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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01R
管理番号 1159471
審判番号 不服2004-10924  
総通号数 92 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-05-26 
確定日 2007-06-21 
事件の表示 平成 6年特許願第283290号「熱圧着機」拒絶査定不服審判事件〔平成 8年 6月 7日出願公開、特開平 8-148250号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成6年11月17日の出願であって、平成16年4月22日付けで拒絶査定がなされ、平成16年5月26日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、その後平成19年1月5日付けで当審から拒絶の理由を通知し、同年3月19日に意見書・補正書が提出されたものである。

本願の請求項1に係る発明は、平成19年3月19日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(以下、「本願発明」という。)。

「回路基板を載置して固定するテーブルと、水平面内で回転可能で且つ任意の角度で停止出来るテーブルの回転案内と、テーブルを前後方向に移動し、任意の位置で停止できる直線案内と、回路基板に取り付けられた位置合わせ用の十字形状のマークを読み取るCCDカメラと、該CCDカメラで捉えられた十字形状のマークの画像を認識して、マークの位置を所定の位置に移動させる移動量制御機能を有する視覚センサを装備した、異方性導電膜を回路基板に貼り付ける熱圧着機。」

2.引用例
2-1.引用例1
これに対して、当審における拒絶の理由で引用した、実開平5-61756号公報(以下、「引用例1」という。)には、「プリント配線板へのフィルム自動合わせ装置」に関し、以下の事項が図面とともに記載されている。

(1)「【請求項1】 位置合わせ用孔部を有するプリント配線板と、該プリント配線板が載置される基台と、位置合わせ用マークを有するパターン形成用フィルムと、該フィルムを保持する保持装置と、該位置合わせ用孔部および該位置合わせ用マークとの相互の中心のずれを読み、位置検出信号を出力するCCDカメラと、該位置合わせ用孔部および該位置合わせ用マークの中心が相互に一致するように、該保持装置、または、該基台の位置を該位置検出信号により移動制御する第1の制御装置と、から成ることを特徴とするプリント配線板へのフィルム自動合せ装置。
………………
【請求項3】 該プリント配線板は接着テープで覆われた複数個の固定用孔部を有する請求項1または2記載のプリント配線板へのフィルム自動合せ装置。
【請求項4】 該固定用孔部を覆う該接着テープを上方から該プリント配線板に対して押圧するように該第1の制御装置により制御される押圧装置を備えた請求項1ないし3のいずれかに記載のプリント配線板へのフィルム自動合せ装置。
【請求項5】 該固定用孔部を覆う該接着テープを上方から擦るように該第1の制御装置により制御される該押圧装置を備えた請求項1ないし4のいずれかに記載のプリント配線板へのフィルム自動合せ装置。」(【実用新案登録請求の範囲】)
(2)「【符号の説明】
1 吸引保持装置、2 フィルム、3 吸引開口端部、4 エアシリンダー、5 移動装置、8 フィルム保持装置、9 プリント配線板、10 第1の位置合わせ用マーク、11 第2の位置合わせ用マーク、12 接着テープ、13 固定用孔部、14 CCDカメラ、15 押圧装置」(【図面の簡単な説明】)

上記記載事項及び図面の図示内容を総合すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

「位置合わせ用孔部10を有するプリント配線板9が載置される基台を、位置合わせ用孔部10およびパターン形成用フィルム2の位置合わせ用マーク11との相互の中心のずれを読みCCDカメラ14からの位置検出信号により移動制御して、プリント配線板9とパターン形成用フィルム2との位置合わせを行い、パターン形成用フィルム2をプリント配線板9に固定する装置。」

2-2.引用例2
また、当審における拒絶の理由で引用した、特開平4-171689号公報(以下、「引用例2」という。)には、「連続動作熱圧着機」に関し、以下の事項が図面とともに記載されている。

