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審決分類 審判 訂正 判示事項別分類コード:813 訂正する A47L
審判 訂正 判示事項別分類コード:812 訂正する A47L
管理番号 1161114
審判番号 訂正2007-390046  
総通号数 93 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-09-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2007-04-10 
確定日 2007-05-28 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3663203号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3663203号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1.請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、特許第3663203号(出願日:平成14年7月15日、設定登録日:平成17年4月1日)の明細書(以下、「本件明細書」という。)を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおりに、すなわち、次のとおりに訂正することを求めるものである。

(1)誤記の訂正
(i)本件明細書4頁27 ?28行目(特許掲載公報3頁42行目)に「脱着機能層」とあるのを『着脱機能層』と訂正する。

(ii)本件明細書6頁3?4行目(特許掲載公報4頁22行目)に「片面を若起毛し」とあるのを『片面を弱起毛し』と訂正する。

(iii)本件明細書6頁27?28行目(特許掲載公報4頁43行目)に「片面を若起毛し」とあるのを『片面を弱起毛し』と訂正する。

(2)明瞭でない記載の釈明
(i)本件明細書1頁6?7行目(特許掲載公報1頁17行目)に「本発明は、汚れを拭き取るワイパーに関するものであり、特に、OA機器や携帯電話等」とあるのを、『本発明は、携帯電話』と訂正する。

(ii)本件明細書1頁7行目(特許掲載公報1頁18行目)に「対象物」とあるのを、『携帯電話の筐体』と訂正する。

(iii)本件明細書1頁25?26行目(特許掲載公報2頁13行目)に「ワイパーは、取っ手がついているようなものは別にして、それ自体薄い」とあるのを、『携帯電話に使用するワイパーは、薄い』と訂正する。

(iv)本件明細書1頁第27?28行目(特許掲載公報2頁15行目)に「また、携帯電話等に使用するには、」とあるのを、『また、』と訂正する。
(v)本件明細書2頁1行目(特許掲載公報2頁17行目)に「拭き取り対象物に手軽に」とあるのを、『携帯電話の筐体に手軽に』と訂正する。

(vi)本件明細書2頁5行目(特許掲載公報2頁21行目 )に「基材シート」とあるのを、『20?100μmの厚さの樹脂フィルム』と訂正する。
(vii)本件明細書2頁6?7行目(特許掲載公報2頁22行目 )に「着脱機能層、特に」とあるのを、『着脱機能層としての』と訂正する。

(viii)本件明細書2頁7行目(特許掲載公報2頁22?23行目)に「有してなることを特徴とする」とあるのを、『有してなり、携帯電話の筐体に取り付けて、必要時に取り外してディスプレーの汚れを拭き取るように使用することを特徴とする、ディスプレー用』と訂正する。

(ix)本件明細書2頁9?10行目(特許掲載公報2頁25行目)に「拭き取り対象物に手軽に貼りつけ、望むならば対象物」とあるのを、『携帯電話の筐体に手軽に貼りつけ、携帯電話』と訂正する。

(x)本件明細書2頁10行目(特許掲載公報2頁26行目)に「対象物」とあるのを、『携帯電話の筐体』と訂正する。

(xi)本件明細書2頁12?15行目(特許掲載公報2頁28?31行目)に「本発明の着脱式ワイパーは、・・・(中略)・・・使用できる。」とあるのを削除する。

(xii)本件明細書2頁23行目(特許掲載公報2頁37行目)に「基材シート2」とあるのを、『樹脂フィルム2』と訂正する。

(xiii)本件明細書2頁25行目(特許掲載公報2頁39行目)に「基材シート2」とあるのを、『樹脂フィルム2』と訂正する。

(xiv)本件明細書2頁27?29行目(特許掲載公報2頁41?43行目)に「20?100μm程度の厚さ・・・(中略)・・・挙げられる。」とあるのを、『20?100μmの厚さである。』と訂正する。

(xv)本件明細書4頁4行目(特許掲載公報3頁21行目)、同7行目(同24行目)及び同8行目(同25行目)に、各々、「基材シート2」とあるのを『樹脂フィルム2』と訂正する。

(xvi)本件明細書4頁9行目(特許掲載公報3頁25?26行目 )に「拭き取り対象物あるいは拭き取り対象物に付属する物に」とあるのを、『携帯電話の筐体に』と訂正する。

