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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1160140
審判番号 不服2003-3348  
総通号数 92 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-03-03 
確定日 2007-07-05 
事件の表示 平成11年特許願第132900号「弾球遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成12年11月21日出願公開、特開2000-317078〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本件出願は、平成11年5月13日の出願であって、その請求項1乃至3に係る発明は、平成19年4月3日付けの手続補正書により補正された明細書および図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1乃至3に記載されたとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認める。

「遊技盤面上に発射された遊技球が特定の入賞口に入賞又は特定の通過口を通過するタイミングに起因して抽出される乱数値に従って遊技者に有利なゲーム内容とするか否かを決定する主制御基板と、
該主制御基板により遊技者に有利なゲーム内容とするか否かを決定する毎に画面上の画像を所定時間変動表示した後、遊技者に有利なゲーム内容であるか否かを示す特別図柄で静止表示するよう制御する図柄制御基板と、
遊技者が操作することにより前記図柄制御基板による前記特別図柄の変動時間を短縮するための変動時間短縮操作手段と、を含み、前記特別図柄が複数の図柄の組み合わせにより構成され、
前記主制御基板は、前記特別図柄の変動表示における変動の態様を指示するコード化したコマンドコードを送信する構成を有し、一方、図柄制御基板では、受信したコマンドコードに従って画面上に画像を表示するよう構成した弾球遊技機であって、
前記主制御基板は、
前記コマンドコードとして、前記特別図柄の最初の図柄が変動開始してから最後の図柄が停止するまでの1回の変動表示について設定された変動時間を示す前記特別図柄の種類に関係のない変動タイムコード、前記特別図柄の停止図柄を示す停止図柄指定コード、を備え、
更に、前記主制御基板は、
前記変動時間短縮操作手段が前記特別図柄の第1図柄の静止の所定時間前に操作されると、操作に係るデータを前記図柄制御基板に送信する操作データ送信手段と、を備え、
前記タイミングに起因していずれか1つの停止図柄指定コードを選択し、該選択された停止図柄指定コードの種類が同一であっても変動時間が異なるよう前記タイミングに基づきランダムに変動タイムコードを選択し、選択された各々のコードを送信し、
一方、前記図柄制御基板は、
前記主制御基板が送信するデータに基づき前記特別図柄を変動表示し、前記操作データ送信手段により送信されるデータを受信したときから予め定められた所定時間経過後に前記特別図柄の第1図柄を強制的に静止させ、前記特別図柄のその他の図柄は予めROMに記憶されたテーブルに基づき変動表示させる変動時間の短縮を実行することを特徴とする弾球遊技機。」

