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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 取り消して特許、登録 G06F |
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管理番号 | 1157856 |
審判番号 | 不服2005-8295 |
総通号数 | 91 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2007-07-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-05-06 |
確定日 | 2007-06-05 |
事件の表示 | 平成10年特許願第145747号「眼鏡装用シミュレーションにおける合成画像作成方法」拒絶査定不服審判事件〔平成11年12月10日出願公開、特開平11-338905、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成10年5月27日の出願であって、平成17年3月10日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年5月6日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年6月6日付けで手続補正がなされたものである。 2.平成17年6月6日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成17年6月6日付けの手続補正を却下する。 [理由] 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、補正前の 「【請求項1】 コンピュータを用いたシミュレーションにより、眼鏡を装用していない人物の肖像画像に眼鏡フレーム画像を重ね合わせた合成画像を作成して表示画面上に表示する眼鏡装用シミュレーションにおける合成画像作成方法であって、 前記コンピュータによって、 前記人物の正面肖像画像及び側面肖像画像を取り込むステップと、 前記人物の正面肖像画像上の角膜頂点間距離に対して前記人物の角膜頂点間の実測した距離の比として正面肖像画像のスケーリング値Aを求めるステップと、 前記正面肖像画像及び側面肖像画像の両肖像画像において共通して明らかに特定できるポイントを高さ計測ポイントとし、前記正面肖像画像において左右の角膜頂点を結んだ直線からこの高さ計測ポイントまでの垂直距離である正面肖像画像の垂直距離L1を求めるとともに、前記側面肖像画像において右又は左の角膜頂点から前記高さ計測ポイントまでの距離である側面肖像画像の垂直距離L2を求めるステップと、 これら得られた正面肖像画像のスケーリング値Aと正面肖像画像の垂直距離L1と側面肖像画像の垂直距離L2とから、側面肖像画像のスケーリング値Bを次式、B=A×L1/L2により求めるステップと、 この側面肖像画像のスケーリング値Bを用いて、前記側面肖像画像と前記眼鏡フレーム画像とをそれらの実物の大きさに対して同一の比率にして眼鏡フレームを装用した側面画像を表示画面上に表示するステップとを実行することを特徴とする眼鏡装用シミュレーションにおける合成画像作成方法。」 から、 「【請求項1】 コンピュータを用いたシミュレーションにより、眼鏡を装用していない人物の肖像画像に眼鏡フレーム画像を重ね合わせた合成画像を作成して表示画面上に表示する眼鏡装用シミュレーションにおける合成画像作成方法であって、 前記コンピュータによって、前記人物の正面画像及び側面肖像画像を取り込むステップと、 前記人物の正面肖像画像上の角膜頂点間距離に対して前記人物の角膜頂点間の実測した距離の比として正面肖像画像のスケーリング値Aを求めるステップと、 正面肖像画像の所定部分の垂直距離L1及び前記正面肖像画像の所定部分に対応する側面肖像画像の垂直距離L2を求めるステップと、 これら得られた正面肖像画像のスケーリング値Aと正面肖像画像の垂直距離L1と側面肖像画像の垂直距離L2とから、側面肖像画像のスケーリング値Bを次式、B=A×L1/L2により求めるステップと、 この側面肖像画像のスケーリング値Bを用いて、前記側面肖像画像を前記眼鏡フレームの表示倍率に一致させてそれらの実物の大きさに対して同一の比率にして眼鏡フレームを装用した側面画像を表示画面上に表示するステップとを実行することを特徴とする眼鏡装用シミュレーションにおける合成画像作成方法。」 