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審決分類 |
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 産業上利用性 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1154587 |
審判番号 | 不服2004-17978 |
総通号数 | 89 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2007-05-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-09-01 |
確定日 | 2007-03-22 |
事件の表示 | 平成 9年特許願第 26321号「使用済み製品の処理支援方法および処理支援装置」拒絶査定不服審判事件〔平成10年 8月21日出願公開、特開平10-222572〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1.手続の経緯 本願は、平成9年2月10日の出願であって、平成16年7月29日付で拒絶査定がされ、これに対し、同年9月1日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同日付で手続補正がなされたものである。 第2.平成16年9月1日付の手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成16年9月1日付の手続補正を却下する。 [理由] 1.本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲(以下、「補正発明」という。)の請求項1および4は、以下のとおり補正された。 「【請求項1】 少なくとも入力手段と出力手段と演算手段と記憶手段と外部データベースに接続するための外部接続手段とを有するコンピュータを用いて使用済み製品の処理支援を行なう使用済み製品の処理支援方法であって、 前記記憶手段には、 製品の種類別に、該製品の型番、背番号、メーカ名、年式、仕様、該製品の分解対象部品の分解に要する設備、時間、分解後に回収される回収物の材料構成および量、分解後の残りに含まれる材料構成および量、該残りの後処理についての情報を格納した製品データベースと、 分解処理設備について、分解処理対象部品を構成する材料別に分解に要する処理費用、回収割合、回収純度の情報を少なくとも格納したテーブルと、該処理設備を扱う担当者別に該処理設備を用いて分解作業を行なう場合の作業単価および作業効率を少なくとも格納したテーブルとを有する処理設備データベースとが記憶され、 前記外部接続手段を介して接続される外部データベースには、 分解、処理後に回収される回収品について、部組品、部品、材料、純度別に少なくとも売却価格や処分費用についての情報を有する回収品データベースが記憶され、 前記入力手段より製品の種類、型番、背番号、メーカ名、年式、仕様のいずれか1つ以上の情報が入力されると、 前記演算手段は、 該入力された製品の情報に基いて前記製品データベースを参照して製品を特定して該特定した製品の分解に要する設備、時間、分解後に回収される回収物の材料構成、分解後の残りに含まれる材料構成、該残りの後処理についての情報を読み出し、 前記処理設備データベースを参照し、読み出した製品の分解に要する設備、時間に基づいて該製品の分解費用を算出し、 また、前記製品データベースから読み出した分解後に回収される回収物の材料構成および前記分解対象部品の材料構成別に記憶された該対象部品の分解に要する処理費用に基づいて処理費用を算出し、前記分解後に回収される回収物の材料構成および処理設備データベースから読み出した材料の回収割合に基づき材料別の回収量を算出して該算出した材料別の回収量と前記回収品データベースから読み出した材料別の売却価格および材料別の処分費用に基づいて売却・処分費用を算出し、 前記分解費用および処理費用を加算した費用から材料別の売却・処分費用を減算することにより製品全体の処理費用を算出し、前記出力手段に算出結果を出力することで使用済み製品の適正な処理を支援することを特徴とする使用済み製品の処理支援方法。」 「【請求項4】 入力インタフェースと出力インタフェースと演算装置と記憶装置と外部データベースに接続するための外部接続装置とを少なくとも有するコンピュータを用いて使用済み製品の処理を支援する使用済み製品の処理支援装置であって、 前記記憶装置に、 製品の種類別に、型番、背番号、メーカ名、年式、仕様、該製品の分解対象部品の分解に要する設備、時間、分解後に回収される回収物の材料構成および量、分解後の残りに含まれる材料構成および量、該残りの後処理についての情報を格納した製品データベースと、 分解処理設備について、分解処理対象部品を構成する材料別に分解に要する処理費用、回収割合、回収純度の情報を少なくとも格納したテーブルと、該処理設備を扱う担当者別に該処理設備を用いて分解作業を行なう場合の作業単価および作業効率を少なくとも格納したテーブルとを少なくとも有する処理設備データベースとが記憶され、 前記外部接続装置を介して接続される外部データベースには、 分解、処理後に回収される回収品について、部組品、部品、材料、純度別に少なくとも売却価格や処分費用についての情報を有する回収品データベースが記憶され、 前記コンピュータの入力インタフェースより製品の種類、型番、背番号、メーカ名、年式、使用のいずれかひとつ以上の情報が入力されると、 前記演算装置は、 