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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B27F
管理番号 1154819
審判番号 不服2005-9024  
総通号数 89 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-05-12 
確定日 2007-03-26 
事件の表示 平成11年特許願第361888号「プレカット加工材の検査装置」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 6月26日出願公開、特開2001-170907〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯・本件発明
本件出願は、平成11年12月20日の特許出願であって、その請求項1ないし請求項2に係る発明は、平成17年5月12日付けの手続補正書により補正がされた明細書及び図面の記載からみて、一部明らかな誤記を除いてその特許請求の範囲の請求項1ないし請求項2に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、次のとおりである。
「【請求項1】プレカット加工材を搬送する搬送コンベアと、該搬送コンベアの所定位置の上部に設置されたビデオカメラと、前記搬送コンベアの側部に装着されたレールに沿って移動して、前記プレカット加工材の加工位置を前記所定位置に順次位置決めするストッパを設けた位置決め装置と、前記ビデオカメラで予め撮影した正確なプレカット加工材の加工の映像信号を記憶するメモリと、前記所定位置で前記ビデオカメラによって前記プレカツト加工材の加工位置を撮影した撮影画像信号を取り込んで一端記憶するバッファメモリ、該バッファメモリに記憶された撮影画像信号と前記メモリに記憶された映像信号とを比較する比較機能、該比較機能からの信号で前記撮影画像信号と前記記憶された映像信号とが一致しているかどうかを判別する判別機能を有するCPUからなる画像処理装置と、該画像処理装置の判別機能からの信号で前記プレカット加工材の良否を表示する良否表示装置とからなり、前記ビデオカメラで撮影されたプレカット加工材の加工部分の良否を検査することを特徴とするプレカット加工材の検査装置。」
(なお、本件明細書の請求項1の第3行に「所定位置に順次を位置決めする」と記載されているが、これは「所定位置に順次位置決めする」の誤記であり、同第5行から6行にかけて「前記ブレカツト」と記載されているが、これは「前記プレカツト」の誤記であることが明らかである。また、同第8行に「該比較機能からの信号で前記撮影画像と前記記憶された画像信号」と記載されているが、同第4?5行に「ビデオカメラで予め撮影した正確なプレカット加工材の加工の映像信号を記憶するメモリ」と、また、同第7?8行に「該バッファメモリに記憶された撮影画像信号と前記メモリに記憶された映像信号とを比較する」と記載されていることからみて、「前記撮影画像」及び「記憶された画像信号」は、それぞれ「前記撮影画像信号」及び「記憶された映像信号」の誤記であることが明らかである。)

2 引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された本件出願の出願前に日本国内において頒布された刊行物である特開平10-151242号公報(以下「引用例」という。)の記載内容は以下のとおりである。

(1)引用例に記載の事項
引用例には、「遊技機製造用釘打ち込まれ形態検査装置」に関して以下の事項が記載されている。
ア 段落【0001】?【0002】
「【発明の属する技術分野】この発明は、パチンコ機のような遊技機を製造する過程で、遊技盤に打ち込まれた釘が曲がっているか又は釘が打ち込まれるべき打込位置に打ち込まれているか等のような、釘の打ち込まれた形態を画像処理で自動的に検査する装置に関する。
【従来の技術】従来、特開平6-238040号公報に示された釘打ち込まれ形態検査装置は、蛍光灯のような光源より発した光を遊技盤に打ち込まれた遊技釘の斜め上方より照射し、その照射された光を遊技釘の頭部で反射させ、当該頭部に形成された反射像を上方よりビデオカメラで捕らえ、撮像された頭部位置を基準位置と比較して遊技釘の曲がりを判別し、不良品を製造ライン外に排出し、良品を次の工程に流している。」

