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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B42D
管理番号 1158409
審判番号 不服2004-6454  
総通号数 91 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-07-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-04-01 
確定日 2007-06-01 
事件の表示 平成 6年特許願第283972号「カレンダー」拒絶査定不服審判事件〔平成 8年 5月14日出願公開、特開平 8-118843〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成6年10月25日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成18年9月13日付け手続補正書により補正された明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。(以下、「本願発明」という。)
「【請求項1】印刷済みのカレンダー紙片を表紙と本文を含めて複数枚丁合して重ね合わせて、上端の綴じ部を形成した後に、上端の綴じ部の近傍に該綴じ部と一定の間隔をおいて平行に一方の端縁を引き破り開始端とし、他方の端縁に延びる切取線が切り刃にてプレスすることにより貫通する切れ目により形成されたカレンダーにおいて、該切取線を綴じ部と平行な直線部と該直線部の引き破り開始端側となる前記一方の端縁に前記他方の端縁から乖離するように下方に向けて連接された傾斜部とからなる形状の切れ目が所定間隔をおいて複数個直線状に配置された構成とすると共に前記切取線の前記一方の端縁側に位置する切れ目がカレンダーの前記一方の端縁に達する前記直線部で形成されていることを特徴とするカレンダー。」(以下、「本願発明」という。)

なお、請求項1には「直線部の引き破り開始端側となる前記一方の端縁に前記他方の端縁から乖離するように下方に向けて連接された傾斜部」と記載されているが、それ以前に記載されている「一方の端縁」及び「他方の端縁」は、「一方の端縁を引き破り開始端とし、他方の端縁に延びる切取線」なる表現のみであり、「切取線」総体としての端縁を表しているものであり、切取線を構成する「直線部」あるいは「傾斜部」に係るものではない。他方、発明の詳細な説明の「切取線を直線部と該直線部の一方の端縁に連接された傾斜部」(段落【0004】)、「切れ目4は直線部4aと直線部4aの端縁に連接された傾斜部4bとからなる横L字形であり、直線部4aが切取線3に沿うように且つ傾斜部4bが下向きになるように...また、直線部4aと傾斜部4bの間の角度は120°?150°の範囲」(段落【0008】)の記載及び図2の記載を参酌するに、前記各端縁は「直線部」の両端を意味すると解される。よって、「前記一方の端縁」及び「前記他方の端縁」は、「前記直線部の一方の端縁」及び「前記直線部の他方の端縁」と解する。
又、請求項1には「前記切取線の前記一方の端縁側に位置する切れ目がカレンダーの前記一方の端縁に達する前記直線部で形成されている」と記載されているが、「一方の端縁側」という記載はそれ以前になく、初出のものに「前記」を付けるのは明らかな誤記であるから、「前記」を削除し、請求項1に前掲された「一方の端縁を引き破り開始端とし、他方の端縁に延びる切取線」の記載に基づき「前記切取線の前記一方の端縁側に位置する切れ目」を「前記切取線の引き破り開始端とした一方の端縁側に位置する切れ目」と解する。又、「カレンダーの前記一方の端縁」は、それ以前に記載されている「一方の端縁」は上記のように「切取線」の一方の端縁であるが、切取線の一方の端縁と認定すると、意味不明になるから、「前記」を誤記と認め、文脈から「カレンダーの前記一方の端縁」を「カレンダーの一方の端縁」と解する。
以上の検討に基づく、本願発明は以下のように解される。
「【請求項1】印刷済みのカレンダー紙片を表紙と本文を含めて複数枚丁合して重ね合わせて、上端の綴じ部を形成した後に、上端の綴じ部の近傍に該綴じ部と一定の間隔をおいて平行に一方の端縁を引き破り開始端とし、他方の端縁に延びる切取線が切り刃にてプレスすることにより貫通する切れ目により形成されたカレンダーにおいて、該切取線を綴じ部と平行な直線部と該直線部の引き破り開始端側となる前記直線部の一方の端縁に前記直線部の他方の端縁から乖離するように下方に向けて連接された傾斜部とからなる形状の切れ目が所定間隔をおいて複数個直線状に配置された構成とすると共に前記切取線の引き破り開始端とした一方の端縁側に位置する切れ目がカレンダーの一方の端縁に達する前記直線部で形成されていることを特徴とするカレンダー。」

