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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1161267
審判番号 不服2004-23527  
総通号数 93 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-09-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-11-17 
確定日 2007-07-20 
事件の表示 特願2000-384734「木工機械のメンテナンスシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 6月28日出願公開、特開2002-183342〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯・本願発明
本願は、平成12年12月19日に出願されたものであって、平成16年10月12日付けで拒絶査定がされ、これに対して平成16年11月17日に拒絶査定不服審判が請求されると共に手続補正がなされ、その後、当審において平成19年1月29日付けで拒絶の理由が通知され、これに対して意見書及び手続補正書が提出されたものであって、その請求項1-3に係る発明は、平成19年4月4日付けの手続補正によって補正された明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1-3に記載されたとおりの認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりのものである。

「【請求項1】 メーカー側のマイクロコンピュータに通信回線によって接続されたユーザー側の木工機械に装着されたマイクロコンピュータとからなる木工機械のメンテナンスシステムにおいて、前記ユーザー側の木工機械が故障した時、前記ユーザー側の木工機械のマイクロコンピュータからメーカー側の装置のマイクロコンピュータに連絡することにより、前記メーカー側のマイクロコンピュータで前記ユーザー側のマイクロコンピュータにアクセスし、ユーザー側のマイクロコンピュータの木工機械を操作するデータを読み取り、前記木工機械を操作する該データをチェックし、該チェックされたデータから発見されたエラーを修正してなり、前記データのエラーを修正することによって、前記ユーザー側の前記木工機械の修理をすることを特徴とする木工機械のメンテナンスシステム。」

2.引用刊行物
原審が拒絶の理由に引用した特開2000-200169号公報(平成12年7月18日出願公開。以下、「引用例1」という。)には、図面と共に次の各記載がある。

(ア)「【特許請求の範囲】
【請求項1】画像記録手段,画像記録に支障を来たす故障および消耗を検出する状態検出手段およびネットワーク通信手段を含む画像処理装置と、該画像処理装置とネットワ-クを介して交信する管理サ-バとを含む、画像処理装置の管理システムにおいて:前記画像処理装置は、前記状態検出手段が画像記録に支障を来たす状態を検出したとき、それが画像処理装置のメモリに登録されたものであるとそれを、前記ネットワーク通信手段を介して、メモリに登録された管理サ-バに通知する報知手段を含み;前記管理サ-バは、画像処理装置から通知があった状態に対応する対処情報を管理サ-バの記憶手段より読み出して該画像処理装置に宛てられた管理者に送信する返信手段を含む;ことを特徴とする画像処理装置の管理システム。
【請求項2】画像記録手段,画像記録に支障を来たす故障を検出する状態検出手段およびネットワーク通信手段を含む画像処理装置と、該画像処理装置とネットワ-クを介して交信する管理サ-バとを含む、画像処理装置の管理システムにおいて:前記画像処理装置は、前記状態検出手段が画像記録に支障を来たす状態を検出したとき、それが画像処理装置のメモリに登録されたものであるとそれを、前記ネットワーク通信手段を介して、メモリに登録された管理サ-バに通知する報知手段を含み;前記管理サ-バは、その記憶手段に、画像処理装置の機能を実現するプログラムを有し、画像記録に支障を来たす状態情報を画像処理装置より受信し該状態にプログラムの再投入が宛てられているときには、該プログラムを、ネットワークを使用して画像処理装置にダウンロ-ドする;ことを特徴とする画像処理装置の管理システム。
【請求項3】前記管理サ-バは、その記憶手段に、画像処理装置の機能を実現するプログラムを有し、それがバ-ジョンアップされると、バ-ジョンアップしたプログラムを、ネットワークを使用して画像処理装置にダウンロ-ドする、請求項1又は請求項2記載の画像処理装置の管理システム。
【請求項4】前記画像処理装置は、通知先の管理サ-バのネットワ-ク上のID,画像処理装置に宛てられた管理者のネットワ-ク上のID,画像処理装置のネットワ-ク上のID、および、管理サ-バに通知すべき、画像記録に支障を来たす状態を、オペレ-タ入力に応じてメモリに登録するための入力手段を含む、請求項1,請求項2又は請求項3記載の画像処理装置の管理システム。」

