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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1154798
審判番号 不服2002-14917  
総通号数 89 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-08-07 
確定日 2007-04-10 
事件の表示 平成10年特許願第243858号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 4月27日出願公開、特開平11-114173〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1,手続きの経緯・本願発明
本願は、平成3年10月31日に出願した特願平3-286597号の一部を平成10年8月28日に新たな特許出願としたものであって、その請求項1に係る発明は、平成14年5月15日付け及び平成14年9月6日付け並びに平成17年12月8日付けで補正された明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
【請求項1】複数種類の識別情報を可変表示可能な3つの可変表示部を単一の表示画面に表示する可変表示装置が設けられ、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せになった場合に遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となる遊技機であって、
前記表示結果を前記特定の識別情報の組合せにするか否かと、前記3つの可変表示部が可変開始した後前記表示結果が確定する以前の段階で前記3つの可変表示部のうちの2つの可変表示部の表示態様が同一となって前記特定の識別情報の組合せの成立条件を満たすリーチ状態を発生させるか否かとを決定し、決定結果をコマンドデータとして送信する遊技制御手段と、
該遊技制御手段からのコマンドデータを受信し該コマンドデータにもとづいて、前記3つの可変表示部を各々所定の大きさの表示領域において可変開始させてすべての可変表示部が可変表示している状態に制御した後、停止時期を異ならせて各可変表示部の可変表示動作を停止制御可能な可変表示制御手段とを備え、
該可変表示制御手段は、
前記遊技制御手段から前記リーチ状態を発生させる旨のコマンドデータを受信したときに、前記リーチ状態発生時における可変表示中の可変表示部の表示領域を、前記成立条件を満たしている可変表示部の可変開始当初の表示領域にまで拡大させて可変表示中の識別情報を拡大表示する表示制御を行う拡大表示制御手段と、
該拡大表示制御手段による表示領域の拡大の際に、前記成立条件を満たしている2つの可変表示部のうちのいずれか一方のみを表示する表示制御を行う選択的表示制御手段とを含むことを特徴とする、遊技機。(以下「本願発明」という)

第2,当審の拒絶理由
一方、当審において平成17年10月28日付けで通知した拒絶理由の概要は、本願発明は、特開平3-7184号公報及び特開昭60-203086号公報に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

第3,当審の拒絶理由に引用された刊行物、及び周知の刊行物に記載された発明
刊行物1:特開平3-7184号公報
刊行物2:特開昭60-203086号公報
周知の刊行物:特開平3-55082号公報(平成3年3月8日公開)

