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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1152834
審判番号 不服2006-1342  
総通号数 88 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-01-19 
確定日 2007-02-22 
事件の表示 特願2004-139870「画像管理装置」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 9月16日出願公開、特開2004-260856〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯
本願は、平成7年7月11日に出願された特願平07-174576号(以下「原出願」という。)の分割出願として、平成16年5月10日に出願されたものであって、平成17年12月12日付で拒絶査定がされ、これに対して平成18年1月19日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同日付で手続き補正がなされたものである。

2.平成18年1月19日付の手続き補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成18年1月19日付の手続き補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1(請求項の数は全部で12である。)は、
「入力された画像データのファイル番号を入力するファイル番号入力手段と、
前記ファイル番号入力手段から入力されたファイル番号を画像データのファイル番号として付与する一方、前記ファイル番号入力手段からのファイル番号の入力がされなかった場合には、ファイルの順序を示す番号を画像データのファイル番号として自動的に付与する制御手段と、
を備えた画像管理装置。」と補正された。
上記補正は、補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「ファイル番号」について具体的な限定を付加して補正後の請求項1とするものであって、特許法17条の2第4項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法17条の2第5項において準用する同法126条5項の規定に適合するか)について検討する。

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開平06-217044号公報(以下、「引用例」という。)には、図面と共に、次の記載がある。

ア 「【0002】
【従来の技術】従来のファクシミリ装置として,例えば,入力した原稿の画像情報にファイル番号を付与し,送信ファイルとしてメモリに記憶することができるファクシミリ装置がある。このようなファクシミリ装置では,入力した原稿の画像情報をメモリに記憶させる機能を選択した際に,自動的にファイル番号が割り当てられ,メモリ内の送信ファイルがファイル番号で管理されている。従って,ユーザーは,原稿をメモリに登録し,ファイル番号を指定することにより繰り返し同一の原稿を利用することができる。」

したがって、上記アの記載及び図面から、引用例には、「入力した原稿の画像情報に対して自動的にファイル番号が付与されるファクシミリ装置」発明(以下、「引用発明」という。)が開示されていると認めることができる。

(3)対比
引用発明の「画像情報」は、本願補正発明の「画像データ」に相当する。
一般に「ファクシミリ装置」は、送信あるいは受信する原稿の画像情報をファイルとして蓄積し管理する「画像管理装置」であるから、引用発明のファクシミリ装置も「画像管理装置」であるといえる。
ファクシミリ装置において、制御手段によって所定の処理を自動的に行うことは普通に行われていることである。そうすると、引用発明の「ファクシミリ装置」においても「自動的にファイル番号付与する」ために、それを制御する制御手段が設けられているといえる。
したがって、本願補正発明と引用発明とは、「入力された画像データのファイル番号を自動的に付与する制御手段を備えた画像管理装置」で一致し、次の点で相違している。

(相違点1)
本願補正発明が「入力された画像データのファイル番号を入力するファイル番号入力手段」を備え、制御手段によって「ファイル番号入力手段から入力されたファイル番号を画像データのファイル番号として付与する一方、前記ファイル番号入力手段からのファイル番号の入力がされなかった場合には、ファイルの順番を示す番号を画像データのファイル番号として自動的に付与する」制御を行っているのに対して、引用発明は、前記ファイル番号入力手段を備えおらず、そして制御手段は「画像データのファイル番号を自動的に付与する」制御のみである点。

