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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1158125 |
審判番号 | 不服2004-24606 |
総通号数 | 91 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2007-07-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-12-02 |
確定日 | 2007-05-23 |
事件の表示 | 特願2004- 93930「ネットワーク上での印刷を仲介するシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 9月16日出願公開、特開2004-259289〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続きの経緯・本願発明の要旨 本願は、平成12年8月10日に出願した特願2000-242700号の一部を平成16年3月29日に新たに特許出願としたものであって、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成16年10月6日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものと認める。 「ネットワークに接続された複数のクライアントと複数の印刷装置の間を仲介して両者間の印刷を実現する印刷仲介方法であって、 (a)データの仲介を行なう仲介サーバコンピュータが、前記クライアントから、前記ネットワーク上に存在する印刷データの情報と、該印刷データの出力先となる前記印刷装置を指定する出力先指定情報とを受けるステップと、 (b)前記仲介サーバコンピュータが、前記クライアントから、前記印刷データの印刷に要する印刷費用の課金先を特定しかつ課金を実行し得る課金情報を含み、前記印刷データの印刷を要求する印刷要求を受けるステップと、 (c)前記仲介サーバコンピュータが、前記印刷データの情報に基づいて、前記印刷データを、該印刷データの存在する前記ネットワーク上の場所から取得し、前記印刷データを、前記印刷装置での出力用に予め設定された汎用フォーマットに変換するステップと、 (d)前記仲介サーバコンピュータが、前記課金情報を含む印刷要求を確認した後に、該変換された印刷データを、前記指定された印刷装置に仲介するステップと を備える印刷仲介方法。」 2.引用例 (1)原査定の拒絶の理由に引用された、特開平7-200423号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに次の記載がある。 (イ)「【0004】 【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するために本発明では、データを記憶する記憶装置とデータを出力する出力装置を接続可能な制御装置を発明した。 【0005】 【作用】 本発明によりオペレータからの出力手順を記憶装置に記憶し、記憶後出力完了報告を行うことにより、オペレータの待ち時間を短縮し作業の効率化が計られる。尚、記憶された出力手順を自動的に読み出し出力手順通りに出力する。 【0006】 また、出力手順である出力順,出力数,出力装置等の変更を行うことにより、先に出力したいデータを優先して出力する等の制御が可能である。」(段落【0004】?【0006】第2頁第1欄第36行?第48行) (ロ)「【0008】 ネットワーク10は、制御装置間を結びデータの転送を行う。出力サーバ11は、ネットワーク10を介して出力要求を受け付け出力データを印刷装置12に送る制御装置である。印刷装置12は、出力サーバ11から受け取った印刷データを印刷する。ファイルサーバ13は、ネットワークを介してデータのリードおよびライト要求を受け付け記憶装置14に対してリードおよびライトの制御を行う。記憶装置14および18は、データを記憶している。クライアント15,16および17は、ネットワークを介してファイルサーバ13からデータの検索指示を行ったり、出力サーバ11に印刷の指示を行う。 【0009】 図2に出力要求IDを示す。位置情報20は、出力するデータの存在する位置を示し、ステーション名,ドライブ名,ファイル名および出力範囲からなる。出力形式21は、出力部数,用紙サイズおよび出力装置からなる。このうち、出力装置212には、印刷装置,ファクシミリ等の出力装置の種類および同一出力装置が複数接続されていた時の装置番号の指定を行う。データ形式22は、文字コードからなる。文字コード220は、バイナリデータおよびシフトJISコード等の指定およびバイナリデータでも画像データの圧縮形式を指定する。ユーザ情報23は、出力データの機密保護のために持つ情報であり、出力を要求したユーザ名及びユーザのパスワードからなる。 【0010】 クライアントは、ファイルサーバおよび自らの制御装置に接続された記憶装置のデータを検索し、出力したいデータの位置情報,出力形式等を出力要求IDとして出力サーバに送り、出力サーバから出力終了報告が来るまで待つ。 