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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 産業上利用性 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1158067 |
審判番号 | 不服2004-12188 |
総通号数 | 91 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2007-07-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-06-14 |
確定日 | 2007-05-21 |
事件の表示 | 平成11年特許願第 96995号「サーバ装置及びその制御方法、クライアント端末、ポートフォリオ提示装置、コンピュータプログラムの記録媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成12年10月20日出願公開、特開2000-293569〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1.手続の経緯 本願は、平成11年4月2日の出願であって、平成16年3月11日付で拒絶査定がされ、これに対し、同年6月14日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同年7月14日付で手続補正がなされたものである。 第2.平成16年7月14日付の手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成16年7月14日付の手続補正を却下する。 [理由] 1.本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、 「【請求項1】サーバ装置及びクライアント端末により構成されるポートフォリオ提示システムにおいて、所定の運用期間における複数の金融商品を組み合わせたポートフォリオのデータを前記クライアント端末に表示させるための前記サーバ装置であって、 前記複数の金融商品の市場価格に関わるシナリオを、前記所定の運用期間における市場価格変動の空間を特定する変動シナリオデータとして複数設定し、データベースに登録するための設定登録手段であって、 前記データベースには、前記市場価格における短期金利及び長期金利のそれぞれについてのヒストリカルボラティリティと、前記短期金利及び長期金利について期間の始点及び終点における各金利情報とが格納され、 前記各金利情報と、ヒストリカルボラティリティの2倍の変化率とにより、前記始点及び終点についてそれぞれ3通り金利情報を算出し、前記始点及び終点のそれぞれについての算出した前記金利情報とを組み合わせて、前記短期金利及び前記長期金利が不変、下落、上昇する場合の金利変化のパターンを表す基本シナリオデータを生成する基本シナリオデータ生成手段と、 前記基本シナリオデータについて、前記短期金利及び前記長期金利とが不変、下落、上昇のそれぞれ場合につき、前記市場価格の変化過程を表すパラメータを設定して前記基本シナリオデータを構成する各金利情報の値を修正し、変動シナリオデータを生成する変動シナリオデータ生成手段とを備える設定登録手段と、 前記データベースに登録された前記複数の金融商品のデータの将来における、売買時期、契約時期、解約時期を、当該金融商品の特性に合わせて前記運用期間内の所定の間隔に割り当てたものを、任意に組み合わせて生成された複数のポートフォリオデータにつき、前記データベースに登録された前記複数の変動シナリオデータの全てにおける期待値を算出する期待値算出手段と、 前記算出された期待値と所定の閾置とを比較し、前記算出された期待値の全てが一定以上の値を有するポートフォリオデータを前記変動シナリオデータ毎に決定するポートフォリオ決定手段と、 前記決定されたポートフォリオデータを組み入れ資産として導入されるポートフォリオデータにつき、前記導入されたポートフォリオデータのボラティリティを最小化して最適なポートフォリオデータを決定する最適化手段であって、 前記変動シナリオデータ毎の前記決定されたポートフォリオデータを組み入れ資産として導入されるポートフォリオデータにつき、前記変動シナリオデータ毎の分散共分散行列を算出する算出手段と、 目標期待値を設定する設定手段と、 設定された前記目標期待値毎に前記分散共分散行列を用いて計算される前記ポートフォリオデータの分散を最小化することにより前記ボラティリティを最小化して最適なポートフォリオを決定する最適ポートフォリオ決定手段とを備える最適化手段と、 前記変動シナリオの全部または一部のシナリオについて、前記最適なポートフォリオデータを前記クライアント端末へ送信する送信手段と を備えることを特徴とするサーバ装置。」と補正された。 上記補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「設定登録手段」、「ポートフォリオ決定手段」及び「最適化手段」について限定を付加するものであるから、特許法17条の2第4項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法17条の2第5項において準用する同法126条5項の規定に適合するか)について以下に検討する。 2.原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由のうち、特許法29条1項柱書に関する理由は概略、次のとおりである。 