イ 段落【0006】?【0007】
「【発明の実施の形態】図1?3は第1実施形態を示している。図1において、コンピューターが内蔵された制御部1がコンベアモーター2を回転駆動することにより、チェーンコンベアにより形成された搬送ライン3が図外の釘打工程より排出された多数の遊技釘と呼ばれる釘4が打ち込まれた遊技盤5の意匠盤面を上に向けて遊技盤5を搬送方向Xに搬送する。この遊技盤5が所定の検査領域に到達すると、制御部1がストッパー6を実線示から仮想線示のように位置搬送ライン3より上方に突出して遊技盤5の移動を規制した後に、搬送ライン3の駆動を停止して搬送ライン3の搬送動作を停止した後に、ストッパー6が仮想線示位置から実線示位置へと下降停止する。これと並行して、制御部1が検査領域のリフトシリンダー7を伸長動作することにより、リフトシリンダー7がテーブル8を搬送ライン3の上側搬送部の下方より上昇する。このテーブル8が上昇する過程で、テーブル8が遊技盤5を搬送ライン3より所定検査高さに持ち上げて停止する。このテーブル8が遊技盤5を持ち上げる際に、テーブル8に突設された位置決めピン8aが遊技盤5に形成され図外の基準孔に内接嵌合して、テーブル8が遊技盤5を位置決め搭載する。
この遊技盤5が位置決め搭載されたことを検出する図外の遊技盤センサー、又は、当該遊技盤センサーに代えて作業者の操作でオン動作される図外のマニュアルスイッチの何れかが、遊技盤種別信号と釘打開始信号とを、制御部1に出力すると、コンピューターにより形成された処理手段1a中の検査司令部1bが制御部1の記憶装置に予め記憶された当該遊技盤5の機種に対応する釘打データー1fにより釘4の打込位置と順序とを抽出し、それらの打込位置と順序とに従ってテーブル8よりも上方のセットプレート9に取り付けられた駆動機構としてのセンサー駆動機構10を制御する。このセンサー駆動機構10が当該センサー駆動機構10の可動端部10aに固定されたセンサーヘッド11を遊技盤5の釘4と干渉しないような所定の上下間隔を以てテーブル8と平行な平面内での縦横としてのX方向とY方向とに移動して、遊技盤5の所定位置の上方に位置決め停止する毎に、センサーヘッド11が1枚の遊技盤5に打ち込まれた多数の釘4の曲がりや釘4が打ち込まれるべき位置に打ち込まれていない打ち込みミス等のような、釘4の打ち込まれ形態を1本又は数本づつ自動的に検出する。」

ウ 段落【0008】?【0009】
「この実施形態の場合、センサーヘッド11が遊技盤5の所定位置の上方に位置決め停止する毎に、検査司令部1bが検査開始をセンサーヘッド11に指示することにより、センサーヘッド11が周囲の作業環境を維持する屋内の蛍光灯や屋内に差し込む太陽からの光と周波数を異にする、例えば、半導体レーザー又は発光ダイオード等の光源より発した計測光11aを、遊技盤5の所定位置に存在する釘4の頭部に一方向としての図3に示すW方向(遊技盤5の意匠盤面と平行する方向)に走査するように照射し、その反射光を位置検出素子に集光して走査方向の測定位置データーと高さ方向の測定位置データーとに変換した信号を処理手段1a中の形態判定部1cに出力する。
この形態判定部1cがセンサーヘッド11から出力された走査方向の測定位置データーと高さ方向の測定位置データーとを互いに照合して、照射野の形を2次元の画像に変換する。この変換された計測図形は、例えば、正常に打ち込まれた釘4の場合、図2のa図に仮想線L1で描いた形状を有し、曲がって打ち込まれた釘4の場合、図2のb図に仮想線L2で描いた形状となり、又、釘4の打ち込みミスの場合は、図示は省略するが、直線形状を呈する。そして、形態判定部1cは、上記変換した計測図形を形態判定部1cに予め設定された基準図形(図2のa図に仮想線L1で示す計測図形と略同じ形である)と比較して釘4の曲がりや打ち込みミスの有無を判別し、計測図形が基準図形を含む許容範囲外に存在する場合に釘4が曲がっているか又は釘4の打ち込みミスであると推定して、形態異常信号を処理手段1a中の形態履歴部1dに出力する。」