2.引用例
これに対して、当審における、平成19年2月8日付けで通知した拒絶の理由に引用され本件出願前に日本国内において頒布された刊行物である特開平6-246050号公報(以下、刊行物1という。)には、図面とともに、
「【請求項1】 複数の識別情報を可変表示する可変表示装置と、
可変表示装置の表示制御を行う表示制御手段と、
遊技状態の制御を行う遊技制御手段と、
を備えた遊技機において、
前記遊技制御手段に、遊技態様の判定に基づき可変表示装置に表示する表示種別を指令する表示種別指令手段を設け、
前記表示制御手段に、該表示種別指令手段からの表示種別指令信号に基づいて、表示種別に応じた表示を行うように可変表示装置の作動を制御することにより、表示種別に関連する制御を負担する表示種別制御負担手段を設けた・・・遊技機。」(特許請求の範囲、【請求項1】)、
「 ・・・表示制御手段は、複数の識別情報を記憶する識別情報記憶手段を有し、
・・・表示種別制御負担手段は、表示種別指令手段からの表示種別指令信号に基づいて、識別情報記憶手段に記憶された複数の識別情報より特定の識別情報を選択する識別情報選択手段を有し、識別情報選択手段によって選択された特定の識別情報を可変表示装置に表示するような制御を行う・・・遊技機。」(特許請求の範囲、【請求項3】)、
「 ・・・表示種別指令手段は、遊技態様判定手段の判定に基づき可変表示装置に識別情報の表示態様を指令し、
・・・表示種別制御負担手段は、表示種別指令手段からの識別情報の表示態様指令信号に基づいて可変表示装置に表示される識別情報の表示態様を制御する・・・遊技機。」(特許請求の範囲、【請求項4】)、
「【産業上の利用分野】
・・・、遊技機に係わり、詳しくは遊技媒体(例えば、パチンコ玉)を使用し、遊技機の制御を行う制御手段(CPUを含む電子回路によって実現される手段)を複数備えた遊技機に関する。」(段落【0001】)、
「・・・、多彩な表示が可能な表示器を用いた可変表示装置を備えた従来の遊技機にあっては、多彩な表示は専用に設けた表示制御装置により行い、遊技制御は遊技制御手段(例えば、役物用のCPUを含む遊技制御装置)により行われている。」(段落【0005】)、
「・・・、多彩な表示を行うために遊技制御手段は表示制御装置に対して詳細な指令を与えなければならず、制御内容が膨大になっていた。
その結果、遊技制御装置側の制御の負担が大きく、結果的に大きな容量のROMを必要とする欠点があった。
なお、例えば遊技制御装置側のROM容量に制限があるような場合には、あまり複雑なことをすると、プログラムをROMに収納できないという問題点がある。」(段落【0006】)、
「・・・遊技機は、複数の識別情報を可変表示する可変表示装置102と、
可変表示装置102の表示制御を行う表示制御手段370(例えば、表示用CPU302、ROM351、RAM352、フォントROM353およびV-RAM354)と、
遊技状態の制御を行う遊技制御手段360(例えば、役物用CPU301、RAM311およびROM314)と、
を備えた遊技機(例えば、パチンコ機1)において、
前記遊技制御手段360に、遊技態様の判定に基づき可変表示装置に表示する表示種別を指令する表示種別指令手段を設け、
前記表示制御手段370に、該表示種別指令手段からの表示種別指令信号に基づいて、表示種別に応じた表示を行うように可変表示装置102の作動を制御することにより、表示種別に関連する制御を負担する表示種別制御負担手段を設けた・・。」(段落【0009】)、
「【作用】
・・・、表示制御手段側に遊技制御手段側の制御の一部を負担させることが行われる。具体的には、可変表示装置に表示する表示種別(例えば、大当り、外れ、ラッキーナンバー等の停止指令)を遊技制御手段側から表示制御手段側に指令し、表示制御手段側では指令された表示種別に基づいて、表示種別に応じた表示を行うように可変表示装置の作動を制御する。」(段落【0014】)、
「・・・、遊技制御手段では図柄の可変表示、停止態様(大当り、外れ、ラッキーナンバー等)のみを指令することにより、表示制御手段が停止時の図柄を選択して可変表示装置に表示させる。
したがって、多彩な表示を行いながら、遊技制御手段側の制御の負担が軽減し、プログラム容量の削減(ROM容量の軽減)が図れる。また、プログラム容量が削減された分、他の制御を付加することが可能になり、さらに興趣ある遊技制御を行うことができる。」(段落【0015】)、
「・・・、遊技盤13における遊技領域の構成としては各種のタイプが使用可能であり、遊技媒体を用いてゲームを行い、かつ複数の識別情報を可変表示する可変表示装置を使用するものであれば、何れも・・・適用対象である。例えば、いわゆる「第1種」に属するもの、「第2種」に属するもの、「第3種」に属するものあるいはその他のパチンコ機であってもよい。
本実施例では、遊技情報の表示に都合がよいことから、一例として図2に示すように映像表示装置を備えた「第1種」に属するタイプのものを用いている。したがって、本発明の適用は図2に示す「第1種」に属するタイプのものに限らず、・・・幅広い遊技機に対して適用が可能である。」(段落【0031】)、
「・・・図2において、遊技領域の周囲には弾発された玉を遊技領域の上方部まで案内・・・するなどの機能を有するレール101が配置されている。また、遊技領域のほぼ中央部には映像を表示可能な可変表示装置(いわゆる役物装置で、映像表示装置に相当)102が配置されている。可変表示装置102の下方には、始動入賞口103が配置されるとともに、可変表示装置102の図柄表示結果によって遊技玉を受け入れない第1の状態から受け入れ易い第2の状態に変動する大入賞口としての変動入賞装置(大入賞口のことで、いわゆるアタッカー)104が配置されている。・・・。」(段落【0032】)、
「スペシャルリーチとは、1、2個目の図柄が停止した後、3個目の図柄を停止させるときに通常停止と異なる特別停止で3個目の図柄を停止させるような制御を行うもので、例えば特別停止としていわゆるロングリーチが採用される。具体的には、1個目の左図柄が「2」、2個目の右図柄が同じく「2」で、3個目の中図柄が「2」の手前で極めてスローにスクロールしていく状態をロングリーチという。したがって、特別停止における停止に関わる期間中は、図柄のスクロールがより一層緩やかになる。これにより、遊技者は長時間ロングリーチの醍醐味を味わうことができ非常に“わくわく”することになる。」(段落【0034】)、
「可変表示装置102は始動入賞口103、105、106に玉が入賞したとき、その表示図柄を変化させ、その図柄が特定の利益状態(すなわち、特別遊技状態で、例えば、大当りのゾロ目状態:「777」など)になると、変動入賞装置(アタッカー)104が開放するようになっている。・・・。」(段落【0035】)、
「・・・、可変表示装置102としては蛍光表示器(FIP)を用いて映像を表示可能なものが使用されており、映像表示部102A・・・は大きく分けて3つに区分され、第1グリッド141、第2グリッド142、第3グリッド143の3つの御領域に分けて点灯制御が行われる。蛍光表示器はキャラクターと5×7のドットマトリクスを用いて特別変動図柄(大当りの判定を行う表示図柄で、以下、適宜特図という)やその他の必要な映像を表示し、 1回の出力命令で1つのグリッドを点灯するようになっている。」(段落【0036】)、
「特図の表示は、第1グリッド141?第3グリッド143の3つの制御領域の中央に配置されたパチンコ玉をイメージした多数の丸い蛍光表示器(例えば、蛍光表示器144、145、146等)を含む特図領域141T、142T、143Tを用い、これらの特図領域141T、142T、143Tにおいて対応する複数の蛍光表示器が点灯して3列に配置される3つの数字や記号(A、B、Cなど)を表示し、大当り(例えば、「777」)あるいははずれ(例えば、「123」)等の図柄を表示することができるようになっている。そして、各グリッド141?グリッド143に表示する内容は映像データとして、グリッド単位で・・・V-RAM354にいったん格納され、所定の表示タイミングで読み出されてグリッド毎に点灯制御される。この場合、V-RAM354は特図および始動記憶表示のデータを格納する。」(段落【0037】)、
「・・・役物制御回路盤207は遊技盤13における役物の作動に必要な各種制御を行うものである。・・・。」(段落【0047】)、
「・・・、図5はパチンコ機1における制御系のブロック図である。・・・、この制御系は大きく分けると、役物装置に関連する制御を行う役物用CPU301を含む遊技制御手段360の系統と、可変表示装置102の表示についての制御を行う特図表示器用CPU302(以下、表示用CPU302という)含む表示制御手段370の系統とに区分される。」(段落【0053】)、
「・・・、役物用CPU301は演算処理を行うマイクロプロセッサの他に、ワークエリアの設定や制御に必要なデータの一時記憶(例えば、始動記憶)等を行うRAM311と、・・・分周回路313とを含んで構成される。
役物用CPU301は制御プログラム等を格納しているROM314と、・・・電源回路315とに接続されている。」(段落【0054】)、
「・・・、役物用CPU301は・・・、表示用CPU302に対して直接的にコマンドやデータを送信するようになっている。」(段落【0055】)、
「特図始動スイッチ(特定球検出手段)342は始動入賞口103、105、106(特定位置)に玉が入賞したことを検出する。・・・特図始動スイッチ342により特定位置に玉が入賞した状態(以下、特定遊技状態という)を検出してから可変表示装置102の図柄変動が開始されるようになっている。
すなわち、特定遊技状態は、可変表示装置102での可変表示を開始できる状態になったことに相当する。特定遊技状態として、特図始動スイッチ342による検出の例に限らず、例えば所定のゲート(例えば、普通図柄ゲート)を玉が通過したときに可変表示装置102での可変表示を開始できる特定遊技状態になったとしてもよく、その場合にはゲートの通過を検出するセンサ(特定遊技状態検出手段)を設け、このセンサからの通過検出信号によって可変表示装置102での可変表示を開始する。」(段落【0059】)、
「・・・。表示用CPU302は役物用CPU301からのコマンドやデータを・・・受信し、可変表示装置102の表示図柄を可変作動させるための制御を行うとともに、制御プログラム等や・・・音データを格納しているROM351と、ワークエリアの設定や制御に必要なデータの一時記憶等を行うRAM352を内蔵している。・・・。」(段落【0061】)、