請求項1の記載は、最適ポートフォリオを求めるために必要な手続(計算処理やパラメータの設定)の内容を、単に機能的に特定するに留まり、その処理を果たすために、ソフトウェアによる情報処理がコンピュータのハードウェア資源をどのように用いて具体的に実現されているのか特定するものとはいえないため、自然法則を利用した技術的思想の創作とは認められない。 したがって、本願発明は特許法第29条1項柱書に規定する要件を満たしていないから、特許を受けることができない。 3.独立特許要件の判断 特許法29条1項柱書に規定される「産業上利用することができる発明」であるためには、同法2条で定義される「発明」でなければならない。 そこで、本願補正発明が、特許法2条で定義される「発明」、すなわち「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当するか否かについて検討する。 (1)サーバ装置とクライアント端末とにより構成されるシステムは、本件出願時点において、既に当業者に自明の事項である。そして生成したデータをデータベースに登録する手段、及び生成したデータをクライアント端末へ送信する手段も、サーバ装置の機能として自明の手段である。 (2)「複数の金融商品の市場価格」、「所定の運用期間における市場価格変動の空間」、「短期金利及び長期金利のそれぞれについてのヒストリカルボラティリティ」及び「短期金利及び長期金利について期間の始点及び終点における金利情報」は、経済における人為的な取り決めに基づいた情報であって、自然法則と無関係な情報にすぎず、それらを基に生成される「変動シナリオデータ」、「ポートフォリオ」及び「最適なポートフォリオ」という情報自体も、自然法則を利用した技術的思想の創作とならないことは明らかである。 (3)本願請求項1の記載を検討する。 ア 「サーバ装置及びクライアント端末により構成されるポートフォリオ提示システムにおいて、所定の運用期間における複数の金融商品を組み合わせたポートフォリオのデータを前記クライアント端末に表示させるための前記サーバ装置であって、」の記載は、ポートフォリオ提示システムにおけるサーバ装置が、所定の運用期間における複数の金融商品を組み合わせたポートフォリオのデータをクライアント端末に表示させることが、ハードウエアとして記載されているが、サーバ装置及びクライアント端末のそのコンピュータとしての本来の道具としての機能を示したにとどまり、サーバ装置、及びクライアント端末の具体的な技術的手段が特定されているとはいえない。 イ 「前記複数の金融商品の市場価格に関わるシナリオを、前記所定の運用期間における市場価格変動の空間を特定する変動シナリオデータとして複数設定し、データベースに登録するための設定登録手段であって、」の記載は、データを設定し、データベースに登録するというコンピュータのその本来の道具としての機能を示したにとどまり、サーバ装置としての技術的手段が特定されているとはいえない。 ウ 「前記データベースには、前記市場価格における短期金利及び長期金利のそれぞれについてのヒストリカルボラティリティと、前記短期金利及び長期金利について期間の始点及び終点における各金利情報とが格納され、」の記載は、データベースに、「短期金利及び長期金利のそれぞれについてのヒストリカルボラティリティ」及び「短期金利及び長期金利について期間の始点及び終点における金利情報」とが格納されているというデータベースの本来の機能が示されているにとどまり、サーバ装置としての技術的に特有な構成が明記されてはいない。なお、格納されるデータの内容に技術的特徴がないことは、上述のとおりである。 エ 「前記各金利情報と、ヒストリカルボラティリティの2倍の変化率とにより、前記始点及び終点についてそれぞれ3通り金利情報を算出し、前記始点及び終点のそれぞれについての算出した前記金利情報とを組み合わせて、前記短期金利及び前記長期金利が不変、下落、上昇する場合の金利変化のパターンを表す基本シナリオデータを生成する基本シナリオデータ生成手段と、」の記載は、「各金利情報」と「ヒストリカルボラティリティの2倍の変化率」とを用いて、算出することにより、基本シナリオデータを生成するという、コンピュータが本来備えている「演算」という道具としての機能を示しているにとどまり、ソフトウエアによる情報処理をハードウエア資源を用いて具体的に実現された技術的手段が記載されているとはいえない。 オ 「前記基本シナリオデータについて、前記短期金利及び前記長期金利とが不変、下落、上昇のそれぞれ場合につき、前記市場価格の変化過程を表すパラメータを設定して前記基本シナリオデータを構成する各金利情報の値を修正し、変動シナリオデータを生成する変動シナリオデータ生成手段とを備える設定登録手段と、」の記載は、設定したパラメータを基に「基本シナリオデータ」を修正して「変動シナリオデータ」を生成するという、コンピュータの演算という本来の機能を記載したものにすぎず、具体的なハードウエアを用いた生成手段が明記されているものではない。 カ 「前記データベースに登録された前記複数の金融商品のデータの将来における、売買時期、契約時期、解約時期を、当該金融商品の特性に合わせて前記運用期間内の所定の間隔に割り当てたものを、任意に組み合わせて生成された複数のポートフォリオデータにつき、前記データベースに登録された前記複数の変動シナリオデータの全てにおける期待値を算出する期待値算出手段と、」の記載は、「任意に組み合わせて生成された複数のポートフォリオデータ」につき、「データベースに登録された前記複数の変動シナリオデータ」の全てにおける期待値を算出するにとどまり、演算というコンピュータ本来の道具としての機能を記載したものにすぎず、ソフトウエアによる情報処理をハードウエア資源を用いて具体的に実現された技術的手段が明記されているとはいえない。 