と補正されるものである。 垂直距離L1及び垂直距離L2を求めることに関して、 「前記正面肖像画像及び側面肖像画像の両肖像画像において共通して明らかに特定できるポイントを高さ計測ポイントとし、前記正面肖像画像において左右の角膜頂点を結んだ直線からこの高さ計測ポイントまでの垂直距離である正面肖像画像の垂直距離L1を求めるとともに、前記側面肖像画像において右又は左の角膜頂点から前記高さ計測ポイントまでの距離である側面肖像画像の垂直距離L2を求めるステップ」 を 「正面肖像画像の所定部分の垂直距離L1及び前記正面肖像画像の所定部分に対応する側面肖像画像の垂直距離L2を求めるステップ」 として、計測ポイントに関する限定を削除する補正は、特許請求の範囲の減縮、誤記の訂正、又は明りようでない記載の釈明のいずれを目的とするものともいえない。 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第4項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 3.本願発明について 3.1.本願発明 平成17年6月6日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1-3に係る発明は、平成17年2月21日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1-3に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 コンピュータを用いたシミュレーションにより、眼鏡を装用していない人物の肖像画像に眼鏡フレーム画像を重ね合わせた合成画像を作成して表示画面上に表示する眼鏡装用シミュレーションにおける合成画像作成方法であって、 前記コンピュータによって、 前記人物の正面肖像画像及び側面肖像画像を取り込むステップと、 前記人物の正面肖像画像上の角膜頂点間距離に対して前記人物の角膜頂点間の実測した距離の比として正面肖像画像のスケーリング値Aを求めるステップと、 前記正面肖像画像及び側面肖像画像の両肖像画像において共通して明らかに特定できるポイントを高さ計測ポイントとし、前記正面肖像画像において左右の角膜頂点を結んだ直線からこの高さ計測ポイントまでの垂直距離である正面肖像画像の垂直距離L1を求めるとともに、前記側面肖像画像において右又は左の角膜頂点から前記高さ計測ポイントまでの距離である側面肖像画像の垂直距離L2を求めるステップと、 これら得られた正面肖像画像のスケーリング値Aと正面肖像画像の垂直距離L1と側面肖像画像の垂直距離L2とから、側面肖像画像のスケーリング値Bを次式、B=A×L1/L2により求めるステップと、 この側面肖像画像のスケーリング値Bを用いて、前記側面肖像画像と前記眼鏡フレーム画像とをそれらの実物の大きさに対して同一の比率にして眼鏡フレームを装用した側面画像を表示画面上に表示するステップとを実行することを特徴とする眼鏡装用シミュレーションにおける合成画像作成方法。 【請求項2】 前記正面肖像画像のスケーリング値Aと前記側面肖像画像のスケーリング値Bとを用いて、眼鏡フレームを装用した正面画像及び側面画像とを同一のサイズで表示画面上に表示することを特徴とする請求項1に記載の眼鏡装用シミュレーションにおける合成画像作成方法。 【請求項3】 コンピュータを用いたシミュレーションにより、眼鏡を装用しない人物の肖像画像に眼鏡フレーム画像を重ね合わせた合成画像を作成して表示画面上に表示する眼鏡装用シミュレーション装置であって、 前記コンピュータは、 前記人物の正面肖像画像及び側面肖像画像を取り込むステップと、 前記人物の正面肖像画像上の角膜頂点間距離に対して前記人物の角膜頂点間の実測した距離の比として正面肖像画像のスケーリング値Aを求めるステップと、 前記正面肖像画像及び側面肖像画像の両肖像画像において共通して明らかに特定できるポイントを高さ計測ポイントとし、前記正面肖像画像の左右の角膜頂点を結んだ直線からこの高さ計測ポイントまでの垂直距離である正面肖像画像の垂直距離L1を求めるとともに、前記側面肖像画像において右又は左の角膜頂点から前記高さ計測ポイントまでの距離である側面肖像画像の垂直距離L2を求めるステップと、 これら得られた正面肖像画像のスケーリング値Aと正面肖像画像の垂直距離L1と側面肖像画像の垂直距離L2とから、側面肖像画像のスケーリング値Bを次式、B=A×L1/L2により求めるステップと、 この側面肖像画像のスケーリング値Bを用いて、前記側面肖像画像と前記眼鏡フレーム画像とをそれらの実物の大きさに対して同一の比率にして眼鏡フレームを装用した側面画像を表示画面上に表示するステップと、 を実行する機能を有するものであることを特徴とする眼鏡装用シミュレーション装置。」 