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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 E02D
管理番号 1156842
審判番号 不服2005-14135  
総通号数 90 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-07-22 
確定日 2007-05-07 
事件の表示 特願2003-26604「先端根固め杭構造を有するソイルセメント柱列壁の施工法」拒絶査定不服審判事件〔平成16年8月26日出願公開、特開2004-238818〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 【1】手続の経緯・本願発明
本願は、平成15年2月4日の出願であって、平成17年6月22日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年7月22日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年8月10日付けで手続補正がなされたものであり、請求項1及び2に係る発明のうち、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、同手続補正により補正された明細書及び図面の記載からみて、その請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「先端根固め杭構造を有するソイルセメント柱列壁の施工法であって、
多軸オーガーマシンの複数のオーガーのうち先端根固め杭の位置に該当するオーガーの先端に先端根固め部の深さに相当する長さで先端ビットを有し全長にスパイラル状のスクリューを備えた突出部ロッドを取り付けた突出型多軸オーガーマシンにより、地盤の壁部削孔を、セメント系懸濁液を注入しつつ前記突出部ロッドが根固め部先端位置に到達する深度まで行い、
前記突出型多軸オーガーマシンのオーガーおよび突出部ロッド引き上げ工程に伴い、突出部ロッドが掘削して掘削土を排出した先端根固め部には突出部ロッドを通じて根固め液を注入して置換を行い、先端根固め部より上の壁部削孔中にはセメント系懸濁液を注入してソイルセメント壁部の造成を行い、
前記オーガーおよび突出部ロッドの引き上げ後に、H形鋼等の応力材を前記先端根固め部に向かって建て込み先端根固め杭を造成すること、
および前記突出型多軸オーガーマシンによる後の工程における地盤の壁部削孔は、先の掘削工程により造成した先端根固め杭の位置を除く端位置のソイルセメント壁柱を共通に重複掘削することを特徴とする、先端根固め杭構造を有するソイルセメント柱列壁の施工法。」


【2】引用刊行物とその記載内容
刊行物1:特開昭58-189414号公報
刊行物2:特開平4-347207号公報

〔1〕これに対して、原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された上記刊行物1には、図面とともに次のことが記載されている。
「地盤にアースオーガによつて長い縦孔と、この長い縦孔に孔周が交叉し、且つ隣り合うものどうし孔周が交叉する短かい同長の縦孔群とを、順次交互に列設し、これら孔の穿設順に長い縦孔にはセメント系固結液と孔長さの型鋼を投入し、短かい縦孔にはセメント系固結液のみを入れて各孔のセメント系固結液を固化させ、このように固化形成された壁体の一側に短かい縦孔長さより浅い程度の地盤穴を掘削することを特徴とする山留め壁構築方法。」(特許請求の範囲)、
「本発明は、ビルデイングの地下室や基礎部等の地下部分が入る地盤穴を掘削するに際し、穴周囲の土砂の崩壊を防止するための山留め壁構築方法に関するものである。」(1頁左下欄16?19行)、
「第1図において、Aは中央オーガ1が長く両側オーガ2,2が短かい多連オーガである。この多連オーガAによつて、横一列に両側オーガ2によつて短縦孔4を穿孔し、短縦孔4を2本置きに中央オーガ1によつて長縦孔5を穿孔する。」(1頁右下欄19行?2頁左上欄3行)、
「そして隣接する各縦孔は、第3図に示すように孔周が交叉6して穿孔される。」(2頁左上欄9?11行)、
「この工法においては、第2図に示すように、セメント、ベントナイト等のセメント系固結液7は穿孔ごとにオーガ先端より土砂と共に孔内へ混練注入され、同液の固化しないうちに、長縦孔5内へ孔長さ一杯にH型鋼8がフランジの一方を成るべく隣地側へ寄せて挿入される。」(2頁左上欄14?20行)。
また、第1図によれば、多連オーガAの中央オーガ1及び両側オーガ2,2は、全長にスパイラルスクリューを備えている。

