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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する C07C |
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管理番号 | 1155888 |
審判番号 | 訂正2007-390007 |
総通号数 | 90 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2007-06-29 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2007-01-31 |
確定日 | 2007-03-29 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2621991号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第2621991号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
1 訂正の要旨 本件審判の請求は、特許第2621991号発明(平成元年8月24日特許出願(優先権主張 昭和63年12月22日)、平成9年4月4日特許権の設定の登録)の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、特許請求の範囲の請求項1及び請求項2について下記(i)?(ii)のとおり訂正することを求めるものである。 訂正事項(i)特許請求の範囲の請求項1を、 「式(I) で表わされるメルカプト化合物。」 と訂正する。 訂正事項(ii)特許請求の範囲の請求項2を、 「式(II) で表わされるトリオールに、鉱酸の存在下、チオ尿素を反応させた後、塩基を加えてアルカリ性とし、加水分解することを特徴とする式(I) で表わされるメルカプト化合物の製造方法。」 と訂正する。 2 当審の判断 これらの訂正事項について検討する。 上記(i),(ii)の訂正は、いずれも、訂正前に とあった化学構造式(以下、「化学構造式A」という。)を、 (以下、「化学構造式B」という。)と訂正するものである。 訂正前の特許明細書では、式(I)で表される化合物の化学構造として、特許請求の範囲においては化学構造式Aが記載されており、一方、発明の詳細な説明においては化学構造式Aは全く記載されておらず、〔課題を解決する手段〕の項では、化学構造式Bが記載されており、その製造方法として、1,3-ジクロル-2-プロパノール又はエピクロルヒドリンと2-メルカプトエタノールから式(II) で表されるトリオールを製造し、式(II)の化合物と鉱酸中、チオ尿素と反応させた後、アルカリで加水分解する方法でSH化し、その際1,2位で転位がおこり、化学構造式Bのメルカプト化合物となることが記載されている。そして、実施例1では、2-メルカプトエタノールとエピクロルヒドリンから1,3-ビス(2-ヒドロキシエチルチオ)-2-プロパノール(注.式(II)で表される化合物の名称)を製造し、その式(II)の化合物と塩酸水溶液中、チオ尿素と反応させ、その後50%水酸化ナトリウム水溶液と反応させて、1,2-ビス〔(2-メルカプトエチル)チオ〕-3-メルカプトプロパン(注.化学構造式Bで表される化合物の名称)を製造したことが記載され、その化合物の同定、確認データとして元素分析値、13CNMRの化学シフト値(δppm)及びそれに対応する部分化学構造が示されている。実施例2?6においても、同様に2-メルカプトエタノールとエピクロルヒドリンから式(II)の化合物を製造し、引き続いて鉱酸水溶液中、チオ尿素と反応させて、同じ1,2-ビス〔(2-メルカプトエチル)チオ〕-3-メルカプトプロパンを製造したことが記載されている。 実施例8では、2-メルカプトエタノールと2,3-ジブロム-1-プロパノールから式(II)の化合物を製造し、引き続いて鉱酸水溶液中、チオ尿素と反応させて、同じ1,2-ビス〔(2-メルカプトエチル)チオ〕-3-メルカプトプロパンを製造したことが記載されており、実施例1と同様に同定、確認データも記載されている。 化学構造式Aで表される化合物は1,1,2-エタントリチオール誘導体であり、一方、化学構造式Bで表される化合物は1,2,3-プロパントリチオール誘導体であると解することができる。一方、その原料化合物である式(II)の化合物は1,2,3-プロパントリオール誘導体であるから、鉱酸水溶液中、チオ尿素との反応により水酸基がチオール基(メルカプト基)に置換し、1,2-転位を経て製造されるべき化合物としては、化学構造式Aで表される化合物ではなく、化学構造式Bで表される化合物であると考えるのが妥当であり、実施例1及び実施例8におけるNMRのデータのうち、 「28.6 -S-CH2CH(-S-)CH2SH」 「36.8 -SCH2CH(-S-)CH2SH」 「48.7 -SCH2CH(-S-)CH2SH」 のデータの帰属化学構造は、化学構造式Aにはなく、化学構造式Bに存在する部分化学構造であることもそれを裏付けるものである。 よって、式(I)で表される化合物の化学構造式として、化学構造式Aは誤りであり、化学構造式Bが正しいものであることが、当業者であれば、特許明細書の記載に基づいて一義的に理解できることであると認められるから、訂正前の化学構造式Aを化学構造式Bとすることは誤記の訂正を目的とするものに該当する。 