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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06Q
管理番号 1160339
審判番号 不服2005-6147  
総通号数 92 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-04-07 
確定日 2007-07-12 
事件の表示 平成11年特許願第 35746号「貸出・返却システム、方法、及び、プログラム記録媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 8月29日出願公開、特開2000-235600〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.経緯
本願は、平成11年2月15日の出願であって、平成17年2月28日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年4月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同年4月22日に手続補正がなされたものである。


2.本願発明について
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成17年4月22日付け手続補正書で補正された、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定される、以下のとおりのものである。

「【請求項1】 装着されている物品の識別情報があらかじめ記録され借用者の識別情報を記録可能な第1の情報記録媒体及び、借用者の識別情報と貸出制限数があらかじめ記録され複数の物品の識別情報を記録可能な第2の情報記録媒体の双方の情報を取得し、対象物品の貸出・返却の管理処理を行う貸出・返却システムであって、
情報記録媒体の記憶内容の読み出し及び書込みを行う情報読み書き手段と、
前記情報読み書き手段により、第1の情報記録媒体及び第2の情報記録媒体の双方より記録されている情報を読み出す処理を行う読み出し処理手段と、
前記読み出し処理手段より読み出した情報を基に前記第1の情報記録媒体から借用者の識別情報が読み出された場合、返却処理と判定し、前記第1の情報記録媒体から借用者の識別情報が読み出されず、更に、情報読み書き手段によって第2の情報記録媒体から読み出された、物品の識別情報の数と貸出制限数の情報を参照し、貸出制限数を超えない場合貸出処理を行うと判定する判定手段と、
前記判定手段の判定により貸出処理を行うと判定された場合、情報読み書き手段を制御して、第1の情報記録媒体に対し前記第2の情報記録媒体から読み出した借用者の識別情報を書き込む処理を行うとともに、第2の情報記録媒体に対し前記第1の情報記録媒体から読み出した物品の識別情報を書き込む処理を行う貸出処理手段と、
前記判定手段の判定により返却処理を行うと判定された場合、情報読み書き手段を制御して、第1の情報記録媒体に記録されている借用者の識別情報を消去する処理を行うとともに、第2の情報記録媒体に記録されている物品の識別情報のうち第1の情報記録媒体から読み出された識別情報と同じ識別情報を消去する処理を行う返却処理手段と、
前記貸出処理手段もしくは返却処理手段による情報記録媒体への書込み処理に応じて該処理に関する履歴を蓄積するシステム連携手段と、
を有する事を特徴とする貸出・返却システム。」


3.引用文献について
(1)原査定の拒絶の理由で引用された特公平06-30115号公報(以下「引用例1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア)「【請求項1】個人名などの、個人を識別する個人データが記録された個人情報記憶媒体と、物品名などの、物品を識別する物品データが記録された物品情報記憶媒体と、該両記憶媒体に記録されているデータを読み取り、消去し、あるいは該両記憶媒体にデータを記録する機能を有する記憶媒体処理装置とを用い、
該記憶媒体処理装置は前記両記憶媒体の書換可能エリアのデータを読み取って、該エリアの記録済データの有無によって貸出処理か返却処理かを判別し、データが前記エリアに記録されていなければ貸出処理であると判別して、前記個人情報記憶媒体に前記物品情報記憶媒体の物品データを含む借出データを記録するとともに、前記物品情報記憶媒体に前記個人情報記憶媒体の個人データを含む貸出データを記録し、
一方、前記各記憶媒体に前記個人データまたは物品データが記録済であれば、返却処理であると判別して前記借出データを個人情報記憶媒体から消去するとともに、貸出データを物品情報記憶媒体から消去することにより、物品の貸出・返却処理を行うことを特徴とする貸出返却管理方法。
【発明の詳細な説明】
(発明の分野)
本発明は、一般図書館、移動図書館、貸しレコード、貸しテープ、貸しビデオ等、書物や物品の貸出および返却業務を自動化またはセルフサービス化し、さらに迅速化および正確化する等業務の効率向上を図るための貸出返却管理システムに関する。」(第1頁第1欄第2行?第2欄第13行)

イ)「以上のように構成された本発明によれば、物品の貸借業務処理を迅速かつ正確に実行することができるとともに省力化およびセルフサービス化を図ることができる。また、前記個人情報記憶媒体および物品情報記憶媒体の記憶データを処理するデータ処理装置と組合わせることにより、様々な付帯業務例えば貸出実績の集計や督促処理等を自動化することもできる。」(第2頁第3欄第31?37行)