特開平3-7184号公報(以下、「引用刊行物1」という)の、
第2頁右下欄第13行乃至第19行には、
「可変表示部34は、第8図にも示すように左、中、右の各列にてそれぞれ13個の棒状セグメント発光素子38a?38mを、上下に8の字を重ねるように縦2列、横5列に配列したもので、それぞれ発光の組み合わせによって数字や所定の文字、ならびに発光の位置を変えることによって上下方向に変位表示等が可能である。」と、
第4頁左上欄第12行乃至右上欄第1行には、
「第11図は制御系のブロック構成を示すもので、制御装置78はCPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータにて構成され、・・・可変表示部(デジタル)34、・・・等を制御する。」と、
第4頁右上欄第7行乃至第15行には、
「次に制御装置78による制御内容を第12図?第19図に基づいて説明する。
第12図はメインプログラムを示すもので、各スイッチに対する“入力処理(フェーズ0)”、電源投入等に対する“初期化処理(フェーズ1)”、“ゲーム処理(フェーズ2)”、“出力編集(フェーズ3)”、“出力処理、音の編集・出力および乱数の生成(フェーズ4)”の順に進行する。」と、
第5頁右上欄第15行乃至右下欄第15行には、
「STEP0(貯留判定)では、・・・デジタル34の回転を開始するための各初期情報をセットする・・・
STEP2.3.4(左、右、中デジタルの停止監視)では、デジタル34の左デジタルA、右デジタルC、中デジタルBの回転停止情報をセットするが、ここで各デジタルの表示図柄、回転停止情報を決める乱数およびランダム時間について説明する。
表示図柄
表示図柄は第20図(A)のように左デジタルAに10種類、中、右デジタルB、Cに15種類あり、変動順序(回転順序)は各デジタルA、B、Cともに図の上から下である。・・・また、表示図柄の組み合わせは10×15×15=2250通りあり、そのうち大当たりとなる組み合わせは第20図(B)のように10通りある。
乱数
乱数には主乱数RANDOM、大当たりを除いた表示用乱数DISPDT、副乱数SUBGENを用いる。
主乱数RANDOMは、大当たり確率を生成する乱数で、0?239までのバイナリカウンタで構成され、・・・このRANDOMが“77”のとき大当たりとし、それ以外はDISPDTの値により外れとなる。したがって、大当たりの発生確率=1/RANDOMの総組み合わせ数=1/240となる。」と、
第9頁左上欄第5行乃至左下欄第15行には、
「次に、上記のように構成されたパチンコ機における遊技について説明する。
・・・
そして、遊技部3に発射された打球がうまく特定入賞口6a?6cに入賞すると、デジタル34の図柄が第25図のように上方から下方へ回転を始め、所定時間経過すると、・・・乱数RANDOM、DISPDTにより大当たりかどうかおよび左、中、右デジタルA、B、Cに停止する図柄が決定される。
左デジタルAの所定回転時間が経過すると、左デジタルAは・・・定位置に停止する。この停止後、右デジタルCの所定回転時間が経過すると、右デジタルCは・・・定位置に停止する。
そして、この停止後、中デジタルBの所定回転時間が経過すると、・・・中デジタルBは・・・定位置に停止する。また、左、右デジタルA、Cの停止図柄が同一の場合には、右デジタルCの停止時点にて左、右デジタルA、Cの図柄が大きい図柄に切り換えられる。・・・この場合、左、右デジタルA、Cの停止図柄が同一となると、最後に停止される中デジタルBは、・・・一義的には停止しないため、意外性に富み、さらには左、右デジタルの図柄も大きく変化し、このため大当たりが発生するかどうかの大きな期待感が得られる。」と、
第9頁左下欄第16行乃至右下欄第18行には、
「そして、デジタルA、B、Cの全てが停止し、停止図柄が大当たりでなければ、デジタルA、B、Cは普段表示に戻るが(第21図参照)、大当たりとなれば、以下の特別遊技が行われる。大当たりは乱数RANDOMにより1/240の確率で発生し、・・・
そして、大当たりとなれば、・・・変動入賞装置5のアタッカ(可動部材41a、41b)が開かれるのであるが、・・・」と、それぞれ記載されている。
そして、10通りの大当たりとなる組み合わせを示す第20図(B)には、各組み合わせにおいて、左、中、右デジタルA、B、Cの停止図柄の全てが同一であることが示されている。

したがって、引用刊行物1には、
「10種類の表示図柄を変動表示可能な左デジタルAと15種類の表示図柄を変動表示可能な中、右デジタルB、Cとを備えたデジタル34が設けられ、該デジタル34の停止図柄が全て同一である大当たりの組み合わせとなれば変動入賞装置5のアタッカが開かれ特別遊技が行われるパチンコ機であって、
主乱数RANDOMにより大当たりかどうかを決定し、
前記左、中、右デジタルA、B、Cをそれぞれ13個の棒状セグメント発光素子38a?38mにおいて上方から下方へ変動表示を始めた後、停止時期を異ならせて左、中、右デジタルA、B、Cの変動表示を停止制御する制御装置78を備え、
該制御装置78は、前記左、中、右デジタルA、B、Cが変動表示を始めた後左、中、右デジタルA、B、Cの全てが停止する以前の段階で左、右デジタルA、Cの停止図柄が同一の場合に、左、右デジタルA、Cの停止図柄が大きい図柄に切り換えられることを含む、大当たりが発生するかどうかの大きな期待感が得られるパチンコ機。」の発明(以下「引用刊行物1に記載された発明」という)が、記載されていると認められる。