上記記載及び図面を含む刊行物1全体の記載並びに当業者の技術常識によれば、刊行物1には、以下の発明が記載されていると認められる。
「セメント系固結材7を穿孔ごとに土砂と共に孔内へ混練注入する山留壁構築方法であって、
全長にスパイラルスクリューを備え、中央オーガ1が長く両側オーガ2,2が短い、多連オーガAにより、地盤の山留壁の穿孔を、中央オーガ1が長縦孔5先端位置に到達する深度まで行い、
セメント、ベンナイト等のセメント系固結材7を穿孔ごとにオーガ先端より土砂と共に孔内へ混練注入し、
両側オーガ2,2および中央オーガ1の引き上げ後に、同液の固化しないうちに、H形鋼8を長縦孔5に挿入し、
同液が固化することにより山留め壁の造成を行い、
および隣接する各縦孔は孔周が交叉6して穿孔される山留壁構築方法。」(以下、「刊行物1記載の発明」という。)


〔2〕同じく、上記刊行物2には、図面とともに次のことが記載されている。
「【請求項1】掘削機オーガーによって地盤を削孔しながらソイルセメントを満たすと共に、この削孔内にH形鋼等の鋼材を挿入してなるソイルセメント柱を複数設けて地中連続壁状とすることで山留め壁を形成する施工方法であり、前記地盤の支持層近傍位置となる前記削孔の先端部には、ソイルセメントでなくモルタルあるいはコンクリートを充填すると共に、硬化前のモルタルあるいはコンクリート内へ前記鋼材の先端部を挿入して、この鋼材先端部に装着してある補強材を拡げることにより、鋼材先端にモルタルあるいはコンクリートと一体となった強固な球根部を形成することを特徴とするソイルセメント山留め壁の施工方法。」、
「【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、地盤を掘削して地下構造物を造る際に、周辺地盤の崩壊を保護するために築造するソイルセメント山留め壁の施工方法に関するものである。」、
「【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、ソイルセメント山留め壁施工用の掘削機オーガー先端が地盤支持層へ到達した時に、地上よりモルタルあるいはコンクリートをオーガーの中空軸より注入して先端部を置換した後にオーガー引上げ、モルタルあるいはコンクリートが硬化する前に山留め壁用鋼材を挿入して支持層へ到達させると共に、鋼材先端に装着した補強材をモルタルあるいはコンクリート中で拡げ、鋼材先端にモルタルあるいはコンクリートと一体となった強固な球根部を作ることを特徴とする。」、
「【0009】図1の(A)に示すように掘削機オーガー1によって地盤2を削孔しながら、掘削機オーガー1の中空軸3を通して地上よりセメントミルク4を注入し、削孔土砂と撹拌してソイルセメントを作製すると共に、H形鋼等の鋼材6を挿入してソイルセメント柱12を形成する。そしてこの一連のソイルセメント柱形成作業を掘削機の横移動により繰り返し、かつ先に施工したソイルセメント柱と新たなソイルセメント柱との一部を重ねることで、地中に連続したソイルセメント柱列の壁としてソイルセメント山留め壁が築造される。
【0010】なおこの各ソイルセメント柱12を形成する時には、図1の(B)に示すように、掘削機オーガー1が所定深度の地盤支持層に達したら、セメントミルク4をモルタルあるいはコンクリート5に切り替えて注入し、削孔の先端を置換する。そしてその後、削孔先端までH形鋼等の鋼材6を挿入することが行われる。」、
「【0013】このことにより、鋼材6の先端には、モルタルあるいはコンクリート5と一体となった強固な球根部13を造ることができ、山留め壁内側に建設する構造物と一体化した永久構造部の杭としての機能を作り出すことができる。」。


