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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 C22C
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C22C
管理番号 1155030
審判番号 不服2003-8136  
総通号数 89 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-05-08 
確定日 2007-04-05 
事件の表示 平成11年特許願第509660号「浸炭時の粗大粒防止特性に優れた肌焼鋼とその製造方法ならびに浸炭部品用素形材」拒絶査定不服審判事件〔平成11年2月4日国際公開、WO99/05333〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成10年7月22日[国際出願日(優先権主張国:日本、優先日:平成9年7月22日)]の出願であって、平成15年3月27日付け(4月8日発送)で拒絶査定がなされ、これに対し、同年5月8日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年5月30日付けで手続補正がなされたものである。

第2 平成15年5月30日付けの手続補正についての補正却下の決定
【補正却下の決定の結論】
平成15年5月30日付けの手続補正を却下する。

【決定の理由】
[1]手続補正の内容
本件手続補正の内容は、次の(1)及び(2)である。
(1)補正前の特許請求の範囲の請求項5?7を削除するとともに、請求項8?9の項番を繰り上げて補正後の請求項5?6とする。
(2)補正前の請求項1及び請求項8の「Al:0.015?0.04%、Nb:0.005?0.04%、N:0.006?0.020%」を、「Al:0.030?0.04%、Nb:0.022?0.04%、N:0.006?0.0186%」に補正する。

[2]本件手続補正の適否
上記補正(1)は、請求項の削除を目的とした明細書の補正に該当する。
上記補正(2)は、補正前の特許請求の範囲の請求項1?9のうち請求項1及び請求項8に記載した発明について、Al,Nb及びNの含有量を更に狭い範囲に定めて、この発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成15年改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に適合するか)について以下に検討する。

〈独立特許要件について〉
[2-1]本願補正発明
本件補正後の発明は、補正後の明細書(以下、「本願補正明細書」という。)の特許請求の範囲の請求項1?6に記載されたものであるところ、その請求項1に係る発明は、次のとおりのものである。
「【請求項1】 質量%で、
C :0.1?0.40%、
Si:0.02?1.3%、
Mn:0.3?1.8%、
S :0.001?0.15%、
Al:0.030?0.04%、
Nb:0.022?0.04%、
N :0.006?0.0186%、
を含有し、
さらに、
Cr:0.4?1.8%、
Mo:0.02?1.0%、
Ni:0.1?3.5%、
V :0.03?0.5%、
の1種または2種以上を含有し、
P :0.025%以下、
Ti:0.010%以下、
O :0.0025%以下に制限し、
残部が鉄および不可避的不純物からなり、
熱間圧延後のNb(CN) の析出量が0.005%以上であり、AlNの析出量を0.005%以下に制限したことを特徴とする浸炭時の粗大粒防止特性に優れた肌焼鋼。」(以下、「本願補正発明」という。)

[2-2]引用例及び引用例の主な記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された特開平5-125437号公報(以下、「引用例」という。)には、次の事項が記載されている。
(1a)「【請求項2】重量wt%で、
C:0.08?0.30%
Si:0.05?1.0%
Mn:0.3?2.0%
Al:0.015?0.050%
Nb:0.02?0.10%
N:0.015?0.030%
および、
N(%)≧0.52×Al(%)+0.15×Nb(%)
の範囲で含有しさらに、
Cr:0.3?2.0%
Ni:0.3?5.0%
Mo:0.05?1.0%
のうちの一種または二種以上を含み、残部Feおよび不可避的に含まれる不純物よりなる鋼を、1150℃以上の温度に加熱後、終止温度が950?800℃で熱間圧延を行ない、その後0.3?0.05℃/secでA1 変態点以下まで冷却することを特徴とする結晶粒度安定化肌焼用鋼の製造方法。」
(2a)「【0001】【産業上の利用分野】本発明は、熱間加工後に冷却状態で微細な組織を有し、かつ冷間鍛造等による機械部品の製造方法を経ても、浸炭時にオーステナイト結晶粒の粗大化し難い、結晶粒度安定化肌焼用鋼の製造方法に関するものである。」
(3a)「【0007】
【問題点を解決するための手段】上記の問題点を解決するために発明者は、肌焼鋼の変態特性およびオーステナイト結晶粒度特性と製造条件の関係について詳細な検討を加えた結果、Al,Nb,Nといった微細量成分の量や圧延加熱、加工温度等の熱間加工条件及び加工後の冷却速度を考慮することにより、微細な組織を有するとともに、結晶粒度の安定化に有効なAlN,NbCNを、より微細かつ均一に析出分散させ、また浸炭等の高温長時間の加熱時にも、成長粗大化しにくいように分散析出させることが出来、これによって冷鍛などの苛酷な工程をとってもオーステナイト結晶粒の粗大化しにくい肌焼鋼鋼材の製造が可能となった。」
(4a)「【0023】
【実施例】表1に本発明鋼と比較鋼の化学成分と熱間加熱条件、仕上げ温度および加工後の冷却速度の各操業条件とフェライト粒度、および球状化熱処理後70%冷間加工した場合のオーステナイト結晶粒度を示す。圧延寸法はφ30である。」
そして、表1が示され、その(注)には、70%冷間加工後950℃×6hr加熱時の結晶粒度と記載されており、表1に記載された発明鋼は、950℃×6hr加熱時のγ粒度が、10.3?11.0の範囲にあり、混粒発生がないことが記載されている。