また、訂正前の特許明細書のうち、発明の詳細な説明の項の記載全体は出願当初明細書と同じであり、本件訂正は、化学構造式Aをその発明の詳細な説明に記載されていた化学構造式Bとする訂正であるから、出願当初明細書に記載した事項の範囲内においてする訂正である。 さらに、本件補正は、特許明細書の特許請求の範囲の記載において、誤記である部分を、当業者が正しくはその意味であると一義的に理解できる記載に訂正するものであるから、訂正後の特許請求の範囲に記載された事項は、訂正前の特許請求の範囲に記載されていた事項と実質的に変るものではないので、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには当たらない。また、訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものとも認められない。 3 むすび 以上のとおりであるから、本件審判の請求は、特許法第126条第1項第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものに該当し、かつ、同条第3項ないし第5項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 メルカプト化合物及びその製造方法 (57)【特許請求の範囲】 1)式(I) で表わされるメルカプト化合物。 2)式(II) で表わされるトリオールに、鉱酸の存在下、チオ尿素を反応させた後、塩基を加えてアルカリ性とし、加水分解することを特徴とする式(I) で表わされるメルカプト化合物の製造方法。 【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規なメルカプト化合物とその製造方法、メルカプト化合物を用いた含硫ウレタン系樹脂及びその樹脂より成るレンズに関する。 本発明のメルカプト化合物は、例えば架橋剤、エポキシ樹脂硬化剤、加硫剤、重合調整剤、合成樹脂原料、酸化防止剤、金属錯体生成剤、生化学的薬物、潤滑油添加剤として広範囲な用途を有する化合物である。 〔従来の技術〕 プラスチックレンズは、無機レンズに比べ軽量で割れ難く、染色が可能なため、近年、眼鏡レンズ、カメラレンズ等の光学素子に急速に普及してきている。 これらの目的に現在広く用いられている樹脂としては、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)(以下D.A.C.と称す)をラジカル重合させたものがある。この樹脂は、耐衝撃性に優れていること、軽量であること、染色性に優れていること、切削性および研磨性等の加工性が良好であることなどの、種々の特徴を有している。 しかしながら屈折率が無機レンズ(nD=1.52)に比べnD=1.50と小さく、ガラスレンズと同等の光学特性を得るためには、レンズの中心厚、コバ厚、および曲率を大きくする必要があり、全体的に肉厚になることが避けられない。このため、より屈折率の高いレンズ用樹脂が望まれている。 さらに、高屈折率を与えるレンズ用樹脂の1つとして、イソシアナート化合物とジエチレングリコールなどのヒドロキシ化合物との反応(特開昭57-136601)、もしくは、テトラブロモビスフェノールAなどのハロゲン原子を含有するヒドロキシ化合物との反応(特開昭58-164615)やジフェニルスルフィド骨格を含有するヒドロキシ化合物との反応(特開昭60-194401)により得られるポリウレタン系の樹脂等によるプラスチックレンズが知られている。 また、本出願人は高屈折率レンズ用樹脂として、イソシアナート化合物と硫黄原子を含有するヒドロキシ化合物との反応(特開昭60-217229)、さらにはポリチオール化合物との反応(特開昭60-199016、特開昭62-267316、特開昭63-46213)より得られるポリウレタン系の樹脂等によるプラスチックレンズを先に提案した。 〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、これらの公知の樹脂によるレンズは、D.A.C.を用いたレンズよりも屈折率は向上するものの、まだ屈折率の点で不充分であったり、また屈折率を向上させるべく、分子内に多数のハロゲン原子或いは芳香環を有する化合物を用いている為に、耐候性が悪い、あるいは比重が大きいといった欠点を有している。 また、本発明者らが提案したプラスチックレンズにおいても、屈折率的にはまだ高度なものとは言えず、また染色、コート等後加工での耐熱性に問題があり、さらにモノマーの有する硫黄臭がレンズの製造時、あるいは後加工時において、作業者に不快感を与える等、さらなる改良が望まれている。 〔課題を解決するための手段〕 このような状況に鑑み、本発明者らはさらに検討を加えた結果、本発明の新規なメルカプト化合物を見出し、本発明に至った。 すなわち、本発明は、式(I) で表わされるメルカプト化合物及びそれを用いた含硫ウレタン系樹脂及びレンズに関するものである。さらに言えば、本発明は、硫黄臭の少ないメルカプト化合物と、それを用いた無色透明で高屈折率、低分散であり、軽量で、耐候性に優れ、耐衝撃性、耐熱性に優れた含硫ウレタン系樹脂及びレンズと、それらの製造方法に関するものである。 