行われていることである。そうすると、複数の入出力デバイスが接続された引用発明では、「表示装置における色再現範囲を印刷装置に応じたものとする」という処理に関係するデバイスである、表示部3d、及び、印刷部4c、あるいは、5cを指定する手段を備えているといえる。
引用発明の「色信号R、G、B」は、表示装置3の表示部3dに依存したRGBで表される色空間の情報であるから、本願補正発明の「第1のデバイスの色空間情報」に相当する。
引用発明において、色補正回路3cによる「表示装置における色再現範囲を印刷装置に応じたものとする」補正処理は、色信号R、G、Bを表示装置における色域から、印刷装置に応じた色域に補正した色信号R2、G2、B2とすることである。そうすると、引用発明は、第1のデバイスの色空間情報を第2のデバイスの色空間の色域に補正する「色域圧縮手段」を備えているといえる。
したがって、本願補正発明と引用発明とは、「第1のデバイスでの色表示を、第2のデバイスにおける色表示にあわせて表示させる出力デバイス設定装置であって、出力を合わせる基準となる第1のデバイスを指定させる第1の指定手段と、設定対象である第2のデバイスを指定させる第2の指定手段と、第1のデバイスの色空間情報を第2のデバイスの色空間の色域に補正する色域圧縮手段とを有することを特徴とする出力デバイス色設定装置」で一致し、次の点で相違している。

(相違点1)
本願補正発明は、色域圧縮をデバイス非依存の色空間において行うために、「第1の指定手段で設定された第1のデバイスの色空間情報をデバイス非依存の色空間に変換する第1の変換手段」と「第1の変換手段により変換されたデバイス非依存色の色空間情報を、色域圧縮により第2のデバイスの色空間の色域に補正する色域圧縮手段」と「色域圧縮手段により色域の圧縮が行われたデバイス非依存色の色空間情報を第1のデバイスの色空間情報に変換する第2の変換手段」とを備えているのに対して、引用発明には、色域圧縮をデバイス非依存の色空間において行うための手段が認められない点。

(相違点2)
本願補正発明は、「各デバイス間の色空間の対応情報を記憶するデバイス情報記憶部」と、前記色空間の対応情報を保存するための「第2の変換手段より出力された色空間情報を、第1のデバイスにおける色空間情報に対する第2のデバイスにおける色空間の対応情報として前記デバイス記憶部に記憶させる保存手段」とを備えているのに対し、引用発明には当該手段が認められない点。

(4)判断
(相違点1)について
原査定で引用された特開平07-236069号公報の「【0006】上記機器独立色(Device Independent Color)という概念を採用したシステムでは、図14にデータの流れを示すように、例えば、入力デバイスであるスキャナ313Aにより取り込まれた画像情報RGBは、この入力デバイスの色域に依存した画像情報(Device Dependent Data) として、入力側の変換部323Aに入力される。この入力画像情報RGB(Device Dependent Data) は、上記変換部323Aにおいて入出機器の色域に依存しない画像情報CIE/XYZ(Device Independent Data) に変換され、さらにCIE/L* a* b* としてマッピッグ部330Aにおいて出力デバイス例えばプリンタの色域に圧縮される。
【0007】上記マッピッグ部330Aにおいて色域が圧縮された画像情報CIE/L* a* b* は、出力側の変換部327Aにおいて、入出機器の色域に依存しない画像情報CIE/XYZ(Device Independent Data) から、出力デバイスであるプリンタ317Aの色域に依存した画像情報RGB(Device Dependent Data) に変換される。そして、出力デバイスであるプリンタ317Aは、上記変換部327Aを介して供給される画像情報RGB(Device Dependent Data) に応じたプリント画像を出力する。
【0008】また、上記マッピッグ部330Aでは、出力デバイス例えばモニタの色域に対応する圧縮処理を行う。そして、上記マッピッグ部330Aにおいて色域が圧縮された画像情報CIE/L* a* b* は、出力側の変換部314Aにおいて、入出機器の色域に依存しない画像情報CIE/XYZ(Device Independent Data)から、出力デバイスであるモニタの色域に依存した画像情報RGB(Device Dependent Data) に変換される。そして、出力デバイスであるモニタ314Aは、上記変換部324Aを介して供給される画像情報RGB(Device Dependent Data)に応じた表示画像を出力する。」との記載、あるいは、特開平09-093451号公報の図3の記載にあるように、歪みのない色域圧縮を行うために、デバイスに依存する色空間からデバイスに依存しない色空間へ変換し、デバイスに依存しない色空間において色域圧縮を行い、デバイスに依存しない色空間からデバイスに依存する色空間へと変換することは、周知の技術である。
したがって、引用発明において色域圧縮手段を「デバイス非依存色の色空間に変換された第1のデバイスの色空間情報を、色域圧縮により第2のデバイスの色空間の色域に補正する色域圧縮手段」とし、さらに「第1のデバイスの色空間情報をデバイスに依存しない色空間へ変換する第1の手段」と「色域の圧縮が行われたデバイス非依存色の色空間情報を第1のデバイスに変換する第2の変換手段」とを設けることは、当業者が容易に想到できたものである。