ウ)「この処理装置は、第2図に示す様にカード入口が2つに分かれていて、内部には、図示しないカードリーダと制御回路が内蔵されている。IDカード処理装置ではID1とID2の内容を読取り、ID1カードにID2カードのデータが記録されていない時、ID1カードにID2のデータを記録する。これと併行して、ID2カードにID1のデータが記録されていない時、ID2カードにID1のデータを書込む。これらの処理が終了すると、個人カードID1は、カード取扱口に返却され、また図書カードID2は処理装置側に回収される。利用者は、個人カードID1を受取り、貸出手続が終了する。」(第2頁第4欄第6?17行)

エ)「処理装置側に回収された図書カードID2は、必要に応じて、分類・保管され、貸出の統計や督促などの処理に使うことができる。」(第2頁第4欄第17?19行)

オ)「また、個人カードID1と図書カードID2のデータ記録エリアは、第3図に例示するように、ID1の場合には、個人名データに続いて、借用図書1、借用図書2、…それぞれの借用年月日や図書名等からなる借出データが順に記録されるようになっており、一方、ID2の場合には、図書名データに続いて、借用者名データ、貸出回数などからなる貸出データが記録できるようになっている。」(第2頁第4欄第40?47行)


上記引用例1記載の事項及び図面から、引用例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「物品名などの、物品を識別する物品データが記録され個人情報記憶媒体の個人データを含む貸出データを記録可能な物品情報記憶媒体と、
個人名などの、個人を識別する個人データが記録され物品情報記憶媒体の物品データを含む借出データを記録可能な個人情報記憶媒体と、
該両記憶媒体に記録されているデータを読み取り、消去し、あるいは該両記憶媒体にデータを記録する機能を有する記憶媒体処理装置とを用い、
該記憶媒体処理装置は前記両記憶媒体の書換可能エリアのデータを読み取って、該エリアの記録済データの有無によって貸出処理か返却処理かを判別し、
前記各記憶媒体に前記個人データまたは物品データが記録済であれば、返却処理であると判別して前記借出データを個人情報記憶媒体から消去するとともに、貸出データを物品情報記憶媒体から消去し、
一方、データが前記エリアに記録されていなければ貸出処理であると判別して、前記個人情報記憶媒体に前記物品情報記憶媒体の物品データを含む借出データを記録するとともに、前記物品情報記憶媒体に前記個人情報記憶媒体の個人データを含む貸出データを記録することにより、
物品の貸出・返却処理を行うことを特徴とする貸出返却管理システム。」

(2)原査定の拒絶の理由で引用された特開平09-81859号公報(以下「引用例2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。
カ)「【請求項1】 商品情報及び金額データを表すコードデータが印刷された印刷媒体と個々の印刷媒体に対応する書換自在の記録媒体とが付された商品と、
前記商品上の印刷媒体からコードデータを読み取る読取手段,及び該コードデータの読取終了を契機に対応する前記記録媒体に対して所定のステータス情報を記録させる手段,を有するスキャナと、
前記スキャナが読み取ったコードデータを取得して商品の累積金額データを生成するとともに所定の精算処理を行う精算機と、
前記商品上の記録媒体におけるステータス情報を非接触で検出する手段,検出したステータス情報の正当性を判定する手段,及び判定結果が不当の場合に所定のアラーム情報を生成する手段,を有するセキュリティゲートと、
を含んで構成され、
前記商品の需用者が前記スキャナを操作して当該商品上の印刷媒体から読み取ったコードデータを前記精算機に入力して所定の精算処理を実行した後、当該商品を前記セキュリティゲートを通過させて前記ステータス情報を検出することを特徴とするセルフスキャンシステム。」(第2頁第1欄第2?22行)

キ)「【0012】まず、本実施形態のセルフスキャンシステムの構成要素について説明する。本システムは、商品コードとその値段とを対応させて記録した商品マスタテーブルや、顧客コードその他の個人情報を顧客毎に記録した顧客テーブル等を格納している顧客管理システム5と、この顧客管理システム5と双方向のデータ伝送を行うとともに所定の精算処理を行う精算機1と、この精算機1に接続された可搬性のスキャナ2と、店舗出口付近に設けられたセキュリティゲート3とを備えて構成される。」(第3頁第4欄第48行?第4頁第5欄第第7行)

ク)「スキャナ2の読取対象となる商品4の所定部位には、バーコードシール41とデータキャリア42が貼付されている。データキャリア42は、所定周波数の電磁波の送受を行う送受信部421と、「購入済/借入済」を表す“1”信号と「返却」あるいは「未購入/未借入」を表す“0”信号とを選択的に格納する商品ステータス格納部422と、所定のコマンドを格納するコマンド格納部423と、各部の動作を制御する制御部424とを有している。」(第4頁第5欄第7行?15行)