特開昭60-203086号公報(以下、「引用刊行物2」という)の、
第1頁左下欄第15行乃至第17行には、
「本発明はテレビ会議システムに係り、特に、話者を自動的に識別し、該話者の映像領域を拡大して表示する部分画像の拡大表示方式に関する。」と、
第2頁左上欄第2行乃至第17行には、
「本発明の概念図を図1に示す。図は最大参加者3名のテレビ会議システムの一方法を示している。テレビ会議において1?3の参加者は通常図1(a)に示すように撮影され、個々の参加者に割当てられる映像領域はかなり小さい。本発明は、例えば、話者として参加者3が特定された場合に、これを図1(c)に示すように拡大する技術を提供するものである。本発明により拡大された画像は、図1(b)の原画像と合成され図1(d)に示すように表示するか、もしくは、図1(e)に示すように拡大領域のみを表示するように利用される。
ここで、話者の特定手段が重要である。この手段としては、参加者のそれぞれに割当てられるマイクロフォンの出力を観察することにより特定することや、パタ-ン認識の技術を用い唇の動き等を認識して特定するなどの方法が考えられる・・・」と、
第2頁左下欄第20行乃至右下欄第2行には、
「また、拡大される領域の拡大の割合は、本発明に制約を加えるものでないが、・・・」と、
第4頁左下欄第5行乃至第11行には、
「本発明は複数の参加者が参加するテレビ会議等において特定された話者をTV信号の標本化周波数に合わせた高速処理により拡大し原画像に合成あるいは拡大部分のみの形で表示できる方法を提供するものであり、・・・臨場感を向上させることのできる手段として広く用いることができる。」と、それぞれ記載されている。
そして、図1(d)には、図1(a)と比較して、参加者3の映像領域は参加者2の映像領域にまで拡大され、参加者1及び2の一方である参加者1の映像は同様に表示されるが参加者2の映像の一部は表示されないことが示されている。

したがって、引用刊行物2には、
「参加者3名のテレビ会議システムにおける、唇の動き等を認識して特定した話者の映像領域を拡大して表示する部分画像の拡大表示方式であって、
通常は個々の映像領域はかなり小さく3名の映像を表示し、
話者として参加者3が特定された場合には、
(ア)参加者3の映像領域は参加者2の映像領域にまで拡大され、参加者1及び2の一方である参加者1の映像は表示されるが参加者2の映像の一部は表示されない
もしくは、
(イ)参加者3のみを拡大して表示する、
拡大の割合に制約のない、臨場感を向上させることのできる部分画像の拡大表示方式。」の発明(以下「引用刊行物2に記載された発明」という)が、記載されていると認められる。

本願出願前に頒布された、特開平3-55082号公報の、
第1頁右下欄第5行乃至第6行には、
「この発明は、パチンコ機に用いられる画像表示装置に関する。」と、
第4頁右上欄第3行乃至第12行には、
「液晶駆動基板53は、板上に後述する制御装置82と接続する配線83を固定した端子部84と、液晶表示パネル52の種々の表示データを記憶したLCD表示用ROM85と、制御装置82からの信号に応じてLCD表示用ROM85から所定の表示データを読み出すLCD表示用CPU86(LCD表示用ROM85を内蔵)と、読み出した表示データを液晶表示パネル52の各素子に合わせて出力するコントローラドライバ87とを配列、接続したもので、・・・」と、
第7頁左上欄第3行乃至第10行には、
「また画像表示装置4の液晶駆動基板53のLCD表示用ROM85には前述したように液晶表示パネル(デジタル〉52の表示データが格納されており、LCD表示用CPU86は制御装置82の出力ポートから送られた制御信号に応じて、LCD表示用ROM85から所定の表示データを読み出し、コントローラドライバ87を介してデジタル52に出力する。」と、
第7頁右上欄第4行乃至第14行には、
「制御装置82は、遊技盤1の裏機構に配置されるが(第13図参照〉、既述のようにデジタル52と一体的に組み付けた液晶駆動基板53に、デジタル52の表示データを記憶したLCD表示用ROM85と、制御装置82からの信号に応じてLCD表示用ROM85から所定の表示データを読み出し、このデータによりデジタル52を制御するLCD表示用CPU86を設けたので、制御装置82からの信号線、即ち液晶駆動基板53と制御装置82との間の配線83を簡略化でき、配線数を大幅に消滅できる。」と、
第7頁右下欄第10行乃至第15行には、
「制御装置82により生成される乱数SUBGENによるα時間後に同じく制御装置82により生成される乱数RNDGEN、RANDOM、HITGENが抽出され、各乱数により大当たりかどうかおよび左、中、右デジタルA、B、Cに停止する図柄が決定される。」と、それぞれ記載され、
また、制御系のブロック構成図である第14図に示された事項を併せると、
当該刊行物には
「各乱数により大当たりかどうかおよび左、中、右デジタルA、B、Cに停止する図柄を決定する制御装置82と、制御装置82から送られた制御信号に応じてLCD表示用ROM85から所定の表示データを読み出し該データによりデジタル52を制御するLCD表示用CPU86とを設けたパチンコ機の画像表示装置」が記載されていると認められる。

