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審決分類 |
審判 査定不服 4項3号特許請求の範囲における誤記の訂正 特許、登録しない。 G02F 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02F 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G02F 審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 特許、登録しない。 G02F 審判 査定不服 4項1号請求項の削除 特許、登録しない。 G02F |
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管理番号 | 1153248 |
審判番号 | 不服2004-8275 |
総通号数 | 88 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2007-04-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-04-22 |
確定日 | 2007-03-05 |
事件の表示 | 特願2003- 46342「薄膜トランジスタマトリクス装置の製造方法、液晶表示装置の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成15年11月 6日出願公開、特開2003-315831〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成8年12月19日(優先権主張平成7年12月26日)に出願した特願平8-340027号の一部を平成15年2月24日に新たな特許出願としたものであって、平成16年3月1日付で拒絶査定がされ、これに対し、同年4月22日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同年5月24日付で手続補正がなされたものである。 2.平成16年5月24日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成16年5月24日付けの手続補正を却下する。 [理由] (1)本件補正 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、出願時の明細書における特許請求の範囲の 「【請求項1】 第1の領域と、第2の領域と、該第1の領域と該第2の領域に挟まれた第3の領域とを有する基板の上に感光性レジスト膜を形成する工程と、第1の露光マスクを使用して前記感光性レジスト膜を露光し、これにより、前記第1の領域の上の前記感光性レジスト膜に複数の第1のパターンの潜像を配置形成するとともに、前記第3の領域の上の前記感光性レジスト膜に前記第1のパターンが入る広さの未露光領域と少なくとも1つの前記第1のパターンの潜像とを形成する工程と、第2の露光マスクを使用して前記感光性レジスト膜を露光し、これにより、前記第2の領域の上の前記感光性レジスト膜に複数の前記第1のパターンの潜像を配置形成するとともに、前記第3の領域上の前記未露光領域に前記第1のパターンの潜像を形成する工程と、前記感光性レジスト膜を現像することにより、前記感光性レジスト膜よりなる複数の前記第1のパターンを顕像化する工程と、前記感光性レジスト膜よりなる前記第1のパターンをマスクに使用して、所望の膜よりなる複数の第2のパターンを規則的に配列して形成する工程とを含むパターン形成する工程とを含むパターン形成工程を有し、前記パターン形成工程を少なくとも2つの異なる前記膜に対して適用することにより、少なくとも2つの異なる層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタマトリクス装置の製造方法。」から 「【請求項1】 第1の領域と、第2の領域と、該第1の領域と該第2の領域に挟まれた第3の領域とを有する基板の上に感光性レジスト膜を形成する工程と、第1の露光マスクを使用して前記感光性レジスト膜を露光し、これにより、前記第1の領域の上の前記感光性レジスト膜に複数の第1のパターンの潜像を配置形成するとともに、前記第3の領域の上の前記感光性レジスト膜に前記第1のパターンが入る広さの未露光領域と少なくとも1つの前記第1のパターンの潜像とを形成する工程と、第2の露光マスクを使用して前記感光性レジスト膜を露光し、これにより、前記第2の領域の上の前記感光性レジスト膜に複数の前記第1のパターンの潜像を配置形成するとともに、前記第3の領域上の前記未露光領域に前記第1のパターンの潜像を形成する工程と、前記感光性レジスト膜を現像することにより、前記感光性レジスト膜よりなる複数の前記第1のパターンを顕像化する工程と、 前記感光性レジスト膜よりなる前記第1のパターンをマスクに使用して、所望の膜よりなる複数の第2のパターンを規則的に配列して形成する工程とを含むパターン形成工程を有し、前記パターン形成工程を少なくとも2つの異なる前記膜に対して適用することにより、少なくとも2つの異なる層を形成し、かつバスライン及び前記バスラインに接続する端子部に前記第3の領域を適用することを特徴とする薄膜トランジスタマトリクス装置の製造方法。」