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審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 H05K 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない。 H05K |
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管理番号 | 1156785 |
審判番号 | 不服2003-21305 |
総通号数 | 90 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2007-06-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-11-04 |
確定日 | 2007-05-09 |
事件の表示 | 特願2000-158810「表面実装装置のモジュールヘッド原点調整装置及びその方法」拒絶査定不服審判事件〔平成12年12月26日出願公開、特開2000-357897〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1手続の経緯 本願は、平成12年5月29日の出願[パリ条約による【優先権主張番号】1999-19302【優先日】99.5.27【優先権主張国】韓国]であって、平成14年9月18日付と平成15年12月3日付手続補正書により補正された「表面実装装置のモジュールヘッド原点調整装置及びその方法」に関するものである。 2原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由の概要は、以下のとおりである。 1.この出願は、【発明の詳細な説明】【0036】が理解できないので、特許法第36条第4項に規定する要件を満たしていない。 2.この出願は、特許請求の範囲の請求項1において、 「オフセット値」とは何か不明瞭。 「オフセット値に基づいて補正」とあるが、何を補正するのか不明瞭。 「調整された原点」とあるが、「原点」とは何か、また、どのように調整するのか不明瞭であるから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 3請求人の主張 [補正について] 請求人は、段落【0036】を、 「第1及び第2モジュールヘッド30,40の原点設定のときに第1及び第2モジュールヘッド30,40のオフセット値が“0”になるように補正して第1及び第2モジュールヘッド30,40の原点を設定する。原点を設定する方法を添付した図3を用いて説明すると、次のようである。ステップ17において第1及び第2モジュールヘッド30,40の原点座標が、図3に示すように、それぞれ座標(339.84,400.09)と座標(338.0,404.01)に算出されると、ステップ18においてそれぞれの座標で発生したオフセット値即ち、前記座標の差異値を“0”になるように補正して第1及び第2モジュールヘッド30,40の相対位置が一致するように原点を調整する。」と補正し、 請求項1に関しては、(以下記載中の指標等は当審にて加入) 「デュアルガントリーが適用された表面実装装置でモジュールヘッドの原点を調整する装置において、 X軸の第1及び第2リニアモーターとY軸の第1及び第2リニアモーターからなり、X-Y平面上に第1及び第2基準点と原点マークが設定されたX-Yガントリーと、 前記X-Yガントリーに構成されたX軸の第1及び第2リニアモーターに設置される第1及び第2モジュールヘッドと、 前記第1及び第2モジュールヘッドの隣接した位置にそれぞれ設置されて前記ガントリーのX-Y平面上に設定された第1及び第2基準点と原点マークを感知し、該感知されたそれぞれの第1及び第2基準点と原点マークの座標信号を発生して出力する第1及び第2ビジョン装置と、 前記X軸の第1及び第2リニアモーターとY軸の第1及び第2リニアモーターを駆動させて第1及び第2ビジョン装置を第1及び第2基準点と原点マークにそれぞれ移動させ、 第1及び第2ビジョン装置から出力される第1及び第2基準点と原点マークの座標信号を受信して前記B〈第1及び第2モジュールヘッドの移動距離の差による前記第1及び第2モジュールヘッドの原点座標のオフセット値を算出した〉後、オフセット値が発生されると、前記C〈第1及び第2モジュールヘッドの前記オフセット値について補正を行い、調整された第1及び第2モジュールヘッドの原点を設定する〉制御器と、 から構成されることを特徴とする表面実装装置のモジュールヘッドの原点調整装置。」と補正した。 [説明] 請求人は、指摘された部分の補足説明として、 「請求項1において、「オフセット値」は、1初期原点からモジュールヘッドが移動して、その座標を測定した値を意味する。 例えば、図1において、2所定の原点を座標で読むと、例えば原点0(Xa,Ya)として読むことができる。 このような原点0(Xa,Ya)に対して、ガントリー(X-Yガントリー)を繰り返して使用すると、例えば熱等により前記ガントリーに変形が発生する。この時の原点を再びヘッドを移動させて測定すると原点0(Xa,Ya)が(Xa+α,Ya+β)に変更される。この時、この変更された値をオフセット値(offset value)と言いう。即ちA〈オフセット値は0offset(Xa+α,Ya+β)である〉。 このような状態で、ヘッドを原点へ移動する場合、3初期の原点に対して前記α、βに当たる分だけを追加して移動すると、1初期原点の位置へ移動することができる。 即ち、前記オフセットに基づいて補正するという意味は前記α,βに当たる分だけを原点0(Xa、Ya)に追加して補正するということである。 そして、前記原点0がガントリーの変形された状態において、原点の位置が例えば、C(Ca,Cb)という位置に移動されていると、前記原点Cは、調整された原点C’(Ca+α,Cb+β)に調整(補正)をした後、元々の原点に移動することになる。従って、調壁された原点というのはC’を意味する。」と主張している。 4当審の判断 (1)【0036】に関して 上記補正後の【0036】「オフセット値が“0”になるように補正して第1及び第2モジュールヘッド30,40の原点を設定する」の「オフセット値」を、上記[説明]のA〈〉部分では0offset(Xa+α,Ya+β)であると説明している(「オフセット値」は二つあると推測される。)。 ところが同段落【0036】では、「それぞれ座標(339.84,400.09)と座標(338.0,404.01)に算出されると、ステップ18においてそれぞれの座標で発生したオフセット値即ち、前記座標の差異値」として「オフセット値」を説明し(「オフセット値」は差異値として一つか座標毎に二つか不明。)、 更に、上記補正後の【0036】では、「ステップ17において」の記載が加入されており、該ステップ17は【0035】及び【図2】で、「第1及び第2モジュールヘッド30,40の移動距離の差によるオフセット値を算出する」と記載されている(「オフセット値」は一つと推測される。)。 即ち、上記三種の「オフセット値」に関する説明は全く対応せず不明瞭である。 よって、段落【0036】の記載では、なにをどのように補正し、原点を設定するのか当業者が実施できる程度に明確且つ十分に記載されていない。 (2)【請求項1】に関して、 請求項1の「オフセット値」については、前記の【0036】の判断で指摘したように、発明の詳細な説明中でも不明瞭であると共に、補正された請求項1においても、B〈〉部分の算出した「オフセット値」(「オフセット値」は一つと推測される。)と、C〈〉部分の原点を設定するための「オフセット値」(「オフセット値」は二つと推測される。)とで対応せず、依然として特許を受ける発明が明確ではない。 なお、上記[説明]中の下線部123で指摘した「初期原点」「所定の原点」「初期の原点」は当初明細書にないものであって、その意味が理解できない。 5むすび したがって、本願は、前記手続補正によるも、特許法第36条第4項及び第6項2号に規定する要件を満たしていないので、拒絶をすべきものである。 [なお、本願に関連する先行技術として、特開平10?93293号公報が有ることを付記する。] |
審理終結日 | 2006-12-04 |
結審通知日 | 2006-12-05 |
審決日 | 2006-12-21 |
出願番号 | 特願2000-158810(P2000-158810) |
審決分類 |
P
1
8・
537-
Z
(H05K)
P 1 8・ 536- Z (H05K) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 永安 真、深澤 幹朗 |
特許庁審判長 |
前田 仁 |
特許庁審判官 |
柴沼 雅樹 山内 康明 |
発明の名称 | 表面実装装置のモジュールヘッド原点調整装置及びその方法 |
代理人 | 白根 俊郎 |
代理人 | 村松 貞男 |
代理人 | 橋本 良郎 |
代理人 | 鈴江 武彦 |