(xvii)本件明細書4頁11?12行目(特許掲載公報3頁28行目)に「基材シート2」とあるのを、『樹脂フィルム2』と訂正する。

(xviii)本件明細書4頁12?13行目(特許掲載公報3頁29行目)に「対象物に直接的もしくは間接的に」とあるのを、『携帯電話の筐体に直接的に』と訂正する。

(xix)本件明細書4頁15?16行目(特許掲載公報3頁31?32行目)に「対象物に直接的または間接的に」とあるのを、『携帯電話の筐体に直接的に』と訂正する。

(xx)本件明細書4頁16?18行目(特許掲載公報3頁32?33行目)に「できれば特に限定・・・(中略)・・・挙げられる。」とあるのを、『できる粘着層が挙げられる。』と訂正する。

(xxi)本件明細書4頁19行目(特許掲載公報3頁34行目)に「好ましい着脱機能層」とあるのを、『すなわち、着脱機能層』と訂正する。

(xxii)本件明細書4頁20行目(特許掲載公報3頁34?35行目)に「ほとんどの対象物に」とあるのを、『携帯電話の筐体に』と訂正する。
(xxiii)本件明細書4頁20?22行目(特許掲載公報3頁35?37行目)に「間接的に貼りつける・・・(中略)・・・恐れもない。」とあるのを、『本発明のワイパーを手軽に用いることができる。また携帯電話を傷付ける恐れもない。』と訂正する。

(xxiv)本件明細書4頁23行目(特許掲載公報3頁37行目)に「ワイパーを対象物に」とあるのを、『ワイパーを携帯電話の筐体に』と訂正する。

(xxv)本件明細書4頁26?27行目(特許掲載公報3頁40?41行目)に「基材シートに塗布し、該シートを」とあるのを、『樹脂フィルムに塗布し、該樹脂フィルムを』と訂正する。

(xxvi)本件明細書4頁28行目(特許掲載公報3頁42行目)に「粘着層の場合は、」とあるのを、『粘着層であると、』と訂正する。

(xxvii)本件明細書4頁29行目乃至5頁14行目(特許掲載公報3頁43行目乃至4頁5行目 )に、「着脱機能層によって本発明のワイパーを拭き取り対象物に、・・・(中略)・・・接着剤や粘着剤によって基材シートに接合すればよい。」とあるのを削除する。

(xxviii)本件明細書5頁16行目(特許掲載公報4頁6?7行目)に「樹脂フィルムからなる基材シートに、」とあるのを、『樹脂フィルムに、』と訂正する。

(xxix)本件明細書5頁19?21行目(特許掲載公報4頁10?11行目 )に「プラスチック筐体・・・(中略)・・・ 最適である。」とあるのを、『携帯電話のプラスチック筐体に直接的に貼りつけられ、また、容易に取り外せるので、最適である。』と訂正する。

(xxx)本件明細書6頁6?7行目(特許掲載公報4頁24行目)に「フィルムを基材シートとし、発泡剤を含むポリウレタン樹脂を片面に塗布し、」とあるのを、『フィルムの片面に、発泡剤を含むポリウレタン樹脂を塗布し、』と訂正する。

(xxxi)本件明細書6頁7行目及び8行目(特許掲載公報4頁25行目及び26行目)に、各々、「基材シート」とあるのを『樹脂フィルム』と訂正する。

(xxxii)本件明細書7頁1行目(特許掲載公報4頁46行目)に「フィルムを基材シートとし、その片面に」とあるのを、『フィルムの片面に』と訂正する。

(xxxiii)本件明細書7頁3行目(特許掲載公報4頁48行目)に「反対側の基材シート面」とあるのを、『反対側の樹脂フィルム面』と訂正する。

2.当審の判断
(1)前記「1.(1)」の訂正事項(i)?(iii)による訂正について
訂正事項(i)については、「脱着機能層」なる表現が本件明細書の他の箇所には存在せずしかもその表現が「着脱機能層」の一般的な説明の文中に現れていることから、本件明細書において「着脱機能層」と記載すべきところを錯誤に基づき「脱着機能層」と記載したものであることは、明らかである。
訂正事項(ii)、(iii)については、「若起毛」が一般的な技術用語でなくしかもその技術的内容が明確でない表現である一方で「弱起毛」なる表現が技術用語として通用しているものであることから、本件明細書において「弱起毛」と記載すべきところを錯誤に基づき「若起毛」と記載したものであることは、明らかである。
したがって、上記訂正事項(i)?(iii)による訂正は、いずれも、誤記の訂正を目的とするものである。

(2)前記「1.(2)」の訂正事項(i)?(xxxiii)について
これらの訂正事項による訂正は、いずれも、本件明細書の発明の詳細な説明の記載を、その特許請求の範囲の記載に整合させるためのものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。