該入力された製品に関する情報に基いて前記製品データベースを参照して製品を特定して該特定した製品の分解に要する設備、時間、分解後に回収される回収物の材料構成、分解後の残りに含まれる材料構成、該残りの後処理についての情報を読み出し、 前記処理設備データベースを参照して、読み出した製品の分解に要する設備、時間に基づいて分解費用を算出し、また、分解後に回収される回収物の材料構成および前記分解対象部品の材料構成別に記憶された該対象部品の分解に要する処理費用に基づいて処理費用を算出し、 また、前記分解後に回収される回収物の材料構成および処理設備データベースから読み出した材料の回収割合に基づき材料別の回収量を算出して該算出した材料別の回収量と前記回収品データベースから読み出した材料別の売却価格および材料別の処分費用に基づいて売却・処分費用を算出し、 前記分解費用および処理費用を加算した費用から材料別の売却・処分費用を減算することにより製品全体の処理費用を算出し、前記出力インタフェースに算出結果を出力することで使用済み製品の適正な処理を支援することを特徴とする使用済み製品の処理支援方法。」 2.本件補正前の特許請求の範囲の記載 本件補正前の平成15年10月27日付の手続補正による特許請求の範囲の記載は以下のとおりである。(以下「補正前発明」という) 「【請求項1】 コンピュータを用いて使用済み製品の処理支援を行なう使用済み製品の処理支援方法であって、 製品の種類別、型番別に、該製品の部位毎に該部位の分解に要する設備、時間、分解後に回収される回収物、分解後の残り、該残りの後処理についての情報を格納した製品データベースと、 分解処理設備について、分解処理対象物別に該対象物の分解に要する処理費用、回収割合の情報を少なくとも格納したテーブルと、該処理設備を扱う担当者別に該処理設備を用いて分解作業を行なう場合の作業単価およ作業効率を少なくとも格納したテーブルとを少なくとも有する処理設備データベースと、 分解、処理後に回収される回収品についての少なくとも売却価格や処分費用についての情報を有する回収品データベースとを用意しておき、 コンピュータの入力手段より製品に関する情報が入力されると、 該入力された製品に関する情報に基いて製品を特定し、 前記製品データベースと前記処理設備データベースと前記回収品データベースとから前記特定した製品に対応する前記情報を読み出し、 前記製品を処理した場合の回収品およびその量、処理に要する費用を算出することを特徴とする使用済み製品の処理支援方法。 【請求項2】 前記請求項1に記載の使用済み製品の処理支援方法であって、 コンピュータの入力手段より製品に関する情報が入力されると、 該入力された製品に関する情報に基いて製品を特定し、 該特定した製品に対応する、前記製品データベースに格納された分解に要する時間および前記処理設備データベースから読み出した作業効率に基づいて分解費用を算出し、前記製品データベースから読み出した分解後に回収される回収物および前記分解処理対象物別に該対象物の分解に要する処理費用に基づいて処理費用を算出し、前記分解後に回収される回収物および処理設備データベースから読み出した回収割合に基づき実際の回収量を算出し、該算出した回収量と前記回収品データベースから読み出した売却価格や処分費用に基づいて売却・処分費用を算出し、 前記分解費用と処理費用を加算した費用から売却・処分費用を減算することにより全体処理費用を算出することを特徴とする使用済み製品の処理支援方法。 【請求項3】 請求項1に記載の使用済み製品の処理支援方法であって、 前記回収品データベースには、さらに回収品毎に該回収品が環境に与える負荷の大きさを表す指標値を格納しておき、 コンピュータの入力手段より製品に関する情報が入力されると、 該入力された製品に関する情報に基いて製品を特定し、 前記製品データベースから、該特定した製品から回収される回収物および分解後の残りの構成を求め、 前記求めた各回収物および分解後の残りについて回収品データベースから環境負荷を読み出し、集計することにより製品の環境負荷を求めることを特徴とする使用済み製品の処理支援方法。 【請求項4】 コンピュータを用いて使用済み製品の処理に関する情報を提供することにより処理支援を行なう使用済み製品の処理支援方法であって、 製品の種類別、型番別に、該製品の部位毎に該部位の分解に要する設備、時間、分解後に回収される回収物、分解後の残り、該残りの後処理についての情報を格納した製品データベースを用意しておき、 コンピュータの入力手段より製品に関する情報が入力されると、 該入力された製品に関する情報に基いて製品を特定し、 前記製品データベースから読み出した前記特定した製品の分解後に回収される回収物、 および処理設備データベースから読み出した回収割合に基づき実際の回収量を算出し、該算出した回収量を前記製品データベースから読み出した前記製品全体の質量で除算してリサイクル率を算出することを特徴とする使用済み製品の処理支援方法。 【請求項5】 入力インタフェースと出力インタフェースと演算装置と記憶装置とを少なくとも有するコンピュータを用いて使用済み製品の処理を支援する使用済み製品の処理支援装置であって、 前記記憶装置に、 製品の種類別、型番別に、該製品の部位毎に該部位の分解に要する設備、時間、分解後に回収される回収物、分解後の残り、該残りの後処理についての情報を格納した製品データベースと、 分解処理設備について、分解処理対象物別に該対象物の分解に要する処理費用、回収割合の情報を少なくとも格納したテーブルと、該処理設備を扱う担当者別に該処理設備を用いて分解作業を行なう場合の作業単価およ作業効率を少なくとも格納したテーブルとを少なくとも有する処理設備データベースと、 分解、処理後に回収される回収品について、少なくとも売却価格や処分費用についての情報を有する回収品データベースとを有し、 コンピュータの入力手段より製品に関する情報が入力されると、 前記演算装置は、 該入力された製品に関する情報に基いて製品を特定し、 前記製品データベースと前記処理設備データベースと前記回収品データベースとから前記特定した製品に対応する前記情報を読み出し、 前記製品を処理した場合の回収品およびその量、処理に要する費用を算出することを特徴とする使用済み製品の処理支援装置。 