(1)「〈産業上の利用分野〉
本発明は、熱圧着機に関し、特に電気回路基板の接続に用いられる異方導電フィルム等を使用した熱圧着に用いられる熱圧着機に関する。」(1頁右下欄11?14行)
(2)「〈従来の技術〉
LCD(液晶)ガラス基板等の回路基板を異方導電フィルムを用いて接続するための接続装置としては、実開昭61-70390弓公報に示されている如く、一つの加熱ヘッドを用いて熱圧着する装置が知られている。」(1頁右下欄15?20行)
(3)「〈実施例〉
以下に本考案の実施例を図面を用いて詳細に説明する。
第1図及び第2図は本考案による連続動作熱圧着機の一実施例を示している。連続動作熱圧着機は基台1上にブラケツト2によりボールねじ3が水平方向にもうけられている。ボールねじ3には往復動テーブル4のナット部5が螺合しており、往復動テーブル4はボールねじ3の回転により第1図にて左右方向に水平に往復動するようになっている。
ボールねじ3にはパルスモータ6が駆動連結されており、パルスモータ6はボールねじ3を任意の回転角をもって正逆回転駆動するようになっている。
往復動テーブル4上には回転テーブル7が鉛直な中心軸線周りに回転可能に設けられており、回転テーブル7上に被熱圧着部材である第3図に示されている如き矩形の液晶パネルPが平面的に固定されるようになっている。
回転テーブル7には回転用エアシリンダ8が駆動連結されており、回転用エアシリンダ8は回転テーブル7を前記中心軸線周りに90°以上、例えば100°程度の回転角範囲にて旋回駆動するようになっている。
回転テーブル7には、その周方向に互いに離れた位置に各々ストッパドグ9、10が、また往復動テーブル4にはショックアブソーバ付きのストッパピン11、12が各々設けられており、ストッパドグ9がストッパピン11に当接し、ストッパドグ10がストッパピン12に当接することにより、回転テーブル7の旋回角が丁度90°に制限されている。」(2頁右下欄3行?3頁左上欄15行)
(4)「上述の如き構成によれば、予め定められたプログラムに従った回転用エアシリンダ8の作動により回転テーブル7が90°の回転角にて往復旋回し、またパルスモータ6の作動により往復動テーブル4が第1図にて左右方向に水平に往復動し、これらテーブル移動により回転テーブル7上に載置された液晶パネルPが熱圧着ヘッド17に対し移動する。これにより液晶パネルPの各辺Pa、Pb、Pcが、順次、熱圧着ヘッド17の真下に位置するようになり、この各辺毎に熱圧着ヘッド17が降下することにより各辺Pa、Pb、Pcに於ける熱圧着が行われるようになる。」(3頁右下欄4?15行)

(5)上記(4)の記載の、パルスモータ6の作動により熱圧着ヘッド17の真下に液晶パネルPの各辺が順次位置するようにできること、及び第1図、第3図から、往復動テーブル4は、左右方向の所定の位置で停止できることは明らかである。

上記記載事項を総合すると、引用例2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。

「液晶パネルPの回路基板を載置して固定し、回転用エアシリンダ8により水平面内で回転可能でかつ90°回転して停止できる回転テーブル7と、回転テーブル7を往復動テーブル4上に設け、往復動テーブル4をパルスモータ6の作動によりボールねじ3を回転させることで左右方向に水平に往復動させ、所定の位置で停止できる往復動テーブル4と、回転テーブル7と往復動テーブル4により回路基板を位置決めして、異方導電フィルムを用いて回路基板を接続する熱圧着機。」

2-3.引用例3.
また、当審における拒絶の理由で引用した、特開平5-82976号公報(以下、「引用例3」という。)には、「多層積層板の位置決め方法」に関し、以下の事項が図面とともに記載されている。

(1)「図2は他の実施例を示すものである。本実施例の場合、上記実施例と同じ位置決めを1ステーションで行うようにしたものである。垂直軸回りに回転して位置決めするテーブル(以下θテーブルという)6の上に端面位置決めテーブル7を載設してあり、端面位置決めテーブル7の上に端面当接部8と、端面当接部8を横方向(X方向)に調整するX方向調整装置9と、端面当接部8を縦方向(Y方向)に調整するY方向調整装置10を設けてある。11は駆動モータである。しかして切断ラインから送られてきた多層積層板2を端面位置決めテーブル7に載せ、端面当接部8を多層積層板2の端面に当接して端面基準で粗位置決めし、仕上げ加工ラインのX線位置検出装置でガイドマーク4を検出したときX線位置検出装置のカメラやモニターテレビの中心位置がガイドマーク4に対してずれている傾向を粗位置決め側にフィードバックすると共にこのフィードバックデータに基づいてX方向調整装置9、Y方向調整装置10及びθテーブル7で位置を調整して位置決めし、位置決めした多層積層板2を仕上げ加工ラインに送る。」(段落【0009】)

上記記載事項から、引用例3には、次の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。

「多層積層板2を載置して、XY方向に移動する端面位置決めテーブル7と、これを載設し、水平面内で回転可能で且つ任意の角度で停止できるθテーブル6と、ガイドマーク4が所定の位置になるように両テーブル6,7によって位置決めする多層積層板の位置決め装置。」

3.対比
そこで、本願発明と引用発明1とを対比すると、後者の「プリント配線板9」は、前者の「回路基板」に相当し、後者の「基台」、「CCDカメラ14」は、前者の「テーブル」、「CCDカメラ」にそれぞれ相当し、後者の「プリント配線板9が載置される基台」とは、その作用からみて、前者の「回路基板を載置して固定するテーブル」に相当する。
後者は、「位置合わせ用孔部10およびパターン形成用フィルム2の位置合わせ用マーク11との相互の中心のずれを読みCCDカメラ14からの位置検出信号」を出力しているから、後者の「プリント配線板9」の「位置合わせ用孔部10」と、前者における「回路基板」に取り付けられた「位置合わせ用の十字形状のマーク」とは、「位置合わせ用マーク」である点で共通する。
後者の「基台を、」「CCDカメラ14からの位置検出信号により移動制御」することと、前者の「CCDカメラで捉えられた十字形状のマークの画像を認識して、マークの位置を所定の位置に移動させる移動量制御機能を有する視覚センサを装備」することとは、CCDカメラで捉えられた位置合わせ用マークの画像を認識して、位置合わせ用マークの位置を所定の位置に移動させる移動量制御機能を有する視覚センサを装備する点で共通する。
後者の「パターン形成用フィルム2」と、前者の「異方性導電膜」とは、回路基板に固定する「フィルム」の点で共通し、後者の「プリント配線板9へのパターン形成用フィルム2との位置合わせを行い、パターン形成用フィルム2をプリント配線板9に固定する装置」と、前者の「異方性導電膜を回路基板に貼り付ける熱圧着機」とは、「フィルムを回路基板に固定する装置」の点で共通する。