【0011】 一方、出力サーバは、クライアントから受け取った出力要求IDを出力サーバ内に持つ記憶装置に記憶し、出力要求IDの記憶が終るとクライアントに対して出力終了報告をする。図3は、出力要求IDを記憶する出力管理表を示す。出力管理表には、出力順,要求ステーション名,出力要求IDおよび出力状態等を管理する。要求ステーションは、出力を要求したステーション名を示し、出力状態は、出力要求のデータを出力装置に出力中,出力装置の空くのを待っている出力待ち,出力装置等でエラーが発生等の状態を示す。 【0012】 出力サーバは、自動的にまたはオペレータの指示により出力管理表を参照し出力すべきデータがある場合、出力順に従い出力要求IDで指定されたデータの出力を行う。以下出力データ作成処理,出力処理について述べる。 【0013】 出力データの作成は、データ検索処理とデータ編集処理に大別される。データ検索処理は、まず、出力要求IDの位置情報に示すステーション情報によりデータの存在する制御装置を判別しネットワーク上で連絡を取る。次にドライブ名,ファイル名をデータの存在する制御装置に送り、検索させ、データを受け取る。 【0014】データ編集処理は、データ検索処理により受け取ったデータのうち出力範囲に示される部分を抽出し、不要なデータは取り除く。不要なデータの取り除きとは、カラー画像をモノクロの印刷装置に出力する等の場合に行う。最後に編集されたデータに出力要求IDの出力形式およびデータ形式を付加する。 【0015】 出力処理は、まず、出力サーバが出力装置に状態の確認をし出力可能ならば、前記の編集した出力データを出力装置に送る。データを送ると出力サーバは出力装置からの出力終了報告を待つ。出力装置は、送られたデータを出力し出力終了後出力報告を行う。出力サーバは、出力装置からの出力終了報告が正常終了ならば出力管理表から出力要求を削除する。異常終了ならばその終了コードを出力管理表に設定する。終了コードが、例えばファクシミリ出力の電話番号違い等の一時的エラーの場合は次の出力順の出力要求の処理を行う。しかし、出力装置異常等の継続的エラーは次の処理を行わなず、ブザー等でオペレータに報告し回復を行わせる。 【0016】 出力サーバは、オペレータの操作により、出力順の変更,出力要求の削除等を可能とする。この時、誤ってまたは故意に他のユーザのデータの削除等を行わないように先に述べたユーザ情報に該当するユーザおよびシステム管理者のみ出力要求の変更を可能とする。」(段落【0008】?【0016】第2頁第2欄第1行?第3頁第4欄第4行) 以上の記載によれば、この引用例1には以下のような発明(以下、「引用例1発明」という。)が開示されていると認められる。 「複数のクライアント15?17がネットワーク10を介して出力サーバ11に出力手順を送り、出力サーバ11は前記出力手順を受けて出力するデータ(印刷データ)を印刷装置12に送り、印刷装置12は受け取ったデータを印刷する出力方式において、 クライアント15?17は、前記出力手順として、出力するデータの存在する位置を示す位置情報20(ステーション名200,ドライブ名201,ファイル名202および出力範囲203)、出力形式21(出力部数210,用紙サイズ211および出力装置212(出力装置の種類および同一出力装置が複数接続されていた時の装置番号))、データ形式22(文字コード220)、ユーザ情報23(出力を要求したユーザ名230,ユーザのパスワード231)からなる出力要求IDを出力サーバ11に送り、 前記出力サーバ11は、前記出力要求IDをクライアント15?17から受けて、前記出力サーバ11内の記憶装置の出力管理表に記憶し、記憶が終わるとクライアント15?17に対して出力終了報告をし、 前記出力サーバ11は、自動的にまたはオペレータの指示により、前記出力管理表を参照し、前記出力要求IDの位置情報20に基づいて前記出力データ(印刷データ)の存在する前記ネットワーク10上のファイルサーバ13またはクライアント15?17の記憶装置から、前記出力するデータ(印刷データ)を受け取り、 前記出力サーバ11は、受け取った印刷データを編集処理し、前記出力要求IDで指定された出力形式等を付加して前記出力装置212で指定される種類,装置番号の出力装置に出力するものであり、 前記出力サーバ11は、オペレータの操作により、出力順の変更,出力要求の削除等を可能とし、誤ってまたは故意に他のユーザのデータの削除等を行わないように前記ユーザ情報23に該当するユーザおよびシステム管理者のみ出力要求の変更を可能とする出力方式。」 (2)原査定の拒絶の理由に引用された、特開2000-148425号公報(以下、「引用例2」という。)には、図面とともに次の記載がある。 (イ)「【0078】ユーザは、クライアントコンピュータ101の文書作成アプリケーションの機能(プラグイン)により、ブラウザを立ち上げ、ダイヤルアップ接続のインターネットを介してイメージサーバ102からイメージファイル201中の解像度1のイメージ203中のイメージタイルID9003(1,0)のイメージデータ303を取得し文書302を作成する。 【0079】ユーザがプリントサービスを要求する操作を実行すると、クライアントコンピュータ102の文書編集アプリケーションは文書302をスクリプト306に変換し、プリントオーダ情報を付加してプリントオーダファイル(以下、プリントオーダ情報もしくは印刷オーダと呼ぶ)を作成し、ブラウザを立ち上げ、ダイヤルアップ接続してインターネットを介してウェブサーバであるプリントコントローラ103に送る。