【請求項6】 前記請求項5に記載の使用済み製品の処理支援装置であって、 コンピュータの入力手段より製品に関する情報が入力されると、 前記演算装置は、 該入力された製品に関する情報に基いて製品を特定し、 前記製品データベースから、前記特定した製品に対応する分解に要する時間および前記処理設備データベースから読み出した作業効率に基づいて分解費用を算出し、前記製品データベースから読み出した分解後に回収される回収物および前記分解処理対象物別に該対象物の分解に要する処理費用に基づいて処理費用を算出し、前記分解後に回収される回収物および処理設備データベースから読み出した回収割合に基づき実際の回収量を算出し、 該算出した回収量と前記回収品データベースから読み出した売却価格や処分費用に基づいて売却・処分費用を算出し、 前記分解費用と処理費用を加算した費用から売却・処分費用を減算することにより全体処理費用を算出することを特徴とする使用済み製品の処理支援装置。 【請求項7】 請求項5に記載の使用済み製品の処理支援装置であって、 前記回収品データベースには、さらに回収品毎に該回収品が環境に与える負荷の大きさを表す指標値を格納しておき、 コンピュータの入力手段より製品に関する情報が入力されると、 前記演算装置は、 該入力された製品に関する情報に基いて製品を特定し、 前記製品データベースから、該特定した製品から回収される回収物および分解後の残りを求め、 前記回収品データベースから回収物毎の環境負荷を読み出し、集計することにより製品の環境負荷を求めることを特徴とする使用済み製品の処理支援装置。 【請求項8】 入力インタフェースと出力インタフェースと演算装置と記憶装置とを少なくとも有するコンピュータを用いて使用済み製品の処理を支援する使用済み製品の処理支援装置であって、 前記記憶装置に、 製品の種類別、型番別に、該製品の部位毎に該部位の分解に要する設備、時間、分解後に回収される回収物、分解後の残り、該残りの後処理についての情報を格納した製品データベースを記憶しておき、 コンピュータの入力手段より製品に関する情報が入力されると、 前記演算装置は、 該入力された製品に関する情報に基いて製品を特定し、 前記特定した製品の分解後に回収される回収物、および処理設備データベースから読み出した回収割合に基づき実際の回収量を算出し、該算出した回収量を前記製品データベースから読み出した前記製品全体の質量で除算してリサイクル率を算出することを特徴とする使用済み製品の処理を支援する使用済み製品の処理支援装置。」 3.補正の適否についての判断 (1)本件補正が、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる事項である、特許請求の範囲の減縮(同法第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)を目的とするものであるか否かについて検討する。 (2)まず、補正発明の請求項1の記載について検討する。 補正発明の請求項1は方法の発明であって「分解費用を算出し」、「処理費用を算出し」「売却・処分費用を算出し」ていることから、補正前発明の請求項2に対する補正であると認められる。 (ア)本件補正により、「製品データベース」について、「製品の種類別、型番別に、該製品の部位毎に該部位の分解に要する設備、時間、分解後に回収される回収物、分解後の残り、該残りの後処理についての情報を格納した製品データベースと、」との記載が「製品の種類別に、該製品の型番、背番号、メーカ名、年式、仕様、該製品の分解対象部品の分解に要する設備、時間、分解後に回収される回収物の材料構成および量、分解後の残りに含まれる材料構成および量、該残りの後処理についての情報を格納した製品データベースと、」との記載に変更されている。これは、「製品の種類別、型番別に、・・・」であったものが、「製品の種類別に、・・・」に変更されており、すなわち「種類別」であって且つ「型番別」であったものを、「種類別」のみとする変更であって、対象を拡張するものであり、当該データベースを限定するものとは認められない。また、補正前発明の他の発明を特定するために必要な事項を限定したものとも認められない。 そして、この補正は請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明を目的としたものと認められない。 (イ)また、本件補正により、「分解費用を算出」について、「該特定した製品に対応する、前記製品データベースに格納された分解に要する時間および前記処理設備データベースから読み出した作業効率に基づいて分解費用を算出し、」との記載が、「前記処理設備データベースを参照し、読み出した製品の分解に要する設備、時間に基づいて該製品の分解費用を算出し、」との記載に変更されている。これは、「算出」に係る、「作業効率に基づいて」との限定を削除するものであることから、当該補正は拡張にあたるものであって、「分解費用を算出」することを限定するものとは認められない。また、補正前発明の他の発明を特定するために必要な事項を限定したものとも認められない。 