3.2.引用文献 拒絶査定の理由となった平成16年11月29日付けの拒絶理由で引用された特開昭63-76581号公報(以下、引用文献1という。)及び特開平8-147494号公報(以下、引用文献2という。)には、以下の記載がある。 引用文献1(特開昭63-76581号公報) (1)「2.特許請求の範囲 CPU、AD変換器、画像記憶メモリー、DA変換器、第1の合成倍率で取込まれた眼鏡フレームデータメモリー、プラグラムメモリー、および操作手段を有するコンピューターとビデオカメラと表示装置とにより構成され、前記コンピューターによって、前記第1の合成倍率で取込まれた眼鏡フレームの撮像データと前記ビデオカメラからの人物像の撮像データとの合成画像を作成し、前記表示装置に人物が眼鏡を装着した状態を表示する眼鏡装用シミュレーション装置における合成画像作成方法であって、前記ビデオカメラによって前記コンピューターに取り込まれた眼鏡を装用していない人物の表示画面における静止画像から検出した左右両限の角膜頂点位置座標と、前記コンピューターの前記操作手段から入力された人物の瞳孔間距離情報とにより、前記表示画面における表示画像の実際の人物に対する第2の合成倍率を計算し、前記第2の合成倍率に基づき前記表示画面における眼鏡フレーム合成位置、ならびに人物像および眼鏡フレーム像の第3の合成倍率を計算し、人物と眼鏡フレームとの合成画像を前記表示装置に表示させることを特徴とする眼鏡装用シミュレーション装置における合成画像作成方法。」 引用文献2(特開平8-147494号公報) (2)「【特許請求の範囲】 【請求項1】頭髪を含んだ頭部の画像を取り込む頭部画像入力部と、前記頭部画像入力部から出力された頭部画像を入力として頭髪もしくは頭髪を含む頭部の形状を近似する頭部形状モデルを生成する頭部形状モデル生成部と、前記頭部画像から頭髪を表現する頭髪テクスチャ画像を生成する頭髪テクスチャ画像生成部と、テクスチャマッピングを用いて画像を表示するテクスチャマッピング表示部を具備し、前記頭部形状モデルと前記頭髪テクスチャ画像を前記テクスチャマッピング表示部により表示することによって頭髪画像を表現することを特徴とする頭髪画像生成装置。」 (3)「【0006】 【作用】本発明において、頭部画像入力部は、対象人物の頭部を撮影し、取り込んだアナログ画像をディジタル画像に変換して出力し、頭部形状モデル生成部は、頭部画像入力部が出力した画像を入力として、頭髪または頭髪を含んだ頭部の外形を近似する3次元の頭部形状モデルを出力し、頭髪テクスチャ画像生成部は、頭部画像入力部が出力した画像を入力として、3次元形状から展開した頭髪を表現する頭髪テクスチャ画像を生成し、テクスチャマッピング表示部は、頭部形状モデル生成部が出力した頭部形状モデルと頭髪テクスチャ画像生成部が出力した頭髪テクスチャ画像を入力し、それらをテクスチャマッピングによって表示する。」 (4)「【0015】正面頭部画像51、左側面頭部画像52、背面頭部画像53から、頭髪部抽出手段41によって頭髪領域を求める。頭髪部抽出手段41としては、例えば、電子情報通信学会全国大会講演論文集7(1990年)第377頁から第378頁に発表されている。図5において、正面頭部画像51、左側面頭部画像52、背面頭部画像53のうち斜線をつけた領域がそれぞれの頭髪領域である。これらの頭髪領域の大きさを合わせるために頭部画像のスケーリングを行う。まず、正面頭部画像51の水平方向の矢印で示した大きさと背面頭部画像53の水平方向の矢印で示した大きさが等しくなるように、正面頭部画像51のスケーリングを行う。つぎに、左側面頭部画像52の鉛直方向の矢印で示した大きさと背面頭部画像53の鉛直方向の矢印で示した大きさが等しくなるように左側面頭部画像52のスケーリングを行う。」 (5)「【0035】まず頭部形状モデル生成部25での処理と同様に、正面頭部画像51、左側面頭部画像52、背面頭部画像53、右側面頭部画像54から、頭髪部抽出手段41により頭髪領域を求める。図5において、正面頭部画像51、左側面頭部画像52、背面頭部画像53、右側面頭部画像54に斜線をつけた部分が、それぞれの頭髪領域である。この頭髪領域の大きさを合わせるために、スケーリングを行う。