[2-3]当審の判断
(1)引用例に記載された発明
引用例の(1a)には「重量wt%で、C:0.08?0.30%、Si:0.05?1.0%、Mn:0.3?2.0%、Al:0.015?0.050%、Nb:0.02?0.10%、N:0.015?0.030%
および、N(%)≧0.52×Al(%)+0.15×Nb(%)の範囲で含有しさらに、Cr:0.3?2.0%、Ni:0.3?5.0%、Mo:0.05?1.0%、のうちの一種または二種以上を含み、残部Feおよび不可避的に含まれる不純物よりなる鋼を、1150℃以上の温度に加熱後、終止温度が950?800℃で熱間圧延を行ない、その後0.3?0.05℃/secでA1 変態点以下まで冷却することを特徴とする結晶粒度安定化肌焼用鋼の製造方法。」が記載されており、この方法で製造された結晶粒度安定化肌焼用鋼の発明も記載されているといえるから(なお、この記載中のA1変態点は通常の表記法に従い、以下、「A1変態点」と表記する。)、引用例には次のとおりの発明が記載されているといえる。

「重量wt%で、C:0.08?0.30%、Si:0.05?1.0%、Mn:0.3?2.0%、Al:0.015?0.050%、Nb:0.02?0.10%、N:0.015?0.030%および、N(%)≧0.52×Al(%)+0.15×Nb(%)の範囲で含有しさらに、Cr:0.3?2.0%、Ni:0.3?5.0%、Mo:0.05?1.0%のうちの一種または二種以上を含み、残部Feおよび不可避的に含まれる不純物よりなる鋼を、1150℃以上の温度に加熱後、終止温度が950?800℃で熱間圧延を行ない、その後0.3?0.05℃/secでA1変態点以下まで冷却することを特徴とする結晶粒度安定化肌焼用鋼」(以下、「引用発明」という。)

(2)本願補正発明と引用発明との対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
前記摘示した(2a)の記載によれば、引用発明の結晶粒度安定化肌焼鋼は、浸炭時にオーステナイト結晶粒の粗大化し難い肌焼用鋼のことであるから、本願補正発明の浸炭時の粗大粒防止特性に優れた肌焼鋼に相当する。
したがって、両者は、「質量%で、C: 0.1?0.30%、Si:0.05?1.0 %、Mn:0.3?1.8 %、Al:0.030?0.04%、Nb:0.022?0.04%、を含有し、さらに、Cr:0.4?1.8%、Mo:0.05?1.0%、Ni:0.3?3.5%、の1種または2種以上を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる浸炭時の粗大粒防止特性に優れた肌焼鋼。」である点で一致し、両者は次の点で一応相違する。
相違点:
(イ)本願補正発明では、S:0.001?0.15%を含有し、そして、P:0.025%以下、Ti:0.010%以下、O:0.0025%以下に制限するのに対し、引用発明では、これらの成分元素の含有量が不明である点。
(ロ)本願補正発明では、N:0.006?0.0186%を含有するのに対して、引用発明では、N:0.015?0.030%及びN(%)≧0.52×Al(%)+0.15×Nb(%)の範囲で含有する点。
(ハ)製造段階での析出物の量に関し、本願補正発明では、熱間圧延後のNb(CN)の析出量が0.005%以上であり、AlNの析出量を0.005%以下に制限するのに対し、引用発明では、1150℃以上の温度に加熱後、終止温度が950?800℃で熱間圧延を行ない、その後0.3?0.05℃/secでA1変態点以下まで冷却するという熱間圧延の条件について規定するものの、熱間圧延後のNb(CN)の析出量及びAlNの析出量を制限するか否かについては不明である点。