へと補正された。 (2)当審の判断 本件補正が、特許法第17条の2第4項第1号乃至第4号に規定された事項を目的とするものであるかについて検討する。 本件補正は、補正前の請求項1に「かつバスライン及び前記バスラインに接続する端子部に前記第3の領域を適用する」との発明特定事項を付加したものである。 ここで、本件補正により付加された発明特定事項における「前記第3の領域」は、補正前の請求項1の「第1の領域と、第2の領域と、該第1の領域と該第2の領域に挟まれた第3の領域とを有する基板」なる事項の第3の領域であると解されるが、本件補正により付加された発明特定事項における「バスライン及び前記バスラインに接続する端子部」は、補正前の請求項1には記載がないから、「バスライン及び前記バスラインに接続する端子部」を発明特定事項に付加する補正は、補正前の特許請求の範囲に記載された発明の特定事項を限定するものではない。 また、「適用する」は、「あてはめて用いる」(広辞苑第四版による。)との意味であるから、「バスライン及び前記バスラインに接続する端子部に前記第3の領域を適用する」とは、基板の第1の領域と該第2の領域に挟まれた第3の領域を、バスライン及び前記バスラインに接続する端子部にあてはめて用いることを意味することになるが、これがどのような技術的意義を有するのか不明であり、その結果、請求項1の記載はかえって不明りょうなものとなるから、「かつバスライン及び前記バスラインに接続する端子部に前記第3の領域を適用する」なる記載を追加する補正は、明りょうでない記載の釈明を目的とするものでもない。 さらに、本件補正は、請求項の削除又は誤記の訂正を目的とするものでもない。 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第4項第1号乃至第4号に規定されたいずれの事項をも目的とするものではない。 (3)むすび 以上のとおりであるから、本件手続補正は、特許法第17条の2第4項の規定に適合しないので、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 3.本願発明について (1)本願発明 平成16年5月24日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は,出願時の明細書における特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 第1の領域と、第2の領域と、該第1の領域と該第2の領域に挟まれた第3の領域とを有する基板の上に感光性レジスト膜を形成する工程と、第1の露光マスクを使用して前記感光性レジスト膜を露光し、これにより、前記第1の領域の上の前記感光性レジスト膜に複数の第1のパターンの潜像を配置形成するとともに、前記第3の領域の上の前記感光性レジスト膜に前記第1のパターンが入る広さの未露光領域と少なくとも1つの前記第1のパターンの潜像とを形成する工程と、第2の露光マスクを使用して前記感光性レジスト膜を露光し、これにより、前記第2の領域の上の前記感光性レジスト膜に複数の前記第1のパターンの潜像を配置形成するとともに、前記第3の領域上の前記未露光領域に前記第1のパターンの潜像を形成する工程と、前記感光性レジスト膜を現像することにより、前記感光性レジスト膜よりなる複数の前記第1のパターンを顕像化する工程と、前記感光性レジスト膜よりなる前記第1のパターンをマスクに使用して、所望の膜よりなる複数の第2のパターンを規則的に配列して形成する工程とを含むパターン形成する工程とを含むパターン形成工程を有し、前記パターン形成工程を少なくとも2つの異なる前記膜に対して適用することにより、少なくとも2つの異なる層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタマトリクス装置の製造方法。」 (2)刊行物記載の発明 ア.引用例1 原査定の拒絶理由に引用したこの出願の優先日前公知の刊行物である、特開平6-202153号公報(以下、「引用例1」という。)には、 (ア)「【0039】こうして、ゲート端子部は、透明絶縁基板10上に形成されたゲート端子下部電極12dと、このゲート端子下部電極12d上並びに絶縁膜14及びパッシベーション膜30上に形成されたゲート端子上部電極34cとから構成され、外部制御回路と接続されるようになっている。次に、図1及び図2に示す逆スタガード型TFTマトリクス装置の製造方法を、図3乃至図11の工程断面図を用いて説明する。尚、各図の(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ図1のAA′線断面、BB′線断面、CC′線断面、DD′線断面に対応したドレイン端子部、TFT部、画素部及び蓄積容量部、並びにゲート端子部を示す。 【0040】ガラス基板等の透明絶縁基板10上に、スパッタ法を用いて、例えばAl又はCr等からなる金属層を成膜する。そしてこの金属層上に、所定のレジストパターンを形成した後、それをマスクとして金属層をエッチングして、ゲート電極12a、Cs電極12b、ゲート電極12aに接続するゲートバスライン12c、及びこのゲートバスライン12cに接続するゲート端子下部電極12dをそれぞれ形成する。 