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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 C08L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C08L
管理番号 1157002
審判番号 不服2004-6015  
総通号数 90 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-03-25 
確定日 2007-05-10 
事件の表示 平成 7年特許願第250919号「難燃性樹脂組成物」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 3月31日出願公開、特開平 9- 87437〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯
本願は、平成7年9月28日にした特許出願であって、平成7年10月4日に手続補正書が提出され、平成15年11月18日付けで拒絶理由が通知され、平成16年1月26日に意見書が提出されたが、同年2月20日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年3月25日に審判請求がなされ、同年4月26日に手続補正書が提出され、同年9月10日付けで前置報告がなされ、当審において平成18年8月21日付けで審尋がなされ、同年10月19日に回答書が提出されたものである。

2.補正却下の決定
[結論]平成16年4月26日付けの手続補正を却下する。

[理由]
2-1.補正の内容
平成16年4月26日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、審判請求の日から30日以内にされた補正であり、その内容は、本件補正前の明細書の請求項1について
「(A)ポリオレフィン100重量部に対して、(B)テトラブロモビスフェノールAのビス(2、3-ジブロモプロピル)エーテルとテトラブロモビスフェノールSのビス(2、3-ジブロモプロピル)エーテルを重量比0.5:9.5?3:7の割合で含む混合物1?30重量部および(C)脂肪酸のアルミニウム塩0.1?3.0重量部を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。」を
「(A)ポリオレフィン100重量部に対して、(B)テトラブロモビスフェノールAのビス(2、3-ジブロモプロピル)エーテルとテトラブロモビスフェノールSのビス(2、3-ジブロモプロピル)エーテルを重量比0.5:9.5?3:7の割合で含む混合物1?30重量部および(C)脂肪酸のアルミニウム塩0.1?3.0重量部を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物(ただし、融点60℃以下の脂肪族カルボン酸は含まない)。」と補正するものである。

2-2.補正の適否
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1において、「(ただし、融点60℃以下の脂肪族カルボン酸は含まない)」との記載を付加するものであるが、願書に最初に添付した明細書には、難燃性樹脂組成物について「ただし、融点60℃以下の脂肪族カルボン酸は含まない」との記載はなされていない。
そこで、この「含まない」との文言が実質的に「除く」を意味するものとして、本件補正がいわゆる「除くクレーム」として取扱う場合に該当するか否かについて以下に検討する。
「除くクレーム」の補正は、請求項に係る発明が、先行技術と重なるために新規性等(特許法第29条第1項第3号、同法第29条の2又は同法第39条)を失うおそれがある場合に、補正前の請求項に記載した事項の記載表現を残したままで、当該重なりのみを除く補正であり、例外的に、願書に最初に添付した明細書等に記載した事項の範囲内でするものとして取り扱われるものである(「特許・実用新案審査基準」第III部明細書又は図面の補正 第I節新規事項4.2(4)除くクレーム 参照)。
これを本件補正についてみると、原査定の拒絶の理由において引用され、また、請求人が本件補正をするための根拠としている引用例3(特開昭61-176647号公報)は、引用例1、引用例2と共に、本願請求項1に係る発明の進歩性(特許法第29条第2項の適用)を否定する証拠として引用されたものであり、新規性等を理由として引用されたものではない。
そうすると、「(ただし、融点60℃以下の脂肪族カルボン酸は含まない)」という記載を付加する補正は、上記の「先行技術と重なるために新規性等(特許法第29条第1項第3号、同法第29条の2又は同法第39条)を失うおそれがある場合」の補正に該当するものとはいえないから、本件補正は願書に最初に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてするものとして取り扱うことができない。

2-3.むすび
以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
1.本願発明
上記のように平成16年4月26日付けの手続補正は却下された。
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、この補正前の平成7年10月4日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものである。
「(A)ポリオレフィン100重量部に対して、(B)テトラブロモビスフェノールAのビス(2、3-ジブロモプロピル)エーテルとテトラブロモビスフェノールSのビス(2、3-ジブロモプロピル)エーテルを重量比0.5:9.5?3:7の割合で含む混合物1?30重量部および(C)脂肪酸のアルミニウム塩0.1?3.0重量部を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。」

4.拒絶査定の理由について
原審において拒絶査定の理由とされた平成15年11月18日付けで通知された拒絶理由は、以下のとおりである。
理由:この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

