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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A23L
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A23L
管理番号 1160204
審判番号 不服2006-3085  
総通号数 92 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-02-20 
確定日 2007-07-05 
事件の表示 平成 9年特許願第198714号「うどんの麺加工用添加食塩およびこの食塩が添加されたうどん」拒絶査定不服審判事件〔平成11年2月9日出願公開、特開平11-32712〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
1.手続の経緯・本件発明

本件出願は、平成9年7月24日の特許出願であって、その請求項1乃至2に係る発明は、平成19年4月6日受付けの手続補正書により補正された明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1乃至2に記載された事項により特定されるものであるところ、請求項1に係る発明は、次のとおりのものである。(以下、「本件発明1」という。)
「【請求項1】重量配合比率が、塩化ナトリウム70?95、塩化マグネシウム20?2.5、塩化カルシウム4?0、塩化カリウム2?0、硫酸マグネシウム4?0であることを特徴とするうどんの麺加工用添加食塩。」

2.引用刊行物記載事項

これに対して、当審における平成19年2月5日付けで通知した拒絶の理由に引用した、本件出願日前に頒布された特開平7-203884号公報(以下、「引用例1」という。)には、(a)「【請求項1】カルシウム含量0.1%以上、マグネシウム含量0.4%?0.5%の自然塩を所定の方法で水に溶解させ、その水溶液の所定量を製麺原料粉に添加混練し麺帯にして、熟成させることを特徴とする乾麺の製造法。」(【特許請求の範囲】)が記載され、(b)「【課題を解決するための手段】このような事情から、本発明者らは種々検討した結果、乾麺の製造に際し、カルシウム含量0.1%以上、マグネシウム含量0.4%?0.5%の自然塩を水に溶解させ、その水溶液を製麺原料粉に添加し、麺帯にして熟成させることによって強度があって、歯ごたえ、歯切れ、弾力性等の食感が良い、乾麺が得られることを見い出し本発明を完成するに至った。」(段落【0005】)こと、(c)「【実施例1】下記の原料及び配合を使用し、定法により製麺した。食塩は水に溶解させ原料粉に添加した。<うどん生地の配合組成> 原料粉100部、食塩3部、水32部食塩として、自然塩1、自然塩2、自然塩3、並塩を使用した。<製造方法>原料粉100部に上記食塩3部を水に溶解させ、加水混練し、複合及び圧延をして最終麺厚2.2mmとし、#10角で切り出し定法どおり乾燥した。同様に、自然塩1を使い、麺帯の状態で60分間熟成させて乾燥した。」(段落【0009】)ことが記載され、【表1】には、自然塩1、自然塩2、自然塩3、並塩のマグネシウム含量は、それぞれ、0.40,0.33,0.07,0.06であることが示されており、(d)「この表より自然塩1を使った物はHardness、Areaが共に並塩の場合より大きく、歯応えのある食感になり、自然塩2、自然塩3を使った物より差が大きい。更に自然塩1を使い麺帯熟成を60分間した物は、HardnessAreaが更に大きくなっている。以上の事は、自然塩の含有成分であるミネラル分、特にマグネシウムの含有量によって起こるものと考えられ、更に麺帯の熟成を行うと麺質の向上に役だつ。<官能試験> 一定麺厚の試料100gを沸騰したお湯1lで18分間ゆで、冷水で30秒間冷却し、水切り後5分間経過して試食を行った。<官能試験結果>この表から、自然塩1(カルシウム含量0.1%、マグネシウム含量0.4%)の自然塩を使い、麺帯の状態で60分間熟成させると、硬さ、粘弾性、滑らかさ等の食感の優れた乾うどんが出来ることが分かる。」(段落【0015】?【0018】)こと、(e)「【実施例3】下記の原料及び配合を使用し、定法により製麺した。食塩は水に溶解させ原料粉に添加した。 <そうめん生地の配合組成> 原料粉100部、食塩4部、水33部食塩としてマグネシウム含量0.4%の自然塩(1)に塩化マグネシウムを添加してマグネシウム含量を0.5%、0.6%にしたものを使用した。<製造方法> 原料粉100部に上記食塩4部を水に溶解させ、加水混練し、複合及び圧延をして最終麺厚1.2mmとし、#30丸で切り出し定法どおり乾燥した。 <官能試験> 一定麺厚の試料100gを沸騰したお湯1lで1分30秒間ゆでた後、冷水で30秒間冷却し、直ちに試食を行った。【表7】(省略)マグネシウム含量0.5%の物は食味が6.4、マグネシウム含量0.6%の物は食味が4.6となり、0.5%の場合は、わずかに苦みがあり食味が悪いが、0.6%になると、かなり苦みが強く、食に供しない結果となった。この結果より、マグネシウム含量は0.5%程度までが限界と考えられる。」(段落【0025】?【0027】)ことが記載されている。
また、同じく特開平5-30930号公報(以下、「引用例2」という。)には、(f)「【請求項1】小麦粉100重量部に対して、塩分換算で0.1?2gの海水を添加して製造したことを特徴とする麺。」(【特許請求の範囲】)が記載され、(g)「[実施例1]下記の工程でうどんを製造する。(1) 下記の原料を用意する。小麦粉…………1kg 海水…………390cc この海水は、10gの塩分を含有しており、1リットルに下記の成分を含有するものを使用した。 NaCl ………25.76g MgCl2…………3.11g MgSO4…………2.14g CaSO4…………1.24g KCl ……………0.67gさらに、この海水は、pHが8.20、比重が1.0283であった。(2)原料混合工程 (1)で秤量した小麦粉に、海水を混合して混練りする。(3) 製麺工程 海水を添加して混練りした小麦粉を、ロール製麺し、4mm角の麺線に加工する。(4)ゆで工程 麺線を13分間ゆでた後水洗し、得られた麺線を、5人で試食して官能評価し、また、テクスチュロメーターでテクスチャーを測定する。」(段落【0008】)こと、(h)「・・・海水を使用したこの発明の麺は、従来のものに比較して極めて優れたテクスチャーを示した。」(段落【0014】)こと、(i)「さらに、この発明の麺と、従来の麺とを5名のパネルで試食した結果、この発明の麺は、従来のものに比較して粘弾性に富みかつソフト感があり、こしがあって美味であることが確認された。」(段落【0016】)ことが記載されている。
同じく、埼玉県食品工業試験場報告、Vol.1993、1994 Page26-30(以下、「引用例3」という。)には、(j)「本研究は、生麺の製造において使用する食塩を他の塩類で代替することで、減塩や食味の改善等の可能性を探るものである。・・・本研究では、製麺時に添加する食塩の一部を、Ca及びMg塩で置き換えたうどんを試作、ゆで試験を行い、塩類の適切な添加について検討した。」(第26頁目的欄)ことが記載され、(k)表1には、試作品No.3として、小麦粉300g当たりNaClを10.8g、MgCl22.09gの塩類を添加したことが示され(第26頁試験方法欄)、(l)「・・・Ca及びMg塩による一部置換の効果はゆで時間の初期には余り見られないが、水分76%に達する時間は、Mg塩を加えたものについて短縮される傾向が見られた」(第27頁結果欄)と、(j)「今回の実験では食味に与える影響までは検討できなかったが、各種塩類の製麺への影響について、さらに検討を進めていきたい。」(第30頁第17?18行)と記載されている。

