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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B65B
管理番号 1152818
審判番号 不服2005-1095  
総通号数 88 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-01-19 
確定日 2007-02-22 
事件の表示 特願2000- 56157「容器洗浄方法」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 7月11日出願公開、特開2000-190924〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 理由
1 本願発明
本願は、平成10年9月4日に出願した特願平10-250910号の一部を平成12年3月1日に新たな特許出願としたものであって、その請求項1ないし10に係る発明は、平成16年6月9日にした手続補正により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定されるものと認められるところ、請求項1は、以下のとおり記載されている。
「【請求項1】 口頸部を有する容器本体に内容物を充填し、次いで該容器本体の該口頸部に、天面壁と該天面壁の周縁から垂下する筒状スカート壁とを有し且つ該スカート壁の上部と該天面壁の周縁部との少なくとも一方には洗浄液透過手段が形成されている合成樹脂製容器蓋を装着した後に、該容器蓋に洗浄液を噴射して該洗浄液透過手段を透過せしめて該容器本体の該口頸部と該容器蓋の該スカート壁との間に進入せしめ、かくして該容器本体の該口頸部の外周面及び該容器蓋の該スカート壁の内周面を洗浄する容器洗浄方法において、
該洗浄液透過手段は外面から切断刃を作用せしめて貫通切断することによって形成された切り込みから構成されており、該洗浄液は65℃以上に加熱されたものである、ことを特徴とする容器洗浄方法。」
(以下、請求項1に係る発明を「本願発明1」という。)

2 引用例の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平10-1158号公報(以下、「引用例」という。)には、以下の記載がある。
a「【0002】【従来の技術】従来より、ガラス瓶、PETボトルなどの瓶に各種の飲料を充填し、その瓶口にキャップを装着して製品とされた各種飲料製品が製造、販売されている。炭酸飲料水やジュース等の糖分を多く含む飲料を瓶に充填し、該瓶口にキャップを装着して閉止する際に、瓶の搬送時或いはキャップ装着時の振動等によって、内容液が瓶口から溢れる場合がある。特にキャッピング時に漏れ出した内容物は瓶口及びキャップ内壁に付着して残存し易い。そのため、内容物が糖分を多く含むものである場合にはキャップ装着後、溢れ出した内容物がキャップと瓶口との間で乾燥し、その残存糖分が接着剤のように作用し、キャップ1の開栓が困難となる不都合がある。」
b「【0005】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、合成樹脂製キャップを用いて、キャップと瓶口との間に残存した内容液を洗い流す瓶口洗浄方法を実施するためのキャップとその製造方法及び瓶口洗浄方法の提供を課題としている。」
c「【0008】これらの図において、符号1は瓶口洗浄孔付きキャップ(以下、キャップという)である。このキャップ1は、天板部2とその周縁から垂下した筒部3とからなる合成樹脂製のキャップ本体4を備えている。このキャップ本体4の筒部3の上部には、周方向に沿って複数個の瓶口洗浄孔5…が穿設されている。」
d「【0010】また、瓶口洗浄孔5…の孔径Bは、0.2?3.0mm、好ましくは0.5?2.0mm程度とされる。この孔径bが0.2mmより小さいと、瓶口洗浄孔5…を通して洗浄流体、特に水や湯などの液体がキャップ1内に入り難くなり、孔径bが3.0mmより大きいとキャップのネジ部とライナー部の間に洗浄孔を形成することができないことになり好ましくない。」
e「【0012】このキャップ1を製造するには、まずキャップ本体4を成形し、成形されたキャップ本体4の筒部3上部に、図3及び図4に示すようにレーザ光31を照射して瓶口洗浄孔5…を穿設する。……」
f「【0015】瓶口洗浄孔5を穿設したキャップ1は、図1及び図2に示すように、内容液を充填した容器の瓶口20に装着される。瓶口20はキャッピング時に内容物が溢れて付着している可能性がある。この瓶口20を洗浄するには、キャップ1の斜め上方から上記瓶口洗浄孔5…に対して、水、湯、水蒸気等の洗浄流体を噴射する。するとこれらの洗浄流体はスムースに瓶口20外周面とキャップ1内周面との間に流入する。瓶口洗浄孔5…からキャップ1内周面と瓶口20外周面との間に注入された水等の洗浄流体は、瓶口20の雄ネジ21に沿って流下しつつキャップ1内周面と瓶口20外周面との間に付着している糖分を洗い流し、キャップ1の下端からキャップ外部に流出する。その結果、キャップ1内周面と瓶口20外周面との間には糖分の付着がなくなるので、キャップ1の開封を妨害するものがなく、容易に開封操作を行うことができる。」
以上の記載及び図1ないし図4によれば、引用例には、次の発明が記載されているものと認められる。
「内容液を充填した容器の瓶口20に、天板部2とその周縁から垂下した筒部3とを有し且つ筒部3の上部に瓶口洗浄孔5が形成されている合成樹脂製のキャップ1を装着した後に、キャップ1に湯を噴射して瓶口洗浄孔5からキャップ1内周面と瓶口20外周面との間に流入させ、キャップ1内周面と瓶口20外周面との間に残存した内容液を洗い流す瓶口洗浄方法において、瓶口洗浄孔5はレーザ光31を照射して穿設されている、瓶口洗浄方法。」