(3)前記「1.(1)」の訂正事項(i)?(iii)及び前記「1.(2)」の訂正事項(i)?(xxxiii)による訂正は、いずれも、本件明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり、更に、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
しかも、これらの訂正事項による訂正がなされた後の特許請求の範囲の請求項1?4に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。


3.むすび
本件審判請求が求める訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第2号又は第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項?第5項の規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
着脱式ワイパー
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
20?100μmの厚さの樹脂フィルムの片方の面には、拭き取り機能を有するシート状物が積層されており、他方の面には、着脱機能層としての粘着層を有してなり、携帯電話の筐体に貼り付けでき、必要時に取り外してディスプレーの汚れを拭き取るように使用することを特徴とする、ディスプレイ用着脱式ワイパー。
【請求項2】
ディスプレイが液晶で構成された表示部である請求項1に記載の着脱式ワイパー。
【請求項3】
ディスプレイがエレクトロルミネッセンスで構成された表示部である請求項1に記載の着脱式ワイパー。
【請求項4】
粘着層が発泡アクリル樹脂または発泡ポリウレタン樹脂からなることを特徴とする、請求項1?3いずれかに記載の着脱式ワイパー。
【発明の詳細な説明】
技術分野
本発明は、携帯電話の表示部の汚れを除去するのに便利な、携帯電話の筐体に貼りつけておける着脱式ワイパーに関するものである。
背景技術
近年のIT技術の発展により、パソコンや携帯電話の需要が急増している。特に、ディスプレイ技術の発達により、パソコンのみならず、コピー機やFAX等も含めたOA機器において、操作手順等を示す液晶画面等の表示部を有することはごく普通になっている。また、携帯電話においても、液晶やエレクトロルミネッセンス素子で構成された表示部を利用して、様々な情報が得られるようになっている。
このような表示部は、それ自体が静電気で埃を吸い寄せやすいものであったり、表示部を直接指で操作することがあったり、携帯電話のようにポケットやバッグ等に入れて持ち運び、取出して使用したりするために、埃や皮脂等の汚れが付き易いものである。そこでこれらの汚れを除去すべく、織編物、不織布、紙等でできたワイパーが用いられることになる。
発明の開示
(発明が解決しようとする技術的課題)
しかしながら、携帯電話に使用するワイパーは、薄いものであるために、他の物に紛れたりして、使用しようとするときに手近に見つからなかったりすることが往々にしてある。また、携帯電話とワイパーを別々に携帯して、使用したい時にワイパーを取出さねばならず、面倒である。
そこで本発明は、必要時にすぐに使用できるよう、携帯電話の筐体に手軽に貼りつけておくことができ、着脱自在に使用できるという、全く新しい発想による着脱式ワイパーを提供することを目的とする。
(その解決方法)
本発明は、上記の課題を解決できるものであって、20?100μmの厚さの樹脂フィルムの片方の面には、拭き取り機能を有するシート状物が積層されており、他方の面には、着脱機能層としての粘着層を有してなり、携帯電話の筐体に貼り付けでき、必要時に取り外してディスプレーの汚れを拭き取るように使用することを特徴とする、ディスプレー用着脱式ワイパーに関するものである。
(従来技術より有効な効果)
本発明の着脱式ワイパーは、携帯電話の筐体に手軽に貼りつけ、携帯電話と一体的に携帯でき、必要に応じて携帯電話の筐体から取り外して使用できるというユニークな発想にもとづく便利このうえないワイパーである。大きさも自由に好みの大きさに調整可能である。
図面の簡単な説明
図1 本発明の一実施形態である着脱式ワイパーの模式的断面図を示す。
発明を実施するための形態
本発明の着脱式ワイパーを、図1を用いて説明する。図1は本発明の一実施形態である着脱式ワイパーの模式的断面図である。
本発明の着脱式ワイパー1においては、樹脂フィルム2の片方の面に、拭き取り機能を有するシート状物3が積層されている。