3.対比・判断

3.1 特許法第29条第1項第3号について

本件発明1は、重量配合比率が、塩化ナトリウム70?95、塩化マグネシウム20?2.5、塩化カルシウム4?0、塩化カリウム2?0、硫酸マグネシウム4?0であるうどん加工用添加食塩に関するものである。
これに対して、上記引用例3には、上記記載事項(j)乃至(k)によれば、「製麺時に添加する食塩の一部を、Ca及びMg塩で置き換え、NaClを10.8g、MgCl22.09gを含有する食塩を使用して試作品No.3のうどんを作成した」ことが記載されているが、この食塩の成分比率を重量比率に換算すると、「重量配合比率がNaCl: 83.8、MgCl2:16.2」となる。
そうすると、引用例3には、重量配合比率がNaCl: 83.8、MgCl2:16.2であるうどんの麺加工用添加食塩が記載されているといえる。(以下、「引用発明3」という。)
本件発明1と引用発明3とを対比すると、本件発明1においては、塩化カルシウム、塩化カリウム及び硫酸マグネシウムについては配合しなくてもよい任意添加成分であるから、両者は、重量配合比率がNaCl: 83.8、MgCl2:16.2であるうどんの麺加工用添加食塩である点で一致し、相違するところはない。
したがって、本件発明1は、上記刊行物3に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
なお、審判請求人は、平成19年4月6日付け意見書において、「引用例3では食味に与える影響が検討されていない」旨主張しているが、検討しておらずとも、引用発明3は本件発明1と同一組成の食塩を使用して試作品No.3のうどん作成しているのだから、引用発明3の試作品No.3のうどんも本件発明1により製造されたうどんと同一の食味を有することは自明のことであり、本件発明1の食味における効果は単なる効果の発見というべきものであって、請求人の主張は採用できない。

3.2 特許法第29条第2項について

本件発明1は、重量配合比率が、塩化ナトリウム70?95、塩化マグネシウム20?2.5、塩化カルシウム4?0、塩化カリウム2?0、硫酸マグネシウム4?0であるうどん加工用添加食塩を使用することにより、うどんの茹で時間を短縮することができ、こし(引張強度、切断強度)、つる味に代表される食感、食味を良好にすることができるものである。

