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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02B
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G02B
管理番号 1156011
審判番号 不服2005-1589  
総通号数 90 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-01-28 
確定日 2007-04-12 
事件の表示 特願2001-346770「収納装置」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 5月21日出願公開、特開2003-149461〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成13年11月12日の出願であって、平成17年1月19日付で拒絶査定がなされ、これに対し、平成17年1月28日付で拒絶査定に対する審判請求がなされ、同年2月28日付で特許法第17条の2第1項第3号の規定による手続補正がなされたものである。

2.平成17年2月28日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成17年2月28日付の手続補正を却下する。
[理由]
(1)補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1を下記のように補正することを含むものである。
「【請求項1】伝送媒体を収納する収納装置であって、前記伝送媒体を格納する筐体と、前記筐体内に設けられて前記伝送媒体の伝送能力が損なわれないように当該伝送媒体の収納形状を画定する画定部とを有し、前記筐体は、収納される前記伝送媒体と接続可能な外部装置を載置可能であるとともに、前記伝送媒体に接続可能な外部装置と収納される前記伝送媒体との接続部位を保護する保護部を前記筐体の前記外部装置の載置面に有し、前記外部装置を前記筐体の上面から取り付けることができ、当該外部機器を取り付けた、前記保護部を有する前記筐体を上面から見た時に、略矩形の筺体本体の形状を有するように構成され、前記筐体に載せて取り付けた外部装置のポートの位置に前記保護部の開口部があり、前記外部装置及び保護部は、前記筐体の載置面に、それらの相対位置が変わらないように固定され、前記筐体は、前記伝送媒体を収容する経路上に当該伝送媒体同士を接続するメカニカルスプライスを備え、メカニカルスプライス以降の伝送媒体が前記保護部を経て前記外部機器に接続されてなる収納装置。」

上記補正は、補正前の請求項1をさらに具体的に限定しようとするものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するので、本件補正後の請求項1(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて検討する。

(2)刊行物記載の発明
原審における平成16年8月27日付け拒絶理由に引用した刊行物1:実願平1-83555号(実開平3-24611号)のマイクロフィルムには、下記の事項が記載されている。
「第4図乃至第6図に従来の卓上形光通信機器を示す。この光通信機器は、機器本体部1とこの機器本体部1の下部に取り付けられるファイバケーブル収納部(以下、収納部)2とで構成されている。
収納部2は板金を折り曲げて形成されており、この収納部2には、外部の機器に接続され先端に光コネクタ3が取り付けられているファイバケーブル4の余長部分4Aが所定の径に巻回されて収納されている。
機器本体部1の筐体は、シャーシ5、シャーシ5を覆うカバー6、前面パネル7及び背面板8より構成され箱形に形成されている。
シャーシ5内にはプリント配線板9が取り付けられており、このプリント配線板9には光通信機器の機能を構成するための各種電子部品や光モジュール・・・が実装されている。また、このプリント配線板9には、一端が光モジュールに接続され他端に光コネクタ10が取り付けられた光ファイバケーブル11の余長部分11Aが所定の径に巻回されて取り付けられている。
また、シャーシ5の底面には、ダルマ穴(図示せず)が穿設されており、また舌片(図示せず)が穿設されている。そして、収納部2に立設された係合ピン13がダルマ穴に係合され、かつ係止板14が収納部2に螺着されて、シャーシ5の底部に収納部2は取り付けられる。尚、係止板14はシャーシ5の舌片と当接して係合ピン13のダルマ穴からの離脱を阻止する役割を果たす。・・・背面板8はプリント配線板9の端面に取り付けられている。この背面板8には光コネクタ3と10とを接続するための光アダプタ17のほか、各種の入出力端子18が配置されている。・・・光アダプタ17には、筐体内側から光コネクタ10が接続され筐体外側から光コネクタ3が接続される。また、背面板8は、第6図に示すように、カバー6の後端面20よりも若干内側に配置されている。これは、機器本体部1を落下したような場合に、入出力端子18の損傷を防ぐためである。
22は光コネクタ3の保護カバーである。光コネクタ3を光アダプタ17に接続する場合には、光コネクタ3のねじ部23を光アダプタ17に螺着するという煩雑な作業を必要とする。そのため、光アダプタ17の周辺には、作業者が手を差し入れられる十分なスペースを確保する必要があり、カバー6から光コネクタ3を突出させた状態で接続作業が行われる。ところが、光コネクタ3を光アダプタ17に接続した後においても、光コネクタ3がカバー6から突出していたのでは、・・・光コネクタ3の根元部24を壁面等に当接させ・・・光ファイバケーブル4が最小曲率半径以下に曲げられ光ファイバケーブル4が損傷する場合がある。そこで、光コネクタ3を保護カバー22で覆い光ファイバケーブル4を保護している。この保護カバー22は、「コ」の字形に形成され、第4図および第5図に示す如く、その両端が止めねじ25により収納部2に固定されている。」(2頁1行?5頁6行)。