「表示用CPU302は可変表示装置102に表示する表示データ(文字や図形等のデータ)を予め記憶しているフォントROM(識別情報記憶手段)353と、可変表示装置102に表示する映像データを1画面分を単位として格納しているV-RAM354との間でデータの授受を行うようになっている。」(段落【0062】)、
「表示用CPU302は役物用CPU301からのコマンドやデータに基づきフォントROM353から対応する表示情報を抽出し、V-RAM354に記憶させるような制御を行うとともに、V-RAM354に記憶されている表示情報をドライバー355に出力する。ドライバー355は表示用CPU302からの信号をドライブして駆動信号を生成し、可変表示装置102を駆動する。・・・。」(段落【0063】)、
「・・・、役物用CPU301、RAM311およびROM314は全体として遊技制御手段360を構成し、表示種別指令手段、遊技態様判定手段としての機能を実現する。・・・、表示用CPU302、ROM351、RAM352、フォントROM353およびV-RAM354は全体として表示制御手段370を構成し、表示種別制御負担手段、識別情報選択手段としての機能を実現する。・・・。」(段落【0067】)、
「役物制御用メインルーチン
・・・、役物制御用メインルーチン(いわゆるゼネラルフロー)について図6を参照・・・。このルーチンは、・・・パチンコ機1の電源の投入後、繰り返して行われ、具体的には・・・HALT待ち処理で2ms毎にハード的に割込みがかかって繰り返される。」(段落【0070】)、
「役物制御用メインルーチンが起動すると、まずステップS10で電源投入か否かを判別する。初回の電源投入時であれば、ステップS12に進んで初期化処理を行う。初期化処理では、具体的にはRAM311をクリアするとともに、可変表示装置102に初期図柄(例えば、「123」)を表示させるようなコマンドのセッティングを行う。・・・。」(段落【0071】)、
「・・・、ステップS16で特別遊技中(大当り中)であるか否かを判別する。特別遊技中のときはステップS18に進んで特別遊技処理(・・・)を実行する。・・・、特別遊技中でないときはステップS20に進んで可変表示中か否かを判別する。可変表示中とは、可変表示装置102の図柄が変動している状態をいう。可変表示中のときはステップS22に進んで可変表示処理(・・・)を実行する。・・・。」(段落【0073】)、
「可変表示中でないときはステップS24に進んで始動記憶があるか否かを判別する。・・・。始動記憶があるときはステップS26に進んで可変表示開始処理(・・・)を実行する。これにより、可変表示装置102の図柄変動が開始される。・・・。」(段落【0074】)、
「・・・。ステップS30では表示制御装置400側にコマンドを送信する処理を行う。
ここで、・・・表示制御装置400側に遊技制御手段360側の制御の一部を負担させることが行われ、具体的には、可変表示装置102に表示する表示種別(例えば、大当り、外れ、ラッキーナンバー等の停止コマンド)を役物制御用CPU301から表示制御用CPU302に指令し、表示制御用CPU302側では指令された表示種別に基づいて、表示種別に応じた表示を行うように可変表示装置102の作動を制御する。
すなわち、役物制御用CPU301では図柄の可変表示、停止態様(大当り、外れ、ラッキーナンバー等)のみを指令することにより、表示制御装置400側が停止時の図柄を選択して可変表示装置102に表示させることが行われる。」(段落【0076】)、
「・・・、HALT待ちになり、2ms毎のハード割込により役物制御用メインルーチンが繰り返される。」(段落【0077】)、
「可変表示開始処理
図7は役物制御用メインルーチンのステップS26における可変表示開始処理のサブルーチンを示す図である。このサブルーチンに移行すると、ステップS50で入賞時に記憶した乱数値を読み出す。・・・、始動入賞があると同時に大当り判定用の乱数を取り出し、これを記憶するようになっている。したがって、入賞時に当り/外れが決定されることになる。」(段落【0078】)、
「・・・、ステップS52では読み出した乱数値が当り(すなわち、大当り)であるか否かを判別する。当りでなければステップS54で外れ停止コマンドをセットする。この外れ停止コマンドは表示用CPU302に送信され、表示用CPU302では外れ停止コマンドに基づいて外れの停止図柄を表示するように可変表示装置102の作動を制御する。この場合、役物制御用CPU301では、外れ停止の指令(つまり表示種別の指令)を出力するのみで、停止の図柄までは指令せず、停止の図柄は表示制御用CPU302側で決定する。これにより、役物制御用CPU301の制御負担を軽くすることが行われる。」(段落【0079】)、
「ステップS54を経ると、次いで、ステップS56に進み、ステップS50で読み出した乱数値の内容がリーチであるか否かを判別する。リーチとは、第1停止図柄および第2停止図柄が同じで、第3図柄が変動している状態(例えば、「77X」)である。リーチのときはステップS58に進んでリーチコマンドをセットする。次いで、ステップS60でリーチ用の可変表示タイマをセット(例えば、8秒にセット)する。可変表示タイマは可変表示装置102の図柄を変動(可変表示)させている時間をカウントするものである。これにより、表示制御用CPU302側では、例えば8秒間だけリーチ状態の図柄変動となり所定の図柄に停止する表示制御が行われる。」(段落【0080】)、
「・・・、複数のコマンドが同時にセットされることもあり得る。例えば、上記例では外れ停止のコマンドと、リーチのコマンドとが同時にセットされる。したがって、この場合はリーチになるが、結局、外れの図柄となる(例えば、「773」)。ステップS60の処理を経ると、次いで、ステップS62で始動記憶を更新する。これは、始動記憶数を[1]だけデクリメントするもので、例えば、始動記憶が[2]のときは更新して[1]となる。次いで、ステップS64で可変表示処理を開始する。これにより、可変表示装置102の図柄変動(可変表示)を開始(つまり補助遊技を開始)するコマンドが送信されて、実際に可変表示装置102の図柄変動が開始する。」(段落【0081】)、
「・・・、ステップS56でリーチでないときはステップS66に進んでロングリーチであるか否かを判別する。ロングリーチとは、・・・スペシャルリーチのことで、1、2個目の図柄が停止した後、3個目の図柄を停止させるときに通常停止と異なる特別停止で3個目の図柄を停止させるものである。特別停止における停止に関わる期間中は、図柄のスクロールがより一層緩やかになる。」(段落【0082】)、
「ロングリーチでないときはステップS68に進んで通常停止コマンドをセットするとともに、続くステップS70で通常停止用の可変表示タイマをセット(例えば、5秒にセット)する。これにより、表示制御用CPU302側では、例えば5秒間だけ通常の停止態様(つまり外れの図柄)となるような表示制御が行われる。・・・。」(段落【0083】)、
「・・・、ステップS66でロングリーチであるときはステップS72に分岐してロングリーチコマンドをセットし、続くステップS74でロングリーチ用の可変表示タイマをセット(例えば、10秒にセット)する。・・・。これにより、表示制御用CPU302側では、可変表示装置102の図柄変動を10秒という長い時間にわたってリーチ変動させてから停止させる制御が行われる。」(段落【0084】)、
「・・・ステップS52で読み出した乱数値が当り(すなわち、大当り)のときはステップS76に分岐し、当り図柄がラッキーナンバーであるか否かを判別する。ラッキーナンバーとは、特定の図柄で当りになると、以後所定回にわたり、大当り確率がアップ(例えば、10倍にアップ)するようなものである。ラッキーナンバーには、例えば「333」、「777」の図柄がある。「333」の図柄で大当りになると、以後1回だけ大当り確率がアップする。なお、「777」の図柄をスペシャルラッキーナンバーとして、大当り確率を5回にわたって高めるようにしてもよい。」(段落【0085】)、
「ステップS76で当り図柄がラッキーナンバーであるときは、ステップS78に進んでラッキー停止コマンドをセットし、ステップS80に進む。これにより、表示制御用CPU302側では、可変表示装置102の図柄をラッキーナンバーで停止させる制御が行われる。また、当り図柄がラッキーナンバーでないときは、ステップS82に進んで当り停止コマンドをセットし、ステップS80に進む。これにより、表示制御用CPU302側では、可変表示装置102の図柄を通常の当りナンバーで停止させる制御が行われる。」(段落【0086】)、
「ステップS80ではロングリーチであるか否かを判別し、ロングリーチであるときはステップS72に進んでロングリーチコマンドをセットする。これにより、表示制御用CPU302側では、可変表示装置102の図柄変動を長い時間にわたってリーチ変動させてから停止させる制御が行われる。また、ロングリーチでなければステップS58に進んでリーチコマンドをセットする。これにより、表示制御用CPU302側では、例えば8秒間だけリーチの図柄変動となるような表示制御が行われる。・・・ステップS52、ステップS56、ステップS66、ステップS76、ステップS80の判定は何れも乱数値に基づいて行われる。・・・通常停止、リーチ停止、ロングリーチ停止等は識別情報の表示態様に相当する。」(段落【0087】)、
「可変表示処理
図8は役物制御用メインルーチンのステップS22における可変表示処理のサブルーチンを示す図である。・・・、ステップS100で可変表示タイマがタイムアップしたか否かを判別する。可変表示タイマは可変表示装置102の図柄を変動(可変表示)させている時間をカウントするものであるから、ステップS100の判別結果がNOのときは、図柄が変動中であるのでメインルーチンにリターンする。」(段落【0088】)、
「・・・、ステップS100で可変表示タイマがタイムアップしたときはステップS102に進んで当り停止コマンドがセットされているか否かを判別する。当り停止コマンドは可変表示装置102をラッキーナンバー以外の当り図柄で停止させる指令である。当り停止コマンドがセットされていればステップS104で通常判定確率を設定する。・・・。」(段落【0089】)、
「・・・、ステップS102で当り停止コマンドがセットされていなければステップS106に進み、ラッキー停止コマンドがセットされているか否かを判別する。ラッキー停止コマンドは可変表示装置102をラッキーナンバーの当り図柄で停止させる指令である。ラッキー停止コマンドがセットされていればステップS108でラッキー判定確率を設定する。・・・。」(段落【0091】)、