【0041】尚、この金属層は、次の工程で全面に積層する絶縁膜と十分な選択エッチング性を有するものであれば、AlやCrに限らず、他の金属材料を使用してもよい(図3参照)。次いで、全面に、プラズマCVD法を用いて、SiN膜又はSiO2膜とSiN膜との2層膜等からなる厚さ約400nmの絶縁膜14を成膜する。尚、ここで、ゲート電極12a上の絶縁膜14を特にゲート絶縁膜14aと呼ぶ。 【0042】続いて、この絶縁膜14上に、プラズマCVD法を用いて、厚さ20nmのノンドープのi型a-Si層16及びSiO2膜又はSiN膜からなる厚さ150nmの保護膜18を順に成膜する(図4参照)。次いで、この保護膜18を、TFTチャネル部を除き、弗酸緩衝液等を用いて全てエッチング除去する。即ち、TFT部のゲート電極12a上方にのみ保護膜18を残存させて、チャネル保護膜18aを形成する(図5参照)。 【0043】次いで、全面に、プラズマCVD法を用いて、厚さ60nmのn+ 型a-Si層20を成膜した後、更にスパッタ法を用いて、厚さ200nmの例えばAl又はCr等からなる金属層22を成膜する(図6参照)。次いで、この金属層22上に、所定のレジストパターンを形成した後、それをマスクとして金属層22、n+ 型a-Si層20、及びi型a-Si層16を順にエッチングする。こうして、TFT部のゲート絶縁膜14a上にi型a-Si層16からなるa-Si活性層16aを形成すると共に、チャネル保護膜18aの両側のn+ 型a-Si層20からなるn+ 型a-Si接合層20a、20bを介してそれぞれa-Si活性層16aに接続する金属層22からなるソース電極22a及びドレイン電極22bを相対して形成し、TFTを完成させる。 【0044】また同時に、蓄積容量部のCs電極12b上に、絶縁膜14及びi型a-Si層16からなる誘電体膜24を介して、n+ 型a-Si層20及び金属層22からなる対向電極26を形成する。更に、ドレイン端子部において、ドレイン電極22bにドレインバスライン(図示せず)を介して接続するn+ 型a-Si層20及び金属層22からなるドレイン端子下部電極28を形成する(図7参照)。 【0045】次いで、全面に、CVD法又はスパッタ法を用いて、SiN膜、SiO2膜、又はこれらの複合膜からなる厚さ400nmのパッシベーション膜30を成膜し、完成させたTFTを覆う(図8参照)。次いで、レジストを塗布した後、フォトリソグラフィ法を用いて、ソース電極22a、対向電極26、ドレイン端子下部電極28、及びゲート端子下部電極12d上にそれぞれ開口部をもつレジストパターンを形成する。そしてこのレジストパターンをマスクとしてパッシベーション膜30又はパッシベーション膜30及び絶縁膜14をエッチングし、コンタクトホール32a、32b、32c、32dをそれぞれ開口する。 【0046】尚、このときのエッチングは、パッシベーション膜30又はパッシベーション膜30及び絶縁膜14をテーパエッチングするものであることが望ましい。コンタクトホール32a、32b、32c、32d内に露出したソース電極22a、対向電極26、ドレイン端子下部電極28、及びゲート端子下部電極12dと、次の工程で成膜するITO等からなる透明導電膜とを電気的に接続する必要があるからである。そしてこのテーパエッチングは、弗酸緩衝液によるウエットエッチの他、CF4 ガスによるRIE(反応性イオンエッチング)等を用いてもよい(図9参照)。 【0047】次いで、全面に、スパッタ法等を用いて、厚さ100nmのITO等からなる透明導電膜34を成膜する(図10参照)。次いで、この透明導電膜34を所定の形状にパターニングし、コンタクトホール32a、32bを介してソース電極22a及び対向電極26に接続する画素電極34aを形成する。また同時に、コンタクトホール32cを介してドレイン端子下部電極28に接続するドレイン端子上部電極34bを形成し、コンタクトホール32dを介してゲート端子下部電極12dに接続するゲート端子上部電極34cを形成する。 【0048】こうして、TFT部のソース電極22aに接続する画素電極34aからなる画素部、この画素電極34aに接続する対向電極26、Cs電極12b、及びこれら両電極間に挟まれた誘電体膜24からなる蓄積容量部、TFT部のドレイン電極22bにドレインバスラインを介して接続するドレイン端子下部電極28及びドレイン端子上部電極34bからなるドレイン端子部、並びにTFT部のゲート電極12aにゲートバスライン12cを介して接続するゲート端子下部電極12d及びゲート端子上部電極34dからなるゲート端子部をそれぞれ完成させる(図11参照)。 【0049】このように本実施例によれば、ゲート端子部を形成する場合、透明絶縁基板10上に、Al又はCr等の金属層からなるゲート端子下部電極12dをゲート電極12a及びゲートバスライン12cと同時に形成し(図3参照)、このゲート端子下部電極12d上に、ゲート絶縁膜14aと共通の層をなす絶縁膜14を成膜し(図4参照)、この絶縁膜14上に、TFTを覆うパッシベーション膜30を成膜し(図8参照)、これらパッシベーション膜30及び絶縁膜14をエッチングしてコンタクトホール32dを開口し(図9参照)、このコンタクトホール32dを介してゲート端子下部電極12dに接続する透明導電膜からなるゲート端子上部電極34cを、画素電極34aと同時に形成する(図10及び図11参照)。」