エ 段落【0010】?【0012】
「この形態履歴部1dが釘打データー1fによる釘4の打込位置と順序に基づき形態異常信号の発生の原因となった釘4の打込位置とその計測形態とを対応付けた検査データーを、例えば、図1におけるプリンター12やディスプレイ13に示したように、1番目の天釘とその計測図形とを併記した形態で、記憶すると共に、検査位置移動を検査司令部1bに出力する。
このように、センサーヘッド11の移動停止と検出、形態判定、形態履歴、検査位置移動等の各動作を繰り返して、1枚の遊技盤5に打ち込まれた全部の釘4の曲がりや打ち込みミスの有無を自動的に検査する。
そして、1枚の遊技盤5に打ち込まれるべき数の全部の釘4について、その打ち込まれ形態の検査が終了すると、制御部1がリフトシリンダー7を縮小動作することにより、リフトシリンダー7がテーブル8を搬送ライン3の上側搬送部の上方より下方に下降する。このテーブル8が下降する過程で、テーブル8が遊技盤5を搬送ライン3に受け渡して停止する。引き続き、制御部1がコンベアモーター2を再び回転駆動することにより、搬送ライン3が検査の終了した遊技盤5を搬送方向Xに搬送する一方、検査すべき新たな遊技盤5を検査領域に運搬してくる。これと平行して、上記検査が終了した回の検査データーを形態履歴部1dが記憶している場合、形態履歴部1dが処理手段1a中の出力司令部1eに動作指示を出力し、出力司令部1eがプリンター12やディスプレイ13のいずれか一方又は両方に動作指示を出力し、プリンター12やディスプレイ13等のいずれか一方又は両方が形態履歴部1dに記憶された検査データーを出力表示する。これにより、釘打工程の後工程において、作業者がプリンター12やディスプレイ13からの出力表示を参照して、修正箇所を迅速かつ正確に確認して、曲がった釘4を遊技盤5より除去して、その除去位置に新しい釘4を打ち込むか、又は、釘4の曲がりを手持ちのハンマーで修正するか、更には、打ち込みミスの位置に釘4を手持ちのハンマーで打ち込むことができる。」

(2)引用例記載の発明
上記引用例に記載の事項を技術常識を考慮に入れながら本件発明に照らして整理すると、引用例には、次の発明(以下「引用例記載の発明」という。)が記載されていると認められる。
「釘4が打ち込まれた遊技盤5を搬送するチェーンコンベアにより形成された搬送ライン3と、該搬送ライン3の上部に設置され、X方向とY方向とに移動して、遊技盤5の所定位置の上方に位置決め停止するように設置された計測光を照射・受光するセンサーヘッド11と、センサーヘッド11によって検出された前記遊技盤5の釘4の打ち込まれ形態を2次元の画像に変換し、この変換された計測図形を予め設定された基準図形と比較して釘4の曲がりや打ち込みミスの有無を判別する形態判定部1cを備えたコンピューターにより形成された処理手段1aと、該処理手段1a中の形態判定部1cの検査データを記憶する形態履歴部1dからの信号で前記遊技盤5の釘4の打ち込まれ形態を表示するプリンター12ないしディスプレイ13とからなる遊技機製造用釘打ち込まれ形態検査装置。」