「・・・表示用CPU302による制御は、パチンコ機1の電源の投入と同時に開始され、電源が投入されている限り繰り返してその処理が実行される。・・・図10は表示制御用のメインルーチン(いわゆるゼネラルフロー)であり、このルーチンは、・・・パチンコ機1の電源の投入後、繰り返して行われ、具体的には・・・HALT待ち処理で2ms毎にハード的に割込みがかかって繰り返される。」(段落【0099】)、
「表示制御用のメインルーチンが起動すると、まずステップS200で電源投入時か否かを判別する。また、このステップではRAM352の状態をチェックする。そして、初回の電源投入時であれば、ステップS202に進んで初期化処理、具体的にはRAM352をクリアするとともに、可変表示装置102に初期図柄(例えば、「123」)を表示させるような制御を行う。その他、例えばフラグの設定、ドライバー355のリセット等が行われる。」(段落【0100】)、
「・・・。ステップS204では、入力処理を行い、ここでは遊技制御手段360からの指令を受信する(つまり、送られてきたコマンドの読み込みを行う)。遊技制御手段360からの指令には、・・・従来と異なり、表示種別のコマンドのみであり、実際の停止図柄は表示制御手段370側で決定される。」(段落【0101】)、
「・・・、ステップS210で表示出力処理を行う。これは、該当する処理内容に対応して実際に可変表示装置102を駆動制御して画像を表示させるものである。」(段落【0102】)、
「この場合、受信したコマンドに対応してフォントROM353のアドレスを算出する。これにより、フォントROM353のアドレスに対応する図柄データが読み出され、次いで、フォントROM353からの読み出しデータをV-RAM354上にセットする。次いで、V-RAM354のデータに基づいて可変表示装置102を駆動することが行われ、V-RAM354にセットされたデータが可変表示装置102に表示される。」(段落【0103】)、
「・・・ステップS218に進み、可変表示装置102が可変表示中であるか否かを判別する。可変表示中のときはステップS220に進んで可変表示タイマがタイムアップしたか否かを判別する。可変表示タイマがタイムアップしていなければ、ステップS224で可変表示処理を行い、可変表示タイマがタイムアップすると、ステップS222に進んで図柄の停止処理(・・・)を行う。これにより、一定時間だけ可変表示装置102の図柄が変動し、停止することになる。・・・。」(段落【0108】)、
「ステップS218で可変表示中でないときはステップS226に進み、停止コマンドを受信したか否かを判別する。停止コマンドとは、可変表示装置102の変動図柄を開始させた後、停止させる指令てあり、表示種別としては当り停止、外れ停止、ラッキーナンバー停止がある。停止コマンドであるときはステップS228に進んで可変表示装置102の停止図柄を決定する(・・・)。」(段落【0109】)、
「・・・、ステップS226で停止コマンドでないときはステップS210に進む。ステップS210ではフォントROM353から読み出しV-RAM354上にセットされた図柄データに基づいて可変表示装置102を駆動することが行われる。」(段落【0110】)、
「停止図柄決定処理
図11は表示制御用メインルーチンのステップS228における停止図柄決定処理のサブルーチンを示す図である。・・・、ステップS250で外れ停止コマンドを受信したか否かを判別する。外れ停止コマンドは可変表示装置102を外れの図柄で停止させる指令である。外れ停止コマンドを受信したときはステップS252で表示態様コマンドに基づき外れ停止図柄(例えば、リーチ停止であれば「113」のように第1、第2停止図柄がゾロ目であり、第3図柄が異なる図柄)を設定する。この設定は、受信した外れ停止コマンドに応じてフォントROM353のアドレスを算出し、フォントROM353のアドレスに対応する外れ停止図柄データを選択して読み出すことによって行われる。」(段落【0111】)、
「ステップS252の処理を経ると、次いで、ステップS262に進んで可変表示タイマをセットする。この場合の可変表示タイマは、1桁目が停止する時間を設定するもので、例えば5秒にセットされる。なお、当り停止、外れ停止、ラッキーナンバー停止の何れの場合でも1桁目の停止する時間は同じに設定される。次いで、ステップS264で可変表示処理を開始し、その後、メインルーチンにリターンする。」(段落【0112】)、
「ステップS250で外れ停止コマンドを受信しないときは、ステップS254に進んで当り停止コマンドを受信したか否かを判別する。当り停止コマンドは可変表示装置102を当りの図柄で停止させる指令である。当り停止コマンドを受信したときはステップS256で当り停止図柄(例えば、「111」のようにゾロ目になる図柄)を設定する。この設定は、受信した当り停止コマンドに応じてフォントROM353のアドレスを算出し、フォントROM353のアドレスに対応する当り停止図柄データを選択して読み出すことによって行われる。・・・。ステップS256を経ると、ステップS262に進んで同様の処理を行う。」(段落【0113】)、
「ステップS254で当り停止コマンドを受信しないときは、ステップS258に進んでラッキー停止コマンドを受信したか否かを判別する。ラッキー停止コマンドは可変表示装置102をラッキーナンバーの当り図柄で停止させる指令である。ラッキー停止コマンドを受信したときはステップS260でラッキー図柄(例えば、「333」のようなラッキーナンバー)を設定する。この設定は、受信したラッキー停止コマンドに応じてフォントROM353のアドレスを算出し、フォントROM353のアドレスに対応するラッキー停止図柄データを選択して読み出すことによって行われる。なお、ここでのラッキー図柄には通常の当り図柄は含まれない。ステップS260を経ると、ステップS262に進んで同様の処理を行う。」(段落【0114】)、
「停止処理
図12は表示制御用メインルーチンのステップS222における停止処理のサブルーチンを示す図である。・・・、ステップS300で通常停止コマンドを受信したか否かを判別する。通常停止コマンドとは、可変表示装置102の変動図柄をリーチではなく、通常の停止時間で停止させる指令である。通常停止コマンドであるときはステップS302に進んで通常停止処理を行う。これにより、可変表示装置102の変動図柄が通常の停止時間で停止することになる。この場合の停止図柄は、停止図柄決定処理で設定されたものになる。・・・。」(段落【0115】)、
「ステップS300で通常停止コマンドを受信しないときはステップS304に進んでリーチコマンドを受信したか否かを判別する。リーチコマンドとは、可変表示装置102の変動図柄をリーチで停止させる指令である。リーチコマンドであるときはステップS306に進んでリーチ停止処理を行う。これにより、可変表示装置102の変動図柄が通常の停止時間より長いリーチの時間で停止することになる。この場合のリーチ図柄は停止図柄決定処理で設定されたものになる。・・・。」(段落【0116】)、
「・・・、ステップS304でリーチコマンドを受信しないときはステップS308に進んでロングリーチコマンドを受信したか否かを判別する。ロングリーチコマンドとは、可変表示装置102の変動図柄をロングリーチで停止させる指令である。ロングリーチコマンドであるときはステップS310に進んでロングリーチ停止処理を行う。これにより、可変表示装置102の変動図柄が通常のリーチ停止時間より長いロングリーチの時間で停止することになる。この場合のロングリーチ図柄は停止図柄決定処理で設定されたものになる。・・・ロングリーチでないときは今回のルーチンを終了してリターンする。」(段落【0117】)、
「・・・、遊技制御手段360から表示種別の指令を行うコマンドが送信され、表示制御装置400側の表示用CPU302では受信した表示種別の指令に基づいて停止時の表示図柄を選択し、可変表示装置102に表示させることが行われる。すなわち、表示制御装置400側に遊技制御手段360側の制御の一部を負担させることが行われる。・・・。」(段落【0118】)、
「・・・、遊技制御手段360では図柄の可変表示結果としての停止態様(大当り、外れ、ラッキーナンバー等)のみを指令することになり、表示制御手段370が停止時の図柄を選択するという表示制御の一部を負担して可変表示装置102に表示させる。」(段落【0119】)、
「・・・変形態様について・・・。
(a)・・・表示制御および音出力の制御を表示制御装置側で行っているが、これら以外の他の制御も表示制御装置側で負担するうようにしてもよい。そのようにすると、より一層遊技制御手段側の制御の負担を軽減することができる。」(段落【0121】)、
「(b)・・・遊技制御手段側で図柄を指定するのではなく、表示動作および結果態様(当り、外れ)を表示制御手段側に指令する方式では、・・・、違う図柄を表示する遊技機にすることが簡単に可能になる。」(段落【0122】)、
「(c)・・・、リーチおよびロングリーチを遊技制御手段側で決定しているが、これに限らず、例えば表示制御手段側で通常停止、リーチ停止、ロングリーチ停止を決定してもよい。
ただし、外れの場合の通常停止、リーチ停止、ロングリーチ停止の表示時間違いおよび当りの場合のリーチ、ロングリーチの表示時間の違いを把握して役物側の制御を行う必要がある。」(段落【0123】)、
「・・・カードリーダを備えていないパチンコ機にも適用できる・・・。・・・遊技機は・・・プリペイドカード方式のパチンコ機に適用する例に限らない。例えば、クレジット方式のパチンコ機にも適用することができる。・・・、全くカードを使用しないパチンコ機についても幅広く適用することが可能である。」(段落【0126】)、
「【発明の効果】
本発明によれば、遊技制御手段から表示種別の指令を行うコマンドを送信し、表示制御装置側の表示用CPUでは受信した表示種別の指令に基づいて停止時の表示図柄を選択し、可変表示装置に表示させているので、表示制御装置側に遊技制御手段側の制御の一部を負担させることができる。したがって、可変表示装置の特長を活かして多彩な表示を行いながら、遊技制御手段側の制御の負担を軽減させることができ、プログラム容量の削減(ROM容量の軽減)を図ることができる。
また、プログラム容量が削減された分だけ、他の制御を付加することが可能になり、さらに興趣ある遊技制御を行うことができるようになる。」(段落【0127】)、
との記載が認められる。