本発明のメルカプト化合物(式(I))は、例えば1,3-ジクロル-2-プロパノール等のグリセリン誘導体やエピクロルヒドリン等のエピハロヒドリンと、2-メルカプトエタノールをアルカリ存在下、冷却又は加熱しながら反応させ、式(II) で表わされるトリオールを得、それに、鉱酸中、チオ尿素を反応させた後、アルカリ加水分解する方法でSH化する。その際、1,2位で転位がおこり、式(I)のメルカプト化合物となる。 また、別の方法として2,3-ジブロム-1-プロパノール等のグリセリン誘導体と、2-メルカプトエタノールより、同様の方法で式(III) で表わされるトリオールを得、それを鉱酸中でチオ尿素と反応させた後、アルカリ加水分解する方法でSH化しても合成される。 例えば2-メルカプトエタノールと塩基を水あるいはメタノール、エタノール等の低級アルコール溶媒中に加えた後、エピクロルヒドリンを滴下する。この時、反応温度0℃?120℃で行うのが好ましい。 2-メルカプトエタノールの使用量はエピクロルヒドリンに対して2当量以上必要であり、2?3当量が好ましい。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の金属炭酸塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の第三級アミンが挙げられるが、反応性と経済性の面から水酸化ナトリウムが最も好ましく、使用量はエピクロルヒドリンに対して1当量以上であるが、2-メルカプトエタノールの使用モル数以下であることが好ましい。 また、この反応は製品の着色を制御するためにさらに二段階に分けて実施するのが好ましい。すなわち、エピクロルヒドリンに対して1?3当量の2-メルカプトエタノールと触媒量の好ましくは0.001?0.1当量の上記塩基の水あるいはメタノール、エタノール等の低級アルコール溶液中にエピクロルヒドリンを滴下し、式(IV) で表されるジオールとし、続いて2-メルカプトエタノールがエピクロルヒドリンに対して2?3当量となるように不足分があればそれを加え、さらに、エピクロルヒドリンに対して1?2当量となるように塩基の不足分を加えることにより、式(II)で表されるトリオールを得ることが出来る。式(IV)で表されるジオールの合成において水酸化ナトリウム等の強塩基を使用する場合の反応温度は0?50℃とするのが適当である。反応温度を50℃以上とすると、触媒量加えた塩基がジオールからトリオールの生成反応に消費されジオール体の収率が低下する。ジオールの合成において第三級アミンを使用する場合には50?120℃でもこうした問題はない。 次に、式(II)で表わされるトリオールに3当量以上、好ましくは3?6当量のチオ尿素を3当量以上、好ましくは3?12当量の鉱酸水溶液中において室温から還流温度の範囲で反応させる。鉱酸としては塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸等が使用出来るが、十分な反応速度が得られ、しかも製品の着色を制御することにおいて塩酸が好ましい。 引き続き行なう加水分解反応は、上記の反応液に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物あるいはアンモニア、トリエチルアミン等のアミン類を3当量以上、好ましくは3?12当量加えアルカリ性とし、室温から還流温度の範囲で行う。塩基を加える時点における温度は0?50℃とするのが好ましく、50℃以上とすると製品の着色がおこり易い。 こうして生成する式(I)で表わされるメルカプト化合物はトルエン等の有機溶媒による抽出後、酸洗浄、水洗、濃縮、濾過という一般的手法により精製することが出来、必要により蒸留精製も可能である。 なお、本発明は大気下でも実施出来るが、全体を窒素下で行うのが好ましい。 本発明の含硫ウレタン系樹脂は式(I)で表わされるメルカプト化合物とポリイソシアナート化合物、ポリイソチオシアナート化合物、及びイソシアナート基を有するイソチオシアナート化合物から選ばれる少なくとも一種のエステル化合物を反応させて得られる。 本発明に於いて含硫ウレタン系樹脂の原料として用いる、ポリイソシアナート化合物としては、例えば、エチレンジイソシアナート、トリメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、オクタメチレンジイソシアナート、ノナメチレンジイソシアナート、2,2’-ジメチルペンタンジイソシアナート、2,2,4-トリメチルヘキサンジイソシアナート、デカメチレンジイソシアナート、ブテンジイソシアナート、1,3-ブタジエン-1,4-ジイソシアナート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、1,6,11-ウンデカトリイソシアナート、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアナート、1,8-ジイソシアナート-4-イソシアナートメチルオクタン、2,5,7-トリメチル-1,8-ジイソシアナート-5-イソシアナートメチルオクタン、ビス(イソシアナートエチル)カーボネート、ビス(イソシアナートエチル)エーテル、1,4-ブチレングリコールジプロピルエーテル-w,w’-ジイソシアナート、リジンジイソシアナートメチルエステル、リジントリイソシアナート、2-イソシアナートエチル-2,6-ジイソシアナートヘキサノエート、2-イソシアナートプロピル-2,6-ジイソシアナートヘキサノエート、キシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナートエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナートプロピル)ベンゼン、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナートブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナートメチル)ナフタリン、ビス(イソシアナートメチル)ジフェニルエーテル、ビス(イソシアナートエチル)フタレート、メシチリレントリイソシアナート、2,6-ジ(イソシアナートメチル)フラン、等の脂肪族ポリイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、シクロヘキサンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシアナート、ジシクロヘキシルジメチルメタンジイソシアナート、2,2’-ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、ビス(4-イソシアナート-n-ブチリデン)ペンタエリスリトール、ダイマ酸ジイソシアナート、2-イソシアナートメチル-3-(3-イソシアナートプロピル)-5-イソシアナートメチル-ビシクロ〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアナートメチル-3-(3-イソシアナートプロピル)-6-イソシアナートメチル-ビシクロ-〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアナートメチル-2-(3-イソシアナートプロピル)-5-イソシアナートメチル-ビシクロ-〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアナートメチル-2-(3-イソシアナートプロピル)-6-イソシアナートメチル-ビシクロ-〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアナートメチル-3-(3-イソシアナートプロピル)-5-(2-イソシアナートエチル)-ビシクロ-〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアナートメチル-3-(3-イソシアナートプロピル)-6-(2-イソシアナートエチル)-ビシクロ-〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアナートメチル-2-(3-イソシアナートプロピル)-5-(2-イソシアナートエチル)-ビシクロ-〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアナートメチル-2-(3-イソシアナートプロピル)-6-(2-イソシアナートエチル)-ビシクロ-〔2,2,1〕-ヘプタン等の脂環族ポリイソシアナート、フェニレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、エチルフェニレンジイソシアナート、イソプロピルフェニレンジイソシアナート、ジメチルフェニレンジイソシアナート、ジエチルフェニレンジイソシアナート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアナート、トリメチルベンゼントリイソシアナート、ベンゼントリイソシアナート、ナフタリンジイソシアナート、メチルナフタレンジイソシアナート、ビフェニルジイソシアナート、トルイジンジイソシアナート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアナート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアナート、ビベンジル4,4’-ジイソシアナート、ビス(イソシアナートフェニル)エチレン、3,3’-ジメトキシビフェニル-4,4’-ジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、ポリメリックMDI、ナフタリントリイソシアナート、ジフェニルメタン-2,4,4’-トリイソシアナート、3-メチルジフェニルメタン-4,6,4’-トリイソシアナート、4-メチル-ジフェニルメタン-3,5,2’,4’,6’-ペンタイソシアナート、フェニルイソシアナートメチルイソシアナート、フェニルイソシアナートエチルイソシアナート、テトラヒドロナフチレンジイソシアナート、ヘキサヒドロベンゼンジイソシアナート、ヘキサヒドロジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアナート、ジフェニルエーテルジイソシアナート、エチレングリコールジフェニルエーテルジイソシアナート、1,3-プロピレングリコールジフェニルエーテルジイソシアナート、ベンゾフェノンジイソシアナート、ジエチレングリコールジフェニルエーテルジイソシアナート、ジベンゾフランジイソシアナート、カルバゾールジイソシアナート、エチルカルバゾールジイソシアナート、ジクロロカルバゾールジイソシアナート、等の芳香族ポリイソシアナート、チオジエチルジイソシアナート、チオジプロピルジイソシアナート、チオジヘキシルジイソシアナート、ジメチルスルフォンジイソシアナート、ジチオジメチルジイソシアナート、ジチオジエチルジイソシアナート、ジチオジプロピルジイソシアナート等の含硫脂肪族イソシアナート、ジフェニルスルフィド-2,4’-ジイソシアナート、ジフェニルスルフィド-4,4’-ジイソシアナート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ジイソシアナートジベンジルチオエーテル、ビス(4-イソシアナートメチルベンゼン)スルフィド、4,4’-メトキシベンゼンチオエチレングリコール-3,3’-ジイソシアナートなどの芳香族スルフィド系イソシアナート、ジフェニルジスルフィド-4,4’-ジイソシアナート、2,2’-ジメチルジフェニルジスルフィド-5,5’-ジイソシアナート、3,3’-ジメチルジフェニルジスルフィド-5,5’-ジイソシアナート、3,3’-ジメチルジフェニルジスルフィド-6,6’-ジイソシアナート、4,4’-ジメチルジフェニルジスルフィド-5,5’-ジイソシアナート、3,3’-ジメトキシジフェニルジスルフィド-4,4’-ジイソシアナート、4,4’-ジメトキシジフェニルジスルフィド-3,3’-ジイソシアナートなどの芳香族ジスルフィド系イソシアナート、ジフェニルスルホン-4,4’-ジイソシアナート、ジフェニルスルホン-3,3’-ジイソシアナート、ベンジディンスルホン-4,4’-ジイソシアナート、ジフェニルメタンスルホン-4,4’-ジイソシアナート、4-メチルジフェニルスルホン-2,4’-ジイソシアナート、4,4’-ジメトキシジフェニルスルホン-3,3’-ジイソシアナート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ジイソシアナートジベンジルスルホン、4,4’-ジメチルジフェニルスルホン-3,3’-ジイソシアナート、4,4’-ジtert-ブチルジフェニルスルホン-3,3’-ジイソシアナート、4,4’-メトキシベンゼンエチレンジスルホン-3,3’-ジイソシアナート、4,4’-ジクロロジフェニルスルホン-3,3’-ジイソシアナートなどの芳香族スルホン系イソシアナート、4-メチル-3-イソシアナートベンゼンスルホニル-4’-イソシアナートフェノールエステル、4-メトキシ-3-イソシアナートベンゼンスルホニル-4’-イソシアナートフェノールエステルなどのスルホン酸エステル系イソシアナート、4-メチル-3-イソシアナートベンゼンスルホニルアニリド-3’-メチル-4’-イソシアナート、ジベンゼンスルホニル-エチレンジアミン-4,4’-ジイソシアナート、4,4’-メトキシベンゼンスルホニル-エチレンジアミン-3,3’-ジイソシアナート、4-メチル-3-イソシアナートベンゼンスルホニルアニリド-4-メチル-3’-イソシアナートなどの芳香族スルホン酸アミド、チオフェン-2,5-ジイソシアナート等の含硫複素環化合物その他1,4-ジチアン-2,5-ジイソシアナートなどが挙げられる。 またこれらの塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体、アルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や、多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、ダイマー化あるいはトリマー化反応生成物等もまた使用できる。 本発明において原料として用いられるポリイソチオシアナート化合物は、一分子中に-NCS基を2つ以上含有する化合物であり、さらにイソチオシアナート基の他に硫黄原子を含有していてもよい。具体的には、例えば、1,2-ジイソチオシアナートエタン、1,3-ジイソチオシアナートプロパン、1,4-ジイソチオシアナートブタン、1,6-ジイソチオシアナートヘキサン、p-フェニレンジイソプロピリデンジイソチオシアナート等の脂肪族イソチオシアナート、シクロヘキサンジイソチオシアナート等の脂環族イソチオシアナート、1,2-ジイソチオシアナートベンゼン、1,3-ジイソチオシアナートベンゼン、1,4-ジイソチオシアナートベンゼン、2,4-ジイソチオシアナートトルエン、2,5-ジイソチオシアナート-m-キシレン、4,4’-ジイソチオシアナート-1,1’-ビフェニル、1,1’-メチレンビス(4-イソチオシアナートベンゼン)、1,1’-メチレンビス(4-イソチオシアナート-2-メチルベンゼン)、1,1’-メチレンビス(4-イソチオシアナート-3-メチルベンゼン)、1,1’-(1,2-エタンジイル)ビス(4-イソチオシアナートベンゼン)、4,4’-ジイソチオシアナートベンゾフェノン、4,4’-ジイソチオシアナート-3,3’-ジメチルベンゾフェノン、ベンズアニリド-3,4’-ジイソチオシアナート、ジフェニルエーテル-4,4’-ジイソチオシアナート、ジフェニルアミン-4,4’-ジイソチオシアナート等の芳香族イソチオシアナート、2,4,6-トリイソチオシアナート-1,3,5-トリアジン等の複素環含有イソチオシアナート、さらにはヘキサンジオイルジイソチオシアナート、ノナンジオイルジイソチオシアナート、カルボニックジイソチオシアナート、1,3-ベンゼンジカルボニルジイソチオシアナート、1,4-ベンゼンジカルボニルジイソチオシアナート、(2,2’-ビピリジン)-4,4’-ジカルボニルジイソチオシアナート等のカルボニルイソチオシアナート等が挙げられる。 