そこで、本願発明の用語を用いて表現すると、両者は次の点で一致する。

「回路基板を載置して固定するテーブルと、回路基板に取り付けられた位置合わせ用マークを読み取るCCDカメラと、該CCDカメラで捉えられた位置合わせ用マークの画像を認識して、位置合わせ用マークの位置を所定の位置に移動させる移動量制御機能を有する視覚センサを装備した、フィルムを回路基板に固定する装置。」

そして、両者は次の点で相違する。

<相違点1>
本願発明では、回路基板を載置して固定するテーブルが、「水平面内で回転可能で且つ任意の角度で停止出来る回転案内と、テーブルを前後方向に移動し、任意の位置で停止できる直線案内」を備えているのに対し、引用発明1では基台がどのような移動機構を備えているのか不明である点。

<相違点2>
フィルムを回路基板に固定する装置が、本願発明では「異方性導電膜を回路基板に貼り付ける熱圧着機」であるのに対し、引用発明1では「パターン形成用フィルム2をプリント配線板9に固定する装置」である点。

<相違点3>
位置合わせ用マークが、本願発明では「十字形状のマーク」であるのに対し、引用発明1では「位置合わせ用孔部10」である点。

4.判断
上記相違点について検討する。

<相違点1について>
引用発明2の「回転テーブル7」の「回転用エアシリンダ8」は、「回転テーブル7」を水平面内で回転可能でかつ90°回転して停止できるようにしているから、本願発明の「回転案内」に相当する。また、引用発明2の「往復動テーブル7」の「ボールねじ3」は、パルスモータ6の作動によりボールねじ3を回転させることで、「往復動テーブル7」を左右方向に水平に往復動させているので、本願発明の「直線案内」に相当し、引用発明2の往復動テーブルの動きから、引用発明2の「左右方向」は、その作用・構成からみて本願発明のテーブルの「前後方向」に相当する。
してみると、引用発明2には、回路基板を載置して固定するテーブルが、水平面内で回転可能で且つ既定の角度で停止出来る回転案内と、テーブルを前後方向に移動し、所定の位置で停止できる直線案内とを備え、回路基板を位置決めして異方導電フィルムを用いて回路基板を接続する熱圧着機が記載されているといえる。
また、引用発明3に示されるように、回路基板のテーブルを直線方向と回転方向の両方で任意の位置で位置決めを行うことも当業者によく知られたことである。
したがって、引用発明1における、基台の移動機構として「水平面内で回転可能で且つ任意の角度で停止出来る回転案内と、テーブルを前後方向に移動し、任意の位置で停止できる直線案内を備え」たものを採用することは当業者が適宜なし得たことといえる。

<相違点2について>
引用発明2の「異方導電フィルム」は、本願発明の「異方導電膜」に相当し、引用発明2の「異方導電フィルムを用いて回路基板を接続する」とは、その作用・構成からみて、異方導電膜を回路基板に貼り付けるものといえる。
よって、引用発明1の、テーブル(基台)を位置決めして、フィルムをテーブルに載置固定した回路基板に固定する装置を、引用発明2の、異方導電膜をテーブルに載置固定した回路基板に貼り付ける熱圧着機とすることは、同じくテーブルに固定した回路基板にフィルムを固定するものであるといえるから、当業者が格別の困難性を要することなくなし得たことである。

<相違点3について>
位置合わせ用マークとして、十字形状のマークを用いて光学系観察装置により位置合わせを行うことは周知の技術(例えば、特開昭56-107858号公報参照)であるから、引用発明1において、十字形状のマークを用いてその画像を認識し、移動制御させることは当業者が容易になし得たことである。

そして、引用発明1、2及び3は、回路基板を対象とした技術で共通し、本願発明を全体としてみた効果も、引用発明1、2及び3並びに周知の技術から当業者であれば予測できる範囲内のものであって、格別なものとはいえない。

5.むすび
以上のことから、本願発明は、引用発明1、2及び3並びに周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-04-19 
結審通知日 2007-04-24 
審決日 2007-05-08 
出願番号 特願平6-283290
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H01R)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 稲垣 浩司  
特許庁審判長 石原 正博
特許庁審判官 平上 悦司
増沢 誠一
発明の名称 熱圧着機  
代理人 穂高 哲夫  
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