これに対して、引用例1には、上記記載事項(a)乃至(e)によれば、「カルシウム含量0.1%以上、マグネシウム含量0.4%?0.5%の自然塩を水に溶解させ、その水溶液の所定量を製麺原料粉に添加混練して製造されたうどんは、歯ごたえ、歯切れ、弾力性等の食感が良い」ことが記載されており、自然塩は塩化ナトリウムを主成分とするものであるから、引用例1には、「塩化ナトリウムを主成分とし、マグネシウム塩を含有するうどん加工用添加自然塩」が記載されているといえる。(以下、「引用発明1」という。)
本件発明1と、引用発明1とを対比すると、後者の「自然塩」は、前者の「食塩」に相当するから、両者は、「塩化ナトリウムを主成分とし、マグネシウム塩を含有するうどんの麺加工用添加食塩」である点で一致しており、
(1)マグネシウム塩について、前者が、「塩化マグネシウム及び硫酸マグネシウム」と特定しているのに対して、後者にそのような特定がない点、
(2)食塩成分の重量配合比率に関して、前者が、「塩化ナトリウム70?95、塩化マグネシウム20?2.5、塩化カルシウム4?0、塩化カリウム2?0、硫酸マグネシウム4?0」としているのに対して、後者が、マグネシウム含量0.4%?0.5%としている点
で相違している。
そこで、上記相違点について検討する。

相違点(1)
本件発明1は、塩化マグネシウムを必須成分として含有し、硫酸マグネシウムを任意成分として含有するものであるが、請求人が、審判請求書で「自然塩中の塩化マグネシウムと硫酸マグネシウムの存在比率は、自然塩の採取場所などにより異なるので特定できないが、・・・」と主張するように、自然塩中には、マグネシウムは塩化マグネシウム或いは硫酸マグネシウムの形で存在するものであるから、自然塩を使用する引用発明1においても塩化マグネシウム及び又は硫酸マグネシウムを含有するものと解される。
そうすると、この点は実質的な相違点とはいえない。
なお、引用発明1においても、上記記載事項(e)のとおり、マグネシウム含量を増加させる場合は、塩化マグネシウムを添加しており、この点からも、相違点(1)は実質的な相違点とはいえない。

相違点(2)
請求人が、審判請求書で「引用例1に記載のマグネシウムのうち、20%が硫酸マグネシウムとして含まれていたと仮定して引用例1に記載の発明のマグネシウム含量から塩化マグネシウムの重量配合比率を求めると、1.25?1.57となり、引用例1で必要とされるマグネシウムの含有量(塩化マグネシウム換算1.25?1.57)と、本願発明で必要とする塩化マグネシウムの含有量(2.5?20)との隔たりは、さらに拡大する。」と主張するとおり、本件発明1の塩化マグネシウムの含有割合が2.5?20であるのに対して、引用発明の塩化マグネシウムの含有割合がそれより少ない点で、両者は相違する。
しかしながら、引用例1には、マグネシウム含量が増加すると、うどんの硬さ、粘弾性、滑らかさ等の食感の優れたものになること(上記記載事項(d))が記載されている。
ここで、引用例2には、上記記載事項(g)乃至(i)によれば、「塩分としてNaCl: 25.76g/l、MgCl2:3.11g/l、MgSO4:2.14g/l、CaSO4:1.24g/l、KCl :0.67g/lの成分を含有する海水をうどん等の麺加工用に供すると、粘弾性に富みかつソフト感があり、こしがあって美味となる」ことが記載されているが、この海水の塩分の成分比率を重量比率に換算すると、「重量配合比率がNaCl: 78.25、MgCl2:9.45、MgSO4:6.5、CaSO4:3.77、KCl :2.04」となることから、引用例2には、本件発明と同様の塩化マグネシウム9.45程度を含有するうどん等の麺加工塩水溶液により、うどん等の麺を加工すると、粘弾性に富みかつソフト感があり、こしがあって美味であるうどん等の麺が得られることが記載されているといえる。
また、引用例3には、上記記載事項(j)によれば、「NaClを10.8g、MgCl22.09gを含有する塩類を使用してうどんを作成すると、ゆで時間は、NaCl単独の塩に対して,Mg塩を加えたものについて短縮される傾向が見られた」ことが記載されているが、この塩類の成分比率を重量比率に換算すると、「重量配合比率がNaCl: 83.8、MgCl2:16.2」となることから、引用例3には、本件発明と同様の塩化マグネシウム16.2程度を含有するうどん加工塩水溶液によりうどんを加工すると、ゆで時間が短縮されることが記載されているといえる。
そうすると、引用発明1において、更に、うどんの硬さ、粘弾性、滑らかさ等向上させ、茹で時間を短縮するために、塩化マグネシウムの含有量を増加することは当業者が容易に想到するところである。
その際に、塩化マグネシウムの含有量は、うどんの硬さ、粘弾性、味、茹で時間等を考慮して当業者が適宜最適化するものであり、引用例2において、塩化マグネシウムの含有量を9.45程度としても粘弾性に富みかつソフト感があり、こしがあって美味であることが示され(上記記載事項(i))、引用例3においても、塩化マグネシウムの含有量を16.2程度としていることから、塩化マグネシウムの含有割合を2.5?20とすることに格別の困難性は認められない。
また、塩化ナトリウムの含有量は、塩化カルシウムの含有量が定まれば残余分として定まるものであるから、塩化ナトリウムの含量を70?95とすることに困難性はなく、それにより当業者の予期し得ない効果を奏するものでもない。
更に、塩化カルシウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウムは食塩中に通常不純物として含まれることがあるものであるから、塩化カルシウム4?0、塩化カリウム2?0、硫酸マグネシウム4?0とすることにも困難性はなく、それにより当業者の予期し得ない効果を奏するものでもない。
そして、本件発明1の明細書記載の効果は、上記記載事項(d)、(h)、(i)及び(j)等により、引用例1乃至3から当業者が予測しうる程度のものにすぎない。