本発明に於いて原料として用いるイソチオシアナート基の他の1つ以上の硫黄原子を含有する2官能以上のポリイソチオシアナートとしては、例えば、チオビス(3-イソチオシアナートプロパン)、チオビス(2-イソチオシアナートエタン)、ジチオビス(2-イソチオシアナートエタン)などの含硫脂肪族イソチオシアナート、1-イソチオシアナート-4-{(2-イソチオシアナート)スルホニル}ベンゼン、チオビス(4-イソチオシアナートベンゼン)、スルホニルビス(4-イソチオシアナートベンゼン)、スルフィニルビス(4-イソチオシアナートベンゼン)、ジチオビス(4-イソチオシアナートベンゼン)、4-イソチオシアナート-1-{(4-イソチオシアナートフェニル)スルホニル}-2-メトキシ-ベンゼン、4-メチル-3-イソチオシアナートベンゼンスルホニル-4’-イソチオシアナートフェニルエステル、4-メチル-3-イソチオシアナートベンゼンスルホニルアニリド-3’-メチル-4’-イソチオシアナートなどの含硫芳香族イソチオシアナート、チオフェノン-2,5-ジイソチオシアナート、1,4-ジチアン-2,5-ジイソチオシアナートなどの含硫複素環化合物等が挙げられる。 さらにこれらのポリイソチオシアナートの塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体、アルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や、多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、ダイマー化あるいはトリマー化反応生成物等もまた使用できる。 本発明に於いて原料として用いるイソシアナート基を有するイソチオシアナート化合物としては、例えば、1-イソシアナート-3-イソチオシアナートプロパン、1-イソシアナート-5-イソチオシアナートペンタン、1-イソシアナート-6-イソチオシアナートヘキサン、イソチオシアナートカルボニルイソシアナート、1-イソシアナート-4-イソチオシアナートシクロヘキサンなどの脂肪族あるいは脂環族化合物、1-イソシアナート-4-イソチオシアナートベンゼン、4-メチル-3-イソシアナート-1-イソチオシアナートベンゼンなどの芳香族化合物、2-イソシアナート-4,6-ジイソチオシアナート-1,3,5-トリアジンなどの複素環式化合物、さらには4-イソシアナート-4’-イソチオシアナートジフェニルスルフィド、2-イソシアナート-2’-イソチオシアナートジエチルジスルフィド等のイソチオシアナート基以外にも硫黄原子を含有する化合物等が挙げられる。 さらにこれら化合物の塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体、アルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体、多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、ダイマー化あるいはトリマー化反応生成物等もまた使用できる。 これらエステル化合物はそれぞれ単独で用いることも、また二種類以上を混合して用いてもよい。 また、これらエステル化合物と式(I)で表わされるメルカプト化合物の使用割合は(NCO+NCS)/SH(官能基)モル比が通常0.5?3.0の範囲内、好ましくは0.5?1.5の範囲内である。 本発明のプラスチックレンズはチオカルバミン酸S-アルキルエステル系樹脂又はジチオウレタン系樹脂を素材とするものであり、イソシアナート基とメルカプト基によるチオカルバミン酸S-アルキルエステル結合又はイソチオシアナート基とメルカプト基によるジチオウレタン結合を主体とするが、目的によっては、それ以外にアロハネート結合、ウレヤ結合、チオウレヤ結合、ビウレット結合等を含有しても、勿論差し支えない。 たとえば、チオカルバミン酸S-アルキルエステル結合に、さらにイソシアナート基を反応させたり、ジチオウレタン結合にさらにイソチオシアナート基を反応させて架橋密度を増大させることは好ましい結果を与える場合が多い。この場合には反応温度を少なくとも100℃以上に高くし、イソシアナート成分又はイソチオシアナート成分を多く使用する。あるいはまた、アミン等を一部併用し、ウレヤ結合、ビウレット結合を利用することもできる。このようにイソシアナート化合物又はイソチオシアナート化合物と反応するメルカプト化合物以外のものを使用する場合には、特に着色の点に留意する必要がある。 また目的に応じて公知の成形法におけると同様に、内部離型剤、鎖延長剤、架橋剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、油溶染料、充填剤などの種々の物質を添加してもよい。 所望の反応速度に調整するために、ポリウレタンの製造において用いられる公知の反応触媒を適宜に添加することもできる。 本発明のレンズは、通常、注型重合により得られる。具体的には、エステル化合物と式(I)で表わされるメルカプト化合物とを混合し、この混合液を必要に応じ適当な方法で脱泡を行なった後、モールド中に注入し、重合させる。この際、重合後の離型性を容易にするため、モールドに公知の離型処理を施しても差し支えない。 このようにして得られる本発明の含硫ウレタン系樹脂は、モノマー取り扱い時の硫黄臭による不快感や、後加工時の硫黄臭による不快感が無く、物性的には極めて低分散、高屈折率、耐熱性に優れ、かつ無色透明であり、軽量で、耐候性、耐衝撃性等に優れた特徴を有しており、眼鏡レンズ、カメラレンズ等の光学素子材料やグレージング材料、塗料、接着剤の材料として好適である。 