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審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G11B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G11B
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G11B
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 G11B
管理番号 1156954
審判番号 不服2005-1303  
総通号数 90 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-01-20 
確定日 2007-05-07 
事件の表示 平成11年特許願第 43677号「薄膜磁気ヘッド」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 9月 8日出願公開、特開2000-242912〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成11年2月22日の出願であって、平成16年8月30日付けで手続補正がなされ、その後平成16年12月17日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成17年1月20日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、平成17年1月20日付けで手続補正がなされたものである。

第2 平成17年1月20日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)について
[補正却下の決定の結論]
平成17年1月20日付け手続補正を却下する。
[理由]
1.本件補正
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1について、補正前の、
(a) 「【請求項1】基板材と、
前記基板材に接して設けられ、磁気ギャップを先端から露出させた状態で非磁性層に内設された薄膜磁気ヘッドと、
前記基板材と共に前記非磁性層を挟んで設けられた補助部材とを有し、
前記基板材と非磁性層と補助部材との先端に、前記基板材と非磁性層と補助部材の並んだ方向または、これに対して所定角度傾けられた方向に沿って磁気テープと摺動する摺動面を形成し、
前記薄膜磁気ヘッドを構成する素子の両端に接続された2つの電極端子を前記摺動面に対し直交する方向に配置して前記非磁性層に露出形成し、
前記補助部材は、前記2つの電極端子を露出させる形状であることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。」を、
(b) 「【請求項1】基板材と、
前記基板材に接して設けられ、磁気ギャップを先端から露出させた状態で非磁性層に内設された薄膜磁気ヘッドと、
前記基板材と共に前記非磁性層を挟んで設けられた補助部材とを有し、
前記基板材と非磁性層と補助部材との先端に、前記基板材と非磁性層と補助部材の並んだ方向または、これに対して所定角度傾けられた方向に沿って磁気テープと摺動する摺動面を形成し、
前記薄膜磁気ヘッドを構成する素子の両端に接続された2つの電極端子を前記摺動面及び摺動幅方向に対し直交する方向、かつ、前記非磁性層の長手方向に並べて前記非磁性層に露出形成し、
前記補助部材は、前記2つの電極端子を露出させる形状であることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。」
と補正するものである。
本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明の「2つの電極端子」を「前記摺動面に対し直交する方向に配置して前記非磁性層に露出形成」する構成について、「摺動幅方向」に対し直交する方向、「かつ、前記非磁性層の長手方向に並べて」との限定を付加するものであって、特許法第17条の2第4項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、補正後における特許請求の範囲の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「補正後の発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて以下に検討する。

2.特許法第36条について
補正後の発明の「2つの電極端子を前記摺動面及び摺動幅方向に対し直交する方向、かつ、前記非磁性層の長手方向に並べて前記非磁性層に露出形成し」という特定事項はその技術的意味が不明確である。特に、補正前の「前記摺動面に対し直交する方向」から、「前記摺動面及び摺動幅方向に対し直交する方向」に補正されたことにより、どの方向に特定されることになったのか不明確である。
幾何学的にみると、「摺動幅方向に対し直交する方向」とは、摺動幅W(本願の図1に図示されているW)と直交する面(例えば図1や図2のテープ走行方向Xを含む面、図10で示されるスライシング面)内の任意の直線の方向と考えられる。そして、補正の根拠とされる明細書の記載(段落11)、電極端子に関する記載(段落13?15)及び図面(図1、図3等)の記載並びに出願時の技術常識を考慮しても、上記特定事項は、その技術的意味が理解できないものであるから、補正後の発明は不明確である。
したがって、特許を受けようとする発明が明確でないので、補正後の発明は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

3.特許法第29条第2項について
(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開平9-22512号公報(以下「引用例1」という。)には、「複合型薄膜磁気ヘッド及びその製造方法」に関し、次の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付与したものである。)
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜よりなる導体コイルを備える記録用の誘導型磁気ヘッド部と磁気抵抗効果素子を備える再生用の磁気抵抗効果型磁気ヘッド部とを併せ持つ複合型薄膜磁気ヘッド及びその製造方法に関する。」
(イ)「【0005】MRヘッド部Aにおいては、Al2O3-TiC等を材料とする非磁性基板101上に絶縁層102を介して下部磁性層103となる軟磁性膜及びAl2O3或はSiO2を材料とする絶縁層104が順次積層され、この絶縁層104上に、磁気抵抗効果素子(MR素子)105が、その長手方向が磁気記録媒体との対向面(磁気記録媒体走行面)aとほぼ平行になるように配され、且つ長手方向の一方の端面が磁気記録媒体走行面aに露出するかたちに形成されている。」
(ウ)「【0012】さらに、複合型薄膜磁気ヘッドが磁気テープを記録媒体とするコンピュータのデータコーダ(主にバックアップ用)に搭載される摺動型の複合型薄膜磁気ヘッドである場合、ハードディスクに搭載されるものと異なり磁気記録媒体走行面が磁気テープと接触摺動するために、上記金属磁性膜を材料とする下部磁気コア及び上部磁気コアに生じる摩耗と偏摩耗が問題となる。」
(エ)「【0028】この複合型薄膜磁気ヘッドは、図1に示すように、Al2O3-TiC等の非磁性材料よりなるベース基板1上にAl2O3等よりなる絶縁層2を介して、導体コイル4が下部磁気コア2と上部磁気コア9とにより狭持されてなるインダクティブヘッド部Pと、磁気抵抗効果を奏するMR素子1がそれぞれ軟磁性体層である下部磁性層を兼ねた上部磁気コア9と上部磁性層13とにより狭持されてなるMRヘッド部Qとが順次積層され、さらに上部磁性層13上に非磁性材料よりなる保護板14が形成されて構成されている。
(オ)「【0031】そして、表面の平坦化を図るためのレジスト等の高分子材料からなる第2の平坦化層6が導体コイル4の隙間を埋めるように形成されて下部磁気コア3の表面が平面状とされ、この第2の平坦化層6上に記録用の磁気ギャップを形成するギャップ膜7を介してFe-Ru-Ga-Si合金よりなる上部磁気コア9が形成され、上部に形成されるMRヘッド部Qの平坦な下地となる下地層21が成膜されて上記インダクティブヘッド部Pが構成されている。この場合、下部磁気コア3と上部磁気コア9の各バックコア側が磁気的に接続されて閉磁路が形成されている。
(カ)「【0033】一方、MRヘッド部Qは、MR素子1にセンス電流がトラック幅方向と略々平行する方向に流れる、いわゆる横型のMRヘッドである。具体的には、下部磁性層を兼ねた上部磁気コア9上に再生用の磁気ギャップを形成するAl2O3或はSiO2等よりなる絶縁層10が成膜され、この絶縁層10上にNi-Fe等よりなるMR素子11がその長手方向が磁気記録媒体との対向面(磁気記録媒体走行面a)と略々平行となるように配され、且つその長手方向の一方の端面が磁気記録媒体走行面aに露出するかたちに形成されている。さらに、MR素子11上にはCr/Ta等からなり当該MR素子1にバイアス磁界を印加するためのバイアス導体12が設けられMR素子11と同一形状に加工形成されている。
【0034】ここで、バイアス導体12上には、このバイアス導体12にバイアス電流を供給するとともにMR素子11にセンス電流を提供するための図示しない一対の引出し電極が設けられている。ここで、これら引出し電極により狭持されたMR素子11の領域が磁気抵抗効果を示す有効感磁部となる。
【0035】そして、MR素子11及び上記引出し電極上にAl2O3或はSiO2等よりなる絶縁層22が成膜され、この絶縁層22上に上部磁性層13がエポキシ樹脂等の接着材により接合されて、上記MRヘッド部Qが構成されている。
【0036】次いで、上記複合型薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する。ここでは、非磁性材料よりなる基板1上に、軟磁性材料よりなる下部磁気コア3を成膜して当該下部磁気コア3の上面に凹部3aを形成する工程と、当該凹部3a上に絶縁材料よりなる第1の平坦化層23を介してスパイラル状の導体コイル4を埋設形成する工程と、当該導体コイル4上に絶縁材料よりなる第2の平坦化層6を介して軟磁性材料よりなる上部磁気コア9を積層する工程とを順次経ることによりインダクティブヘッド部Pを作製した後に、下部磁性層を兼ねた前記上部磁気コア9上に絶縁層10を介してMR素子11を形成する工程と、当該MR素子11上に絶縁層22を介して上部磁性層13を積層する工程とを順次経ることによりMRヘッド部Qを作製する。」
(キ)「【0047】次いで、図10に示すように、導体コイル4の引出し電極8を形成して接続端子5と電気的に接続する。(略)」
(ク)「【0049】続いて、図12に示すように、フレキシブル・ケーブルに接続するための端子24を導体コイル4を形成した場合と同様に硫酸銅メッキ液を用いてメッキ成膜する。」
(ケ)「【0052】次いで、図15に示すように、上部磁気コア9の上面に、MR素子11の一対の引出し電極を形成するためにイオンエッチング装置を用いてエッチングを施す。
【0053】その後、上部磁気コア9の上面及び下地層21の上面にAl2O3或はSiO2等よりなる絶縁層10を成膜し、この絶縁層10上にNi-Fe膜及びCr/Ta膜をスパッタリングにより順次成膜する。そして、図16に示すように、Ni-Fe膜及びCr/Ta膜上にフォトレジストを塗布してフォトリソグラフィー技術により所定のレジストパターンを形成し、このレジストパターンに倣ってイオンミリング等の手法によりエッチングを施してMR素子11及びバイアス導体12を形成する。
【0054】次いで、MR素子11の両端部に接続される一対の引出し電極をリフト・オフの手法によって形成した後に、MR素子11及び上記引出し電極上にAl2O3或はSiO2等よりなる絶縁層22を成膜する。
【0055】そして、この絶縁層22上に上部磁性層13をエポキシ樹脂等の接着材により接合することによりMRヘッド部Qが完成する。さらに、上部磁性層13上に非磁性材料よりなる保護板14を形成することにより、上記複合型薄膜磁気ヘッドが完成する。」
(コ)第1の実施の形態に係る複合型薄膜磁気ヘッドを模式的に示す縦断面図である図1には、ベース基板1上に絶縁層2を介して、インダクティブヘッド部Pと、磁気抵抗効果素子ヘッド部Qとが順次積層され、さらに、摺動面側に、保護板14が形成され、摺動面から離れた後方には、保護板がない状態が図示されている。