また、上記摘記事項および図6・7より、遊技制御手段では図柄の可変表示を指令することにより、表示制御手段が可変表示装置に表示させること、可変表示装置は始動入賞口に玉が入賞したとき、その表示図柄を変化させ、その図柄が「777」などになること、可変表示装置としては蛍光表示器を用いて映像を表示可能なものを使用し、映像表示部は大きく分けて3つに区分され、第1グリッド、第2グリッド、第3グリッドの3つの領域に分けて点灯制御が行われ、特別変動図柄やその他の必要な映像を表示し、1回の出力命令で1つのグリッドを点灯するようになっていること、特別変動図柄の表示は、特別変動図柄領域を用い、3列に配置される3つの数字や記号(A、B、Cなど)を表示し、例えば、「123」等の図柄を表示することができるようになっており、各グリッドに表示する内容は映像データとして、グリッド単位でV-RAMにいったん格納され、所定の表示タイミングで読み出されてグリッド毎に点灯制御され、この場合、V-RAMは特別変動図柄のデータを格納すること、特定位置に玉が入賞した状態を検出してから可変表示装置102の図柄変動が開始されるようになっていること、役物用CPU301、RAM311およびROM314は全体として遊技制御手段360を構成し、表示種別指令手段、遊技態様判定手段としての機能を実現すること、役物制御用CPU301では図柄の可変表示、停止態様(大当り、外れ、ラッキーナンバー等)のみを指令すること、表示制御用のメインルーチンのステップS204では、入力処理を行い、ここでは遊技制御手段360からの指令を受信し、遊技制御手段360からの指令には、従来と異なり、表示種別のコマンドのみであり、実際の停止図柄は表示制御手段370側で決定されること、役物制御用メインルーチンのステップS26における可変表示開始処理のサブルーチンに移行すると、ステップS50で入賞時に記憶した乱数値を読み出し、始動入賞があると同時に大当り判定用の乱数を取り出し、これを記憶するようになっており、入賞時に当り/外れが決定されること、リーチのときはリーチコマンドをセットし、リーチ用の可変表示タイマをセット(例えば、8秒にセット)し、可変表示タイマは可変表示装置102の図柄を変動(可変表示)させている時間をカウントするものであり、表示制御用CPU302側では、例えば8秒間だけリーチ状態の図柄変動となり所定の図柄に停止する表示制御が行われること、ステップS52、ステップS56、ステップS66、ステップS76、ステップS80の判定は何れも乱数値に基づいて行われ、通常停止、リーチ停止、ロングリーチ停止等は識別情報の表示態様に相当すること、ステップS64で可変表示処理を開始することにより、可変表示装置102の図柄変動を開始(つまり補助遊技を開始)するコマンドが送信されて、実際に可変表示装置の図柄変動が開始すること、ロングリーチとは、1、2個目の図柄が停止した後、3個目の図柄を停止させるときに通常停止と異なる特別停止で3個目の図柄を停止させるものであり、特別停止における停止に関わる期間中は、図柄のスクロールがより一層緩やかになること、ロングリーチでないときは通常停止コマンドをセットするとともに、通常停止用の可変表示タイマをセット(例えば、5秒にセット)し、表示制御用CPU302側では、例えば5秒間だけ通常の停止態様(つまり外れの図柄)となるような表示制御が行われること、ロングリーチであるときはロングリーチコマンドをセットし、ロングリーチ用の可変表示タイマをセット(例えば、10秒にセット)し、表示制御用CPU302側では、可変表示装置102の図柄変動を10秒という長い時間にわたってリーチ変動させてから停止させる制御が行われること、停止コマンドとは、可変表示装置の変動図柄を開始させた後、停止させる指令であり、表示種別としては当り停止、外れ停止、ラッキーナンバー停止があり、停止コマンドであるときはステップS228に進んで可変表示装置の停止図柄を決定すること、通常停止コマンドとは、可変表示装置の変動図柄をリーチではなく、通常の停止時間で停止させる指令であり、通常停止コマンドであるときはステップS302に進んで通常停止処理を行うことにより、可変表示装置の変動図柄が通常の停止時間で停止することになり、この場合の停止図柄は、停止図柄決定処理で設定されたものになること、リーチコマンドとは、可変表示装置の変動図柄をリーチで停止させる指令であり、リーチコマンドであるときはステップS306に進んでリーチ停止処理を行い、これにより、可変表示装置102の変動図柄が通常の停止時間より長いリーチの時間で停止することになること、ロングリーチコマンドとは、可変表示装置102の変動図柄をロングリーチで停止させる指令であり、ロングリーチコマンドであるときはステップS310に進んでロングリーチ停止処理を行い、これにより、可変表示装置102の変動図柄が通常のリーチ停止時間より長いロングリーチの時間で停止することになること等、および、通常停止するために通常停止用の可変表示タイマを例えば、5秒にセットすることにより、表示制御用CPU302側では、例えば5秒間だけ通常の停止態様となるような表示制御が行われると同様に、リーチ停止用やロングリーチ停止用の可変表示タイマをセットすることにより表示制御用CPU302側で同様の表示制御が行われるものであり、総じて、間接的ではあっても、遊技制御手段360側には、通常停止・リーチ停止・ロングリーチ停止のいずれかの停止時間を指令するような遊技態様判定コマンドを備えていると見ることができることから、遊技制御手段360は、「コマンドとして、特別変動図柄の1個目の左図柄が変動開始してから3個目の中図柄が停止するまでの1回の可変表示について設定された変動時間を示す前記特別変動図柄の種類に関係のない通常停止・リーチ停止・ロングリーチ停止のいずれかの停止時間を指令する遊技態様判定コマンド、前記特別変動図柄の当り停止・外れ停止・ラッキーナンバー停止のいずれかの表示種別を指令する表示種別指令コマンドを備え、始動入賞があるといずれか1つの表示種別指令コマンドを選択し、該選択された表示種別指令コマンドの種類が同一であっても変動時間が異なるよう前記始動入賞があることに基づき乱数値により遊技態様判定コマンドを選択し、選択された各々のコマンドを送信す」るものと認められ、
また、上記摘記事項および図10・11・12より、遊技制御手段では図柄の可変表示、停止態様のみを指令することにより、表示制御手段が停止時の図柄を選択して可変表示装置に表示させること、表示用CPU302は可変表示装置102に表示する表示データ(文字や図形等のデータ)を予め記憶しているフォントROM(識別情報記憶手段)353と、可変表示装置102に表示する映像データを1画面分を単位として格納しているV-RAM354との間でデータの授受を行うようになっていること、スペシャルリーチは、1、2個目の図柄が停止した後、3個目の図柄を停止させるときに通常停止と異なる特別停止で3個目の図柄を停止させるような制御を行うもので、例えば特別停止としていわゆるロングリーチが採用され、具体的には、1個目の左図柄が「2」、2個目の右図柄が同じく「2」で、3個目の中図柄が「2」の手前で極めてスローにスクロールしていく状態をロングリーチといい、特別停止における停止に関わる期間中は、図柄のスクロールがより一層緩やかになり、遊技者は長時間ロングリーチの醍醐味を味わうことができること、リーチは、第1停止図柄および第2停止図柄が同じで、第3図柄が変動している状態(例えば、「77X」)であり、リーチのときはリーチコマンドをセットし、次いで、リーチ用の可変表示タイマをセット(例えば、8秒にセット)し、可変表示タイマは可変表示装置102の図柄を変動(可変表示)させている時間をカウントするものであり、これにより、表示制御用CPU302側では、例えば8秒間だけリーチ状態の図柄変動となり所定の図柄に停止する表示制御が行われること、ロングリーチであるとき、表示制御用CPU302側では、可変表示装置102の図柄変動を長い時間にわたってリーチ変動させてから停止させる制御が行われ、また、ロングリーチでなければ、表示制御用CPU302側では、例えば8秒間だけリーチの図柄変動となるような表示制御が行われること、表示用CPU302は役物用CPU301からのコマンドやデータに基づきフォントROM353から対応する表示情報を抽出し、V-RAM354に記憶させるような制御を行うとともに、V-RAM354に記憶されている表示情報をドライバー355に出力し、ドライバー355は表示用CPU302からの信号をドライブして駆動信号を生成し、可変表示装置102を駆動すること、表示用CPU302、ROM351、RAM352、フォントROM353およびV-RAM354は全体として表示制御手段370を構成し、表示種別制御負担手段、識別情報選択手段としての機能を実現すること、役物制御用CPU301では図柄の可変表示、停止態様のみを指令することにより、表示制御装置400側が停止時の図柄を選択して可変表示装置102に表示させることが行われること、ステップS210で表示出力処理を行い、該当する処理内容に対応して実際に可変表示装置102を駆動制御して画像を表示させ、この場合、受信したコマンドに対応してフォントROM353のアドレスを算出し、これにより、フォントROM353のアドレスに対応する図柄データが読み出され、次いで、フォントROM353からの読み出しデータをV-RAM354上にセットし、次いで、V-RAM354のデータに基づいて可変表示装置102を駆動することが行われ、V-RAM354にセットされたデータが可変表示装置102に表示されること、可変表示タイマは、1桁目が停止する時間を設定するもので、例えば5秒にセットされ、当り停止、外れ停止、ラッキーナンバー停止の何れの場合でも1桁目の停止する時間は同じに設定されること、通常停止コマンドは、可変表示装置102の変動図柄を通常の停止時間で停止させる指令であり、可変表示装置102の変動図柄が通常の停止時間で停止することになること、リーチコマンドは、可変表示装置102の変動図柄をリーチで停止させる指令であり、可変表示装置102の変動図柄が通常の停止時間より長いリーチの時間で停止すること、ロングリーチコマンドは、可変表示装置102の変動図柄をロングリーチで停止させる指令であり、可変表示装置102の変動図柄が通常のリーチ停止時間より長いロングリーチの時間で停止すること等から、表示制御手段370は、「遊技制御手段360が送信するデータに基づき前記特別変動図柄を可変表示し、データ線350により送信されるデータを受信したときから予め定められた所定時間経過後に前記特別変動図柄の1個目の左図柄を停止させ、前記特別変動図柄の2個目の右図柄と3個目の中図柄は各表示態様に応じた時間で停止させる」ものと認められる。これらの記載によれば、刊行物1には、