樹脂フィルム2は、ワイパーが長期にわたって使用され得るような耐久性(強度)を提供できる限り特に限定されるものではないが、ワイパーを使用する際の使い易さを考慮して、ある程度の柔軟性を有することが好ましく、20?100μmの厚さである。樹脂フィルムは、入手容易性やコストの観点から、好ましくはポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、より好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ナイロンフィルム、特に2軸延伸PETフィルムである。
拭き取り機能を有するシート状物3としては、汚れを拭き取ることができるものであればよく、織編物、不織布、紙等が使用できる。特に、眼鏡クリーナー等に多用されているような、1.1デシテックス以下の極細繊維を用いて構成された織編物や不織布が、汚れを除去する性能に優れているので、本発明に好ましく使用できる。100?1000μm程度の厚さのものが各種入手可能である。
なお、織編物や不織布には、公知の起毛加工法により起毛を施せば、風合いがソフトになって、起毛しない場合に比べて対象物に傷を付けるおそれがより低減するので好ましい。
そのような極細繊維を用いた織編物や不織布は以下の方法によって容易に得ることができる。まず、アルカリ難溶性ポリマー(例えば、ポリエチレンテレフタレート)とアルカリ易溶性ポリマー(例えば、5-ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合したポリエチレンテレフタレートコポリエステル)とを交互に配して複合紡糸して公知の多分割割繊糸(例えば、8分割割繊糸)を得る。次いで、当該割繊糸を用い、公知の方法によって織編物または不織布を製造する。最後に、得られた織編物または不織布をアルカリ性水溶液に浸漬し、前記アルカリ易溶性ポリマー成分を溶解・除去することによって、極細繊維を用いた織編物や不織布が得られる。
極細繊維を用いた織編物は、これを構成する全ての繊維が極細繊維でもよいが、極細繊維以外の繊維が併用されていてもよく、概ね50質量%以上の繊維が極細繊維であれば、極細繊維特有の有利な拭き取り効果を得ることができる。例えば、経糸に極細繊維を、緯糸にそれ以外の繊維を用いて、朱子組織により製織することにより、経糸の極細繊維を繊維表面に効率的に配置させることができ、起毛もさせやすいので好ましい。
また、高収縮糸を極細繊維と混用することも好ましい。例えば、極細繊維と高収縮糸との複合仮撚加工糸を用いて製織又は製編した後、高収縮糸を収縮させる熱水処理等(通常は極細繊維のもととなる多分割割繊糸の割繊処理で兼ねることができる)を施すことにより、高収縮糸の収縮作用のために極細繊維がループ状となって拭き取り効果が増し、さらには織編物が緻密化して腰が強くなり、拭き取り作業性が良くなるので好ましい。
樹脂フィルム2と拭き取り機能を有するシート状物3とは、接着剤や粘着剤を使用したり、加熱接着その他公知の適当な方法で接合すればよい。また、拭き取り機能を有するシート3だけが交換できるように着脱自在になっていても構わない。
本発明において重要なことは、樹脂フィルム2の片方の面に拭き取り機能を有するシート状物3が積層されていることに加えて、樹脂フィルム2の他方の面に、本発明のワイパーが携帯電話の筐体に対して着脱自在となるような機能を提供する層(本明細書中、「着脱機能層」という)4を有していることである。本発明のワイパーはそのような着脱機能層4を樹脂フィルム2の他方の面に有するため、本発明のワイパーを当該着脱機能層によって携帯電話の筐体に直接的に取り付けておくことができ、結果として本発明のワイパーを必要時に取り外して容易に使用することができる。
そのような着脱機能層4としては、本発明のワイパーを着脱自在に携帯電話の筐体に直接的に取り付ける(貼りつける)ことができる粘着層が挙げられる。
すなわち、着脱機能層は粘着層である。粘着層を用いると、本発明のワイパーを携帯電話の筐体に直接的に貼りつけることができるため、本発明のワイパーを手軽に用いることができる。また携帯電話を傷付ける恐れもない。粘着層としては本発明のワイパーを携帯電話の筐体に貼りつけることができる程度の粘着性を有する公知の樹脂層が使用可能であり、例えば、発泡アクリル樹脂や発泡ポリウレタン樹脂からなる層が挙げられる。発泡アクリル樹脂層や発泡ポリウレタン樹脂層は、発泡剤を含むアクリル樹脂もしくはポリウレタン樹脂を樹脂フィルムに塗布し、該樹脂フィルムを加熱して発泡させることによって得ることができる。このように、着脱機能層が、粘着層であると、その厚さを50?500μmの範囲で調整可能である。
本発明のワイパーの好ましい態様としては、ポリエステルやナイロン等の合成樹脂フィルムに、発泡アクリル樹脂もしくは発泡ポリウレタン樹脂等からなる粘着層をラミネートしたものが特に好ましい。このとき拭き取り機能を有するシート状物は特に制限されないが、より好ましくは前記極細繊維からなる織編物や不織布である。このような好ましい態様のワイパーは、携帯電話のプラスチック筐体に直接的に貼りつけられ、また、容易に取り外せるので、最適である。