キ 「前記算出された期待値と所定の閾置とを比較し、前記算出された期待値の全てが一定以上の値を有するポートフォリオデータを前記変動シナリオデータ毎に決定するポートフォリオ決定手段と、」の記載は、算出された期待値と所定の閾値とを比較して、変動シナリオデータ毎に、一定以上の値を有するかを判断することによりポートフォリオを決定するという、人為的取り決めをもとに、数値の大小関係の比較という道具としてコンピュータを用いることが示されているが、具体的なハードウエア資源を用いたポートフォリオ決定手段が示されているものではない。 ク 「前記決定されたポートフォリオデータを組み入れ資産として導入されるポートフォリオデータにつき、前記導入されたポートフォリオデータのボラティリティを最小化して最適なポートフォリオデータを決定する最適化手段であって、」の記載は、導入されたポートフォリオデータのボラティリティを最小化して最適なポートフォリオデータを決定するというコンピュータの演算機能を示したにとどまり、最適化手段としての具体的な技術的手段が特定されているとはいえない。 ケ 「前記変動シナリオデータ毎の前記決定されたポートフォリオデータを組み入れ資産として導入されるポートフォリオデータにつき、前記変動シナリオデータ毎の分散共分散行列を算出する算出手段と、」の記載は、変動シナリオデータ毎の分散共分散行列を算出するというコンピュータの通常の道具としての演算機能を示したにすぎず、ハードウエア資源を用いた具体的に実現された技術的手段が明記されているとはいえない。 コ 「目標期待値を設定する設定手段と、 設定された前記目標期待値毎に前記分散共分散行列を用いて計算される前記ポートフォリオデータの分散を最小化することにより前記ボラティリティを最小化して最適なポートフォリオを決定する最適ポートフォリオ決定手段とを備える最適化手段と、」の記載は、設定された目標期待値毎に分散共分散行列を用いて計算することにより、ボラティリティを最小化して最適なポートフォリオを決定するというコンピュータの通常の道具としての演算機能を示したにとどまり、最適化手段としての具体的な技術的手段が明記されているとはいえない。 サ 「前記変動シナリオの全部または一部のシナリオについて、前記最適なポートフォリオデータを前記クライアント端末へ送信する送信手段と を備えることを特徴とするサーバ装置。」の記載における「最適なポートフォリオデータ」を送信することは、サーバ装置及びクライアント端末により構成されるシステムにおけるサーバ装置が本来備えている、データを送信することを単に明記したにすぎず、送信するデータである「最適なポートフォリオデータ」の内容は、自然法則と無関係な経済的な知見にもとづく情報であって、ハードウエアとの関係が技術的特徴として明記されているとはいえない。 (4)したがって、本願請求項1にはサーバ装置、クライアント端末、データベース及び送信手段等、コンピュータのハードウエア資源としての記載は認められるものの、全体としてみれば、コンピュータを単に道具として用いて「最適なポートフォリオ」を演算することが記載されているのみであり、その演算のための特別なサーバ装置を実現しているとはいえず、本願補正発明の特徴部分は、「最適なポートフォリオ」の数学的な計算手順にあるといえる。 しかしながら、数学的な計算手順は、「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当するものでないことは明らかである。 よって、本願補正発明は全体としてみても、自然法則を利用した手段は、コンピュータが本来備えている道具としての機能であり、ハードウエア資源を用いて具体的に処理を実現しているとはいえないので、「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当するものではないから、特許法2条で定義される「発明」に該当しない。 (5)なお、審判請求人は、審尋に対する回答書において「請求項1に記載の本願発明では、設定登録手段、期待値算出手段、及び、ポートフォリオ決定手段を組み合わせることにより、現実の金利変動パターンを包含するような複数のシナリオを設定し、このシナリオの全てにおいて一定の期待値を有するポートフォリオを決定することができるので、将来的な金利変動にかかわらず利益を出し得るポートフォリオを決定することができます。 即ち、本願発明は上述の手段を組み合わせた点に技術的特徴を有するものであって、この技術的特徴は、引用文献1及び2に開示される"各シナリオ毎に達成金額が大きいポートフォリオを決定するのか"という発明が抱える、シナリオが実現しなければ目的が達成できないという大きな問題点を解消できることにより裏付けられるものです。 従って、請求項1及びこれに従属する請求項2乃至5の発明は、自然法則を利用した技術的思想の創作に該当する法上の発明であると思料いたします。」と主張するが、設定登録手段、期待値算出手段、及び、ポートフォリオ決定手段を組み合わせたポートフォリオ提示システムは、新規で有用な効果を奏するとしても、それは人為的取り決めに基づく、特許法の対象としないものであり、具体的なハードウエア資源として記載された設定登録手段、期待値算出手段、及び、ポートフォリオ決定手段は、単に道具としてのコンピュータ本来の機能を記載したものにすぎず、ソフトウエアによる情報処理をハードウエア資源を用いて具体的に実現された技術的手段が明記されているとはいえない。 (6)以上のとおりであるから、本願補正発明は、特許法2条で定義される発明に該当せず、同法29条1項柱書に規定する要件を満たしていないので、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4.むすび 以上のとおり、本件補正は、特許法17条の2第5項において準用する同法126条5項の規定に違反するものであるから、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 第3.本願発明について 平成16年7月14日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項にかかる発明は、平成15年11月10日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1ないし13に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に記載された発明(以下「本願発明」という。)は次のとおりである。 「【請求項1】 サーバ装置及びクライアント端末により構成されるポートフォリオ提示システムにおいて、所定の運用期間における複数の金融商品を組み合わせたポートフォリオのデータを前記クライアント端末に表示させるための前記サーバ装置であって、 前記複数の金融商品の市場価格に関わるシナリオを、前記所定の運用期間における市場価格変動の空間を特定する変動シナリオデータとして複数設定し、データベースに登録するための設定登録手段と、 前記データベースに登録された前記複数の金融商品のデータのいずれかを任意に組み合わせて生成された複数のポートフォリオデータにつき、前記データベースに登録された前記複数の変動シナリオデータの全てにおける期待値を算出し、前記算出された期待値の全てが一定以上の値を有するポートフォリオデータを決定するポートフォリオ決定手段と、 前記決定されたポートフォリオデータを組み入れ資産として導入されるポートフォリオデータにつき、前記導入されたポートフォリオデータのボラティリティを最小化して最適なポートフォリオデータを決定する最適化手段と、 前記変動シナリオの全部または一部のシナリオについて、前記最適なポートフォリオデータを前記クライアント端末へ送信する送信手段と を備えることを特徴とするサーバ装置。」 1.特許法第29条第1項柱書に規定する要件について 本願発明が、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしているか否か検討する。 本願発明は、前記第2の項で検討した本願補正発明から、発明を限定する事項である、 (a)「前記データベースには、前記市場価格における短期金利及び長期金利のそれぞれについてのヒストリカルボラティリティと、前記短期金利及び長期金利について期間の始点及び終点における各金利情報とが格納され、前記各金利情報と、ヒストリカルボラティリティの2倍の変化率とにより、前記始点及び終点についてそれぞれ3通り金利情報を算出し、前記始点及び終点のそれぞれについての算出した前記金利情報とを組み合わせて、前記短期金利及び前記長期金利が不変、下落、上昇する場合の金利変化のパターンを表す基本シナリオデータを生成する基本シナリオデータ生成手段と、前記基本シナリオデータについて、前記短期金利及び前記長期金利とが不変、下落、上昇のそれぞれ場合につき、前記市場価格の変化過程を表すパラメータを設定して前記基本シナリオデータを構成する各金利情報の値を修正し、変動シナリオデータを生成する変動シナリオデータ生成手段とを備える」 (b)「の将来における、売買時期、契約時期、解約時期を、当該金融商品の特性に合わせて前記運用期間内の所定の間隔に割り当てたものを、」「する期待値算出手段と、」「と所定の閾置とを比較し、前記算出された期待値」「前記変動シナリオデータ毎に」 (c)「前記変動シナリオデータ毎の前記決定されたポートフォリオデータを組み入れ資産として導入されるポートフォリオデータにつき、前記変動シナリオデータ毎の分散共分散行列を算出する算出手段と、 目標期待値を設定する設定手段と、 設定された前記目標期待値毎に前記分散共分散行列を用いて計算される前記ポートフォリオデータの分散を最小化することにより前記ボラティリティを最小化して最適なポートフォリオを決定する最適ポートフォリオ決定手段とを備える」 を省くものであるから、本願補正発明と同様の理由により、自然法則を利用したものとはいえず、特許法第2条で定義される「発明」に該当しない。 2.むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていないので、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-12-15 |
結審通知日 | 2006-12-18 |
審決日 | 2007-01-04 |
出願番号 | 特願平11-96995 |
審決分類 |
P
1
8・
14-
Z
(G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 関 博文 |
特許庁審判長 |
杉山 務 |
特許庁審判官 |
伊知地 和之 鈴木 明 |
発明の名称 | サーバ装置及びその制御方法、クライアント端末、ポートフォリオ提示装置、コンピュータプログラムの記録媒体 |
代理人 | 大塚 康徳 |