正面頭部画像51、左側面頭部画像52、背面頭部画像53のスケーリングは頭部形状モデル生成部25での処理と同様である。右側面頭部画像54については、図5において右側面頭部画像54の垂直方向の矢印で示した大きさと、左側面頭部画像52の垂直方向の矢印で示した大きさが等しくなるように、右側面頭部画像54のスケーリングを行う。」 (6)「【0053】 【発明の効果】以上のように本発明は、頭部を撮影し、その頭部画像から頭髪または頭髪を含めた頭部の外形を近似する頭部形状モデル、および頭髪を表現する頭髪テクスチャ画像を生成し、テクスチャマッピングに描画を行うことにより、頭髪画像を得るものである。この頭髪画像は、実写を用いることと、現実の頭髪形状もしくは頭部形状に近いモデルにマッピングを行うことから、作りもののような違和感は少ない。また、頭部の撮影角度、および撮影数に応じた範囲のあらゆる角度から見て、違和感の少ないものである。特に頭部を正面、左右両側面、背面から撮影した正面頭部画像、左側面頭部画像、背面頭部画像、右側面頭部画像を用いることにより、水平方向のいかなる角度から見ても違和感の少ない頭髪画像を表現できる。」 3.3.判断 引用文献1の第2の合成倍率を計算することが、本願の請求項1に係る発明の正面肖像画像のスケーリング値Aを求めることに対応するとしても、引用文献1には、側面肖像画像のような他の方向の画像に関する事項については記載も示唆もない。 引用文献2には、上記(4)及び(5)のように、異なる方向の画像間のスケーリングを行うことが記載されているが、上記(2)、(3)、及び(6)のように引用文献2のものは、異なる方向の画像から、頭髪または頭髪を含めた頭部の外形を近似する頭部形状モデル、及び頭髪を表現する頭髪テクスチャ画像を生成し、テクスチャマッピングして描画を行うことにより、頭髪画像を得るものであり、他の画像の合成を行うためにスケーリング値を求めることについては記載も示唆もない。 そして、一方向の画像に関する事項しか記載されていない引用文献1に、異なる方向の画像間のスケーリングを行う引用文献2の技術を適用することはできないから、引用文献1及び2を組み合わせたとしても、「前記正面肖像画像及び側面肖像画像の両肖像画像において共通して明らかに特定できるポイントを高さ計測ポイントとし、前記正面肖像画像において左右の角膜頂点を結んだ直線からこの高さ計測ポイントまでの垂直距離である正面肖像画像の垂直距離L1を求めるとともに、前記側面肖像画像において右又は左の角膜頂点から前記高さ計測ポイントまでの距離である側面肖像画像の垂直距離L2を求めるステップ」により求められた垂直距離L1及び垂直距離L2と、正面肖像画像のスケーリング値Aとから、「これら得られた正面肖像画像のスケーリング値Aと正面肖像画像の垂直距離L1と側面肖像画像の垂直距離L2とから、側面肖像画像のスケーリング値Bを次式、B=A×L1/L2により求めるステップ」により側面肖像画像のスケーリング値Bを求めて、「この側面肖像画像のスケーリング値Bを用いて、前記側面肖像画像と前記眼鏡フレーム画像とをそれらの実物の大きさに対して同一の比率にして眼鏡フレームを装用した側面画像を表示画面上に表示するステップ」により側面画像を表示する本願の請求項1に係る発明のようにすることは、当業者といえども容易になしえることではない。 本願の請求項2に係る発明は、請求項1を引用するものであり、本願の請求項3に係る発明は、本願の請求項1に係る発明と同様のステップ、を実行する機能を有するコンピュータを発明特定事項とするものである。 したがって、本願の請求項1-3に係る発明は、引用文献1及び2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3.4.むすび 上述のように、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2007-05-23 |
出願番号 | 特願平10-145747 |
審決分類 |
P
1
8・
572-
WY
(G06F)
P 1 8・ 121- WY (G06F) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 木方 庸輔、加舎 理紅子 |
特許庁審判長 |
板橋 通孝 |
特許庁審判官 |
井上 健一 加藤 恵一 |
発明の名称 | 眼鏡装用シミュレーションにおける合成画像作成方法 |
代理人 | 阿仁屋 節雄 |
代理人 | 清野 仁 |
代理人 | 油井 透 |