ケ)「【0021】次に、上記動作を行うセルフスキャンシステムを店舗に配置した場合の、顧客、システム、商品上のデータキャリア42の各々における具体的な運用手順を、図6にしたがって説明する。顧客は、入店後(601)、商品4を選択する(602)。その後、選択した商品4を精算機1の設置場所に運び、顧客カード6を精算機1に挿入する(603)。精算機1が備える顧客カード読取部13は、顧客カード6から顧客コードを読み取って商品管理部16に一時格納する。顧客がスキャナ2を操作してバーコードシール41を順次スキャニングしてバーコードの読取を行う(604)。スキャナ2内でバーコードが解読され、商品毎の金額データが演算部15で演算されて、その演算結果が逐次商品管理部16に蓄積される(605)。また、バーコードシール41のスキャニング終了と同時に、その商品4上のデータキャリア42に対して「購入」を表す商品ステータス指示コマンドが送信される(606)。この商品ステータス指示コマンドを受信したデータキャリア42は、商品ステータス格納部422に、自商品についてのステータス情報を「購入済」(“1”信号)のように書き込んでいく(607)。以上の手順が選択された全ての商品4について繰り返される。全ての商品4についてスキャニングが終了すると、精算機1は、表示部12に合計金額(累積金額データ)及び支払いを促すメッセージ情報等を表示する(608)。顧客が該表示にしたがって現金7を支払う(609)と、精算機1の入出金処理部14が動作して所定の処理を行い、精算済メッセージ等を表示して(610)精算を終了させる。このとき、顧客コードと商品取引データとの対応情報が管理システムI/F11を介して管理システム5に転送される。」(第5頁第7欄第16?45行)


4.本願発明と引用発明の対比
引用発明における、「物品情報記憶媒体」及び「貸出返却管理システム」は、本願発明における「第1の情報記録媒体」及び「貸出・返却システム」に相当する。
また、引用発明における「個人情報記憶媒体」は、個人名などの、個人を識別する個人データが記録され物品情報記憶媒体の物品データを含む借出データを記録可能である点で、本願発明における「第2の情報記録媒体」に共通する。
引用発明における「記憶媒体処理装置」は、物品情報記憶媒体及び個人情報記憶媒体に記憶されているデータを読み取り、消去し、あるいは該両記憶媒体にデータを記録する機能を有することから、「記憶媒体処理装置」のうち記憶媒体に記憶されているデータを読み取りあるいはデータを記録する機能を有する部分は、本願発明における「情報読み書き手段」に相当し、物品情報記憶媒体及び個人情報記憶媒体の両記憶媒体に記憶されているデータを読み取る処理を行う機能を有する部分は、本願発明における「読み出し処理手段」に相当する。
また、引用発明の「記憶媒体処理装置」による貸出処理および返却処理の動作の記述からみて、「記憶媒体処理装置」のうち「前記各記憶媒体に前記個人データまたは物品データが記録済であれば、返却処理であると判別して前記借出データを個人情報記憶媒体から消去するとともに、貸出データを物品情報記憶媒体から消去し、
一方、データが前記エリアに記録されていなければ貸出処理であると判別して、前記個人情報記憶媒体に前記物品情報記憶媒体の物品データを含む借出データを記録するとともに、前記物品情報記憶媒体に前記個人情報記憶媒体の個人データを含む貸出データを記録する」機能を有する部分は、本願発明における「貸出処理手段」および「返却処理手段」に相当する。
さらに、引用発明の「記憶媒体処理装置」は、個人情報記憶媒体及び個人情報記憶媒体の「両記憶媒体の書き替え可能エリアのデータを読み取って、該エリアの記録済データの有無によって貸出処理か返却処理かを判別し」ていることから、「記憶媒体処理装置」のうち判別する機能を有する部分は、本願発明における「判定手段」に相当する。