が図面とともに記載されている。 (イ)引用例1の図1の記載から、ゲート電極12a、Cs電極12b、ゲート電極12aに接続するゲートバスライン12c、ソース電極22a、ドレイン電極22b、対向電極26、コンタクトホール32a及びコンタクトホール32bはいずれも規則的に配列していることが見てとれる。 (ウ)引用例1の金属層22、n+ 型a-Si層20は、同じレジストパターンをマスクとして順次エッチングされること(段落0043参照。)から、図2(a)、(b)、(c)に記載のn+ 型a-Si接合層20a、20bも、ソース電極22a及びドレイン電極22bと同様に(上記(イ)参照。)、規則的に配列していることが把握できる。 (エ)引用例1の図1に具体的に記載されているドレイン端子部及びゲート端子部は各1個であるが、ドレイン端子部はドレインバスライン36の端部に接続され、ゲート端子部はゲートバスラインの端部に接続されることが自明であるから、図1に具体的に記載されているドレイン端子部の左側にも他のドレイン端子部が規則的に配列され、図1に具体的に記載されているゲート端子部の下側にも他のゲート端子部が規則的に配列されることが把握できる。 (オ)これらの記載事項によると、引用例1には、 「次の(a)乃至(e)の工程を有するTFTマトリクス装置の製造方法。 (a)透明絶縁基板10上に金属層を成膜し、この金属層上に、所定のレジストパターンを形成した後、それをマスクとして金属層をエッチングして、ゲート電極12a、Cs電極12b、ゲート電極12aに接続するゲートバスライン12c、及びこのゲートバスライン12cに接続するゲート端子下部電極12dをそれぞれ規則的に配列して形成する。 (b)次いで、全面に、絶縁膜14を成膜する。続いて、この絶縁膜14上に、ノンドープのi型a-Si層16及び保護膜18を順に成膜する。次いで、この保護膜18を、TFTチャネル部を除き、全てエッチング除去する。次いで、全面に、n+ 型a-Si層20を成膜した後、更に金属層22を成膜する。 (c)次いで、この金属層22上に、所定のレジストパターンを形成した後、それをマスクとして金属層22、n+ 型a-Si層20、及びi型a-Si層16を順にエッチングする。こうして、TFT部のゲート絶縁膜14a上にi型a-Si層16からなるa-Si活性層16aを形成すると共に、チャネル保護膜18aの両側のn+ 型a-Si層20からなるn+ 型a-Si接合層20a、20bを介してそれぞれa-Si活性層16aに接続する金属層22からなるソース電極22a及びドレイン電極22bを相対して規則的に配列して形成し、TFTを完成させる。また同時に、蓄積容量部のCs電極12b上に、絶縁膜14及びi型a-Si層16からなる誘電体膜24を介して、n+ 型a-Si層20及び金属層22からなる対向電極26を規則的に配列して形成する。更に、ドレイン端子部において、ドレイン電極22bにドレインバスラインを介して接続するn+ 型a-Si層20及び金属層22からなるドレイン端子下部電極28を規則的に配列して形成する。 (d)次いで、全面に、パッシベーション膜30を成膜し、完成させたTFTを覆う。 (e)次いで、レジストを塗布した後、フォトリソグラフィ法を用いて、ソース電極22a、対向電極26、ドレイン端子下部電極28、及びゲート端子下部電極12d上にそれぞれ開口部をもつレジストパターンを形成する。そしてこのレジストパターンをマスクとしてパッシベーション膜30又はパッシベーション膜30及び絶縁膜14をエッチングし、コンタクトホール32a、32b、32c、32dをそれぞれ規則的に配列して開口する。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 イ.引用例2 (ア)原査定の拒絶理由に引用したこの出願の優先日前公知の刊行物である特開昭62-105146号公報(以下、「引用例2」という。)には、 「次に、第3図に示した全画素用パターン8を設ける被転写板は、第4図に示すような、ソーダライムガラスからなる透光性基板9(270mm×210mm)上に、真空蒸着法によりSi02からなる絶縁膜10(膜厚:5000Å)、ITOからなる透明導電膜159(膜厚:700Å)を順次積層したものとし、次に透明導電膜159上にロールコータ法によりポジ型のフォトレジスト160(例:ヘキスト社製のAZ-130027,膜厚:12000Å)を塗布したレジスト付被転写板161を用意し、これを第5図に示す定盤162上に真空吸着して固定する。 この定盤162には、真空吸着用の貫通孔162a,162b,162c,162dとレジスト付被転写板161の4辺中心線上外側に4個のアライメントマーク163,164,165,166が設けられている。これらのアライメントマーク163?166は、レジスト付被転写板161の厚さより0.1mmはど薄く、小片状の透光性基板(例:石英ガラス、5mm口)を使用し、白抜き十字状のアライメントマークを、第1図に示したアライメントマーク(151,152)、(153,154)、(155,156)、(157,158)と対応するように形成したものである。