第4,本願発明との比較・検討
本願発明と引用刊行物1に記載された発明とを対比すると、引用刊行物1に記載された発明の「10種類の表示図柄及び15種類の表示図柄」が本願発明の「複数種類の識別情報」に相当し、以下同様に「変動表示可能」が「可変表示可能」に、「左、中、右デジタルA、B、C」が「3つの可変表示部」に、「デジタル34」が「可変表示装置」に、「デジタル34の停止図柄」が「可変表示装置の表示結果」に、「全て同一である大当たりの組み合わせ」が「予め定められた特定の識別情報の組合せ」に、「変動入賞装置5のアタッカが開かれ特別遊技が行われる」が「遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となる」に、「パチンコ機」が「遊技機」に、「大当たりかどうか」が「表示結果を特定の識別情報の組合せにするか否か」に、「左、中、右デジタルA、B、Cの変動表示を停止制御する制御装置78」が「各可変表示部の可変表示動作を停止制御可能な可変表示制御手段」に、「左、中、右デジタルA、B、Cが変動表示を始めた後左、中、右デジタルA、B、Cの全てが停止する以前の段階で左、右デジタルA、Cの停止図柄が同一の場合」が「3つの可変表示部が可変開始した後表示結果が確定する以前の段階で前記3つの可変表示部のうちの2つの可変表示部の表示態様が同一となって特定の識別情報の組合せの成立条件を満たすリーチ状態発生時」に、それぞれ相当する。そして、引用刊行物1に記載された発明の「左、中、右デジタルA、B、C」は、それぞれ13個の棒状セグメント発光素子38a?38mを、上下に8の字を重ねるように縦2列、横5列に配列したものであるから、「各々所定の大きさの表示領域において可変開始させる可変表示部」であることは明らかである。また、遊技機の可変表示制御手段が、「すべての可変表示部が可変表示している状態に制御した後、停止時期を異ならせて各可変表示部の可変表示動作を停止制御」するよう構成されていることは、当業者の技術常識からみて明らかな事項である。さらに、引用刊行物1に記載された発明の「停止図柄が大きい図柄に切り換えられる」技術事項と本願発明の「可変表示中の可変表示部の表示領域を、特定の識別情報の組合せの成立条件を満たしている可変表示部の可変開始当初の表示領域にまで拡大させて可変表示中の識別情報を拡大表示する表示制御を行い、表示領域の拡大の際に、前記成立条件を満たしている2つの可変表示部のうちのいずれか一方のみを表示する表示制御を行う」技術事項とは、ともに「リーチ演出」である点で技術的に共通する。

したがって、両者は、
「複数種類の識別情報を可変表示可能な3つの可変表示部を備えた可変表示装置が設けられ、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せになった場合に遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となる遊技機であって、
前記表示結果を前記特定の識別情報の組合せにするか否かを決定し、
前記3つの可変表示部を各々所定の大きさの表示領域において可変開始させてすべての可変表示部が可変表示している状態に制御した後、停止時期を異ならせて各可変表示部の可変表示動作を停止制御可能な可変表示制御手段を備え、
該可変表示制御手段は、
前記3つの可変表示部が可変開始した後前記表示結果が確定する以前の段階で前記3つの可変表示部のうちの2つの可変表示部の表示態様が同一となって前記特定の識別情報の組合せの成立条件を満たすリーチ状態発生時に、リーチ演出を行うことを含む、遊技機。」である点で一致し、次の点で相違する。