審判請求人は、平成19年4月6日付け意見書において、「引用例1の記載から、うどんの麺加工用添加食塩として、マグネシウム含有量が0.5%を超えて多くなると苦みが強くて適さないことが読み取れ、引用例3では食味に与える影響が検討されていないのに対して、本願発明では、うどんの麺加工用添加食塩としては不適切である0.5%を大きく超えた量ではあるが、マグネシウムを塩化マグネシウムの形態として20?2.5の範囲内で必須の成分とさせることにより、茹で時間を短縮し、こし、つる味に代表される食味、食感を改善し、さらに麺の茹で延びを遅くすることができるという作用効果を奏する」旨主張しているので、検討する。
請求人が主張する食味、食感改善効果が、麺のこし、つる味等に起因するものであるならば、上記のとおり、そのような効果は引用例1乃至3から当業者が予測しうるものである。
また、マグネシウムに起因する苦味に関しては、本件明細書の【表2】乃至【表3】でいう「食味(匂い、味)」に関する評価は、JT並食塩との相対評価にすぎないのに対して、他方、引用例1の、マグネシウム含量増加に伴う「食味(匂い、味)」に関する評価は絶対評価であって、両者の評価方法が異なることから、直ちに、本件発明の効果が格別のものであるとすることはできない。
一方、引用例1及び2は共に、うどん等の麺加工用食塩中のマグネシウム含量の増加により、うどん等の麺類のテクスチャーを改善するものであり、両者は、共通の課題・機能を有することから、両者を結びつける強い動機付けが存在するといえるところ、引用例1の苦味に関する評価が両者を結びつける阻害要因になるとまでは到底いえない。
そもそも、マグネシウムに起因する苦味は、うどん中のマグネシウムの残留量に依存するものと考えられ、それは、小麦粉に対するどんに対する食塩の配合量により決定されるものであり、うどんの麺加工用添加食塩中のマグネシウム含有割合とは関係がないものであると解される。しかるに、本件特許請求に範囲は、小麦粉に対するどんの麺加工用添加食塩の配合量を特定事項とするものではないから、請求人の主張は特許請求の範囲の記載に基づく主張とはいえず、採用できない。
仮に、本件発明1により、苦味が少ないうどんが得られたとしても、本件発明1の、うどんの硬さ、粘弾性、滑らかさ等に代表される食味、食感を改善を向上させるために塩化マグネシウムの含有量を2.5?20とするという構成が引用例1乃至3から当業者に容易に想到することができたのであれば、苦みが少ないという作用効果は、そのような構成から当然に生じるものであって、当業者にとって予測可能というべきである

したがって、本件発明1は、上記刊行物1乃至3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4. むすび

以上のとおり、本件請求項1に係る発明は、当審で通知した上記拒絶理由通知に引用したその出願前に頒布された上記の引用刊行物3に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものであり、同じく、上記の引用刊行物1乃至3に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、その他の請求項については判断するまでもなく、本件出願は特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-05-07 
結審通知日 2007-05-08 
審決日 2007-05-21 
出願番号 特願平9-198714
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A23L)
P 1 8・ 113- WZ (A23L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 村上 騎見高  
特許庁審判長 河野 直樹
特許庁審判官 鵜飼 健
鈴木 恵理子
発明の名称 うどんの麺加工用添加食塩およびこの食塩が添加されたうどん  
代理人 西脇 民雄  

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