「遊技領域に弾発されたパチンコ玉が始動入賞口103、105、106に入賞又は所定のゲートを通過する始動入賞があると読み出した乱数値に従ってパチンコ玉を受け入れない第1の状態から受け入れ易い第2の状態にする大当りであるか否かを判別する遊技制御手段360と、
該遊技制御手段360によりパチンコ玉を受け入れない第1の状態から受け入れ易い第2の状態にする大当りであるか否かを判別する毎に映像表示部102Aの映像を一定時間だけ可変表示させた後、パチンコ玉を受け入れない第1の状態から受け入れ易い第2の状態にする大当りであるか否かを示す特別変動図柄で停止するよう制御する表示制御手段370と、を含み、前記特別変動図柄が3列に配置される3つの数字や記号の組み合わせにより構成され、
前記遊技制御手段360は、前記特別変動図柄の可変表示における変動の態様を指令するコマンドを送信する構成を有し、一方、表示制御手段370では、受信したコマンドに従って映像表示部102Aに映像を表示するよう構成したパチンコ機1であって、
前記遊技制御手段360は、
前記コマンドとして、前記特別変動図柄の1個目の左図柄が変動開始してから3個目の中図柄が停止するまでの1回の可変表示について設定された変動時間を示す前記特別変動図柄の種類に関係のない通常停止・リーチ停止・ロングリーチ停止のいずれかの停止時間を指令する遊技態様判定コマンド、前記特別変動図柄の当り停止・外れ停止・ラッキーナンバー停止のいずれかの表示種別を指令する表示種別指令コマンド、を備え、
更に、前記遊技制御手段360は、
前記始動入賞があるといずれか1つの表示種別指令コマンドを選択し、該選択された表示種別指令コマンドの種類が同一であっても変動時間が異なるよう前記始動入賞があることに基づき乱数値により遊技態様判定コマンドを選択し、選択された各々のコマンドを送信し、
一方、前記表示制御手段370は、
前記遊技制御手段360が送信するデータに基づき前記特別変動図柄を可変表示し、データ線350により送信されるデータを受信したときから予め定められた所定時間経過後に前記特別変動図柄の1個目の左図柄を停止させ、前記特別変動図柄の2個目の右図柄と3個目の中図柄は各表示態様に応じた時間で停止させるパチンコ機1。」