請求項1
引用文献1?3

<引用文献等一覧>
1.特公昭62-49900号公報
2.特開平5-156074号公報
3.特開昭61-176647号公報

5.引用文献1及び2の記載事項
引用文献1
(1-1)「1 ポリプロピレンに、難燃剤としてテトラブロモビスフエノールAのビス(2,3-ジブロモプロピル)エーテルとテトラブロモビスフエノールSのビス(2,3-ジブモプロピル)エーテルとを重量比7:3乃至1:9の割合で配合してなり、且つポリプロピレンと該難燃剤との合計重量を基準にしてブロムの量が1?30重量%であることを特徴とする難燃性ポリプロピレン組成物。」(特許請求の範囲)
(1-2)「本発明は改良した難燃性ポリプロピレン組成物に関する。更に詳しくは本発明はブリード性の少ない、かつ高度な難燃効果を発揮し、作業性のよい難燃性ポリプロピレン組成物に関する。」(1頁1欄11?14行)
(1-3)「 一方、デカブロモジフエニルエーテル等の高融点の難燃剤の使用も提案されている。この場合、難燃剤が樹脂中に分散した系をとつているため、ブリード性はほとんどないが、反面難燃効果が低い欠点を有し、それ故難燃化には多量の添加を要し、ポリプロピレン本来の物性が失われる結果をもたらしている。
本発明者は、このような揮散性やブリード性の少ない、かつ難燃性もよく、作業性もよいポリプロピレンの難燃化方法を鋭意研究した結果、テトラブロモビスフエノールAのビス(2,3-ジブロモプロピル)エーテル(以下DPTBAと略称)とテトラブロモビスフエノールSのビス(2,3-ジブロモプロピル)エーテル(以下DPTBSと略称)とを特定割合で組合せてポリプロピレンに添加した場合、これらの相乗効果によつてブリードの発生が非常に少なくなり、かつ優れた難燃効果を発揮し、しかも作業性にすぐれた難燃性ポリプロピレン組成物の得られることを知見し、本発明に到達した。」(1頁2欄17行?2頁3欄10行)
(1-4)「これらを併用してなる難燃剤の添加量は、通常本発明組成物中のブロム量として1?30重量%となるよう、好ましくは2?15重量%となるようにするのがよい。勿論要求される難燃性に応じて上記難燃剤の量は調節すればよい。例えばアメリカのUL規格のUL-94に定められた難燃基準V-2とするには、本発明組成物中のブロム量として1.8重量%以上存在させればよい。又同じ規格に定められたV-0とするには本発明組成物中のブロム量として5.5重量%以上存在させればよい。」(2頁3欄40行?同頁4欄5行)
(1-5)「実施例1?4
ペレット状のプロピレン・エチレンコポリマー(三井東圧化学(株)ノーブレンBJH-M)100重量部に難燃剤としてDPTBAとDPTBSとを表1に示す添加量及び割合で添加し、・・・」(3頁5欄4?8行)
(1-6)表1の実施例1、2、3及び4には、DPTBA(重量部)とDPTBS(重量部)を、それぞれ、7と3、6と4、5と5及び2と8、配合したことが記載されている。(3頁表1)