プリントオーダ情報には住所、氏名、クレジットカード番号などの個人情報(#UserID)、印刷範囲(#PageRange)、印刷部数(#Copies)及び支払い方法(#Payment)などの印刷情報が含まれる。」(段落【0078】【0079】第10頁第18欄第12行?第30行) (ロ)「【0094】<印刷オーダ>図7は本発明における、画像出力を依頼する依頼者の文書編集アプリケーションを含むクライアントコンピュータ101からプリントコントローラ103へ伝達される印刷オーダのフォーマットを示す摸式図である。 【0095】図における401から411までの一連の情報が印刷に必要な情報として印刷スクリプトと共にプリントコントローラ103へ伝送される。 【0096】図中401は個人識別情報長を示すパラメータであり、これに続く402の個人識別情報のデータ長(データサイズ)を示している。 【0097】個人識別情報402は、画像出力の依頼主を確認するための情報であり、個人名、パスワードなどのID情報、課金管理に必要な情報等が含まれるが、本発明の内容には重要でないため、ここではその詳細には触れない。」(段落【0094】?【0097】第11頁第19欄第47行?第20欄第12行) 3.対 比 本願発明と上記引用例1発明とを対比すると、引用例1発明の「位置情報20(ステーション名200,ドライブ名201,ファイル名202および出力範囲203)」及び「出力形式21の出力装置212(出力装置の種類および同一出力装置が複数接続されていた時の装置番号)」は、それぞれ本願発明の「ネットワーク上に存在する印刷データの情報」及び「印刷データの出力先となる前記印刷装置を指定する出力先情報」に相当するものである。 そして、引用例1発明の「複数のクライアント15?17がネットワーク10を介して出力サーバ11に出力手順を送り、出力サーバ11は前記出力手順を受けて出力するデータ(印刷データ)を印刷装置12に送り、印刷装置12は受け取ったデータを印刷する出力方式」は、「ネットワークに接続された複数のクライアントと複数の印刷装置の間を仲介して両者間の印刷を実現する印刷仲介方法」といえ、引用例1発明の「出力サーバ11」は、本願発明の「仲介サーバコンピュータ」に相当するものであって、引用例1発明は、前記出力サーバ11が、位置情報20と出力形式21の出力装置212を含む前記出力要求IDをクライアント15?17から受けるから、本願発明の「データの仲介を行なう仲介サーバコンピュータが、前記クライアントから、前記ネットワーク上に存在する印刷データの情報と、該印刷データの出力先となる前記印刷装置を指定する出力先指定情報とを受けるステップ」を備えているといえる。 また、引用例1発明は、前記出力サーバ11が、自動的にまたはオペレータの指示により、印刷データを出力装置に出力するから、本願発明の「前記印刷データの印刷を要求する印刷要求を受けるステップ」を備えるといえる。 さらに、引用例1発明は、前記出力サーバ11が、前記出力要求IDの位置情報20に基づいて前記出力データ(印刷データ)の存在する前記ネットワーク10上のファイルサーバ13またはクライアント15?17の記憶装置から、前記出力するデータ(印刷データ)を受け取るから、本願発明の「前記仲介サーバコンピュータが、前記印刷データの情報に基づいて、前記印刷データを、該印刷データの存在する前記ネットワーク上の場所から取得するステップ」を備えており、引用例1発明の「前記出力サーバ11は、受け取った印刷データを編集処理し、前記出力要求IDで指定された出力形式等を付加して出力装置212で指定される種類,装置番号の出力装置に出力する」は、本願発明の「前記仲介サーバコンピュータが、該印刷データを、前記指定された印刷装置に仲介するステップ」を備える点で本願発明と対応する。 したがって、両者は、 「ネットワークに接続された複数のクライアントと複数の印刷装置の間を仲介して両者間の印刷を実現する印刷仲介方法であって、 データの仲介を行なう仲介サーバコンピュータが、前記クライアントから、前記ネットワーク上に存在する印刷データの情報と、該印刷データの出力先となる前記印刷装置を指定する出力先指定情報とを受けるステップと、 前記仲介サーバコンピュータが、前記印刷データの印刷を要求する印刷要求を受けるステップと、 前記仲介サーバコンピュータが、前記印刷データの情報に基づいて、前記印刷データを、該印刷データの存在する前記ネットワーク上の場所から取得するステップと、 前記仲介サーバコンピュータが、該印刷データを、前記指定された印刷装置に仲介するステップと を備える印刷仲介方法。」 で一致し、次の(1),(2)の点で相違するものである。 (1)本願発明では、印刷要求はクライアントから受けるものであって、該印刷要求に「印刷データの印刷に要する印刷費用の課金先を特定しかつ課金を実行し得る課金情報を含み」、「仲介サーバコンピュータが、前記課金情報を含む印刷要求を確認した後に、該変換された印刷データを、前記指定された印刷装置に仲介する」のに対し、引用例1には、印刷要求について「オペレータの指示により」としか記載されておらず、引用例1発明は、印刷要求をネットワークに接続されたクライアントから受けているか明らかではなく、該印刷要求に印刷費用の課金先を特定しかつ課金を実行し得る課金情報を含むものではなく、「仲介サーバコンピュータが、該印刷データを、前記指定された印刷装置に仲介する」のが「前記課金情報を含む印刷要求を確認した後」ではない点。 (2)本願発明では、前記仲介サーバコンピュータが、取得した前記印刷データを、「前記印刷装置での出力用に予め設定された汎用フォーマットに変換するステップ」を備えるのに対し、引用例1発明では、仲介サーバコンピュータが、取得した前記印刷データを編集処理し、出力要求IDで指定された出力形式等を付加するものであるが、「予め設定された汎用フォーマットに変換」するものではない点。 4.当審の判断 そこで、上記相違点について検討する。 相違点(1)について 引用例1発明の「出力手順(出力要求ID)」は、クライアントからオペレータの操作により送られることは明らかであり、同様に「出力手順(出力要求ID)」に指定されている出力処理を行わせるための「オペレータの指示」(「印刷要求」に相当する。)もクライアントから送られるようにすることは、当業者が必要に応じて適宜なし得る設計事項にすぎない。 そして、引用例2には、クライアントコンピュータからウェブサーバであるプリントコントローラ103に送るプリントオーダ情報に住所、氏名、クレジットカード番号などの個人情報(#UserID)が含まれることが記載されている。 また、クレジットカード番号を使用して印刷に関する要求をさせて、該クレジットカード番号によりユーザ認証を行った後に、印刷データの登録やプリンタによる印刷データの印刷を行うことは、本出願前周知の技術(特開平7-239828号公報段落【0022】、特開平11-146118号公報参照)である。 そうすると、クレジットカード番号は、「費用の課金先を特定しかつ課金を実行し得る課金情報」(本願明細書に「印刷を開始するためのパスワードに代えて、課金先を特定する情報を入力するものとしてもよい。クレジットカードの番号、課金先として登録されている銀行口座の番号などがこの情報として適用できる。」(段落【0060】)の記載がある。)であるから、引用例2の記載及び上記周知技術を考慮すれば、引用例1発明において、「印刷データの印刷を要求する印刷要求」に「印刷データの印刷に要する印刷費用の課金先を特定しかつ課金を実行し得る課金情報」を含むようにし、仲介サーバコンピュータが「前記課金情報を含む印刷要求を確認した後に」(前記課金情報によりユーザ認証を行った後に)、「印刷データを、前記指定された印刷装置に仲介する」ようにすることは当業者が容易になし得ることである。 相違点(2)について 本願発明の「前記仲介サーバコンピュータが、前記印刷データを、前記印刷装置での出力用に予め設定された汎用フォーマットに変換するステップ」について本願明細書に「サーバSVは、クライアントから指定された印刷データを、どのプリンタでも印刷可能な汎用フォーマットに変換する。本実施例では、汎用フォーマットとしてPDFを用いた。PDF形式のデータがサーバSVからプリンタに送信されると、プリンタ側に用意されたプリンタドライバでプリンタ固有の制御データに変換し、印刷を行う。」(段落【0016】)及び「データ変換部212は、クライアント5から指定された印刷データをプリンタの機種に依存しない汎用のフォーマットに変換する機能を奏する。本実施例では、PDFを用いるものとした。汎用フォーマットは、PDFに限定されず、出力先となる全プリンタで扱い得るいかなるフォーマットを利用してもよい。複数種類の汎用フォーマットを併用してもよい。但し、PDFには、文書のページレイアウトが維持しやすいという利点、ほとんど全ての文書をPDFに変更可能であるという利点がある。」(段落【0023】)と記載されている。 そして、サーバ側において印刷データを印刷装置の種類に依存しないデータ形式(例えば、PDF形式)に変換してから、印刷装置側に送信することは、本出願前周知の技術(特開平11-312066号公報、特開平11-259461号公報、特開2000-66984号公報)である。 したがって、引用例1発明において、仲介サーバコンピュータが取得した前記印刷データを「前記印刷装置での出力用に予め設定された汎用フォーマットに変換するステップ」を備えるようにすることは、上記周知技術を採用すれば当業者が容易になし得ることである。 また、上記の相違点に基づく本願発明の作用効果も、引用例1,2記載の発明及び周知技術から、当業者であれば予想できる範囲内のものである。 5.むすび 以上のとおり、本願請求項1に係る発明は、上記引用例1,2に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-03-13 |
結審通知日 | 2007-03-20 |
審決日 | 2007-04-03 |
出願番号 | 特願2004-93930(P2004-93930) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 須藤 竜也 |
特許庁審判長 |
大野 克人 |
特許庁審判官 |
山崎 慎一 和田 志郎 |
発明の名称 | ネットワーク上での印刷を仲介するシステム |
代理人 | 特許業務法人明成国際特許事務所 |