との発明(以下「刊行物1記載の発明」という。)が開示されていると認めることができる。

同じく、当審における拒絶の理由に引用され、本願出願前に国内において頒布された刊行物である特開平5-329262号公報(以下、刊行物2という。)には、図面とともに、
「入賞領域を形成した遊技部を有する遊技盤と、
当該遊技盤に設けられ、複数の識別図柄を順次表示可能な可変表示装置と、
前記遊技部の特定位置に遊技球が存在する特定存在を検出した場合に当該検出を可変表示装置の作動予約記憶として記憶する作動予約記憶手段と、
当該作動予約記憶に基づき前記可変表示装置を作動させるように制御する可変表示制御手段と、
前記特定存在を検出した後の経過時間である検出後経過時間を計時する検出後経過時間計時手段と、
前記可変表示装置の所定の停止時の識別図柄である停止図柄を予め設定された特別停止図柄と比較判定し、その比較判定結果に基づき特別遊技状態変換制御信号を発する停止図柄判定制御手段と、
当該特別遊技状態変換制御信号が発せられた場合には、遊技者にとって有利な特別遊技状態へ変換する変動入賞装置と、
を備えた遊技機であって、
前記可変表示制御手段は、所定の遊技態様の場合には、前記検出後経過時間に基づき前記可変表示装置を作動制御する第1短縮制御を行うこと
を特徴とする遊技機。」(特許請求の範囲、【請求項1】)、
「・・・遊技機は、操作指令を入力可能な指令入力手段を備えるとともに、
前記可変表示制御手段は、当該指令入力手段に入力された操作指令に基づき、前記可変表示装置における可変表示の開始から停止までの時間を短縮するように制御する第2短縮制御を行う・・・遊技機。」(特許請求の範囲、【請求項5】)、
「【従来の技術】
従来、遊技部の所定位置に遊技球が存在することを検出して普通図柄表示装置や特別図柄表示装置等の可変表示装置を作動させ、所定時間経過後に表示を停止させ、そのときの停止図柄に基づき普通電動役物・・・や大入賞口等の変動入賞装置を遊技者に有利な有利状態に変換させるような遊技機や、可変表示装置の可変表示を遊技者の操作により通常よりも短縮して停止させるための操作ボタン等が常時有効となっているような遊技機が知られている。・・・。」(段落【0002】)、
「【作用】・・・、操作ボタン等の指令入力手段に入力された操作指令に基づき、特別図柄表示装置等の可変表示装置における可変表示の開始から停止までの時間を短縮するように制御する第2短縮制御を普通図柄表示装置の高確率化の場合等の所定遊技態様のときのみ有効化することによっても特別図柄変動のサイクルタイムを短縮し、一定時間内の特別図柄変動回数の増加、すなわち普通図柄表示装置(上流側)の高確率化に応じた特別図柄表示装置(下流側)の処理能率の増大を図ることが可能となる。そして、このことは、遊技者の操作による新たな遊技興趣(例えば停止図柄の「狙い撃ち」等)を増すことにもつながる、という利点がある。」(段落【0005】)、
「CPU50が「外れ」、すなわち大賞典態様を形成しないと判定すると、外れ図柄生成ジェネレータ(・・・)等から外れの図柄(例えば、「3,1,5」)を選択して、この図柄で可変表示が停止するように制御信号を送り、これにより特別図柄表示装置6の可変表示を「3,1,5」で停止させる。」(段落【0055】)、
「・・・、CPU50が「大当り」、すなわち大賞典態様を形成すると判定した場合には、当り図柄生成ジェネレータ(・・・)等から当りの図柄(例えば、「7,7,7」)を選択して、この図柄で可変表示が停止するように大当り制御信号を送り、これにより特別図柄表示装置6の可変表示を「7,7,7」で停止させる。」(段落【0056】)、
「・・・、CPU50は、特別図柄表示装置6における特別図柄の停止を通常のモードにセットする(ステップS2A)。すなわち、特別図柄表示装置6においてはこの通常停止モードが標準状態ということになる。この特別図柄の停止については、・・・、通常よりも時間短縮して停止させることも可能である。」(段落【0065】)、
「・・・基本フローチャートは、通常の自動制御の場合であるが、遊技者が操作ボタン55をマニュアル操作することにより、特別図柄表示装置6における・・・可変表示時間の遊技者による短縮操作を所定条件に基づき有効とする場合には、図11・・・におけるステップS2Bを実行する。」(段落
【0070】)、
「図15は、停止短縮操作ボタンが操作された場合に、CPU50の処理に割込をかけるためのフローチャートで・・・、割込発生時のプログラムカウンタ(CPU50内に設けられる)の値を読出し(ステップS21)、この読み出されたプログラムカウント値の下位8ビットの値をRAM52等に記憶し(ステップS22)、その後、基本フローチャートに戻る。」(段落【0076】)、
「・・・。図18は、・・・特別図柄処理サブルーチンの構成を示す全体フローチャートである。・・・、まず最初に、特別図柄処理中であるか否かを判定し(ステップS41)、まだ特別図柄処理が開始されていない場合であれば、ステップS42に移行して特別図柄処理を始動させる特別図柄始動処理サブルーチンを実行する。特別図柄始動処理サブルーチンを実行した後は、ステップS43Aにおいて可変表示中であるか否かを判定し、その結果が「Y」であればそのまま基本フローチャートに戻るが、判定結果が「N」の場合には停止短縮ボタンを操作した停止短縮操作時に読み込んだプログラムカウンタの値をクリアした(ステップS43B)後基本フローチャートに復帰する。」(段落【0082】)、
「特別図柄可変表示サブルーチンでは、図20に示すように、まず、「特別図柄短縮停止判定」のフラグの有無をチェックし(ステップS501 )、当該フラグがなければ特別図柄を停止させるタイマがタイムアップしているか否かをチェックする(ステップS502 )。タイムアップしていなければ特別図柄の可変表示動作を継続して実行し(ステップS503 )基本フローチャートに戻る。」(段落【0091】)
「・・・、ステップS501 において「特別図柄短縮停止判定」のフラグが立っていれば、第1変動入賞装置7への最初の入賞からの経過時間を計時するタイマの計測値をチェックし(ステップS504 )、所定の設定時間(例えば5秒)が経過していれば次のステップS505 に移行するが、未経過なら上記ステップS502 に移る。ステップS505 では、特別図柄の可変表示の開始時点から所定の経過時間(例えば5秒)がたったかどうかを判定し、未経過ならステップS502 に移るが、タイムアップなら特別図柄の停止図柄決定サブルーチン(ステップS560 )を実行する。当該サブルーチン実行後、ステップS506 において「特別図柄可変表示」のフラグを解除し、「特別図柄停止開始」のフラグを立てて基本フローチャートに復帰する。」(段落【0092】)
「・・・図20は、通常の自動制御の場合を示しているが、停止短縮ボタンを有効とする停止短縮モードになった場合には図21の制御が行われる。この場合には、上記のステップS501 のかわりにステップS507 が実行され、停止短縮が有効か否かを判定し、有効であれば、ステップS508 で外部からの停止短縮信号の入力の有無をチェックする。次いで、ステップS509 において、停止短縮操作時及び始動口入賞時に読み込んだプログラムカウンタの値から記憶値を変更する。すなわち、始動入賞時の読み込み値(記憶値)をAとし、停止短縮操作時の読み込み値をBとすると、AとBとの和(A+B)を256で除した剰余値(余り)をAに代入する。ステップS507 からステップS509 までの処理以外の処理は図20と同じである。」(段落【0093】)、
「・・・、始動口入賞から所定時間経過後に可変表示を停止させる場合にも、所定の時間可変表示を行わせた後に図柄を停止させてもよい。・・・、可変表示の停止時間を短縮させる際に、複数の特別図柄(例えば図6における31a?31c)のうち最初の停止図柄(例えば図6における31a)を停止させるまでの時間を短縮させる例について説明したが、これは、図6における図柄31aを短縮停止させた後図柄31b、31cについてもその停止時間を短縮させるように制御してもよく、さらに、図柄31aについては通常の通り停止させ図柄31bと31cの停止のみを短縮停止させるように制御してもかまわない。」(段落【0206】)、
「・・・、可変表示短縮操作ボタンを有効化しても遊技者が短縮操作を行わない場合には、可変表示の開始から所定の設定時間経過後に可変表示の停止を行うように制御する・・・。」(段落【0207】)、
「【発明の効果】
・・・第1短縮制御のほか、操作ボタン等の指令入力手段に入力された操作指令に基づき、特別図柄表示装置等の可変表示装置における可変表示の開始から停止までの時間を短縮するように制御する第2短縮制御を・・・有効化することによっても特別図柄変動のサイクルタイムを短縮し、一定時間内の特別図柄変動回数の増加、・・・が可能となる。そして、このことは、遊技者の操作による新たな遊技興趣(例えば停止図柄の「狙い撃ち」等)を増すことにもつながる、という利点も有している。」(段落【0208】)、
との技術事項が記載されている。
また、上記摘記事項および図1・15・21等より、遊技機は、操作指令を入力可能な指令入力手段を備えるとともに、可変表示制御手段は、当該指令入力手段に入力された操作指令に基づき、前記可変表示装置における可変表示の開始から停止までの時間を短縮するように制御する第2短縮制御を行うこと、操作ボタン等の指令入力手段に入力された操作指令に基づき、特別図柄表示装置等の可変表示装置における可変表示の開始から停止までの時間を短縮するように制御する第2短縮制御を有効化することによっても特別図柄変動のサイクルタイムを短縮し、遊技者の操作による新たな遊技興趣(例えば停止図柄の「狙い撃ち」等)を増すこと、停止短縮操作ボタンが操作された場合に、CPU50の処理に割込をかけ、割込発生時のCPU50内に設けられたプログラムカウンタの値を読出し、この読み出されたプログラムカウント値の下位8ビットの値をRAM52等に記憶すること、停止短縮ボタンを有効とする停止短縮モードになった場合には、停止短縮が有効か否かを判定し、有効であれば、外部からの停止短縮信号の入力の有無をチェックし、停止短縮操作時及び始動口入賞時に読み込んだプログラムカウンタの値から記憶値を変更し、すなわち、始動入賞時の読み込み値(記憶値)をAとし、停止短縮操作時の読み込み値をBとすると、AとBとの和(A+B)を256で除した剰余値(余り)をAに代入すること、可変表示の停止時間を短縮させる際に、複数の特別図柄31a?31cのうち最初の停止図柄例えば31aを停止させるまでの時間を短縮させたり、図柄31aを短縮停止させた後図柄31b、31cについてもその停止時間を短縮させるように制御してもよいこと、図柄31aについては通常の通り停止させ図柄31bと31cの停止のみを短縮停止させるように制御してもかまわないこと、操作ボタン等の指令入力手段に入力された操作指令に基づき、特別図柄表示装置等の可変表示装置における可変表示の開始から停止までの時間を短縮するように制御する等から、可変表示制御手段は、「可変表示短縮操作ボタンが特別図柄の最初の停止図柄を停止させるまでの時間前に操作されると、操作指令を特別図柄表示装置に送信する可変表示短縮制御信号送信手段を備え、特別図柄表示装置では、前記可変表示短縮制御信号送信手段により送信される操作指令を受信したときから最初の停止図柄を強制的に短縮停止し、可変表示の開始から停止までの時間を短縮する」ものと認められる。これらの記載によれば、刊行物2には、

「遊技機に遊技者の操作により可変表示制御手段による特別図柄の変動時間を通常よりも短縮して停止させるための可変表示短縮操作ボタンを設けて、可変表示制御手段は、前記可変表示短縮操作ボタンが前記特別図柄の最初の停止図柄を停止させるまでの時間前に操作されると、操作指令を特別図柄表示装置に送信する可変表示短縮制御信号送信手段を備え、特別図柄表示装置では、前記可変表示短縮制御信号送信手段により送信される操作指令を受信したときから最初の停止図柄を強制的に短縮停止し、可変表示の開始から停止までの時間を短縮する。」
との技術的事項(以下「刊行物2記載の技術事項」という。)が開示されていると認めることができる。