3 対比
本願発明1と引用例記載の発明とを対比すると、引用例記載の発明の「容器」、「瓶口20」、「天板部2」、「筒部3」、「瓶口洗浄孔5」、「キャップ1」、「湯」及び「瓶口洗浄方法」は、それぞれ本願発明1の「容器本体」、「口頸部」、「天面壁」、「筒状スカート壁」、「洗浄液透過手段」、「容器蓋」、「洗浄液」及び「容器洗浄方法」に相当する。
そして、引用例記載の発明において、湯を噴射して瓶口洗浄孔5からキャップ1内周面と瓶口20外周面との間に流入させ、キャップ1内周面と瓶口20外周面との間に残存した内容液を洗い流すことは、取りも直さず、キャップ1の筒部3の内周面と瓶口20外周面を洗浄することであるから、両者は、
「口頸部を有する容器本体に内容物を充填し、次いで該容器本体の該口頸部に、天面壁と該天面壁の周縁から垂下する筒状スカート壁とを有し且つ該スカート壁の上部には洗浄液透過手段が形成されている合成樹脂製容器蓋を装着した後に、該容器蓋に洗浄液を噴射して該洗浄液透過手段を透過せしめて該容器本体の該口頸部と該容器蓋の該スカート壁との間に進入せしめ、かくして該容器本体の該口頸部の外周面及び該容器蓋の該スカート壁の内周面を洗浄する容器洗浄方法」
である点で一致し、次の点で相違する。
相違点1
本願発明1では、洗浄液透過手段は外面から切断刃を作用せしめて貫通切断することによって形成された切り込みから構成されているのに対して、引用例記載の発明では、洗浄液透過手段はレーザ光を照射して穿設されている点。
相違点2
本願発明1では、洗浄液は65℃以上に加熱されたものであるのに対して、引用例記載の発明では、洗浄液は湯であって、その温度が不明である点。

4 相違点の検討
そこで、上記各相違点について検討する。
《相違点1について》
切り込みの加工手段として、レーザ光を用いることも、切断刃を用いることも共に、本願の出願前に周知の技術(例えば、特開平10-152156号公報参照。)であり、いずれを選択するかは設計的事項であるから、引用例記載の発明において、洗浄液透過手段を、レーザ光を照射して穿設するのに代えて、外面から切断刃を作用せしめて貫通切断することによって形成された切り込みとすることは、当業者が容易になし得たことである。
《相違点2について》
引用例記載の発明における洗浄液である湯の温度は不明であるが、洗浄液の温度が高い程、洗浄効果が高まることは、当業者の技術常識であり、本願発明1において洗浄液を65℃以上に加熱されたものとしたことによる効果も、格別のものとは認められないから、引用例記載の発明において湯を65℃以上に加熱されたものとしたことに、格別の困難性は認められない。
したがって、本願発明1は、引用例記載の発明及び周知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明1は特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであり、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-12-14 
結審通知日 2006-12-19 
審決日 2007-01-05 
出願番号 特願2000-56157(P2000-56157)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B65B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 一ノ瀬 覚  
特許庁審判長 寺本 光生
特許庁審判官 関口 勇
中西 一友
発明の名称 容器洗浄方法  
代理人 小野 尚純  
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