2.当審の拒絶理由
一方、当審において平成18年7月13日付けで通知した拒絶の理由の概要は、本願発明は、その出願前の日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物1?3-4に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

刊行物1.実公昭55-37405号公報
刊行物2.実願昭58-173603号(実開昭60-80967号)のマイクロフィルム
刊行物3-1.実願平1-82843号(実開平3-24057号)のマイクロフィルム
刊行物3-2.特開平5-232637号公報
刊行物3-3.実願平4-65332号(実開平6-17964号)のCD-ROM
刊行物3-4.実願昭50-54473号(実開昭51-135630号)のマイクロフィルム

3.引用刊行物
上記引用刊行物1(実公昭55-37405号公報 )には、図面とともに次のことが記載されている。
ア.「少なくとも、複数枚の被印刷体と、熱接着性の接着剤を混入した印刷インキにより該複数枚の被印刷体のそれぞれの綴じ部上に設けた数条の細い帯状接着部とからなり、それぞれの被印刷体は該綴じ部上の数条の細い帯状接着部で部分的に熱接着されていることを特徴とする綴じ物。」(実用新案登録請求の範囲)
イ.「カレンダー等の綴じ物で、熱接着性の接着剤を混入した印刷インキにより通常の印刷を行った印刷紙片等を丁合した後、熱プレスにより端部を部分的に熱接着したものである。」(公報第1頁左欄32?36行)
ウ.「印刷紙片A、即ち、被印刷体に熱プレス温度より低い温度ではべたつかない熱接着性接着剤を混入した印刷インキにより所望絵柄、文字記号1等を印刷すると同時に、綴じ部(接着部分)2上にもベタ刷り部もしくは数条の細い帯の印刷を行なつた紙片...に切離し用ミシン目等3を設けた印刷紙片Aを丁合した後、プレス型4を用いて...熱プレスすることにより、数条の細い帯状接着部6で重合接着し」(公報第1頁左最下行?右欄13行)
エ.「綴じ部2は...プレス型4により熱プレスを行ない、数条の細い帯状接着部6を形成させれば(数条の細い帯状接着部6で部分的に熱接着をすれば)」
オ.第1、2、4図から、切離し用ミシン目等3は、上端の綴じ部2の近傍に該綴じ部2と平行に一方の端縁から、他方の端縁に延びて形成されていること、切離し用ミシン目等3は、カットとタイとからなり、前記カットは綴じ部と平行な直線からなり、所定間隔をおいて複数個直線状に配置され、カレンダーの両端縁の切離し用ミシン目等3はカットであることが看取できる。
これらの記載ア.?オ.を含む引用刊行物1の全記載及び図示によれば、引用刊行物1には、
「熱接着性接着剤を混入した印刷インキにより所望絵柄、文字記号1等を印刷すると同時に綴じ部(接着部分)2上にもベタ刷り部もしくは数条の細い帯の印刷を行なつた複数枚の印刷紙片等に切離し用ミシン目等3を設けて丁合した後、プレス型4を用いて熱プレスにより数条の細い帯状接着部6を形成し、該綴じ部2上の数条の細い帯状接着部6で端部を部分的に熱接着した綴じ物であって、
それぞれの綴じ部2の近傍に該綴じ部と平行に一方の端縁から他方の端縁に伸びる切離し用ミシン目等3が形成され、該切離し用ミシン目等3を上端の綴じ部2と平行な直線からなる形状のカットが所定間隔をおいて複数個直線状に伸びるカレンダー等の綴じ物。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