そして、これらのアライメントマーク163,164,165,166はそれぞれ、第1図に示したアライメントマーク151(153),152(156),155(157),154(158)に適合した位置関係に設置されるように、マイクロメータ等の調整治具により位置を調整したうえで、定盤162上に固定される。 次に、レジスト付被転写板161上の左側上部に第1図(a)で示した転写マスク63を密着固定する。その際、光学顕微鏡を通して、転写マスク63のアライメントマーク151,152を定盤162上のアライメントマーク163,164にそれぞれ位置合わせして設置する。そして、この転写マスク63以外の領域を遮光し、紫外線光を上方から転写マスク63を介して、レジスト付被転写板161のレジスト160を露光して、第6図(a)に示すような、転写マスク63の転写パターン71,72,73,75,76,77,78,79,80,81,85,87と予備パターン74,82,83,84,86,88,89,90とにそれぞれ対応した画素用パターンを形成するための未露光部分(以下、[画素パターン用未露光部分」という。)71’,72’,73’,75’,76’,77’,78’,79’,80’,81’,85’,87’と予備パターンによって遮光された未露光部分(以下、「予備未露光部分」という。)74’,82’,83’,84’,86’,88’,89’,90’を設ける。なお、167は露光部分である。 次に、先の転写マスク63を取り外して、第1図(b)に示した転写マスク64をレジスト付被転写板161上に設置する。その際にも、前述と同様に転写マスク64のアライメントマーク153,154と定盤162上のアライメントマーク163,166とをそれぞれ位置合わせをする。そして、この転写マスク64以外の領域を遮光して、前述と同様に紫外線光によりレジスト160を露光し、第6図(b)に示す、転写マスク64の転写パターン93,94,95,98,99,100,103,105,109,110と予備パターン104,108にそれぞれ対応した画素パターン用未露光部分93’,94’,95’,98’,99’,100’,103’,105’,109’,110’と予備未露光部分104’,108’とを設ける。また、転写マスク64の転写パターン91,106が、それぞれ前述した予備未露光部分74’,89’上に1μmの精度で位置し、露光されることから、予備未露光部分74’,89’は、それぞれ画素パターン用未露光部分91’,106’となる。さらに、予備パターン101,107が、それぞれ前述した予備未露光部分84’,90’上に前述の精度で位置し、露光されることから、予備未露光部分84’,90’は、それぞれ予備未露光部分101’,107’となる。なお、168は露光部分となる。 次に、先の転写マスク64を取り外して、第1図(C)に示した転写マスク65をレジスト付被転写板161上に設置する。その際にも、前述したと同様に転写マスク65のアライメントマーク156,155と定盤162上のアライメントマーク164,165とをそれぞれ位置合わせをする。そして、この転写マスク65以外の領域を遮光し、前述と同様に露光し、第6図(c)に示す、転写マスク65の転写パターン121,122,123,124,126,127,128と予備パターン125,129,130とにそれぞれ対応した画素パターン用未露光部分121’,122’,123’,124’,126’,127’,128’と予備未露光部分125’,129’,130’とを設ける。また、転写マスク65の転写パターン112,113,116,118,120が、それぞれ前述した予備未露光部分82’,83’,86’,88’,107’上に位置し、露光されることから、予備未露光部分82’,83’,86’,88’,107’は、それぞれ画素パターン用未露光部分112’,113’,116’,118’,120’となる。さらに、予備パターン114が、前述した予備未露光部分101’上に位置し、露光されることから、予備未露光部分101’は、予備未露光部分114’となる。なお、169は露光部分である。 そして、最後に、先の転写マスク65を取り外して、第1図(d)に示した転写マスク66をレジスト付被転写板161上に設置する。その際にも前述したと同様に転写マスク66のアライメントマーク157,158と定盤162上のアライメントマーク165,166とをそれぞれ位置合わせをする。そして、この転写マスク66以外の領域を遮光し、前述と同様に露光し、第6図(d)に示す、転写マスク66の転写パターン143,144,145,148,149,150にそれぞれ対応した画素パターン用未露光部分143’,144’,145’,148’,149’,150’を設ける。さらに、転写マスク66の転写パターン131,134,138,142,146,147が、それぞれ前述した予備未露光部分114’,104’,108’,125’,129’,130’上に1μmの精度で位置し、露光されることから、予備未露光部分114’,104’,108’,125’,129’,130’は、それぞれ画素パターン用未露光部分131’,134’,138’,142’,146’,147’となる。なお、170は露光部分である。 