【3】対比・判断
〔1〕本願発明と刊行物1記載の発明との対比
本願発明と刊行物1記載の発明とを対比すると、刊行物1記載の発明の「多連オーガA」が本願発明の「(突出型)多軸オーガーマシン」に相当し、以下同様に、「両側オーガ2,2」が「オーガー」に、「山留壁の穿孔」が「壁部削孔」に、「セメント、ベントナイト等のセメント系固結材」が「セメント系懸濁液」に、「H型鋼8」が「H型鋼等の応力材」にそれぞれ相当し、また、刊行物1記載の発明の山留め壁構築方法は、「セメント、ベントナイト等のセメント系固結液7は穿孔ごとにオーガ先端より土砂とともに孔内へ混練注入され」、「各孔のセメント系固結液を固化させることにより山留め壁の造成を行」うものであるから、本願発明の「ソイルセメント柱列壁の施工方法」に相当し、また、刊行物1記載の発明の山留め壁構築方法により造成された「山留め壁」は、本願発明の「ソイルセメント柱列壁(壁部,壁柱)」に相当するということができ、
そして、刊行物1記載の発明の「セメント、ベントナイト等のセメント系固結液7は穿孔ごとにオーガ先端より土砂とともに孔内へ混練注入され」て形成される「ソイルセメント柱」のうち長い方の「ソイルセメント柱」の突出部と本願発明の「先端根固め杭」とは、「長いセメント柱の突出部」である点で技術的に共通し、また、刊行物1記載の発明の「中央オーガ1」と本願発明の「先端に先端根固め部の深さに相当する長さで先端ビットを有し全長にスパイラル状のスクリューを備えた突出部ロッドを取り付けた」「先端根固め杭の位置に該当するオーガー」とは、「先端に長いセメント柱の先端突出部の深さに相当する長さで全長にスパイラル状のスクリューを備えた突出部ロッドを有する」「長いセメント柱の位置に該当するオーガー」である点で技術的に共通するから、両者は、
「ソイルセメント柱列壁の施工法であって、
多軸オーガーマシンの複数のオーガーのうち長いセメント柱の位置に該当するオーガーの先端に長いセメント柱の突出部の深さに相当する長さで全長にスパイラル状のスクリューを備えた突出部ロッドを有する突出型多軸オーガーマシンにより、地盤の壁部削孔を、前記突出部ロッドが突出部先端位置に到達する深度まで行い、
突出部より上の壁部削孔中にはセメント系懸濁液を注入してソイルセメント壁部の造成を行い、
前記オーガーおよび突出部ロッドの引き上げ後に、H形鋼等の応力材を長いセメント柱の位置に向かって建て込み、杭を造成すること、
および前記突出型多軸オーガーマシンによる後の工程における地盤の壁部削孔は、先の掘削工程により造成したソイルセメント壁部の端位置を共通に重複掘削する、ソイルセメント柱列壁の施工法。」である点で一致し、次の点で相違する。
<相違点1>
ソイルセメント柱列壁は、本願発明が「先端根固め杭構造を有する」のに対し、刊行物1記載の発明はそのようなものではない点。
<相違点2>
多軸オーガーマシンの複数のオーガーのうちオーガーの先端に長いセメント柱の突出部の深さに相当する長さで全長にスパイラル状のスクリューを備えた突出部ロッドを有する突出型多軸オーガーマシンにより、地盤の壁部削孔を前記突出部ロッドが突出部先端位置に到達する深度まで行うに際して、本願発明が「先端根固め杭の位置に該当するオーガーの先端に先端根固め部の深さに相当する長さで先端ビットを有し全長にスパイラル状のスクリューを備えた突出部ロッドを取り付けた突出型多軸オーガーマシンにより、地盤の壁部削孔を、セメント系懸濁液を注入しつつ前記突出部ロッドが根固め部先端位置に到達する深度まで行」うのに対し、刊行物1記載の発明はそのようなものであるのか否か定かでない点。
<相違点3>
ソイルセメント壁部の造成を行うに際して、本願発明が「突出型多軸オーガーマシンのオーガーおよび突出部ロッド引き上げ工程に伴い、突出部ロッドが掘削して掘削土を排出した先端根固め部には突出部ロッドを通じて根固め液を注入して置換を行い、先端根固め部より上の壁部削孔中にはセメント系懸濁液を注入」するのに対し、刊行物1記載の発明はそのようなものではない点。
<相違点4>
オーガーおよび突出部ロッドの引き上げ後に、H形鋼等の応力材を長いセメント柱の位置に向かって建て込み、杭を造成するに際して、本願発明が「応力材を先端根固め部に向かって建て込」むのに対し、刊行物1記載の発明はそのようなものではない点。
<相違点5>
突出型多軸オーガーマシンによる後の工程における地盤の壁部削孔は、先の掘削工程により造成したソイルセメント壁部の端位置を共通に重複掘削するに際して、本願発明が「先端根固め杭の位置を除く端位置のソイルセメント壁柱を共通に重複掘削する」のに対し、刊行物1記載の発明は隣接する各縦孔は孔周が交叉6して穿孔される点。