3.対比
そこで、本願発明と刊行物1記載の発明とを対比すると、刊行物1記載の発明の「遊技領域に弾発されたパチンコ玉」、「始動入賞口103、105、106」、「所定のゲート」、「始動入賞があると」、「読み出した乱数値」、「パチンコ玉を受け入れない第1の状態から受け入れ易い第2の状態にする大当りであるか否かを判別する」、「遊技制御手段360」、「映像表示部102Aの映像」、「一定時間だけ可変表示させた後」、「特別変動図柄」、「停止する」、「表示制御手段370」、「3列に配置される3つの数字や記号」、「変動の態様を指令する」、「パチンコ機1」、「1個目の左図柄」、「3個目の中図柄」および「乱数値により」は、本願発明における「遊技盤面上に発射された遊技球」、「特定の入賞口」、「特定の通過口」、「タイミングに起因して」、「抽出される乱数値」、「遊技者に有利なゲーム内容とするか否かを決定する」、「主制御基板」、「画面上の画像」、「所定時間変動表示した後」、「特別図柄」、「静止表示する」、「図柄制御基板」、「複数の図柄」、「変動の態様を指示する」、「弾球遊技機」、「最初の図柄」、「最後の図柄」および「ランダムに」でそれぞれ相当すると認められる。
さらに、刊行物1記載の発明の「コマンド」がコード化したコマンドコードと認めることができ、刊行物1記載の発明の「通常停止・リーチ停止・ロングリーチ停止のいずれかの停止時間を指令する遊技態様判定コマンド」も、本願発明の「変動タイムコード」に相当すると認められる。
また、刊行物1記載の発明の「当り停止・外れ停止・ラッキーナンバー停止のいずれかの表示種別を指令する表示種別指令コマンド」と、本願発明の「停止図柄を示す停止図柄指定コード」は、「特定の種類を指示する停止図柄に関する指令コマンド」である点で共通する。
したがって、両者は、

「遊技盤面上に発射された遊技球が特定の入賞口に入賞又は特定の通過口を通過するタイミングに起因して抽出される乱数値に従って遊技者に有利なゲーム内容とするか否かを決定する主制御基板と、
該主制御基板により遊技者に有利なゲーム内容とするか否かを決定する毎に画面上の画像を所定時間変動表示した後、遊技者に有利なゲーム内容であるか否かを示す特別図柄で静止表示するよう制御する図柄制御基板と、を含み、前記特別図柄が複数の図柄の組み合わせにより構成され、
前記主制御基板は、前記特別図柄の変動表示における変動の態様を指示するコード化したコマンドコードを送信する構成を有し、一方、図柄制御基板では、受信したコマンドコードに従って画面上に画像を表示するよう構成した弾球遊技機であって、
前記主制御基板は、
前記コマンドコードとして、前記特別図柄の最初の図柄が変動開始してから最後の図柄が停止するまでの1回の変動表示について設定された変動時間を示す前記特別図柄の種類に関係のない変動タイムコード、前記特別図柄の特定の種類を指示する停止図柄に関する指令コマンド、を備え、
更に、前記主制御基板は、
前記タイミングに起因していずれか1つの停止図柄に関する指令コマンドを選択し、該選択された停止図柄に関する指令コマンドの種類が同一であっても変動時間が異なるよう前記タイミングに基づきランダムに変動タイムコードを選択し、選択された各々のコードを送信し、
一方、前記図柄制御基板は、
前記主制御基板が送信するデータに基づき前記特別図柄を変動表示する弾球遊技機。」

である点で一致し、以下の点で相違している。

相違点1:弾球遊技機の変動時間短縮操作手段において、本願発明では、「遊技者が操作することにより図柄制御基板による特別図柄の変動時間を短縮するための変動時間短縮操作手段を設けているのに対して、刊行物1記載の発明ではそのような構成になっていない点、

相違点2:特定の種類を指示する停止図柄に関する指令コマンドにおいて、本願発明では、「停止図柄を示す停止図柄指定コード」であるのに対して、刊行物1記載の発明では「当り停止・外れ停止・ラッキーナンバー停止のいずれかの表示種別を指令する表示種別指令コマンド」であり、本願発明のように直接、停止図柄を示していない点、

相違点3:弾球遊技機の変動時間短縮操作手段において、本願発明では、「変動時間短縮操作手段が特別図柄の第1図柄の静止の所定時間前に操作されると、操作に係るデータを図柄制御基板に送信する操作データ送信手段を備えている」のに対して、刊行物1記載の発明ではそのような構成になっていない点、

相違点4:図柄制御基板において、本願発明では、「操作データ送信手段により送信されるデータを受信したときから予め定められた所定時間経過後に特別図柄の第1図柄を強制的に静止させ、前記特別図柄のその他の図柄は予めROMに記憶されたテーブルに基づき変動表示させる変動時間の短縮を実行する」のに対して、刊行物1記載の発明では、「遊技制御手段360が送信するデータに基づき特別変動図柄を可変表示し、データ線350により送信されるデータを受信したときから予め定められた所定時間経過後に特別変動図柄の1個目の左図柄を停止させ、前記特別変動図柄の2個目の右図柄と3個目の中図柄は各表示態様に応じた時間で停止させる」ものであり、本願発明のような構成になっていない点、

4.判断
上記相違点について検討する。
相違点1について、刊行物2記載の技術事項には、遊技機に遊技者の操作により可変表示制御手段による特別図柄の変動時間を通常よりも短縮して停止させるための可変表示短縮操作ボタンを設けることが記載されており、本願発明は、刊行物1記載の発明と刊行物2記載の技術事項を寄せ集めたに過ぎず、当業者が適宜なし得る程度の設計的事項である。

相違点2について、刊行物1記載の発明の表示種別指令コマンドは、該コマンドに応じてフォントROM353のアドレスを算出し、フォントROM353のアドレスに対応する停止図柄データを選択して読み出すことができるようにするために、特別変動図柄の当り停止・外れ停止・ラッキーナンバー停止のいずれかの表示種別を指令するものであり、当り停止図柄・外れ停止図柄・ラッキーナンバー停止図柄として特別変動図柄そのものを直接指令していないが、従来、左・中・右の停止図柄を直接指示することが周知(例えば、特開平9-75520号公報(段落【0021】等)、特開平6-218104号公報(段落【0137】等)参照。)であり、刊行物1記載の発明の表示種別の指令に代えて、前記周知のものを適用して、本願発明のように構成した点に格別の発明力を要したとはいえず、当業者が適宜なし得る程度の設計的事項である。

相違点3について、刊行物2記載の技術事項には、可変表示制御手段は、可変表示短縮操作ボタンが特別図柄の最初の停止図柄を停止させるまでの時間前に操作されると、操作指令を特別図柄表示装置に送信する可変表示短縮制御信号送信手段を備えていることが記載されており、刊行物1記載の発明に従来周知の変動短縮操作具を設け、その際に前記刊行物2記載の技術事項を付加して本願発明のように構成した点に格別の発明力を要したとはいえず、当業者なら容易に想到できることである。

相違点4について、パチンコ機分野において、一般的に、変動表示が開始された後、きわめて長い時間が経過する前に変動時間短縮ボタンが操作された場合、その操作時から左中右の3列に表示される特別図柄の最初に停止する特別図柄を迅速(例えば、0.502秒後)に停止させ、その後、次に停止する図柄を所定時間(例えば、0.204秒)後に停止させ、その後、最後に停止する図柄を所定時間(例えば、0.204秒)後に停止させたりすることが周知であり{一例として、特開平5-131058号公報(段落段落【0020】等、図3等)参照。}、また、一つの特別図柄を変動表示させる際に、予めROMに記憶されたテーブルに基づき変動表示させることも周知である{一例として、特開平8-98925号公報(段落【0067】、【0193】等、図47等)参照。}ことから、刊行物1記載の発明の構成に代え、上記周知技術を適用して、本願発明のような構成とすることは、格別の創意工夫を要したとはいえず、当業者が容易に想到し得る技術的設計事項である。

そして、本願発明が上記構成を採ることによりもたらされる効果は、刊行物1記載の発明および刊行物2記載の技術事項および周知技術から当業者が予測できる範囲内のものであって格別のものとは認められない。

5.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、刊行物1記載の発明および刊行物2記載の技術事項および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものと認められるから、他の請求項について論ずるまでもなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。から、本願の他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-05-08 
結審通知日 2007-05-09 
審決日 2007-05-24 
出願番号 特願平11-132900
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 塩崎 進池谷 香次郎  
特許庁審判長 二宮 千久
特許庁審判官 林 晴男
植野 孝郎
発明の名称 弾球遊技機  
代理人 尾崎 隆弘  
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