(相違点2について)
デバイスに依存した色空間を変換する処理において、高速に変換処理を行うために、変換前後の色空間情報の対応を記憶するテーブルを設け、予め変換前の色空間情報に対する変換後の色空間情報を求めて、該テーブルに記憶しておくことは、特開平08-149320号公報の「【0003】ところで、この色分解画像修正装置においては、たとえば印刷のたびに演算してこの変換を行っていたのでは処理速度上問題になるので、色分解画像修正装置では、変換前の表色系(たとえばBGR表色系)における画像信号(たとえばBGR値)と変換後の表色系(たとえばYMC表色系)における画像信号(たとえばYMC値)との対応をテーブル化した色変換ルックアップテーブル(以下「色変換LUT」という)を予め作成して記憶しておき、表色系の変換が必要になったときには演算はせず、この色変換LUTを用いて、目標画像機器(たとえばディスプレイ)における画像信号に基づいて、目標画像機器に出力される色を再現画像機器(たとえばプリンタ)で再現するために再現画像機器に入力すべき画像信号を求めるようにしている。」との記載や、特開昭61-288662号公報の「以上ふりかえってみると予め決められた関数fL,fu,fγを用いて入力のRGBから出力のR’G’B’が一意に決定できることがわかる。従って、以上の部分は入力のRGBをアドレスに入力するテーブル変換用メモリROM10で構成することが可能である。」との記載にあるように、周知技術である。
したがって、引用発明において、高速に変換処理を行うために「各デバイス間の色空間の対応情報を記憶するデバイス情報記憶部」と、該デバイス情報記憶部に対して対応情報を保存するための「第2の変換手段より出力された色空間情報を、第1のデバイスにおける色空間情報に対する第2のデバイスにおける色空間の対応情報として前記デバイス記憶部に記憶させる保存手段」とを設けることは、当業者が適宜実施できた設計事項である。

そして、本願補正発明の作用効果も、引用発明から、当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本願補正発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法17条の2第5項で準用する同法126条5項の規定に違反するものであり、同法159条1項で準用する同法53条1項の規定により却下されるべきである。

3.本願発明について
平成16年11月11日付の手続き補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成16年4月9日付手続き補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「第1のデバイスでの色表示を、第2のデバイスにおける色表示にあわせて表示させる出力デバイス設定装置であって、
デバイス毎の色の設定情報を記憶するデバイス情報記憶部と、
出力を合わせる基準となる第1のデバイスを指定させる第1の指定手段と、
設定対象である第2のデバイスを指定させる第2の指定手段と、
前記第1の指定手段で設定された第1のデバイスの色空間情報をデバイス非依存の色空間に変換する第1の変換手段と、
前記第1の変換手段により変換されたデバイス非依存色の色空間情報を、色域圧縮により第2のデバイスの色空間の色域に補正する色域圧縮手段と、
前記色域圧縮手段により色域の補正が行われたデバイス非依存色の色空間情報を第1のデバイスの色空間情報に変換する第2の変換手段と、
前記第2の変換手段より出力された色空間情報を第2のデバイスにおける色の設定情報として前記デバイス情報記憶部に記憶させる保存手段と
を有する事を特徴とする出力デバイス色設定装置。」

(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、及びその記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明は、前記「2.」で検討した本願補正発明から「デバイス情報記憶部」に記憶される情報について具体的な限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2.(4)」に記載したとおり、引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-12-08 
結審通知日 2006-12-12 
審決日 2007-01-09 
出願番号 特願平10-69157
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H04N)
P 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 加内 慎也  
特許庁審判長 杉山 務
特許庁審判官 松永 稔
脇岡 剛
発明の名称 出力デバイス色設定装置  
代理人 横山 淳一  

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