次に、転写パターン用未露光部分71’?73’,91’,75’,93’?95’,76’?80’,98’?100’,81’,112’,113’,131’,85’,103’,134’,105’,116’,87’,118’,106’,120’,138’,109’,110’,121’?124’,142’?145’,126’?128’,146’?150’が設けられたレジスト付被転写板161を定盤162から取り外し、専用現像液にて現像し、第4図に示す透明導電膜159を、塩酸と塩化第2鉄との混合液でエツチングし、水酸化ナトリウムによりレジストを剥離し、第3図に示した全画素用パターン8を形成した。」(第5頁左上欄6行?第6頁左下欄14行)が図面とともに記載されている。 (イ)これらの記載及び図面の記載事項から、 「区域59のうち他の区域と重複しない領域と、区域60のうち他の区域と重複しない領域と、区域61のうち他の区域と重複しない領域と、区域62のうち他の区域と重複しない領域と、2以上の区域の重複区域A1,A2,A3,A4及びA5からなる領域とを有する透光性基板9の上にポジ型のフォトレジスト160を塗布したレジスト付被転写板161を用意し、転写マスク63を密着固定してレジスト付被転写板161を露光し、これにより、前記区域59のうち他の区域と重複しない領域の上の前記フォトレジスト160に複数の画素用パターンの潜像(71’?73’及び76’?78’)を形成するとともに、前記重複区域A1,A2,A3,A4及びA5からなる領域の上の前記フォトレジスト160に前記画素用パターンが入る広さの予備未露光部分(74’、82’、83’、84’、86’、88’、89’、90’)と少なくとも1つの前記画素用パターンの潜像(75’、79’、80’、81’、85’、87’)とを形成する工程と、転写マスク64を設置してレジスト付被転写板161を露光し、これにより、前記区域60のうち他の区域と重複しない領域の上の前記フォトレジスト160に複数の画素用パターンの潜像(93’?95’及び98’?100’)を形成するとともに、前記重複区域A1,A2,A3,A4及びA5からなる領域の上の前記フォトレジスト160に前記画素用パターンが入る広さの予備未露光部分(101’、104’、107’、108’)と少なくとも1つの前記画素用パターンの潜像(91’、103’、105’、106’、109’、110’)とを形成する工程と、転写マスク65を設置してレジスト付被転写板161を露光し、これにより、前記区域61のうち他の区域と重複しない領域の上の前記フォトレジスト160に複数の画素用パターンの潜像(121’?123’及び126’?128’)を形成するとともに、前記重複区域A1,A2,A3,A4及びA5からなる領域の上の前記フォトレジスト160に前記画素用パターンが入る広さの予備未露光部分(114’、125’、129’、130’)と少なくとも1つの前記画素用パターンの潜像(112’、113’、116’、118’、120’、124’)とを形成する工程と、転写マスク66を設置してレジスト付被転写板161を露光し、これにより、前記区域62のうち他の区域と重複しない領域の上の前記フォトレジスト160に複数の画素用パターンの潜像(143’?145’及び148’?150’)を形成するとともに、前記重複区域A1,A2,A3,A4及びA5からなる領域の上の前記予備未露光部分(104’、108’、114’、125’、129’、130’)に前記画素用パターンの潜像(134’、138’、131’、142’、146’、147’)とを形成する工程とを含むパターン形成する工程」の技術事項が把握できる。 ウ.引用例3 (ア)原査定の拒絶理由に引用したこの出願の優先日前公知の刊行物である特開平6-324474号公報(以下、「引用例3」という。)には、 「【請求項3】複数の単位パターンを有する第1及び第2のパターン領域を、該第1及び第2のパターン領域の周辺部どうしが感光基板上で互いに連続するように露光することによつて該感光基板上に大面積のパターンを形成する露光方法において、 前記第1及び第2のパターン領域のうち連続させるべき前記周辺部における前記単位パターンが離散的、且つ重複しない位置に配置されたフオトマスクを用い、 前記周辺部どうしを前記感光基板上で重複させて感光することを特徴とする露光方法。」、 「【0019】 【作用】第1及び第2のパターン領域のうち連続されるべき周辺部43における単位パターンが離散的、且つ重複しない位置に配置されたフオトマスクを用い、周辺部43どうしを感光基板上で重複させて感光することにより、第1及び第2のパターン領域をそれぞれ露光する際における露光量の大きさに差がある場合にも、連続されるべき周辺部43に形成される各単位パターンの露光量の違いが知覚され難いようにすることができる。 【0020】 【実施例】以下図面について本発明の一実施例を詳述する。 【0021】ここではマトリクス状に配置された画素電極を薄膜トランジスタによつてスイツチング駆動することにより画像を表示する液晶デイスプレイの製造に用いられるパターン像を基板12上にステツプアンドリピート方式の投影露光装置10を用いて露光する場合について説明する。この実施例の場合、パターン像は左右2つのパターン像に分けて露光され、2回のシヨツトの終了後に1つのパターン像が形成されるようになされている。 