(実施例)
本発明を実施例により更に具体的に説明する。
実施例1
ポリエチレンテレフタレート(アルカリ難溶性ポリマー)と、5-ナトリウムスルホイソフタル酸2.5モル%を共重合したポリエチレンテレフタレートコポリエステル(アルカリ易溶性ポリマー)とを、質量比率72:28で交互に配して複合紡糸することにより得られた8分割割繊糸(78デシテックス/48フィラメント)の仮撚加工糸を2本引き揃え、丸編機に供給し、スムース編にて編物を得た。この編物に、アルカリによる割織処理(水酸化ナトリウム15g/l水溶液、90℃×30分)を行い、アルカリ易溶性の共重合成分を溶解除去し、8分割されて残った主として約0.20デシテックスの極細フィラメントからなる編物とした後、片面を弱起毛し、拭き取り機能を有するシート状物を得た。
次に、ポリエチレンテレフタレートを溶融押出し、2軸延伸して得られた厚さ100μmの合成樹脂フィルムの片面に、発泡剤を含むポリウレタン樹脂を塗布し、加熱発泡により、粘着層を有する厚さ300μmの樹脂フィルムを得た。
このようにして得られた粘着層を有する樹脂フィルムの、粘着層とは反対側の面に、上記した拭き取り機能を有するシート状物を該シート状物の起毛面が表面にくるようにポリエステル系ポリウレタン樹脂接着剤を介してラミネートし、得られたラミネート品を幅10mm、長さ30mmになるように高周波カッターで切断し、本発明の着脱式ワイパーを得た。
実施例2
ポリエチレンテレフタレート(アルカリ難溶性ポリマー)と、5-ナトリウムスルホイソフタル酸2.5モル%を共重合したポリエチレンテレフタレートコポリエステル(アルカリ易溶性ポリマー)とを、質量比率72:28で交互に配して複合紡糸することにより8分割割織糸(78デシテックス/48フィラメント)を得た。この8分割割繊糸(78デシテックス/48フィラメント)と沸水収縮率25%の高収縮ポリエチレンテレフタレート糸(33デシテックス/12フィラメント;ユニチカファイバー社製)とからなる複合仮撚加工糸を織物の経糸として用い、通常のポリエチレンテレフタレート糸(84デシテックス/36フィラメント;ユニチカファイバー社製)を織物の緯糸として用いて、ウォータージェットルームにより、経糸密度253(本/2.54cm)、緯糸密度88(本/2.54cm)で、主として経糸が表面に配置された5枚朱子織物を製織した。
次いで、この織物にアルカリによる割繊処理(水酸化ナトリウム15g/l水溶液、90℃×30分)を行うことにより、8分割割繊糸におけるアルカリ易溶性の共重合成分を溶解除去して割繊させるとともに高収縮糸を収縮させた後、片面を弱起毛し、拭き取り機能を有するシート状物を得た。
次に、ポリエチレンテレフタレートを溶融押出し、2軸延伸して得られた厚さ50μmの合成樹脂フィルムの片面に上記拭き取り機能を有するシート状物を該シート状物の起毛面が表面にくるようにポリエステル系ポリウレタン樹脂接着剤を介して貼り合せた。さらに、反対側の樹脂フィルム面に加熱発泡させた発泡アクリル樹脂を押出ラミネート法によりラミネートして、厚さ150μmの粘着層を設けた。これを幅25mm、長さ35mmになるようにトムソン刃で打ち抜き、本発明の着脱式ワイパーを得た。
実施例1及び実施例2で得られた着脱式ワイパーは市販の携帯電話の筐体に貼りつけ易く、必要時に簡単に取り外して携帯電話表示部の汚れを手軽に拭き取ることができ、それを何度でも繰り返すことができるものであった。
また、汚れが蓄積して拭き取り機能が落ちてきた際にはぬるま湯で洗浄すると、拭き取り機能を回復させることができ、粘着性も低下しなかった。
【図面の簡単な説明】
図1 本発明の一実施形態である着脱式ワイパーの模式的断面図を示す。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2007-05-16 
出願番号 特願2003-513391(P2003-513391)
審決分類 P 1 41・ 812- Y (A47L)
P 1 41・ 813- Y (A47L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 増沢 誠一  
特許庁審判長 水谷 万司
特許庁審判官 間中 耕治
新海 岳
登録日 2005-04-01 
登録番号 特許第3663203号(P3663203)
発明の名称 着脱式ワイパー  
代理人 奥村 茂樹  
代理人 奥村 茂樹  

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