〔2〕各相違点についての検討
<相違点1について>
上記相違点1を検討すると、ソイルセメントセメント柱列壁の一部を支持地盤に届くまで下方へ長くのばして先端根固め杭とすること、及び、その先端根固め部に向かって根固め液を注入することが当業者にとってよく知られていることは、請求人が自認するとおり(本願明細書【0002】(図6(B))の記載,【0003】(図7)の記載等を参照。)であるし、上記刊行物2に、先端根固め部(球根部13)に向かって根固め液(モルタルまたはコンクリート)を注入することが記載され(【0013】の記載を参照。)ているから、刊行物1記載の発明の長縦孔5の位置のセメント柱の突出部を根固め部とし、先端根固め杭の位置を除く端位置のソイルセメント壁柱を共通に重複掘削して、本願発明のように「先端根固め杭構造を有する」ソイルセメント柱列壁の施工方法とすることは、当業者にとって単なる設計的事項にすぎない。
<相違点2について>
上記相違点2を検討すると、本願発明においては、「先端根固め部の深さに相当する長さで先端ビットを有し全長にスパイラル状のスクリューを備えた突出部ロッドを取り付けた突出型多軸オーガーマシン」は、例えば3軸の多軸オーガーマシンにおける中央のオーガーが両側のオーガーよりも長いことを規定しているにすぎないところ、ロッドを継ぎ足してオーガーの長さを変更することは周知(例えば、実願平4-17476号(実開平5-71238号)のCD-ROM,登録実用新案第3023183号公報,特開平9-203074号公報等を参照。)であり、「突出ロッド」の長さについても、従来周知の先端根固め杭を施工しようとすれば多軸オーガーマシンの「突出ロッド」を「先端根固め部の深さに相当する長さ」にすることは当然のことである。また、先端ビットを有したオーガーは周知(請求人も自認している。また、例えば、特開昭60-65824号公報,特開平2-210187号公報,特開平10-331186号公報,特開2000-104246号公報等を参照。)であって、「先端ビットを有した突出部ロッド」とすることは当業者にとって常套手段にすぎない。さらに、地盤の壁部削孔をセメント系懸濁液を注入しつつ所定の位置に到達する深度まで行うことは周知(例えば、刊行物2の【0009】の記載,上記登録実用新案第3023183号公報,特開昭60-65824号公報,特開平10-331186号公報等を参照。)であり、この工法を、従来周知の先端根固め杭構造を有するソイルセメント柱列壁に適用することは当業者であれば容易に想到し得ることである。したがって、刊行物1記載の発明において本願発明の相違点2に係る構成とすることは、当業者であれば容易になし得ることである。
<相違点3について>
上記相違点3を検討すると、刊行物2には、「【請求項1】掘削機オーガーによって地盤を削孔しながらソイルセメントを満たすと共に、…前記地盤の支持層近傍位置となる前記削孔の先端部には、ソイルセメントでなくモルタルあるいはコンクリートを充填する…」、「【0006】…ソイルセメント山留め壁施工用の掘削機オーガー先端が地盤支持層へ到達した時に、地上よりモルタルあるいはコンクリートをオーガーの中空軸より注入して先端部を置換した後にオーガー引上げ…」、「【0010】なおこの各ソイルセメント柱12を形成する時には、図1の(B)に示すように、掘削機オーガー1が所定深度の地盤支持層に達したら、セメントミルク4をモルタルあるいはコンクリート5に切り替えて注入し、削孔の先端を置換する。