【0022】このとき基板12上に第1回目のシヨツトによつて露光される露光領域41と第2回目のシヨツトによつて露光される露光領域42は、図1(A)に示すように、接続部43に当たる部分においてそれぞれ重複するようになされている。この画面の接続部43を拡大すると図1(B)のようになる。ここで黒塗り及び白抜きによつて示される正方形のパターンはそれぞれ液晶デイスプレイの各画素を表している。 【0023】このうち黒塗りの画素は第1回目のシヨツトによつて露光される画素を表し、白抜きの画素は2回目のシヨツトによつて露光される画素を表す。この実施例の場合、露光領域41、42を接続する方向の9個の画素の領域が接続部43に当たる。 【0024】この接続部43に位置する複数の画素のそれぞれは、第1回目のシヨツト又は第2回目のシヨツトのいずれか一方のシヨツトによつて1度だけ露光されるようになされており、2重露光されないようになされている。ここで各シヨツトに用いられるレチクルパターン(図示せず)は、接続部43の部分に配置される画素のうち他方のシヨツトによつてのみ露光される画素部分が露光されないようにクロム等によつてマスクされている。」、 「【0027】従つて第1回目のシヨツトによつて形成された薄膜トランジスタと第2回目のシヨツトによつて形成された薄膜トランジスタに電気的な差が生じて各画素の動作特性に差が生じたり、2つの画素における輝度に若干のコントラスト差が生じたとしてもその輝度の違いはまざりあつているため知覚されにくくなつている。」、及び、 「【0037】さらに上述の実施例においては、液晶デイスプレイを構成する各画素を駆動する電解効果トランジスタを露光する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他のゲートや配線パターンを露光する場合にも広く適用し得る。例えばブラツクマトリクスを形成する場合にも適用し得る。」が図面とともに記載されている。 (イ)これらの記載及び図面の記載事項から、 「露光領域41のうち接続部43以外の第1の領域と、露光領域42のうち接続部43以外の第2の領域と、該第1の領域と該第2の領域に挟まれた接続部43の領域とを有する感光基板を用意し、第1のレチクルを使用して第1回目のショットによって露光し、これにより、前記第1の領域の上に複数の画素パターンの潜像を配置形成するとともに、前記接続部43の領域の上に配置される画素のうち他方のショットによってのみ露光される画素部分が露光されないようにクロム等によってマスクされている領域と少なくとも1つの前記画素パターンの潜像とを形成する工程と、第2のレチクルを使用して第2回目のショットによって露光し、これにより、前記第2の領域の上に複数の前記画素パターンの潜像を配置形成するとともに、前記接続部43の領域上の前記マスクされていて露光されなかった領域に前記画素パターンの潜像を形成する工程とを含むパターン形成する工程」の技術事項が把握できる。 (3)対比 本願発明と引用発明とを対比する。 ア.引用発明における「TFTマトリクス装置の製造方法。」は、本願発明における「薄膜トランジスタマトリクス装置の製造方法。」に相当する。 イ.引用発明における「透明絶縁基板10」及び「レジスト」は、本願発明における「基板」及び「感光性レジスト」に相当し、かつ、所定のレジストパターンを形成するために、感光性レジスト膜を形成しパターン露光した後現像して顕像化することは当業者にとって自明のことであるから、引用発明における「所定のレジストパターンを形成し」は、本願発明における「感光性レジスト膜を形成する工程と、前記感光性レジスト膜を露光し、これにより、前記感光性レジスト膜にパターンの潜像を形成する工程と、前記感光性レジスト膜を現像することにより、前記感光性レジスト膜よりなる複数の第1のパターンを顕像化する工程」に相当する。 ウ.引用発明における「それをマスクにして」の「それ」は、所定のレジストパターンのことであるから、引用発明における「それをマスクにして」は、本願発明における「前記感光性レジスト膜よりなる前記第1のパターンをマスクに使用して」に相当し、引用発明の工程(a)における「金属層」は本願発明の「所望の膜」に相当するから、引用発明の工程(a)における、「ゲート電極12a、Cs電極12b、ゲート電極12aに接続するゲートバスライン12c、及びこのゲートバスライン12cに接続するゲート端子下部電極12d」は、本願発明の「所望の膜よりなる第2のパターン」に相当する。 エ.また、引用発明の工程(c)における「n+ 型a-Si接合層20a、20b、ソース電極22a、ドレイン電極22b、対向電極26、ドレイン端子下部電極28」も本願発明の「所望の膜よりなる第2のパターン」に相当し、引用発明の工程(c)における「n+ 型a-Si層20及び金属層22」も本願発明の「所望の膜」に相当する。 オ.さらに、引用発明の工程(e)における「コンタクトホール32a、32b、32c、32d」も本願発明の「所望の膜よりなる第2のパターン」に相当し、引用発明の工程(e)における「パッシベーション膜30」も本願発明の「所望の膜」に相当する。 カ.そして、上記ウ?