(3)相違点についての判断
以下、相違点について検討する。
相違点(イ)について、
まずS及びPの含有量について検討すると、引用例の表1の実施例供試材鋼化学成分組成によれば、引用発明に係る鋼(表1には、「発明鋼」と表示されている。)はS:0.008?0.023%、P:0.018?0.024%の範囲の量を含有しているといえるから、本願補正発明と引用発明のS及びPの含有量に実質的な相違はない。
次に、Ti及びOの含有量について検討する。
引用例には、そこに記載された肌焼鋼がTi及びOを含有するとの記載がないことから、引用発明はTi及びO全く含有しないか、たとえ含有するとしても不可避的不純物として、その量は微量であると考えられる。ここで、軸受等に利用される肌焼鋼において、Ti及びOは、TiNや酸化物系介在物を生成して疲労特性を劣化させる成分であるので、これら成分の含有量は厳しく制限されており、その含有量を、Ti:0.010%以下、O:0.0025%以下に制限することが普通に採用されていたと認められること(必要ならば拒絶査定時に提示した周知文献である特開平5-279796号、特開平6-17225号、特開平6-17224号及び特開平2-125841号各公報のTi、Oの添加理由の項、実施例等を参照)を考慮すると、引用発明においても、Ti及びOの含有量を厳しく制限し、Ti:0.010%以下、O:0.0025%以下であったと解するのが相当である。
そうすると、本願補正発明と引用発明のTi及びO含有量に実質的な相違はないといえる。
したがって、上記相違点(イ)は、実質的な相違ではない。

相違点(ロ)について
引用発明では、N:0.015?0.030%で、かつN(%)≧0.52×Al(%)+0.15×Nb(%)の範囲で含有するので、この式に、本願補正発明と引用発明におけるAl及びNbの含有量の重複範囲の値を代入して計算すると、上記式の右辺の下限値は、0.0189%となる。したがって、引用発明のN含有量は、N:0.015?0.030%、かつN≧0.0189%、すなわち、0.0189?0.030%の範囲となり、本願補正発明のN:0.006?0.0186%の範囲と対比して相対的に多いものとなる。
しかしながら、一般に肌焼鋼において、Nは結晶粒の微細化に有用な元素であるが、N量が多すぎると加工性や疲労特性を低下させるので0.02%以下に規制する必要があることは周知の事項である(上記周知文献である特開平6-17225号、特開平6-17224号及び特開平2-125841号各公報参照)。
してみれば、引用発明において、相応の結晶粒粗大化阻止効果を確保するとともに、あわせて加工性や疲労特性の低下を防止するために、N含有量を再検討して、加工性や疲労特性の低下が防止できるとされる範囲である0.02%以下、あるいはその近傍である0.0186%以下の0.006?0.0186%の範囲に限定することは、当業者が容易になし得たことである。
なお、請求人は、平成15年5月30日付け手続補正により、本願発明のN含有量の範囲を、補正前の0.006?0.020%から0.006?0.0186%に減縮するとともに、あわせて、Alの含有量の範囲を、補正前の0.015?0.04%%から0.030?0.04%とし、Nbの含有量の範囲を、補正前の0.005?0.04%から0.022?0.04%に減縮し、本願補正発明のN含有量が、引用発明のN(%)≧0.52×Al(%)+0.15×Nb(%)式を満たすことがない範囲となるように補正するとともに、同日付けの請求の理由の補正の【本願発明が特許されるべき理由】〔1〕本願発明の説明の項において、N量が多すぎるとAlNがマトリックス中に固溶し難くなるため、N量の上限を0.0186%に制限したと記載して、N量限定の新たな効果を主張するが、このような事項は本願補正明細書にみられないから、この主張は明細書に基づかないものであり採用できない。