(2)対比
補正後の発明は、上記「2」のとおり不明確であるが、補正後の発明の根拠とされる図1を勘案して以下検討する。
補正後の発明と引用例1に記載された発明とを対比する。
上記(1)で摘示した記載事項、特に(イ)(ウ)(エ)(オ)(カ)(ケ)(下線部参照)によれば、引用例1には、
「摺動型の複合型薄膜磁気ヘッドにおいて、
磁気記録媒体走行面が磁気テープと接触摺動するものであって、
複合型薄膜磁気ヘッドは、ベース基板上にAl2O3等よりなる絶縁層を介して、導体コイルが下部磁気コアと上部磁気コアとにより狭持されてなるインダクティブヘッド部と、磁気抵抗効果素子が下部磁性層を兼ねた上部磁気コアと上部磁性層とにより狭持されてなる磁気抵抗効果ヘッド部とが順次積層され、さらに上部磁性層上に非磁性材料よりなる保護板が形成されて構成され、
記録用の磁気ギャップ及び再生用の磁気ギャップを備え、
磁気抵抗効果素子にセンス電流を提供するための一対の引出し電極が設けられてなる磁気ヘッド。」
の発明が記載されている。

引用例1に記載された発明の「複合型薄膜磁気ヘッド」「ベース基板」「保護板」は、それぞれ補正後の発明の「薄膜磁気ヘッド」「基板材」「補助部材」に相当している。
引用例1に記載された発明の「薄膜磁気ヘッド」は、「記録用の磁気ギャップ及び再生用の磁気ギャップ」を備え、「ベース基板上にAl2O3等よりなる絶縁層を介して、導体コイルが下部磁気コアと上部磁気コアとにより狭持されてなるインダクティブヘッド部と、磁気抵抗効果素子が下部磁性層を兼ねた上部磁気コアと上部磁性層とにより狭持されてなる磁気抵抗効果ヘッド部とが順次積層され」ていること、「インダクティブヘッド部」と「磁気抵抗効果ヘッド部」が、補正後の発明の「薄膜磁気ヘッド」に相当していること、さらにAl2O3等よりなる絶縁層2や絶縁層22(上記(カ)の段落35参照)が、補正後の発明の「非磁性層」に相当することを勘案すれば、引用例1に記載された発明は、補正後の発明の「薄膜磁気ヘッド」が「基板材に接して設けられ、磁気ギャップを先端から露出させた状態で非磁性層に内設された」に相当する構成を、実質的に備えている。
引用例1に記載された発明の「薄膜磁気ヘッド」は、「磁気記録媒体走行面が磁気テープと接触摺動するもの」であり、ベース基板上に形成されたインダクティブヘッド部と磁気抵抗効果ヘッド部の上に、「保護板」が形成されており、また、アジマス角を持つ場合も持たない場合も前提としているといえるので、引用例1に記載された発明は、補正後の発明の「基板材と非磁性層と補助部材との先端に、前記基板材と非磁性層と補助部材の並んだ方向または、これに対して所定角度傾けられた方向に沿って磁気テープと摺動する摺動面を形成し」に相当する構成を実質的に備えている。
よって、補正後の発明と引用例1に記載された発明との一致点及び相違点は以下のとおりである。
(一致点) 「基板材と、
前記基板材に接して設けられ、磁気ギャップを先端から露出させた状態で非磁性層に内設された薄膜磁気ヘッドと、
前記基板材と共に前記非磁性層を挟んで設けられた補助部材とを有し、
前記基板材と非磁性層と補助部材との先端に、前記基板材と非磁性層と補助部材の並んだ方向または、これに対して所定角度傾けられた方向に沿って磁気テープと摺動する摺動面を形成し、
前記薄膜磁気ヘッドを構成する素子の両端に接続された2つの電極を備える薄膜磁気ヘッド。」

