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審決分類 審判 査定不服 特29条の2 特許、登録しない。 B65B
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B65B
管理番号 1156359
審判番号 不服2005-4520  
総通号数 90 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-02-15 
確定日 2007-04-24 
事件の表示 特願2002-148615「袋用ハンガー」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 4月23日出願公開、特開2003-118712〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成14年5月23日の出願(優先権主張平成13年8月9日)の出願であって、平成17年1月12日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年2月15日付けで拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに同日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成17年2月15日付け手続補正についての補正却下の決定
[補正却下決定の結論]
平成17年2月15日付けの手続補正を却下する。
[理由]
(1)補正後の本願発明
本願の補正は、特許請求の範囲の請求項1を以下のとおりに補正することを含むものである。
「フックと、口金と、収納袋とから構成される袋用ハンガーであって、蓋を着脱させる突設部を上方に持つ、固定用のフックに掛けるために利用する一辺の面と90?100度異なる角度の面をもつ他の辺とからなる、厚み3?5mm、幅7?15mmである、ステンレス、金属、合金、熱硬化性樹脂や熱可塑性プラスチックの材質からなる口金に、伸縮性のある材質からなる収納袋の喰い込み機能を発揮させて装着することを特徴とする袋用ハンガー。」

しかしながら、補正後の「口金」の「形状」は、「四角形、六角形、半円形の辺の少なくとも一つ」に限定されず、半円形を含む多角形全般をその技術範囲の対称とするものとなるから、当該補正は、特許請求の範囲を拡張し、かつ、発明の産業上の利用分野を変更するものである。
そして、この補正は、請求項の削除、特許請求の範囲の減縮、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明に該当しない。

(2)むすび
以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第4項第1号?第4号に規定する事項を目的とするものではないので、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下をすべきものである。

3.本件明細書の記載について
(1)平成17年2月15日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1の記載は、平成16年9月10日付け手続補正書に記載された以下のとおりのものである。
「厚み3mmから5mmで構成する四角形、六角形、半円形の辺の少なくとも一つが他の面と異なる角度の面を形成し、この角度が90度から100度に形成してなる口金を有することを特徴とする袋用ハンガー。」(以下、「本願発明」という)

(2)拒絶理由の概要
原査定の拒絶の理由は、本願発明は、本出願の日前の出願であって当該特許出願後に特開2002-193226号公報として出願公開された特願2001-337192号の願書に最初に添付した明細書または図面に記載された発明(以下、「引用例」という)と同一であり、しかも、上記本出願の日前の他の特許出願の発明者が、本出願の発明者と同一であるとも、本出願の出願時に本出願の出願人と他の特許出願の出願人とが同一であるとも認められないから、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができないというものである。

(3)引用例の記載事項
引用例には、
a.第【0001】欄には、
「【発明の属する技術分野】本発明は自動車内、オフィス内あるいは家庭内を始めとして軽度に発生する紙くずや小さなゴミ類を、小袋を使って小奇麗に収納するための屑入れを構成するための、一枚のシート材から形成される袋保持具に関する。」と記載されている。
b.第【0005】欄には、【発明の実施の形態】として、
「本発明の第1の実施の形態は…略…、図1に示すようにシート材(1)に切り込みa(2)、切り込みb(3)、切り込みc(4)を施した後、舌片a(9)を図1の紙面に対し表方向に折り曲げた後、舌片b(10)を裏方向に折り曲げて、…略…袋保持具を固定する保持部を形成することにより、図2のような使用状態にする。…略…。」と記載されている。
c.第【0013】欄には、
「本発明の第5の実施の形態は…略…、図11のような切り込みパターンをシート材に施して、舌片b(10)、舌片c(11)を設けることにより、図12の状態に形成後、舌片b(10)、舌片c(11)で台所などのシンクの枠をはさみ、…略…台所のシンク用のゴミ収納用具としても活用できる。…略…」と記載されている。
d.第【0017】欄には、
「尚、本発明に使用するシート材は、厚紙、プラスティック材、金属材などシート状のもので、剛性のあるものであれば何でも使用可能…略…と考えられる。」
e.第【0025】欄には、
「【0025】…略…図7に示す切り込みパターンの請求項1の第3のタイプの袋保持具の一例で、折り曲げをする前の一枚のシート片の状態を示しており、図8は折り曲げ後の使用状態を示すものである。」と記載されている。

図7、8および記載事項「a?d」を総合すれば、
引用例には、
「プラスティック材、金属材などからなるシート材(1)に切り込み(4)を施した後、舌片(10)を切り込み4の両端部を結ぶ線で裏方向に折り曲げ、同様に補強部18は、360度折り曲げて、四角形の袋保持部と袋保持具を固定する保持部を形成し、舌片(10)を切り込み4の両端部を結ぶ線で90度裏方向に折り曲げた袋保持具。」(以下、「引用例に記載の発明」という)が記載されている。

4.対比・判断
本願発明の「辺の少なくとも一つが他の面と異なる角度の面を形成したもの」は、引用例に記載の発明にいう「舌片(10)を切り込み4の両端部を結ぶ線で90度裏方向に折り曲げたもの」のことである。
本願発明と引用例に記載の発明とを対比すると、
引用例に記載の発明の
「シート材(1)から舌片(10)を折り曲げたもの」、「袋保持具」は、本願発明の「少なくとも一つが他の面と異なる角度の面を形成した口金」、「袋用ハンガー」で一致し、以下の点で一応相違している。

相違点1:本願発明は、厚み3mmから5mmで構成する四角形、六角形、半円形のいずれかで構成されているのに対し 、引用例に記載の発明には、四角形のもののみで、口金の厚さについて格別記載がない点。
相違点2:本願発明では、口金を構成する一辺の曲げ角度が「90度から100度」であるのに対し、引用例に記載の発明では単に、折り曲げたものである点。
以下、検討する
相違点1に対して、
引用例に記載の発明のものも記載事項dに「プラスティック材、金属材などからなるシート材(1)」とあるように、同一の材料を使用して同一目的物を構成するものである以上、厚みに相違が生ずるものではない。
したがって、この点に相違はない。
相違点2に対して、
引用例に記載の発明のものも、「シート材(1)から舌片(10)を折り曲げたもの」が、取付け部を構成する以上ほぼ直角にすることは当業者にとって自明の事項にすぎない。
したがって、この点に相違はない。

5.むすび
上記のとおり、本願発明は、引用例に記載の発明と同一であり、しかも、上記本出願の日前の他の特許出願の発明者が、本出願の発明者と同一であるとも、本出願の出願時に本出願の出願人と他の特許出願の出願人とが同一であるとも認められないから、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができないというものである。
以上のとおりであるから、本願の請求項2に係る発明について検討するまでもなく、本願は特許法第29条の2の規定により拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-02-15 
結審通知日 2007-02-20 
審決日 2007-03-05 
出願番号 特願2002-148615(P2002-148615)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (B65B)
P 1 8・ 16- Z (B65B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山崎 勝司一ノ瀬 覚  
特許庁審判長 松縄 正登
特許庁審判官 中西 一友
石田 宏之
発明の名称 袋用ハンガー  

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