上記及び第4図乃至第6図の記載からは、刊行物1には、
「機器本体部1と、光ファイバケーブル4の余長部4Aが所定の径になるように複数の係合部を介して巻回されて収納される収納部2と、からなる光通信機器であって、前記機器本体部1の底部に前記収納部2が取り付けられ、前記光ファイバケーブル4の先端に取り付けられた光コネクタ3が前記機器本体部1の背面板8に取り付けた光アダプタ17に接続され、この接続された光コネクタ3と光ファイバケーブル4の先端を覆うように、前記機器本体部1の前記光アダプタ17の位置に開口する別体の保護カバー22が前記収納部2に固定され、機器本体部1のカバー6の端部は、前記保護カバー22の端部と突き合わせ状に配置され、前記光アダプタ17と光コネクタ3の接続部を覆うように構成され、前記収納部2に機器本体部1と保護カバー22がそれらの相対位置が変わらないように固定されたものを上面から見たときに略矩形の収納部2の形状を有するように構成されている光通信機器。」(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

(3)対比
本願補正発明と引用発明を対比する。
(ア)引用発明の「光ファイバケーブル4」、「収納部2」及び「機器本体部1」は、それぞれ、本願補正発明の「伝送媒体」、「筐体」及び「外部装置」に相当する。
(イ)引用発明の「光ファイバケーブル4の余長部4Aが所定の径になるように複数の係合部を介して巻回されて」なるは、本願補正発明の「伝送媒体の伝送能力が損なわれないように当該伝送媒体の収納形状を画定する画定部とを有し」に相当することは当業者に明らかである。(なお、光ファイバケーブルの余長部をループ状に巻装するのに、その径を光の損失を防止できる所定の寸法にすることは周知慣用手段である。必要であれば、拒絶理由に引用した刊行物2:特開2001-242323号公報の【0003】及び刊行物3:特開2001-296432号公報の【0023】を参照。)
(ウ)引用発明では、「機器本体部1の底部に前記収納部2が取り付けられ」ているが、収納部2から見れば、収納部2の上面から機器本体部1が取り付けられているということができる。よって、引用発明には、本願補正発明の「前記外部装置を前記筐体の上面から取り付けることができ」る点が備わっている。
(エ)本願補正発明における「外部装置のポート」については、本願明細書の【0039】に「100BASE-FXポート214は、光ファイバケーブル10を接続するためのコネクタである。」と記載されている。よって、引用発明の「機器本体部1の背面板8に取り付けた光アダプタ17」は、本願補正発明の「外部装置のポート」に相当する。
(オ)引用発明において、「光ファイバケーブル4の先端に取り付けられた光コネクタ3が前記機器本体部1の背面板8に取り付けた光アダプタ17に接続され、この接続された光コネクタ3と光ファイバケーブル4の先端を覆うように、・・・保護カバー22が前記収納部2に固定され」ているのであるから、本願補正発明の「伝送媒体が前記保護部を経て前記外部機器に接続されてなる」点が備わっていることは明らかである。

よって、両者は、
「伝送媒体を収納する収納装置であって、前記伝送媒体を格納する筐体と、前記筐体内に設けられて前記伝送媒体の伝送能力が損なわれないように当該伝送媒体の収納形状を画定する画定部とを有し、前記筐体は、収納される前記伝送媒体と接続可能な外部装置を載置可能であるとともに、保護部を前記筐体の前記外部装置の載置面に有し、前記外部装置を前記筐体の上面から取り付けることができ、当該外部機器を取り付けた、前記保護部を有する前記筐体を上面から見た時に、略矩形の筺体本体の形状を有するように構成され、前記筐体に載せて取り付けた外部装置のポートの位置に前記保護部の開口部があり、前記外部装置及び保護部は、前記筐体の載置面に、それらの相対位置が変わらないように固定され、前記伝送媒体が前記保護部を経て前記外部機器に接続されてなる収納装置。」
で一致し、下記の点で相違する。