引用文献2
(2-1)「 熱可塑性樹脂(A)、ハロゲン化有機化合物(B)及び脂肪族カルボン酸のアルミニウム塩(C)を含有することを特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成物。」(請求項1)
(2-2)「【産業上の利用分野】本発明は加熱加工時の金型汚染を抑制した熱可塑性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、臭素系難燃剤を含有するスチレン系樹脂組成物の加熱加工を行なう際に、樹脂より生ずる分解ガスや揮発分等による成形金型表面への錆や曇りの発生を抑制した難燃性樹脂組成物に関する。」(段落【0001】)
(2-3)「本発明が解決しようとする課題は優れた難燃性を有し、かつ熱安定性、特に金型汚染防止効果に優れた難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。」(段落【0004】)
(2-4)「【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる観点から、熱可塑性樹脂に臭素系難燃剤を添加した樹脂組成物に対し、熱安定化効果が良好で、加熱加工時の金型汚染防止効果に優れる安定剤につき鋭意検討を重ねた結果、熱可塑性樹脂にハロゲン化有機化合物及び脂肪族カルボン酸のアルミニウム塩を使用した場合、該樹脂組成物の加熱加工時の金型汚染が良好に抑制され、熱安定性が格段に向上する事を見いだし、本発明を完成するに至った。」(段落【0005】)
(2-5)「本発明で使用する熱可塑性樹脂(A)としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリブチレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン及びこれらの共重合体、・・・」(段落【0007】)
(2-6)「本発明で使用するハロゲン化有機化合物(B)としては、通常、ハロゲン化有機系難燃剤として用いられているものが何れも使用できるが、例えばトリス(2,3-ジブロムプロピル)フォスフェ-ト、トリス(ブロムクロルプロピル)フォスフェ-ト、トリス(トリブロムフェニル)フォスフェ-ト、トリス(トリブロムネオペンチル)フォスフェ-ト等のハロゲン化燐酸エステル系難燃剤、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールAのポリカーボネートオリゴマー、テトラブロムビスフェノールAから誘導されるエポキシ系化合物、テトラブロモビスフェノールS、デカブロモジフェニルオキサイド、エチレンビス(テトラブロムフタル)イミド、ヘキサブロモジフェニルオキサイド、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、トリブロモフェノール、ペンタブロモフェノール等の臭素化芳香族化合物、臭素化カルボン酸エステル類、含臭素アルコール類、含臭素ポリオール類、臭素化アルキル基含有化合物、モノブロモシクロヘキサン、ポリブロモシクロヘキサン、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモ無水フタル酸及びこれらの誘導体等の臭素化脂肪族化合物が含まれる。これら化合物は単独又は2種以上で配合が可能である。」(段落【0013】)
(2-7)「本発明で使用する脂肪族カルボン酸のアルミニウム塩(C)としては、例えばウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等のアルミニウム塩があげられる。中でも加熱加工時における樹脂組成物からの漏出が少ないことによる、金型汚染防止効果と金型離型効果とのバランスに優れる点からステアリン酸アルミニウムが好ましい。」(段落【0015】)
(2-8)「上記各成分の配合割合としては、特に限定されるものではないが熱可塑性樹脂(A)の場合、100重量部に対しする割合として、ハロゲン系有機化合物(B)の場合、通常3?30重量部、中でも難燃化効果に優れる点から8?25重量部であることが好ましく、脂肪族カルボン酸のアルミニウム塩(C)の場合通常0.03?5重量部、中でも難燃化効果及び金型汚染防止効果に優れる点から0.1?3重量部が好ましく、有機錫系化合物(D)の場合、通常0.03?5重量部、中でも金型汚染防止効果が好ましい点から0.1?3重量部が好ましく、塩基性無機物の場合、通常0.1?5重量部、中でも金型汚染防止効果に優れる点から0.1?3重量部が好ましい。」(段落【0023】)

6.対比、判断
引用文献1の特許請求の範囲には、
「ポリプロピレンに、難燃剤としてテトラブロモビスフエノールAのビス(2,3-ジブロモプロピル)エーテルとテトラブロモビスフエノールSのビス(2,3-ジブモプロピル)エーテルとを重量比7:3乃至1:9の割合で配合してなり、且つポリプロピレンと該難燃剤との合計重量を基準にしてブロムの量が1?30重量%であることを特徴とする難燃性ポリプロピレン組成物」〔摘示記載(1-1)〕
(以下、「引用組成物」という。)が記載されている。
引用組成物における「ポリプロピレン」はポリオレフィンに含まれるものであるから、本願発明と引用組成物とを対比すると、両者はともに、
「(A)ポリオレフィンに対して、(B)テトラブロモビスフェノールAのビス(2、3-ジブロモプロピル)エーテルとテトラブロモビスフェノールSのビス(2、3-ジブロモプロピル)エーテルを重量比1:9?3:7の割合で含む混合物を含有する難燃性樹脂組成物」である点で一致し、次の点で相違している。
相違点(イ)
(A)成分のポリオレフィンに配合する(B)成分の含有量について、本願発明が、「(A)ポリオレフィン100重量部に対して、(B)1?30重量部」としているのに対し、引用発明では、「ポリプロピレンと該難燃剤との合計重量を基準にしてブロムの量が1?30重量%」としている点
相違点(ロ)
本願発明が、難燃性樹脂組成物に対して、さらに「ポリオレフィン100重量部に対し脂肪酸のアルミニウム塩0.1?3.0重量部」を含有しているのに対して引用組成物はこれを含有していない点
これらの相違点について、以下に検討する。
相違点(イ)について
引用文献1には、プロピレン・エチレンコポリマー100重量部に対してDPTBA(テトラブロモビスフエノールAのビス(2,3-ジブロモプロピル)エーテル)とDPTBS(テトラブロモビスフエノールSのビス(2,3-ジブロモプロピル)エーテル)とを合計10重量部配合した実施例1?4〔摘示記載(1-5)、(1-6);略称については(1-3参照)〕が示されており、これらの実施例におけるポリオレフィンに対する難燃剤の配合量範囲は、本願発明(イ)の「(A)ポリオレフィン100重量部に対して、(B)1?30重量部」との範囲と重複一致している。
更に引用文献1には、難燃剤の添加量について、「勿論要求される難燃性に応じて上記難燃剤の量は調節すればよい。例えばアメリカのUL規格のUL-94に定められた難燃基準V-2とするには、本発明組成物中のブロム量として1.8重量%以上存在させればよい。又同じ規格に定められたV-0とするには本発明組成物中のブロム量として5.5重量%以上存在させればよい」〔摘示記載(1-4)〕と記載されており、難燃性に応じて難燃剤の含有量を調節することが教示されているから、この含有量範囲を本願発明の(イ)のように設定することは、所望の難燃性に応じて適宜実験的に行い得ることにすぎない。