オにおいて「所望の膜よりなる第2パターン」に相当するとした引用発明の「ゲート電極12a、Cs電極12b、ゲート電極12aに接続するゲートバスライン12c、及びこのゲートバスライン12cに接続するゲート端子下部電極12d、n+ 型a-Si接合層20a、20b、ソース電極22a、ドレイン電極22b、対向電極26、ドレイン端子下部電極28及びコンタクトホール32a、32b、32c、32d」は、いずれも規則的に配列して形成されているから、引用発明における(a)、(c)及び(e)の3つの工程は、いずれも本願発明の所望の膜に適用される「基板の上に感光性レジスト膜を形成する工程と、前記感光性レジスト膜を露光し、これにより、前記感光性レジスト膜にパターンの潜像を形成する工程と、前記感光性レジスト膜を現像することにより、前記感光性レジスト膜よりなる複数の第1のパターンを顕像化する工程と、前記感光性レジスト膜よりなる前記第1のパターンをマスクに使用して、所望の膜よりなる複数の第2のパターンを規則的に配列して形成する工程とを含むパターン形成する工程とを含むパターン形成工程」に該当する。そして、引用発明における工程(a)の「金属層」、工程(c)の「n+ 型a-Si層20及び金属層22」及び工程(e)の「パッシベーション膜30」は異なる膜であるから、引用発明は、本願補正発明の「前記パターン形成工程を少なくとも2つの異なる前記膜に対して適用することにより、少なくとも2つの異なる層を形成する」ものである。 キ.したがって、本願発明と引用発明とは、 「基板の上に感光性レジスト膜を形成する工程と、 前記感光性レジスト膜を露光し、これにより、前記感光性レジスト膜にパターンの潜像を形成する工程と、 前記感光性レジスト膜を現像することにより、前記感光性レジスト膜よりなる複数の第1のパターンを顕像化する工程と、前記感光性レジスト膜よりなる前記第1のパターンをマスクに使用して、所望の膜よりなる複数の第2のパターンを規則的に配列して形成する工程とを含むパターン形成する工程と を含むパターン形成工程を有し、 前記パターン形成工程を少なくとも2つの異なる前記膜に対して適用することにより、少なくとも2つの異なる層を形成する薄膜トランジスタマトリクス装置の製造方法。」である点で一致し、次の点で相違する。 相違点: 本願発明においては、基板が、「第1の領域と、第2の領域と、該第1の領域と該第2の領域に挟まれた第3の領域とを有し」ており、感光性レジスト膜を露光し、これにより、前記感光性レジスト膜にパターンの潜像を形成する工程が、「第1の露光マスクを使用して露光し、これにより、前記第1の領域の上に複数の第1のパターンの潜像を配置形成するとともに、前記第3の領域の上に前記第1のパターンが入る広さの未露光領域と少なくとも1つの前記第1のパターンの潜像とを形成する工程と、第2の露光マスクを使用して露光し、これにより、前記第2の領域の上に複数の前記第1のパターンの潜像を配置形成するとともに、前記第3の領域上の前記未露光領域に前記第1のパターンの潜像を形成する工程」とからなっているのに対して、引用発明では、(a)、(c)及び(e)の各工程における所定のレジストパターンを、どのようなマスクをいくつ用いて、基板のどの領域に適用して、形成するのかについて具体的に開示されていない点。 (4)判断 上記相違点について検討すると、第1の領域と、第2の領域と、該第1の領域と該第2の領域に挟まれた第3の領域とに基板の領域を区分し、第1の露光マスクを使用して露光し、これにより、前記第1の領域の上に複数の第1のパターンの潜像を配置形成するとともに、前記第3の領域の上に前記第1のパターンが入る広さの未露光領域と少なくとも1つの前記第1のパターンの潜像とを形成する工程と、第2の露光マスクを使用して露光し、これにより、前記第2の領域の上に複数の前記第1のパターンの潜像を配置形成するとともに、前記第3の領域上の前記未露光領域に前記第1のパターンの潜像を形成する工程を有するパターンの形成方法が本願の優先日前に周知であるから(例えば、上記3.(2)イ.(ア)、(イ)で述べた引用例2の記載事項及び上記3.(2)ウ.(ア)、(イ)で述べた引用例3の記載事項参照。)、引用発明の(a)、(c)、(e)のそれぞれの工程における「レジストパターンの形成」に、上記周知技術を採用することは当業者が容易になし得ることである。 しかも、本願発明によってもたらされる効果は、引用発明及び上記周知技術の奏する効果から当業者が予測し得る程度のものにすぎない。 (5)むすび したがって、本願発明は、引用例1に記載された発明及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-11-15 |
結審通知日 | 2006-12-12 |
審決日 | 2006-12-25 |
出願番号 | 特願2003-46342(P2003-46342) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G02F)
P 1 8・ 573- Z (G02F) P 1 8・ 572- Z (G02F) P 1 8・ 571- Z (G02F) P 1 8・ 574- Z (G02F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 伊藤 昌哉 |
特許庁審判長 |
小牧 修 |
特許庁審判官 |
西村 直史 井上 博之 |
発明の名称 | 薄膜トランジスタマトリクス装置の製造方法、液晶表示装置の製造方法 |
代理人 | 岡本 啓三 |