相違点(ハ)について
相違点(ハ)について検討するにあたり、本願補正発明と引用発明の製造条件について対比、検討する。
引用発明は、肌焼鋼を1150℃以上の温度に加熱し、鋼中のAlN、NbCNを固溶させた後、終止温度が950?800℃で熱間圧延を行ない、その後0.3?0.05℃/secでA1変態点以下まで冷却することにより、AlNやNbCNが粗大化することなく、微細に析出させるというものであり(引用例【0017】?【0021】参照)、他方、本願補正発明の製造条件についてみると、圧延素材を1150℃以上の温度で保熱時間10分以上加熱して、AlN及びNbCNを一旦マトリックス中に固溶させ、熱間圧延後に800℃?500℃の温度範囲を1℃/秒以下の冷却速度で徐冷して、微細なNbCNを析出させるものである(本願補正明細書第19頁第9行?第29行参照)。
そうすると、熱間圧延後の析出物と量に関し、冷間加工後浸炭熱処理しても結晶粒の粗大化を抑制することができる肌焼鋼を製造するために必要な条件、即ち、AlN及びNb(CN)がマトリックス中に固溶する高温度に所要時間加熱し、熱間圧延後Nb(CN)析出温度域を所定冷却速度で徐冷するという両者の製造条件は同じであるということができる。
そして、両者の鋼の成分組成についてみると、前記したとおり、引用発明のN含有量は、本願補正発明の範囲と対比して相対的に多いものとなっているが、熱間圧延後のAlN及びNbCNの析出量は、圧延加熱温度を高温にすること、及び熱間圧延後に徐冷するという製造条件の最適化によって得られるのであるから(本願補正明細書第9頁第6行?第12行参照)、両者のN含有量の相違は、熱延後のAlN及びNbCNの析出量に関し、本質的なものではない。
したがって、熱延後のNb(CN)とAlNの析出量についても、本願補正発明と引用例に記載された発明の間に差異がないと解されるから、相違点(ハ)は、実質的な相違ではない。

次に、効果について検討する。
上記(4a)に記載のとおり、引用例の表1には、引用発明に係る鋼について、その化学成分と熱間加工条件等の各操業条件を掲載するとともに、球状化熱処理後に70%の冷間加工した場合について、950×6hr加熱時のオーステナイト結晶粒度(オーステナイト結晶粒度は、γ粒度と表示されることもある)が示されている。そして、γ粒度の欄をみると、950℃×6hr加熱後に、No.1?No.15の「発明鋼」のγ粒度は、10.3?11.0の範囲にあるとともに、混粒発生がみられなかったことが記載されていることから、引用発明においても、本願補正発明と同等の粗大粒防止特性が得られていたものといえる。
したがって、本願補正発明が引用発明に比べて格別顕著な効果を奏するともいえない。

(4)小括
したがって、本願補正発明は、引用発明及び引用例の記載事項並びに周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

[2-4]むすび
以上のとおり、本件補正は、平成15年改正前の特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第4項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第3 本願発明についての審決
[1]本願発明
平成15年5月30日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願発明は、平成15年1月20日付けの手続補正により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1?9に記載されたものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願請求項1発明」という。)は次のとおりである。
「【請求項1】質量%で、
C: 0.1?0.40%、
Si:0.02?1.3%、
Mn:0.3?1.8%、
S: 0.001?0.15%、
Al:0.015?0.04%、
Nb:0.005?0.04%、
N: 0.006?0.020%、
を含有し、
さらに、
Cr:0.4?1.8%、
Mo:0.02?1.0%、
Ni:0.1?3.5%、
V:0.03?0.5%、
の1種または2種以上を含有し、
P: 0.025%以下、
Ti:0.010%以下、
O:0.0025%以下に制限し、
残部が鉄および不可避的不純物からなり、
熱間圧延後のNb(CN)の析出量が0.005%以上であり、AlNの析出量を0.005%以下に制限したことを特徴とする浸炭時の粗大粒防止特性に優れた肌焼鋼。」

[2]原査定の理由の概要
原審の拒絶査定の理由の概要は、本願発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された刊行物である特開平5-125437号公報(引用例)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

[3]引用例及び引用例の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用例及びその主な記載事項は、上記第2の[2-2]に記載したとおりである。

[4]当審の判断
上記第2の[2-1]の本願補正発明は、本願請求項1発明の鋼成分組成のうち、Al,Nb及びNの含有量を更に狭い範囲に定めて、発明を特定するために必要な事項を限定したものである。
このように発明を特定するために必要な事項をより狭い範囲に限定した本願補正発明が、引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであると認められる以上、本願請求項1発明も、上記第2の[2-3]に記したと同様の理由により、引用発明及び引用例の記載事項並びに周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

[5] むすび
以上のとおり、本願請求項1発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その余の発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-01-30 
結審通知日 2007-02-06 
審決日 2007-02-20 
出願番号 特願平11-509660
審決分類 P 1 8・ 121- Z (C22C)
P 1 8・ 575- Z (C22C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小柳 健悟  
特許庁審判長 長者 義久
特許庁審判官 井上 猛
平塚 義三
発明の名称 浸炭時の粗大粒防止特性に優れた肌焼鋼とその製造方法ならびに浸炭部品用素形材  
代理人 西山 雅也  
代理人 石田 敬  
代理人 樋口 外治  

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