相違点(ロ)について
引用文献2にはその特許請求の範囲に、「 熱可塑性樹脂(A)、ハロゲン化有機化合物(B)及び脂肪族カルボン酸のアルミニウム塩(C)を含有することを特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成物」〔摘示記載(2-1)〕が記載されており、また、「熱可塑性樹脂に臭素系難燃剤を添加した樹脂組成物に対し、熱安定化効果が良好で、加熱加工時の金型汚染防止効果に優れる安定剤につき鋭意検討を重ねた結果、熱可塑性樹脂にハロゲン化有機化合物及び脂肪族カルボン酸のアルミニウム塩を使用した場合、該樹脂組成物の加熱加工時の金型汚染が良好に抑制され、熱安定性が格段に向上する事を見いだし」〔摘示記載(2-4)〕と記載され、当該組成物の各成分の配合量については、「熱可塑性樹脂(A)の場合、100重量部に対する割合として、・・・、脂肪族カルボン酸のアルミニウム塩の場合通常0.03?5重量部、中でも難燃化効果及び金型汚染防止効果に優れる点から0.1?3重量部が好ましく」〔摘示記載(2-8)〕と記載されている。
そうすると、熱可塑性樹脂の難燃化において、臭素系難燃剤を採用する場合には、臭素系難燃剤と共に脂肪族カルボン酸のアルミニウム塩を配合すれば、熱可塑性樹脂組成物の難燃化と共に加熱加工時の金型汚染(金属腐食)が抑制できることは容易に予測できることである。
そして、引用文献2には、ハロゲン化有機化合物としてデカブロモジフェニルオキサイド、テトラブロムビスフェノールAから誘導されるエポキシ系化合物、テトラブロモビスフェノールS等が例示されており、通常、ハロゲン化有機系難燃剤として用いられているものが何れも使用できること〔摘示記載(2-6)〕も記載されている。
そうすると、テトラブロモビスフェノールAのビス(2、3-ジブロモプロピル)エーテルとテトラブロモビスフェノールSのビス(2、3-ジブロモプロピル)エーテルを含有する難燃性の引用組成物に、引用文献2に記載された技術を適用して難燃性の付与に加えて、加熱加工時の金型汚染(金属腐食)を抑制しようとすることは、当業者が容易に想到し得たものといえる。
そして、脂肪族カルボン酸のアルミニウム塩の配合量についても、引用文献2には、難燃化効果及び金型汚染防止効果に優れる点から熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1?3重量部が好ましいことも記載されているから、該適用にあたって、脂肪族カルボン酸のアルミニウム塩の添加量を本願発明の(ロ)のように「ポリオレフィン100重量部に対し脂肪酸のアルミニウム塩0.1?3.0重量部」とする点に特に困難性は見出せない。
そして、本願明細書の記載をみても、本願発明が上記(イ)及び(ロ)の点により特に予測を超える作用効果を生ずるものとは認められない。
したがって、本願発明は、引用文献1及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

7.以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-02-28 
結審通知日 2007-03-13 
審決日 2007-03-26 
出願番号 特願平7-250919
審決分類 P 1 8・ 121- Z (C08L)
P 1 8・ 561- Z (C08L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 關 政立中島 庸子  
特許庁審判長 井出 隆一
特許庁審判官 渡辺 陽子
宮坂 初男
発明の名称 難燃性樹脂組成物  
代理人 渡辺 喜平  

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