4.対比
本願発明と引用発明を対比する。
引用発明の「印刷紙片等」、「端部」、「数条の細い帯状接着部6を形成し」、「切離し用ミシン目等3」、「カレンダー等の綴じ物」、「カット」は、それぞれ、その機能からみて、 本願発明の「表紙と本文」、「上端」、「綴じ部を形成し」、「切取線」、「カレンダー」、「切れ目」に相当し、
本願発明の「綴じ部の近傍に該綴じ部と一定の間隔をおいて」形成された切れ目と、引用発明の「それぞれの綴じ部2の近傍に」形成されたカットは、綴じ部の近傍に形成された点で一致する。
したがって、両者は、
「印刷済みのカレンダー紙片を表紙と本文を含めて複数枚丁合して重ね合わせて、上端の綴じ部を形成し、上端の綴じ部の近傍に平行に一方の端縁から、他方の端縁に延びる切取線が形成されたカレンダーにおいて、該切取線の切れ目が所定間隔をおいて複数個直線状に配置されたカレンダー。」で一致し、以下の点で相違する。
〈相違点1〉切取線が、本願発明では、一方の端縁を引き破り開始端として、引き破り開始端とした端縁側に位置する切れ目がカレンダーの一方の端縁に達する直線部で形成されているのに対し、引用発明では、引き破り開始端について特定していない点
〈相違点2〉切取線の切れ目の形状が、本願発明では、綴じ部と平行な直線部と該直線部の引き破り開始端側となる前記一方の端縁に前記他方の端縁から乖離するように下方に向けて連接された傾斜部とからなるのに対し、引用発明では綴じ部と平行な直線部のみからなり傾斜部を有しない点。
〈相違点3〉綴じ部の近傍に形成された切取線が、本願発明では該綴じ部と一定の間隔をおいているのに対し、引用発明ではこの点の記載がない点
〈相違点4〉切取線が、本願発明では上端の綴じ部を形成した後に切り刃にてプレスすることにより貫通する切れ目により形成されるのに対し、引用発明では綴じ部を形成する前に形成されていることは把握できるも、どのようにして形成されるのか記載がない点

5.当審の判断
上記相違点1について、検討する。
切取線のどちらを引き破り開始端とするかは、右手でカレンダー紙片の左側側端部の下方を掴んで右斜め下方に引き破るか、左手でカレンダー紙片の右側側端部の下方を掴んで左斜め下方に引き破るかによって決まるものであり、引用発明における切取線はどちらの端縁も同じ構成となっており、どちらを引き破り開始端とするかは随時決まることである。そして、引き破り開始端となる側の端縁を「一方の端縁」、残りの側を「他方の端縁」と呼ぶことも随意である。よって、引用発明における切取線も「一方の端縁を引き破り開始端とし、他方の端縁に延びる」といえ、引用発明のカレンダーの両端縁の切取線(切離し用ミシン目等3)は切れ目(カット)であることが看取できる(前記オ.)から、どちらを引き破り開始端としても、引き破り開始端とした端縁側に位置する切れ目がカレンダーの一方の端縁に達する直線部で形成されているといえる。なお、カレンダにおいて引き破り開始端とした端縁側に位置する切れ目をカレンダーの端縁に達する直線とすることは従来から周知(必要なら実開昭63-154262号公報の端部の切れ目5参照)である。
したがって、この相違点1は実質的な相違点ではない。

上記相違点2について、検討する。
上記引用刊行物2(実願昭58-173603号(実開昭60-80967号)のマイクロフィルム)には、
「用紙を切離す作業は、用紙を印刷装置に装着した状態で行なわれることが多く、用紙の片方が装置に固定されるため第2図の状態となって用紙を破損することがよくある。...この欠点を解決するため、ミシン目の穴を斜めにし、やぶれ目がミシン目からはずれないようにした...この用紙はミシン目4が切り離すべき方向に対し斜めに設けられており、この用紙を切離す場合、a点から紙がやぶれてゆくが、やぶれる方向が角度θ(審決注:角度0と記載されているが、角度が0であるとは考えられず、図面を参照して0はθの誤記と認定した)以上であれば次の穴につながり、次の穴のa点相当箇所から再びやぶれはじめる。したがって角度θを十分小さくすれば、用紙の引張り方によらず、用紙を破損することはない。第4図も...一つおきにミシン目の穴を斜めにしている。このようにしても、上記同様の効果が得られる。」の記載(明細書第2頁5行?第3頁5行)があり、 片方が固定された紙片を切取線に沿つて途中で破れることなく容易に切り離しすることができるようにすることを目的として、切取線の切れ目の形状を、切り離すべき方向に対して斜めにしたり、1つおきにミシン目の穴を斜めにし、やぶれ目を隣接する切れ目の傾斜部で止め、やぶれ目がミシン目からはずれないようにした点が記載されている。
したがって、引用例2に接した当業者ならば、引用発明においても、切取線の切れ目を、やぶれ目が切取線からはずれないようにやぶれ目を止めることのできる傾斜部を有する形状にしようとすることは、容易に思い付くことである。その際、以下の周知技術に鑑みれば具体的な形状は適宜選択すべき事項にすぎない。そして、切取線の傾斜部を有する切れ目の形状として「綴じ部と平行な直線部と該直線部の引き破り開始端側となる切れ目の一方の端縁に切れ目の他方の端縁から乖離するように下方に向けて連接された傾斜部とからなる」ものは、従来から周知であり容易に選択し得る。
周知技術として、当審の拒絶理由で提示した実願平1-82843号(実開平3-24057号)のマイクロフィルムの「ミシン目を構成する1単位の切り込みが2つの連結した切り込みからなり、該2つの連結した切り込みが、90°より大きく180°より小さい内角を有して連結している。」(実用新案登録請求の範囲)、「ミシン目を構成する1単位の切り込みの形状を鎖線状ではなく、2つの連結した切り込みからなる「ヘ」の字状にして...切り離しを容易にし」(第2頁下2行?第3頁2行)、「細長い長方形の鋼鉄の一方の長辺に、該長辺に対して直角に切り込みを入れ、その切り込み終点部から長辺に対して平行に切り込んで形成されるL字状の刃部分を曲げ...「ヘ」の字状の切刃部を該長辺全辺に施した切刃を用いて」(明細書3頁7行?13行)、特開平5-232637号公報のミシン目13b、実願平4-65332号(実開平6-17964号)のCD-ROMのミシン目状切込線5、実願昭50-54473号(実開昭51-135630号)のマイクロフィルムの第3図(ハ)のミシン目5を参照。
したがって、引用発明における綴じ部と平行な直線部のみからなる切れ目に代えて、綴じ部と平行な直線部と該直線部の引き破り開始端側となる前記直線部の一方の端縁に前記直線部の他方の端縁から乖離するように下方に向けて連接された傾斜部とからなる切れ目を採用することに格別の困難性はなく、相違点2に係る本願発明の構成を採用することは当業者にとって想到容易であり、そのことによる効果も予測の範囲内である。

上記相違点3について、検討する。
切取線が綴じ部と一定の間隔をおいて形成される点(上記特開平6-227179号公報(「綴じ込み部(15)の下端に沿って...ミシン目線(M)を形成する。」(【0010】))、実願平4-74118号(実開平6-36865号)のCD-ROM(「熱融着剤3は...図3に示すように、ミシン目23から所定間隔を隔てた塗布領域31に塗布する。」(【0024】)))は従来から周知であるから、引用発明の切取線を綴じ部と一定の間隔をおいて形成することは当業者にとって容易である。