3 対比
本件発明と引用例記載の発明とを対比すると以下のとおりである。
引用例記載の発明における「釘4が打ち込まれた遊技盤5」は、加工材であるという限りで、本件発明における「プレカット加工材」と共通しており、また、引用例記載の発明における「チェーンコンベアにより形成された搬送ライン3」は、加工材を搬送する搬送コンベアであるという限りで、本件発明における「搬送コンベア」と共通しており、さらに、引用例記載の発明における「センサーヘッド11」は、搬送コンベアの上部に前記加工材と相対移動するように設置された検出手段であるという限りで、本件発明における「ビデオカメラ」と共通している。
引用例記載の発明における遊技盤5の釘4の打ち込まれ形態を2次元の画像に変換した「計測図形」は、加工材の加工位置を検出した画像信号であるという限りで、本件発明における「プレカツト加工材の加工位置を撮影した撮影画像信号」と共通しており、また、引用例記載の発明における「予め設定された基準図形」は、予め設定された正確な加工材の加工の映像信号であるという限りで、本件発明における「ビデオカメラで予め撮影した正確なプレカット加工材の加工の映像信号」と共通している。
そして、引用例記載の発明における「形態判定部1c」は、検出手段によって加工材の加工位置を検出した画像信号と予め設定された正確な加工材の加工の映像信号とを比較する比較機能と該比較機能からの信号で前記加工材の加工位置を検出した画像信号と正確な加工材の加工の映像信号とが一致しているかどうかを判別する判別機能とを備えており、また、コンピューターがCPUを備えていることは自明の事項である。
そうしてみると、引用例記載の発明における「センサーヘッド11によって検出された前記遊技盤5の釘4の打ち込まれ形態を2次元の画像に変換し、この変換された計測図形を予め設定された基準図形と比較して釘4の曲がりや打ち込みミスの有無を判別する形態判定部1cを備えたコンピューターにより形成された処理手段1a」は、検出手段によって加工材の加工位置を検出した画像信号と予め設定された正確な加工材の加工の映像信号とを比較する比較機能、該比較機能からの信号で前記加工材の加工位置を検出した画像信号と正確な加工材の加工の映像信号とが一致しているかどうかを判別する判別機能を有するCPUからなる画像処理装置であるという限りで、本件発明における「CPUからなる画像処理装置」と共通している。
また、引用例記載の発明における「処理手段1a中の形態判定部1cの検査データを記憶する形態履歴部1dからの信号で前記遊技盤5の釘4の打ち込まれ形態を表示するプリンター12ないしディスプレイ13」は、画像処理装置の判別機能からの信号で前記加工材の良否を表示する良否表示装置であるという限りで、本件発明における「良否表示装置」と共通している。
そして、引用例記載の発明は、「遊技機製造用釘打ち込まれ形態検査装置」として表現されているが、「検出手段で検出された加工材の加工部分の良否を検査する加工材の検査装置」として把握できるものである。
したがって、本件発明と引用例記載の発明との一致点及び相違点は次のとおりと認められる。
[一致点]
「加工材を搬送する搬送コンベアと、該搬送コンベアの上部に前記加工材と相対移動するように設置された検出手段と、前記検出手段によって前記加工材の加工位置を検出した画像信号と予め設定された正確な加工材の加工の映像信号とを比較する比較機能、該比較機能からの信号で前記加工材の加工位置を検出した画像信号と正確な加工材の加工の映像信号とが一致しているかどうかを判別する判別機能を有するCPUからなる画像処理装置と、該画像処理装置の判別機能からの信号で前記加工材の良否を表示する良否表示装置とからなり、前記検出手段で検出された加工材の加工部分の良否を検査する加工材の検査装置。」である点。
[相違点1]
加工材が、本件発明では、プレカット加工材であるのに対して、引用例記載の発明では、釘が打ち込まれた遊技盤である点。
[相違点2]
検出手段と加工材とを相対移動させるために、本件発明では、搬送コンベアの所定位置の上部に検出手段であるビデオカメラを設置し、前記搬送コンベアの側部に装着されたレールに沿って移動して、プレカット加工材の加工位置を前記所定位置に順次位置決めするストッパを設けた位置決め装置を備えているのに対して、引用例記載の発明では、検出手段が、X方向とY方向とに移動可能になっている点。
[相違点3]
本件発明では、検出手段が、ビデオカメラであって、加工材の加工位置を検出した画像信号が、プレカット加工材の加工位置を撮影した撮影画像信号であり、予め設定された正確な加工材の加工の画像信号が、予め撮影した正確なプレカット加工材の加工の映像信号であるのに対して、引用例記載の発明では、検出手段が、計測光を照射・受光するセンサーヘッドであって、加工材の加工位置を検出した画像信号及び予め設定された正確な加工材の加工の画像信号が、撮影画像信号ないし映像信号ではない点。
[相違点4]
本件発明では、予め撮影した正確なプレカット加工材の加工の映像信号を記憶するメモリと、CPUからなる画像処理装置が、ビデオカメラによってプレカット加工材の加工位置を撮影した撮影画像信号を取り込んで一端記憶するバッファメモリを備えているのに対して、引用例記載の発明では、そのようなメモリを備えているのかどうか明らかでない点。