また、本発明の含硫ウレタン系樹脂を素材とするレンズは、必要に応じ反射防止、高硬度付与、耐摩耗性向上、耐薬品性向上、防曇性付与、あるいはファッション性付与等の改良を行うため、表面研磨、帯電防止処理、ハードコート処理、無反射コート処理、染色処理、調光処理等の物理的あるいは化学処理を施すことができる。 〔実施例および比較例〕 以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明する。なお、得られたレンズの性能試験のうち、屈折率、アッベ数、耐候性は以下の試験法により評価した。 屈折率、アッベ数:プルフリッヒ屈折計を用い、20℃で測定した。 耐候性:サンシャインカーボンアークランプを装備したウェザーオメータにレンズ用樹脂をセットし、20時間経たところでレンズを取り出し試験前のレンズ用樹脂の色相を比較した。 評価基準は、変化なし(○)、わずかに黄変(△)、黄変(×)とした。 外観:目視により観察した。 臭気:モノマー混合時に硫黄臭の強いものを(×)、ほとんど無いものを(○)、少し有るものを(△)とした。 耐熱性:サーモメカニカルアナライザー〔パーキンエルマー社(米国)〕を用いて試験片に5g加重し、2.5℃/分で加熱して熱変形開始温度を測定した。 実施例1 2-メルカプトエタノール53.2g(0.681モル)、水酸化ナトリウム27.2g(0.680モル)をエタノール200mlに溶解し均一溶液とした後、内温を15℃に保ちながらエピクロルヒドリン30.0g(0.324モル)を滴下した。 滴下終了後、反応液を50℃に加熱し1時間攪拌した後、室温に冷却し、36%塩酸水溶液40.5g(0.399モル)を加えた。析出する食塩を濾過して除き、濾液を減圧濃縮して無色粘稠液体である粗製中間体を得、NMRデーターから1,3-ビス(2-ヒドロキシエチルチオ)-2-プロパノール(II)を70.6gと同定した。 次に(II)を36%塩酸水溶液203g(2.00モル)に溶解し、チオ尿素92.6g(1.22モル)を加え110℃で6時間加熱攪拌した。その後、室温まで冷却し、50%水酸化ナトリウム水溶液195g(2.44モル)を20?40℃に保ち加え、さらに110℃で30分間加熱攪拌した。 反応液を室温まで冷却し、トルエン100mlで抽出し、有機層を5%塩酸水溶液100ml、水100mlで2回順次洗浄後、芒硝で乾燥した。有機層を減圧濃縮しAPHA15の粘稠液体である1,2-ビス〔(2-メルカプトエチル)チオ〕-3-メルカプトプロパン(I)を75.6g(0.290モル)得た。 元素分析及びNMR分析の結果を示す。 元素分析(C7H16S5として) 実施例2 45%水酸化ナトリウム水溶液50.4g(0.567モル)に2-メルカプトエタノール88.7g(1.14モル)を滴下し均一溶液とした後、エピクロルヒドリン50.5g(0.546モル)を1.5時間で滴下し、続いて112℃で加熱攪拌を0.5時間行った。 室温にまで冷却後、36%塩酸270g(2.66モル)とチオ尿素154g(2.02モル)を加え112℃で1.5時間攪拌した。 次に20?35℃に保ちながら、45%水酸化ナトリウム溶液288g(3.24モル)を0.5時間で滴下し、110℃で1.5時間加熱攪拌した。室温まで冷却し、水200mlとトルエン250mlを加え抽出し、有機層を分取した。これを36%塩酸50mlで洗浄後、水200mlで3回洗浄し、減圧濃縮後、減圧蒸留(沸点185?205℃/0.4Torr)しAPHA10の1,2-ビス〔(2-メルカプトエチル)チオ〕-3-メルカプトプロパン(I)105.8g(0.406モル)を得た。元素分析及びNMR分析の結果は実施例1の場合と同様であった。 実施例3 2-メルカプトエタノール84.4g(1.08モル)に48.7%水酸化ナトリウム水溶液0.8g(0.001モル)を加え均一とした後、冷却下40℃以下に保ち、エピクロルヒドリン50.0g(0.540モル)を0.5時間で滴下し、さらに0.5時間攪拌を続けた。 次に冷却下40?70℃に保ち48.7%水酸化ナトリウム水溶液44.4g(0.541モル)を0.5時間で滴下し、さらに0.5時間放冷しながら攪拌した後、室温まで冷却し、36%塩酸313g(3.09モル)とチオ尿素123.4g(1.62モル)を加え112℃で1.5時間加熱攪拌した。 再び室温に冷却し、25?35℃に保ちながら48.7%水酸化ナトリウム水溶液254g(3.09モル)を加え、110℃で1.5時間加熱攪拌した。 室温まで冷却し、水150g、トルエン180gを加え抽出し、トルエン層を分取した。これを18%塩酸150gで洗浄後、水30gで3回洗浄した。 トルエンを減圧留去した後、120℃/2Torrで2時間低沸分を留去し、1ミクロンフィルターで濾過することにより、APHA10の1,2-ビス〔(2-メルカプトエチル)チオ〕-3-メルカプトプロパン(I)129g(0.495モル)を得た。元素分析及びNMR分析の結果は実施例1の場合と同様であった。 実施例4 2-メルカプトエタノール84.4g(1.08モル)にトリブチルアミン1.0g(0.005モル)を加えた後、エピクロルヒドリン50.0g(0.540モル)を0.5時間で滴下し、さらに0.5時間攪拌した。 次に冷却下40?70℃に保ち48.7%水酸化ナトリウム水溶液44.4g(0.541モル)を0.5時間で滴下し、さらに0.5時間攪拌した後、室温まで冷却し、反応液に36%塩酸313.1g(3.09モル)とチオ尿素123.4g(1.62モル)を加え112℃で1.5時間加熱攪拌した。 