(相違点1) 「2つの電極」について、補正後の発明は、「2つの電極端子」を「摺動面及び摺動幅方向に対し直交する方向、かつ、非磁性層の長手方向に並べて前記非磁性層に露出形成し」、「補助部材」は「前記2つの電極端子を露出させる形状である」と特定しているのに対して、引用例1に記載された発明は、そのように特定していない点。

(3)相違点1についての判断
引用例1には、基板材上に絶縁層を介し磁気抵抗効果素子からの引出し電極が設けられることが記載されているものの、当該引出し電極の端子部分の形状や配置については示されていない。
薄膜磁気ヘッドにおいて、導体コイルや磁気抵抗効果素子からの引出し電極には、配線接続のために、絶縁層から露出するように複数の電極端子が適宜配置して形成されることは、周知の事項であり、例えば特開平10-283613号公報(従来例の図5?7等参照)、特開平2-294915号公報、特開平6-325322号公報(原審の引用文献、従来例の図9等参照)に記載されている。
引用例1に記載された発明において、ベース基板上に積層形成されている磁気抵抗効果素子部分の上に設けられた補助部材は、摺動面側にのみ形成され、後方には形成されていない形状である(上記(コ)参照)から、補助部材を2つの電極端子を露出する形状とし、2つの電極端子が、絶縁層から露出するよう設けることは、当業者が最も普通になし得ることであり、上記周知の技術を勘案すれば、その際の電極端子の配置を、引用例1のベース基板上の前後方向(摺動面に直交する方向)のようにすることは当業者が適宜なしうることにすぎない。よって、本願の図1のような、「摺動面及び摺動幅方向に対し直交する方向、かつ、非磁性層の長手方向に並べて」と特定することに、当業者が格別の困難性を要したとはいえない。
してみれば、補正後の発明の効果は、引用例1に記載された発明及び周知の事項から予測される範囲内であるので、上記相違点1は、当業者が容易に想到し得たものである。

4.むすび
以上のとおり、補正後の発明は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないのであるから、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。また、補正後の発明は、本願出願前に頒布された引用例1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するから、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
平成17年1月20日付け手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1乃至3に係る発明は、平成16年8月30日付け手続補正書によって補正された明細書および図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1乃至3に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に記載された発明(以下「本願発明」という。)は次のとおりである。
「【請求項1】上記「第2の1の(a)」のとおり。」

1.引用例
原審の拒絶の理由に引用された引用例の記載事項は、上記「第2の3」に記載されたとおりである。

2.対比判断
本願発明は、上記「第2の3」で検討した補正後の発明から、「2つの電極端子」を「前記摺動面に対し直交する方向に配置して前記非磁性層に露出形成」する構成についての限定事項である、「摺動幅方向」及び「かつ、前記非磁性層の長手方向に並べて」という構成を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する補正後の発明が、上記「第2の3」に記載したとおり、引用例1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

3.むすび
以上のとおり、本願発明は、本願出願前に頒布された引用例1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。他の請求項を検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-03-01 
結審通知日 2007-03-06 
審決日 2007-03-19 
出願番号 特願平11-43677
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G11B)
P 1 8・ 572- Z (G11B)
P 1 8・ 537- Z (G11B)
P 1 8・ 575- Z (G11B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石坂 博明馬場 慎  
特許庁審判長 小林 秀美
特許庁審判官 小松 正
早川 卓哉
発明の名称 薄膜磁気ヘッド  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 伊東 忠彦  

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