(相違点2)
本願補正発明は「ファイルの順序を示す番号をファイル番号として付与する」のに対して、引用発明には、当該事項が認められない点。

(4)判断
(相違点1)について
原査定の拒絶の理由に引用された特開昭61-253578号公報に「次に、ステップP20でドキュメント名が入力されなかったときは、次に、新ドキュメントであるか否かが判別される(ステップP30)。そうであれば、後に詳しく説明するようにドキュメントからタイトルを自動的に作成し(ステップP31)、ステップP22に進む。この際、ドキュメントの先頭の分よりタイトルを作成するので、後でタイトルを見たときに、容易にその内容を思い出せる、また、ドキュメントのタイトルの入力を忘れても、ドキュメントが消えることがない。このドキュメント名の自動登録が、本発明の特徴である」(5頁左上欄16行?右上欄9行)と記載されているように、ファイル名を入力する入力手段を設け、前記入力手段から入力されたファイル名をデータのファイル名として付与する一方、前記入力手段からファイル名が入力されたなかった場合には、ファイル名を自動的に付与することは、ファイルと、それに対応するファイル名を扱う装置において周知の技術である。
そして、引用発明の「ファイル番号」も、前記周知技術の「ファイル名」も、ファイルを特定するための固有の情報であることは、当業者にとって自明の事項である。
そうすると、引用発明において、ファイル番号に関する処理に対して前記周知技術を適用し、「入力された画像データのファイル番号を入力するファイル番号入力手段」を設け、制御手段によって「ファイル番号入力手段から入力されたファイル番号を画像データのファイル番号として付与する一方、前記ファイル番号入力手段からのファイル番号の入力がされたなかった場合には、ファイルの順番を示す番号を画像データのファイル番号として自動的に付与する」ことは、当業者が容易になし得ることである。

(相違点2)について
対象を一意に特定するために、該対象に対してその順序に従って番号を付与することは、さまざまな技術分野で広く一般的に行われている技術である。
したがって、引用発明において、制御手段において、画像データのファイルに対してファイル番号を付与する際に「ファイルの順序を示す番号をファイル番号として付与する」ことは、当業者が適宜実施できた設計的事項にすぎない。

そして、本願補正発明の作用効果も、引用発明から、当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本願補正発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)なお、付言すると、以下の理由により、本願は、特許法44条に規定する要件を満たしておらず、出願日は遡及しないため、原出願の公開特許公報である特開平09-027893号公報に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、この点においても特許法29条2項の規定によって特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