(相違点1)
可変表示装置が、本願発明では3つの可変表示部を単一の表示画面に表示するものであるのに対し、引用刊行物1に記載された発明ではそのような構成を有するかどうか明らかでない点。
(相違点2)
本願発明では、表示結果を特定の識別情報の組合せにするか否かと、リーチ状態を発生させるか否かとを決定し、決定結果をコマンドデータとして送信する遊技制御手段と、該遊技制御手段からのコマンドデータを受信し該コマンドデータにもとづいて、各可変表示部の可変表示動作を停止制御可能な可変表示制御手段とを備えるのに対し、引用刊行物1に記載された発明ではそのような構成を有するかどうか明らかでない点。
(相違点3)
リーチ演出が、本願発明では、可変表示中の可変表示部の表示領域を、特定の識別情報の組合せの成立条件を満たしている可変表示部の可変開始当初の表示領域にまで拡大させて可変表示中の識別情報を拡大表示する表示制御を行う拡大表示制御手段と、該拡大表示制御手段による表示領域の拡大の際に、前記成立条件を満たしている2つの可変表示部のうちのいずれか一方のみを表示する表示制御を行う選択的表示制御手段とを含む可変表示制御手段により行われるのに対し、引用刊行物1に記載された発明では識別情報を拡大させる点。

上記相違点1を検討すると、3つの可変表示部を単一の表示画面に表示することは、遊技機において、通常採用されている事項であるから、相違点1に係る構成とすることは、単なる設計的事項である。
上記相違点2を検討する。
表示結果を特定の識別情報の組合せにするか否かを決定し、決定結果をコマンドデータとして送信する遊技制御手段と、該遊技制御手段からのコマンドデータを受信し該コマンドデータにもとづいて、各可変表示部の可変表示動作を停止制御可能な可変表示制御手段とを備えることは、例えば、上記の特開平3-55082号公報に記載されたように、周知・慣用の技術である。そして、遊技機の遊技において、大当たり状態が発生する以前の段階で必ずリーチ状態が発生すること、リーチ状態が発生しない場合には必ず大当たり状態が発生しないこと、リーチ状態が発生しても大当たり状態が発生しない場合があることは、当該分野においては明らかな事項であるから、「特定の識別情報の組合せにするか否か」の決定に加えて「リーチ状態を発生させるか否か」の決定を制御手段に備えさせることは、当業者にとっては当然の技術的事項である。したがって、引用刊行物1に記載された発明の制御手段に対し、上記の周知・慣用の技術を適用し、相違点2に係る構成とすることは、本願発明及び引用刊行物1に記載された発明並びに上記の周知・慣用の技術が、遊技機の画像表示制御手段において共通しているので、当業者であれば容易になし得ることである。
上記相違点3を検討する。
引用刊行物2には、画像の変化(唇の動き)が認識された映像領域(参加者3)を画像の変化が認識されない映像領域(参加者2)にまで拡大して表示し、即ち、注目される映像領域を拡大して表示し、画像の変化(唇の動き)が認識されない2つの映像(参加者1及び2)のうち、一方の映像は表示されるが他方の映像の一部は表示されない技術が記載されている。また、引用刊行物2には、拡大の割合に制約のないことが記載されているから、さらに拡大し、2つの映像のうち、他方の映像を消去し一方の映像のみを表示することは、当業者にとって容易になし得る事項である。そこで、引用刊行物1に記載された発明をみると、リーチ状態発生時に可変表示中の可変表示部に遊技者が注目することは明らかであるから、当該可変表示中の可変表示部に対し、引用刊行物2に記載された発明の、画像の変化が認識されない映像(参加者1及び2)の一部を表示せず、画像の変化が認識された映像領域(参加者3)を画像の変化が認識されない映像領域(参加者2)にまで拡大して表示する技術を適用し、相違点3に係る構成とすることは、本願発明及び引用刊行物1及び2に記載された発明が、画像表示手段において共通しているので、当業者であれば容易になし得ることである。

したがって、本願発明は、引用刊行物1及び2に記載された発明並びに周知・慣用技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

そして、本願発明による効果も格別のものは認められない。

第5,むすび
以上のとおり、本願発明は、引用刊行物1及び2に記載された発明並びに周知・慣用技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-02-07 
結審通知日 2006-02-14 
審決日 2006-02-28 
出願番号 特願平10-243858
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 瀬津 太朗一宮 誠  
特許庁審判長 中村 和夫
特許庁審判官 川島 陵司
白樫 泰子
発明の名称 遊技機  
代理人 塚本 豊  
代理人 森田 俊雄  
代理人 中田 雅彦  
代理人 深見 久郎  
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