してみると、本願発明と引用発明とは、
「物品の識別情報があらかじめ記録され借用者の識別情報を記録可能な第1の情報記録媒体及び、借用者の識別情報があらかじめ記録され複数の物品の識別情報を記録可能な第2の情報記録媒体の双方の情報を取得し、対象物品の貸出・返却の管理処理を行う貸出・返却システムであって、
情報記録媒体の記憶内容の読み出し及び書込みを行う情報読み書き手段と、
前記情報読み書き手段により、第1の情報記録媒体及び第2の情報記録媒体の双方より記録されている情報を読み出す処理を行う読み出し処理手段と、
前記読み出し処理手段より読み出した情報を基に前記第1の情報記録媒体から借用者の識別情報が読み出された場合、返却処理と判定し、前記第1の情報記録媒体から借用者の識別情報が読み出されない場合貸出処理を行うと判定する判定手段と、
前記判定手段の判定により貸出処理を行うと判定された場合、情報読み書き手段を制御して、第1の情報記録媒体に対し前記第2の情報記録媒体から読み出した借用者の識別情報を書き込む処理を行うとともに、第2の情報記録媒体に対し前記第1の情報記録媒体から読み出した物品の識別情報を書き込む処理を行う貸出処理手段と、
前記判定手段の判定により返却処理を行うと判定された場合、情報読み書き手段を制御して、第1の情報記録媒体に記録されている借用者の識別情報を消去する処理を行うとともに、第2の情報記録媒体に記録されている物品の識別情報のうち第1の情報記録媒体から読み出された識別情報と同じ識別情報を消去する処理を行う返却処理手段と、
を有する事を特徴とする貸出・返却システム。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点1)本願発明において第1の情報記録媒体は物品に装着されているのに対し、引用発明における物品情報記憶媒体は、物品から取り外し可能な点。
(相違点2)本願発明における第2の情報記録媒体は、「貸出制限数があらかじめ記録され」ているのに対し、引用発明における個人情報記憶媒体には、貸出制限数を記録することについて記載がない点。
(相違点3)本願発明における判定手段は、「前記第1の情報記録媒体から借用者の識別情報が読み出されず、更に、情報読み書き手段によって第2の情報記録媒体から読み出された、物品の識別情報の数と貸出制限数の情報を参照し、貸出制限数を超えない場合貸出処理を行うと判定する」のに対し、引用発明における記憶媒体処理装置は貸出処理と判別する際に、貸出制限数の情報を参照しない点。
(相違点4)本願発明は、「前記貸出処理手段もしくは返却処理手段による情報記録媒体への書込み処理に応じて該処理に関する履歴を蓄積するシステム連携手段」を備えるのに対し、引用発明おいてはシステム連携手段について記載がない点。


5.判断
(1)上記相違点について検討する。
(相違点1)について。
上記引用例2に開示されているように、貸出物品に、当該物品を識別する情報及び当該物品の状態を外部より書き替え可能な情報記録媒体を装着することは本願出願前周知の技術である(上記カ)及びク)参照。他に特開平10-307871号公報参照。)。
してみると、引用発明において、取り外し可能な物品情報記憶媒体に代えて、物品に装着された第1の情報記録媒体を採用することは当業者が適宜選択し得る事項である。
(相違点2)及び(相違点3)について。
図書の貸出を始め、物品のレンタル業務において、貸出物品の貸出数に制限を課すことは従前行われているところ、貸出システムにおいても、貸出中の物品の数と貸出制限数とを参照し、貸出制限数を超過する場合には貸出処理を禁止する構成は、本願出願前周知の技術である(特開平01-306985号公報、特開平01-269196号公報、特開平10-307871号公報参照。)。
また、中央装置における情報処理や、中央装置との通信処理の負荷を軽減することを目的としてICカード等の書き替え可能な情報記録媒体に情報を格納することは、情報処理システムにおいて一般的に用いられる構成である(例えば、特開平10-307871号公報段落第8欄第42?46行参照)。
してみると、引用発明において、上記周知の技術・一般的に用いられる構成を採用し、第2の情報記録媒体(個人情報記憶媒体)に貸出制限数をあらかじめ記録すること、及び判定手段が第2の情報記録媒体から読み出された物品データを含む借出データと貸出制限数とを参照し、貸出制限数を超えない場合貸出処理を行うと判定するよう構成することは、当業者が容易になし得る事項である。
(相違点4)について。
引用例2には、物品の借入において、スキャナ2と精算機1による精算処理が終了した段階で、物品の借入について生成される商品取引データと顧客コードとの対応情報を、商品マスタテーブルや顧客テーブル等を格納している顧客管理システム5に転送することが開示されている(上記)キ)及びケ)参照。)。
また、物品の貸借業務において、貸出物品の管理や督促業務などのために、貸出先(すなわち借り入れた顧客)と貸し出された物品との対応情報を履歴情報として蓄積し、管理することは一般的なことといえ、上記引用例2において対応情報を顧客管理システム5に転送することは、物品の借入に関する情報について顧客管理システム5と連携するものといえる。
そして、引用例1においても、物品情報記憶媒体そのものを回収することにより貸出実績の集計や督促処理等の付帯業務を行うことが記載されている(上記イ)及びエ)参照。)。
してみると、引用発明において、物品情報記憶媒体そのものを回収することに代えて、貸出処理手段または返却処理手段による情報記憶媒体への書き込み処理に応じて該処理に関する履歴を蓄積するシステム連携手段を付加することは、当業者が容易になし得る事項である。

(2)作用効果について
本願発明の奏する作用効果は、当業者が引用例1ないし2及び周知技術から予測し得るものであり、格別顕著な作用効果は認められない。


6.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-05-09 
結審通知日 2007-05-15 
審決日 2007-05-28 
出願番号 特願平11-35746
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 貝塚 涼  
特許庁審判長 田口 英雄
特許庁審判官 長 由紀子
手島 聖治
発明の名称 貸出・返却システム、方法、及び、プログラム記録媒体  
代理人 横山 淳一  

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