…」と記載されており、これらの記載によれば、オーガーによって地盤を削孔しながらソイルセメントを満たしてなる前記削孔の先端部には、ソイルセメントではなくモルタルあるいはコンクリートが充填されていることはもとより、その充填作業工程として、オーガー先端が所定深度の地盤支持層へ到達した時に、セメントミルクをモルタルあるいはコンクリートに切り替えて注入して削孔の先端部を置換した後に、オーガーを引上げるようにしたものであるから、当該削孔の先端部は、モルタルあるいはコンクリート(根固め液)と掘削土砂との混合態様ではなしに、掘削土砂をモルタルあるいはコンクリートに置換してなる態様のもの(これにより、鋼材先端にモルタルあるいはコンクリートと一体となった強固な球根部を造るようにした)であることが把握される。即ち、刊行物2記載の技術は、上記のように、山留め壁の先端部がモルタルあるいはコンクリートを注入することにより削孔の先端部を置換している以上、当該削孔の先端部へのモルタルあるいはコンクリートの注入は、本願発明と同様、オーガーの引き上げ工程による掘削土砂等(ソイルセメント)の排除に伴って行われていることは明らかである。したがって、刊行物1記載の発明において刊行物2記載の技術を採用し、本願発明の相違点3に係る構成とすることは、当業者であれば容易になし得ることである。
<相違点4について>
上記相違点4を検討すると、上記<相違点1について>において説示したとおり、「先端根固め杭構造を有する」ソイルセメント柱列壁の施工方法とすることは、当業者にとって単なる設計的事項にすぎないから、刊行物1記載の発明において、H形鋼等の応力材を長いセメント柱の位置に向かって建て込み、杭を造成する際に、本願発明のように「応力材を前記先端根固め部に向かって建て込」むことは、当業者が容易になし得ることである。
<相違点5について>
上記相違点5を検討すると、上記<相違点1について>において説示したとおり、刊行物1記載の発明の長縦孔5の位置のセメント柱を根固め部とし、先端根固め杭の位置を除く端位置のソイルセメント壁柱を共通に重複掘削することは、単なる設計的事項にすぎず、また、端位置のソイルセメント壁柱を共通に重複掘削することは、原査定の周知例として挙げられた実用新案登録第2518123号公報,特開平6-264438号公報,特開2002-70003号公報等に記載されているように周知であるから、刊行物1記載の発明において、本願発明のように「先端根固め杭の位置を除く端位置のソイルセメント壁柱を共通に重複掘削する」ことは、当業者であれば容易になし得ることである。


〔3〕作用効果・判断
したがって、刊行物1,2記載の発明及び周知技術を組み合わせて、本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易に思い付くことであり、このようにしたことによる格別の作用効果も認められない。


【4】むすび
以上のとおり、本願発明は、刊行物1,2記載の発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条2項の規定により特許を受けることができず、本願の他の請求項に係る発明を検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。

 
審理終結日 2007-02-22 
結審通知日 2007-03-06 
審決日 2007-03-19 
出願番号 特願2003-26604(P2003-26604)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (E02D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 草野 顕子  
特許庁審判長 伊波 猛
特許庁審判官 宮川 哲伸
西田 秀彦
発明の名称 先端根固め杭構造を有するソイルセメント柱列壁の施工法  
代理人 山名 正彦  

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