そして、この補正は請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明を目的としたものと認められない。 (3)次に、補正発明の請求項4について検討する。 補正発明の請求項4は「・・・コンピュータを用いて使用済み製品の処理を支援する使用済み製品の処理支援装置であって、・・・することで使用済み製品の適正な処理を支援することを特徴とする使用済み製品の処理支援方法。」と記載されている。 しかしながら、補正前発明の各請求項において、「・・・処理支援方法であって、・・・することを特徴とする使用済み製品の処理支援方法。」および「・・・処理支援装置であって、・・・・・・を特徴とする使用済み製品の処理支援装置。」である請求項はあるものの、「・・・処理支援装置であって、・・・処理支援方法。」である請求項はないのであるから、補正発明の請求項4は、補正前発明の各請求項の減縮を目的としたものとは認められない。 そして、この補正は請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明を目的としたものと認められない。 (4)以上のとおりであるから、本件補正は、特許請求の範囲の減縮、請求項の削除、誤記の訂正であるとも、明りょうでない記載の釈明を目的としたものとも認められない。 4. むすび したがって、本件補正は特許法第17条の2第4項の規定に違反してなされたものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3.本願発明について 1.本願発明 平成16年9月1日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成15年10月27日付の手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項に特定されるとおりのものである。(上記「第2 2.本件補正前の特許請求の範囲の記載」に掲げた「請求項1」の記載参照。) 2.原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、概略、請求項1ないし8に記載された発明は、特許法29条第1項柱書に規定する用件を満たしていないので、特許を受けることができない、というものである。 3.当審の判断 (1)本願発明が、特許法第2条の「発明」、すなわち「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当するか否かについて検討する。 (2)発明が、ソフトウエア関連発明である場合には、「ソフトウエアによる情報処理が、ハードウエア資源を用いて具体的に実現されている」場合に、自然法則を利用した技術的思想の創作であるといえる。 (3)本願発明は、「コンピュータを用いて・・・処理支援を行なう・・・方法」と記載されるように、コンピュータを用いる方法である。しかしながら、各データベースを「・・・用意しておき、」のステップは、人間の行為を特定しているとも解され、また、「・・・特定し、」「・・・算出する」等の各ステップにつても、所望のデータを算出する人間の行為を特定しているものにすぎないものと解され、技術的事項として特定されるものでない。したがって、本願発明は、人間の精神活動又はビジネスを行う方法それ自体に該当し、自然法則を利用した技術的思想の創作とはいえない。 (4)なお、仮に各ステップの処理がコンピュータシステムによる処理であると解し得たとしても、「・・・データベースとから・・・情報を読み出し、」「・・・算出する」等の各記載では、データベースから情報を読み出すこと、算出する処理を行うことにとどまり、コンピュータの通常の道具として使用形態をいうにすぎず、本願発明はソフトウエアによる情報処理がコンピュータのハードウエア資源を用いて具体的に実現されているとはいえない。 そして、「・・・データベースとを用意しておき、」、「・・・に関する情報が入力されると、・・・情報に基いて製品を特定し、」、「・・・データベースとから・・・情報を読み出し、」、「・・・製品を処理した場合の・・・費用を算出する」等の各ステップの記載は、当該ステップに係る各機能や各処理がハードウエア資源を用いて具体的にどのように実現するのか記載されていないものであって、ソフトウエアによる情報処理がコンピュータのハードウエア資源を用いて具体的に実現されているとはいえない。 したがって、本願発明は全体として、自然法則を利用した技術的思想の創作とはいえない。 (5)したがって、本願発明は、自然法則を利用した技術的思想の創作といえず特許法第2条に定義される「発明」に該当しない。 4.むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第2条で定義される「発明」に該当せず、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていないので、特許を受けることができない。 したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-01-17 |
結審通知日 | 2007-01-23 |
審決日 | 2007-02-05 |
出願番号 | 特願平9-26321 |
審決分類 |
P
1
8・
14-
Z
(G06F)
P 1 8・ 572- Z (G06F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 貝塚 涼 |
特許庁審判長 |
田口 英雄 |
特許庁審判官 |
青柳 光代 伊知地 和之 |
発明の名称 | 使用済み製品の処理支援方法および処理支援装置 |
代理人 | 井上 学 |