特許法44条第1項では「二以上の発明を包含する特許出願の一部を一又は二以上の新たな特許出願とすることができる。」と規定しており、新たな特許出願に係る発明は原出願の明細書又は図面に記載されている発明でなければならないものと解される。そして、新たな特許出願の出願日が原出願の出願日に遡及することを考慮すると、新たな特許出願に係る発明は、原出願の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内であることが要件となる。
そこで、本願補正発明が、原出願の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるかについて検討する。
本願の特徴は、ファイル番号を入力するファイル番号入力手段と、前記ファイル番号入力手段から入力されたファイル番号を画像データのファイル番号として付与する一方、前記ファイル番号入力手段からのファイル番号の入力がされなかった場合には、ファイルの順序を示す番号を画像データのファイル番号として自動的に付与する制御手段とを、備えたことであって、「ファイル番号入力手段」、及び「制御手段」を備えた「画像管理装置」を必須の構成とするものである。
しかしながら、原出願の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下、「原出願の当初明細書」という。)の「【0004】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来のファクシミリ装置にあっては、表示部として大型のグラフィックディスプレイを装備するものでは、文字情報等を大量に表示することができるので、RTI(Receiver Terminal Identificatin)等の送信先情報、送信時刻、送信先電話番号、および送信結果などの管理情報を最新のものから複数通信分を表示することができるようになっている。これに対して、感熱紙を使用しているような普及型ファクシミリ装置(例えば、パーソナルファックス装置)では、コストの関係から表示部として1行の10キャラクタ程度を表示可能なドットマトリックスタイプの液晶表示器等が採用されているため、複数の管理情報を表示出力することは難しく、例えば、メモリ送信が正常に行なわれたかを知りたい場合には管理情報を用紙に記録した管理レポートを出力させ確認しなければならないという問題があった。また、このときには、知りたい画像データの管理情報を複数から探さなければならないという煩雑さがあった。なお、上記公報に記載のファクシミリ装置にあっては、操作(画像データの蓄積)を行なった時刻を記憶しておく必要がある。」、及び「【0005】そこで、本発明は、画像データのファイル番号としてオペレータが任意の番号を付与できるようにすることにより、所望の画像データの管理情報のみを容易に呼び出すことをできるようにして、表示部の大きさに拘らず、必要な管理情報を容易に知ることのできるファクシミリ装置を提供することを目的とする。」、及び「【0006】【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本発明は、次のように構成することを特徴とする。請求項1記載の発明は、通信回線を介して伝送する画像データを蓄積する画像蓄積手段を備え、ファイル番号を付与して該画像データを管理するファクシミリ装置であって、オペレータが入力操作する入力手段を有し、該入力手段から入力された入力情報を前記ファイル番号として登録する登録手段を設けたことを特徴とするものである。」との記載によれば、原出願の当初明細書で開示している技術は、コストの関係から表示部として1行の10キャラクタ程度を表示可能な表示器を採用したファクシミリ装置において、表示部の大きさに拘わらず、必要な管理情報を容易に知ることを課題とするものであって、原出願の当初明細書には、一貫して「ファクシミリ装置」のみについて説明されており、ファクシミリ装置が一般的な画像管理装置の一実施例にすぎないと認識できるような記載や、本願補正発明の「ファイル番号入力手段」、及び「制御手段」が、画像管理装置一般に適用されるものである旨の示唆すらもない。
そうすると、原出願の出願時の技術常識からみて本願補正発明の「ファイル番号入力手段」、及び「制御手段」を、ファクシミリ装置以外の画像管理装置に適用することは容易であるとしても、原出願の当初明細書の記載において、該「ファイル番号入力手段」、及び「制御手段」が、広く「画像管理装置」一般に適用されるものと理解できる手がかりが全くない。
してみれば、当業者であっても原出願の当初明細書からは、「ファクシミリ装置」に限定した技術事項のみを理解すると認められるため、「ファクシミリ装置」に限定していない本願補正発明は、原出願の当初明細書に記載された事項の範囲内でないものを含むこととなる。
したがって、本願は特許法44条に規定する要件を満たさないから、その出願日は現実の出願日である平成16年5月10日となり、本願補正発明は、原出願の公開特許公報である特開平09-027893号公報に記載された「ファクシミリ装置」の構成を、「画像管理装置」一般に適用したものであって、前記原出願の公開特許公報に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条2項の規定によって特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(6)審判請求人の主張について
審判請求人は、審判請求書の請求の理由において、「平成19年9月15日付け拒絶理由通知書に記載した理由では、引用文献1および引用文献2のうち『最も適した一の引用発明』として『引用文献1』が選択されたにもかかわらず、原査定においては、『最も適した一の引用発明』として『引用文献2』が選択された。このように、『最も適した一の引用発明』を『引用文献1』から『引用文献2』に変えることは、拒絶の理由を実質的に変更したものに等しく、出願人の意見書提出の機会を失わせることになり、全く不当である」旨を主張している。
検討するに、例えば、引用例Aと引用例Bの2つの引用例がある場合に、引用例Aを主たる引用例とするか、引用例Bを主たる引用例とするかは、ある発明が引用例A及び引用例Bとの関係で進歩性を有するか否かを判断するに際しての判断方法の問題にすぎず、引用例の主従関係が入れ代わったとしても、拒絶の理由を変更するものではない。
したがって、前記審判請求人の主張は採用できない。

(7)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法17条の2第5項で準用する同法126条5項の規定に違反するものであり、同法159条1項で準用する同法53条1項の規定により却下されるべきである。

3.本願発明について
平成18年1月19日付の手続き補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成17年11月21日付手続き補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「ファイル番号を入力するファイル番号入力手段と、
前記ファイル番号入力手段から入力されたファイル番号を画像データのファイル番号として付与する一方、前記ファイル番号入力手段からのファイル番号の入力がされなかった場合には、ファイルの順序を示す番号を画像データのファイル番号として自動的に付与する制御手段と、
を備えた画像管理装置。」

(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、及びその記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明は、前記「2.」で検討した本願補正発明から「ファイル番号」について具体的な限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2.(4)」に記載したとおり、引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-12-20 
結審通知日 2006-12-26 
審決日 2007-01-09 
出願番号 特願2004-139870(P2004-139870)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H04N)
P 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 日下 善之  
特許庁審判長 杉山 務
特許庁審判官 脇岡 剛
伊知地 和之
発明の名称 画像管理装置  
代理人 有我 軍一郎  
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