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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N |
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管理番号 | 1156383 |
審判番号 | 不服2004-16920 |
総通号数 | 90 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2007-06-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-08-12 |
確定日 | 2007-04-26 |
事件の表示 | 平成 9年特許願第368905号「画像形成装置」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 7月21日出願公開、特開平11-196238〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成9年12月30日の出願であって、平成16年7月8日付けで拒絶査定がされ、これに対して、同年8月12日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同年9月1日に手続補正がなされたものである。 2.本願発明について (1)平成16年9月1日付けの手続補正について 本補正により、特許請求の範囲の請求項1は、 「【請求項1】 光ビーム走査手段、画像形成手段、転写媒体搬送手段を含む画像形成に必要な要素を筐体内に収納し、転写媒体に画像を形成して出力する画像形成装置において、 前記筐体を構成する対向した側板間に、前記光ビーム走査手段を収納した光学箱を結合し、該光学箱を装置本体の構造体として使用し、 前記光学箱が、装置本体の一側の側板に対して、前記光学箱の端部に寄った2箇所の光学箱支持部と、該2箇所の光学箱支持部とを結ぶ一直線上に位置しない光学箱支持部との少なくとも3個所で固定されていることを特徴とする画像形成装置。」と補正された。 この補正は、補正前の請求項1を引用する形式で請求項2に記載されていた事項を独立した1の請求項とするものであり、請求項の削除に該当し、併せて表現を明りょうにするものであるから、本件補正は適法な補正である。 (2)引用例 原査定の拒絶の理由に引用された特開平1-105274号公報(以下「引用例」という。)には、次の事項が記載されている。 ア 「(実施例) 第1図は本発明の一実施例の斜視外観図を示し、(1)はレーザプリンタ本体側、(2)は光走査装置8の光学箱80であり、第13図、第14図と同一数字記号は機能上ほぼ同じであるが後述するように配置関係等を異にする。 プリンタ本体(1)側に於いて、光学箱80の横幅間隔に配設された本体側板16の内側面に、本体ガイドレール17を備える。このガイドレールの両端に、レールの位置レベルより少し高い位置へ前方および後方スタッド18、19を備え、前方は高さ方向、後方は高さ方向および縦方向(スライド方向(D)-(D‘))の位置決め用に使用される。また、2つのプリンタ本体側板16間に本体ステー20を張架し、横方向位置決め用の穴20aを少なくとも1箇所備える。更に、後方スタツド19の後方、従ってレーザプリンタ本体の外側に近い本体側板16の内側面に取付ネジ22のネジ穴プレート21を備え、その設定位置は光学箱80の前面側板80gの内面側と若干の隙間g1(第5図参照)を有する。 次に光学箱(2)に於いて、モジュール化のためほぼ方形状に形成され、その両側板80aに前記本体ガイドレール17と滑動しガイドされるスライド用リブ80bと、前記本体側の前方、後方スタッド18.19と嵌合する前方、後方嵌合溝80c、80dとを備える。また、後面側板80eには前記本体ステー20の穴20aと嵌合する突起80fを備え、前面側板80gには前記本体のネジ穴プレート21に螺入する取付ネジ22の挿入孔80hが穿たれている。」(公報3頁左下欄5行?右下欄13行) (3)対比 ア 引用例記載の発明は、レーザプリンタに関するものであるから本願発明と同じ画像形成装置に係るものである。 そして、上記引用例の記載及びその図面第1図を参照すると、次のことがいえる。 (ア)光学箱80が本体側板16に取り付けられている。 (イ)光学箱80と本体側板16とは、前方スタッド18が前方嵌合溝80cと、後方スタッド19が後方嵌合溝80dと嵌合しており、光学箱の一つの面では2箇所で固定されている。 (ウ)光学箱80にある前方嵌合溝80cと後方嵌合溝80dとは、光学箱の一つの面では、中央部ではなく、端部に寄った位置にある。 (エ)第1図の実施例において、後面側板には本体ステー20が設けられているが、全体として観察すれば、光学箱を装置本体の構造体として使用していることが認められる。 イ 以上を踏まえると、本願発明と引用例記載の発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 一致点:光ビーム走査手段、画像形成手段、転写媒体搬送手段を含む画像形成に必要な要素を筐体内に収納し、転写媒体に画像を形成して出力する画像形成装置において、前記筐体を構成する対向した側板間に、前記光ビーム走査手段を収納した光学箱を結合し、該光学箱を装置本体の構造体として使用し、前記光学箱が、装置本体の一側の側板に対して、前記光学箱の端部に寄った2箇所の光学箱支持部で固定されていることを特徴とする画像形成装置。 相違点:本願発明が、2箇所の光学箱支持部と、該2箇所の光学箱支持部を結ぶ一直線上に位置しない光学箱支持部との少なくとも3個所で固定されているのに対し、引用例記載の発明では、一の側板に対して2箇所である点。 (4)当審の判断 二つの部材を強固に固定するにあたり、変形やねじれなどが生じないように固定する箇所を増やすことは、日常的にみられる事項であり、多方向からの力に対して変形等を防止するため、変形しにくい三角形の強さを利用して補強することも普通に行われているものである。 上記相違点に係る構成は、3個所で固定するものであり、これは普通に行われている三角形の強さを利用したものに他ならず、当業者であれば容易に想到できたものある。 そして、該構成の採用による効果も当業者が当然に予測し得る程度のもので、なんら顕著なものは認められない。 したがって、本願発明は、引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明することができたものである。 (5)むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-02-20 |
結審通知日 | 2007-02-27 |
審決日 | 2007-03-12 |
出願番号 | 特願平9-368905 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H04N)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 手島 聖治 |
特許庁審判長 |
杉 山 務 |
特許庁審判官 |
伊知地和之 田中 幸雄 |
発明の名称 | 画像形成装置 |
代理人 | 武 顕次郎 |