再び室温に冷却し、25?35℃に保ちながら48.7%水酸化ナトリウム水溶液254g(3.09モル)を加え、110℃で1.5時間加熱攪拌した。 室温まで冷却し、水150g、トルエン180gを加え抽出し、トルエン層を分取した。これを18%塩酸150gで洗浄後、水30gで3回洗浄した。 トルエンを減圧留去した後、120℃/2Torrで2時間低沸分を留去し、1ミクロンフィルターで濾過することにより、APHA10の1,2-ビス〔(2-メルカプトエチル)チオ〕-3-メルカプトプロパン(I)125g(0.480モル)を得た。元素分析及びNMR分析の結果は実施例1の場合と同様であった。 実施例5 2-メルカプトエタノール84.4g(1.08モル)、エピクロルヒドリン50.0g(0.540モル)の混合物に室温から60℃に保ちながら48.7%水酸化ナトリウム水溶液44.4g(0.541モル)を1時間で滴下し、さらに0.5時間80℃で攪拌した。室温まで冷却し、36%塩酸313g(3.09モル)とチオ尿素123.4g(1.62モル)を加え、112℃で1.5時間加熱攪拌した。 再び室温に冷却し、25?35℃に保ちながら48.7%水酸化ナトリウム水溶液254g(3.09モル)を加え、110℃で1.5時間加熱攪拌した。室温まで冷却し、水150g、トルエン180gを加え抽出し、有機層を18%塩酸150g、水30gで3回順次洗浄した。 トルエンを減圧留去後、120℃/2Torrで2時間低沸分を留去し、1ミクロンフィルターで濾過することにより、APHA15の1,2-ビス〔(2-メルカプトエチル)チオ〕-3-メルカプトプロパン(I)122g(0.468モル)を得た。元素分析及びNMR分析の結果は実施例1の場合と同様であった。 実施例6 実施例2において36%塩酸270g(2.66モル)を20%硫酸735g(1.50モル)に変え同様に反応を行い、APHA10の1,2-ビス〔(2-メルカプトエチル)チオ〕-3-メルカプトプロパン(I)102g(0.392モル)を得た。元素分析及びNMR分析の結果は実施例1の場合と同様であった。 実施例7 実施例2において36%塩酸270g(2.66モル)を30%リン酸327g(1.00モル)に換え同様に反応を行い、APHA10の1,2-ビス〔(2-メルカプトエチル)チオ〕-3-メルカプトプロパン(I)100g(0.384モル)を得た。元素分析及びNMR分析の結果は実施例1の場合と同様であった。 実施例8 2-メルカプトエタノール53.2g(0.680モル)、苛性ソーダ27.2g(0.680モル)をエタノール200mlに溶解させ、均一とした後、内温を15℃に保ちながら2,3-ジブロム-1-プロパノール70.0g(0.324モル)を滴下した。 滴下終了後、系を50℃に加熱し、1時間加熱攪拌した後、室温に冷却し、析出した塩を吸引濾過して除き、濾液を減圧濃縮して無色の粘稠状液体である1,3-ビス〔(2-メルカプトエチル)チオ〕-2-プロパノール(II)と1,2-ビス〔(2-ヒドロキシエチル)チオ〕-3-プロパノール(III)の混合物を71.3g得た。 次に(II)と(III)の混合物を36%塩酸水溶液203g(2.00モル)に溶解させ、チオ尿素92.6g(1.22モル)を加えて110℃で6時間加熱攪拌した。その後、室温まで冷却し、20から40℃に保ちながら50%水酸化ナトリウム水溶液195g(2.44モル)を加えた後、110℃で30分間加熱攪拌した。 系を室温まで冷却し、トルエン100mlを加えて分液抽出し、トルエン層を5%塩酸水溶液100mlで1回、水100mlで2回洗浄した後、芒硝乾燥、濃縮して無色の粘稠状液体であるAPHA15の1,2-ビス〔(2-メルカプトエチル)チオ〕-3-メルカプトプロパン(I)75.6g(0.290モル)を得た。 元素分析及びNMR分析の結果を示す。 元素分析(C7H16S5として) 実施例9 実施例1で合成した式(I)で表わされる 1,2-ビス〔(2-メルカプトエチル)チオ〕-3-メルカプトプロパン87g、m-キシリレンジイソシアナート94gを混合し、均一とした後、ガラスモールドとガスケットよりなるモールド型に注入し、次いで加熱硬化させた。こうして得られた樹脂は、無色透明で耐衝撃性に優れ、屈折率nD=1.66、アッベ数νD=33、熱変形開始温度は98℃であった。 実施例10?28、比較例1?11 実施例9と同様にして表-1の組成で樹脂を製造し、結果も表-1に示した。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2007-02-28 |
結審通知日 | 2007-03-05 |
審決日 | 2007-03-19 |
出願番号 | 特願平1-215984 |
審決分類 |
P
1
41・
852-
Y
(C07C)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 橋本 栄和 |
特許庁審判長 |
脇村 善一 |
特許庁審判官 |
井上 彌一 岩瀬 眞紀子 |
登録日 | 1997-04-04 |
登録番号 | 特許第2621991号(P2621991) |
発明の名称 | メルカプト化合物及びその製造方法 |
代理人 | 太田 顕学 |
代理人 | 石橋 政幸 |
代理人 | 宮崎 昭夫 |
復代理人 | 太田 顕学 |
代理人 | 宮崎 昭夫 |
代理人 | 緒方 雅昭 |
代理人 | 石橋 政幸 |
代理人 | 緒方 雅昭 |