相違点1;
保護部が、本願補正発明では、伝送媒体に接続可能な外部装置と収納される前記伝送媒体との接続部位を保護するのに対して、引用発明では、光コネクタ3と光ファイバケーブル4の先端を覆うようにされた点。
相違点2;
本願補正発明では、前記筐体は、前記伝送媒体を収容する経路上に当該伝送媒体同士を接続するメカニカルスプライスを備え、メカニカルスプライス以降の伝送媒体が前記保護部を経て前記外部機器に接続されてなるのに対して、引用発明では、メカニカルスプライスを有しない点。

(4)判断
(相違点1について)
引用発明においては、機器本体部1の背面板8に取り付けた光アダプタ17は、保護カバーで覆われていないが、機器本体1のカバー6の端部で覆われ、光コネクタ3は保護カバー22で覆われ、前記カバー6と保護カバー22が突き合わせ状に配置され、全体として、接続部近傍を覆うように構成されている。
本来保護部は保護を必要とする箇所に設けられるものであり、どこをどの程度覆うかは必要に応じて決められるべきものであるが、本願補正発明のような光接続部においては、装置全体におけるコネクタやポートの配置及びコネクタの構造による接続の作業性の善し悪し等に応じて適宜設計すべき事項である。(例えば、拒絶理由に引用した上記刊行物2:特開2001-242323号公報【図8】及び刊行物4:実願平4-24299号(実開平5-84902号)のCD-ROM図1,図3を参照。)
よって、引用発明の保護カバーを本願補正発明の上記相違点1のようになすことは、(刊行物1記載のもののように保護すべき入出力端子18がないものにおいて)当業者が容易になし得る程度のことである。
(相違点2について)
光ファイバ心線の収納部において、光ファイバ心線同士(伝送媒体同士)の接続にメカニカルスプライスを用いることは従来周知(例えば、拒絶理由に引用した、刊行物5:特開平10-227925号公報【0008】、上記刊行物3:特開2001-296432号公報【0023】及び刊行物6:特開平9-197167号公報【0041】を参照。)であるから、引用発明の光ファイバケーブル4の収納部2にメカニカルスプライスを備えることは、周知手段の付加に過ぎない。

そして、本願補正発明によってもたらされる効果は、引用発明及び上記従来周知の技術から予想し得る程度のものであり、格別とはいえない。
したがって、本願補正発明は、刊行物1に記載された発明および従来周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項において準用するの同法第126条第5項の規定に違反するものであるから、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
(1)本願発明
平成17年2月28日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成16年11月1日付手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?5に記載された事項によって特定されるものであるところ、請求項5に係る発明は、次のとおりのものである。
「【請求項5】
伝送媒体を収容する筐体と、
この筐体内に設けられて前記伝送媒体が所定の曲率以上となるように前記伝送媒体の収納形状を画定する画定部とを有し、
前記筐体は、収納される前記伝送媒体と接続可能な外部装置を取り付け可能に構成されてなるとともに、
前記伝送媒体に接続可能な外部装置と収納される前記伝送媒体との接続部位を保護する保護部を前記筐体とは別体として有し、
この保護部は、前記外部装置が前記筐体に取り付けられたことで当該外部装置の前記伝送媒体が接続される接続口並びに当該接続口に接続される前記伝送媒体の前記接続口近傍を覆う形状に構成されてなり、
前記外部装置及び保護部を前記筐体に取り付け、これを上面から見た時に、略矩形の筺体本体の形状を有するように構成された伝送媒体の収納装置。」(以下、「本願発明」という。)

(2)刊行物記載の発明
原審における上記拒絶理由に引用した刊行物1:実願平1-83555号(実開平3-24611号のマイクロフィルム)には、上記2.(2)に摘記した事項が記載されている。