4 相違点についての検討
(1)相違点1について
釘が打ち込まれた遊技盤に限らず、一般に、加工材についてその加工が適正に行われたか否かを検査する必要があることは自明の事項であり、引用例記載の発明をプレカット加工材の加工部分の良否の検査に適用することに格別の困難性は見出せない。

(2)相違点2について
検出手段と加工材とを相対移動させるに当たって、いずれを固定しいずれを移動させるかは、当業者が必要に応じて適宜設定することのできる単なる設計的事項にすぎず、また、プレカット加工材の加工において、搬送コンベアの側部に装着されたレールに沿って移動して、プレカット加工材を所定位置に順次位置決めするストッパを設けた位置決め装置を備えることは、例えば、特開平9-109106号公報の段落【0011】等、特開平11-277504号公報の段落【0052】?【0053】等に記載されているように従来周知の事項である。
そうしてみると、検出手段と加工材とを相対移動させるために本件発明のように構成することは、当業者が格別の創意を要することなく容易に想到するところである。

(3)相違点3について
上記2(1)に摘記したとおり、引用例の段落【0002】には、従来の技術として検出手段をビデオカメラとすることが記載されており、検出手段としてセンサーヘッドに代えてビデオカメラを採用することに格別の困難性は見当たらない。
そして、検出手段をビデオカメラとした場合には、加工材の加工位置を検出した画像信号は、プレカット加工材の加工位置を撮影した撮影画像信号であり、予め設定された正確な加工材の加工の画像信号は、予め撮影した正確なプレカット加工材の加工の映像信号となることは自明である。

(4)相違点4について
引用例記載の発明にあっても、検出手段によって加工材の加工位置を検出した画像信号と予め設定された正確な加工材の加工の画像信号とを比較するためには、各画像信号を記憶しておくための手段が必要なことは明らかであり、また、記憶手段としてメモリがあること、及び、一時的な記憶手段としてバッファメモリがあることは従来周知である。
そうしてみると、上記(3)において検討した検出手段としてビデオカメラを採用した場合に、上記相違点4に係る本件発明の特定事項のように構成することは当業者が容易になし得たことである。

そして、本件発明の採用する構成によってもたらされる効果も、引用例記載の発明及び上記従来周知の事項から当業者であれば十分予測できる範囲内のものであって格別顕著なものとはいえない。

したがって、本件発明は、引用例記載の発明及び従来周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである

5 むすび
以上のとおり、本件発明は、引用例記載の発明及び従来周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本件出願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく本件出願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-01-16 
結審通知日 2007-01-23 
審決日 2007-02-05 
出願番号 特願平11-361888
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B27F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 千葉 成就堀川 一郎  
特許庁審判長 前田 幸雄
特許庁審判官 中島 昭浩
菅澤 洋二
発明の名称 プレカット加工材の検査装置  
代理人 鈴木 和夫  

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