上記相違点4について、検討する。
相違点4に係る事項は、カレンダーという「物」の製造方法を特定しようとするものと認められるが、「切れ目を綴じ部を形成した後に切り刃にてプレスする」等の順序や手段は物としての発明を規定する事項ではない。
よって、構成として把握できる切取線を上端の綴じ部を形成した後に切り刃にてプレスすることにより貫通する切れ目により形成されたカレンダーの構造と、引用発明の順序で形成したカレンダーの構造の違いを検討する。
切取線を、切り刃にてプレスすることにより貫通する切れ目により形成すること(上記実願平1-82843号(実開平3-24057号)のマイクロフィルム(「細長い長方形の鋼鉄の一方の長辺に、該長辺に対して直角に切り込みを入れ、その切り込み終点部から長辺に対して平行に切り込んで形成されるL字状の刃部分を曲げ...「ヘ」の字状の切刃部を該長辺全辺に施した切刃を用いて」(明細書3頁7行?13行)、「切刃(7)を据えつけたミシン目打ち込み装置を用いて、切刃(7)を...当てて押圧し、ミシン目(2)を...表面部及び裏面部が貫通するように打ち込んでいく。」(明細書6頁9?14行))参照)も、上端の綴じ部を形成した後に形成すること(特開平6-227179号公報(「固着硬化した綴じ込み部(15)の下端に沿って、平行に表紙及びカレンダー印刷物を引き千切るためのミシン目線(M)を形成する。」(【0010】))、実願平2-120321号(実開平4-77478号)のマイクロフィルム(「各紙を千切るためのミシン孔をあける穿孔工程は熱圧工程の前でも後でもよい」(第4頁17?18行))、特開平6-226848号公報(「積層シート(10)(10)が同時に綴合せステーション(B)に移送され、その後、綴合せ完了後の積層シート(10)(10)の綴合わせ部(12)(12)の近傍にミシン目等を形成する打抜きステーション(C)に移送されて」(【0012】))参照)もいずれも従来から周知の技術である。したがって、引用発明における切取線を上記従来周知の順番で従来周知の切り刃にてプレスすることにより貫通する切れ目により形成することは当業者にとって想到容易である。そして、上記従来周知の順番で従来周知の切り刃にてプレスすることにより貫通する切れ目により形成した切取線は、表紙から最底部の本文に至るまで切れ目の位置が合致しているものと認められる。
以上のとおりであるから、複数枚のカレンダー紙片の表紙から最底部の本文に至るまで切れ目の位置が合致している点も、当業者にとって想到容易である。
なお、審判請求人は、この点の効果について「「複数枚のカレンダー紙片(表紙と本文)を丁合し、綴じ合せを行なった後に、切り刃にてプレスすることにより、貫通する切れ目からなる切取線を形成するものであり、カレンダーを構成する複数枚のカレンダー紙片(表紙と本文)は表紙から最底部の本文に至るまで切れ目の位置が合致していることになります。このことは、カレンダーに更なる効果として、数ヶ月捲ることなく放置されたカレンダーを、該当する月まで不要な複数枚のカレンダー紙片を纏めて切り離す場合、切れ目の位置が合致していることにより、複数枚のカレンダー紙片を纏めてスムーズに切り離すことができる」という効果を奏します。」と主張しているが、この効果は明細書に記載がない効果であり、引用発明に従来周知の切取線を綴じ部を形成した後に、切り刃にてプレスすることにより形成する技術を採用したカレンダーが当然に有する効果であって通常予測し得る範囲を越えるものではない。

6.むすび
したがって、本願発明は引用発明、引用例2に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-03-30 
結審通知日 2007-04-04 
審決日 2007-04-17 
出願番号 特願平6-283972
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (B42D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 赤木 啓二平井 聡子  
特許庁審判長 酒井 進
特許庁審判官 國田 正久
藤井 靖子
発明の名称 カレンダー  
代理人 金山 聡  

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