(3)対比
本願発明と上記刊行物1記載の事項(以下、「引用発明」という。)とを対比する。
(あ)引用発明「光ファイバケーブル4」、「収納部2」及び「機器本体部1」は、それぞれ、本願発明の「伝送媒体」、「筐体」及び「外部装置」に相当する。
(い)引用発明の「光ファイバケーブル4の余長部4Aが所定の径になるように複数の係合部を介して巻回されて」なるは、本願発明の「伝送媒体が所定の曲率以上となるように前記伝送媒体の収納形状を画定する画定部とを有し」に相当することは当業者に明らかである。(なお、光ファイバケーブルの余長部をループ状に巻装するのに、その曲率半径を光の損失を防止できる所定の寸法にすることは周知慣用手段である。必要であれば、拒絶理由に引用した刊行物2:特開2001-242323号公報の【0003】及び刊行物3:特開2001-296432号公報の【0023】を参照。)
(う)引用発明において、「機器本体部1の底部に前記収納部2が取り付けられ、前記光ファイバケーブル4の先端に取り付けられた光コネクタ3が前記機器本体部1の背面板8に取り付けた光アダプタ17に接続され」るのであるから、本願発明の「前記筐体は、収納される前記伝送媒体と接続可能な外部装置を取り付け可能に構成されてなる」点が備わっている。
(え)引用発明の「機器本体部1の背面板8に取り付けた光アダプタ17」、「光ファイバケーブル4の先端に取り付けられた光コネクタ3」は、それぞれ、本願発明の「外部装置の前記伝送媒体が接続される接続口」、「伝送媒体の前記接続口」に相当する。

よって、両者は、
「伝送媒体を収容する筐体と、この筐体内に設けられて前記伝送媒体が所定の曲率以上となるように前記伝送媒体の収納形状を画定する画定部とを有し、前記筐体は、収納される前記伝送媒体と接続可能な外部装置を取り付け可能に構成されてなるとともに、保護部を前記筐体とは別体として有し、前記外部装置及び保護部を前記筐体に取り付け、これを上面から見た時に、略矩形の筺体本体の形状を有するように構成された伝送媒体の収納装置。」
で一致し、下記の点で相違する。

相違点;
保護部が、本願発明では、前記外部装置が前記筐体に取り付けられたことで当該外部装置の前記伝送媒体が接続される接続口並びに当該接続口に接続される前記伝送媒体の前記接続口近傍を覆う形状に構成されてなるのに対して、引用発明では、光アダプタ17に接続された光コネクタ3と光ファイバケーブル4の先端を覆うようにされている点。

(4)判断
上記相違点について検討する。
引用発明においては、機器本体部1の背面板8に取り付けた光アダプタ17は、保護カバーで覆われていないが、機器本体1のカバー6の端部で覆われ、光コネクタ3は保護カバー22で覆われており、前記カバー6と保護カバー22が突き合わせ状に配置され、全体として、接続部近傍を覆うように構成されている。
本来保護部は保護を必要とする箇所に設けられるものであり、どこをどの程度覆うかは必要に応じて決められるべきものであるが、本願発明のような光接続部においては、装置全体における接続部の配置、その接続部におけるコネクタの構造による接続の作業性の善し悪し、等に応じて適宜設計すべき事項である。(例えば、拒絶理由に引用した上記刊行物2:特開2001-242323号公報【図8】及び刊行物4:実願平4-24299号(実開平5-84902号)のCD-ROM図1,図3を参照。)
よって、引用発明の保護カバーを本願発明の上記相違点のようになすことは、(刊行物1記載のもののように保護すべき入出力端子18がないものにおいて)当業者が容易になし得る程度のことである。
また、本願発明によってもたらされる効果は、引用発明及び上記従来周知の技術から予想し得る程度のものであり、格別とはいえない。

(5)むすび
以上のとおり、本願発明は、刊行物1に記載された発明および従来周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-02-15 
結審通知日 2007-02-16 
審決日 2007-03-01 
出願番号 特願2001-346770(P2001-346770)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G02B)
P 1 8・ 121- Z (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 牧 隆志柏崎 康司  
特許庁審判長 向後 晋一
特許庁審判官 井上 博之
吉田 禎治
発明の名称 収納装置  
代理人 田中 克郎  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 大賀 眞司  
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