(イ)「【従来の技術】(中略)
しかし、全てのユーザがエラー時の対応や情報の見方を把握しているものではない。また、ユーザではリカバリー不可能なもの、ユーザには知らせてはならないものなどがある。ユ-ザが対処不可と思う現象が発生した場合は、サービスマンを呼ぶことになり、ユ-ザはまずサ-ビスセンタに電話連絡して、そこのオペレ-タとの間で、現象の説明とセンタの対応の会話をして、ユ-ザが対処するための情報を取得するか、あるいはセンタが派遣するサ-ビスマンを待たねばならない。
【0004】ところで一般的には、ユ-ザとサ-ビスセンタとの間のメンテナンス契約の有無,それがある場合でも、上述の軽度のトラブルはサ-ビスマンの派遣対象ではなく、対処方を電話上会話で伝達することは、サ-ビスセンタのオペレ-タにとっても手間のかかることである。本発明は、ユ-ザおよびオペレ-タのこの種の情報伝達の手間を省略することを第1の目的とする。
【0005】ネットワーク機能を搭載した画像処理装置は、トラブルを遠隔にある管理サーバに報知することが可能なため、管理者は、画像処理装置本体前まで行かなくてもある程度の情報は取得できる。だが、重度のトラブル例えば部品交換が必要な故障の場合は、サ-ビスマンによるメンテナンスが必要であるが、実際に画像処理装置本体まで行かないとどのようなメンテナンスが必要とされるのかわからない。よって、そのまま放置される場合も考えられる。また、コピーではパーチャーなど、本体まで行かないとわからない情報がある。本発明は、このような問題を解決することを第2の目的とする。
【0006】発生したエラーが、部品や消耗品に関係するものであれば、部品交換を行えば対応できる。しかし、画像処理装置上のソフトウェア(プログラムバグ)に関係した障害の場合は、簡単には行えない。本発明は、このような問題を解決することを第3の目的とする。
【0007】画像処理装置にプログラムを、ソフトウェア関連の障害に対応して、又はバ-ジョンアップのために、ダウンロードする際に、サービスマンが出向かなければならない。本発明は、このような問題を解決することを第4の目的とする。」
なお、下線は審決において附された。以下同様。

(ウ)「【0008】
【課題を解決するための手段】(1)画像記録手段(22),画像記録に支障を来たす故障および消耗を検出する状態検出手段(22,20)およびネットワーク通信手段(44)を含む画像処理装置と、該画像処理装置(200)とネットワ-クを介して交信する管理サ-バ(401)とを含む、画像処理装置の管理システムにおいて:前記画像処理装置(200)は、前記状態検出手段(22,20)が画像記録に支障を来たす状態を検出したとき、それが画像処理装置(200)のメモリに登録されたもの(図10の(b))であるとそれを、前記ネットワーク通信手段(44)を介して、メモリに登録された管理サ-バに通知する報知手段(20)を含み;前記管理サ-バ(401)は、画像処理装置(200)から通知があった状態に対応する対処情報を管理サ-バ(401)の記憶手段より読み出して該画像処理装置(200)に宛てられた管理者に送信する返信手段(図12の60)を含む;ことを特徴とする画像処理装置の管理システム。なお、理解を容易にするためにカッコ内には、図面に示し後述する実施例の対応要素の符号又は対応事項を、参考までに付記した。
【0009】これによれば、画像処理装置がエラーを発生したときに、管理サーバへ通知し管理サーバがあらかじめ登録されている宛先(管理者)へエラー状況やメンテナンス方法を通知することにより、そのまま放置されることがなくなり適切な対応が可能となる作用効果が期待される。エラーや各種情報を遠隔地へ送信したり、遠隔地から取得することが可能であり、ユーザ,サ-ビスセンタのオペレ-タもしくはサービスマンの手を煩わせることが少なくなる。また、管理者やサ-ビスセンタのオペレ-タが、適切な判断や処理が行えるという作用効果がある。
(2)画像記録手段(22),画像記録に支障を来たす故障を検出する状態検出手段(22,20)およびネットワーク通信手段(44)を含む画像処理装置(200)と、該画像処理装置とネットワ-クを介して交信する管理サ-バ(401)とを含む、画像処理装置の管理システムにおいて:前記画像処理装置(200)は、前記状態検出手段(22,20)が画像記録に支障を来たす状態を検出したとき、それが画像処理装置(200)のメモリに登録されたものであるとそれを、前記ネットワーク通信手段(44)を介して、メモリに登録された管理サ-バに通知する報知手段(20)を含み;前記管理サ-バ(401)は、その記憶手段に、画像処理装置の機能を実現するプログラムを有し、画像記録に支障を来たす状態情報を画像処理装置より受信し該状態にプログラムの再投入が宛てられているときには、該プログラムを、ネットワークを使用して画像処理装置にダウンロ-ドする(図12の60);ことを特徴とする画像処理装置の管理システム。
【0010】ハ-ド部品など物理的な問題ではなく、プログラムバグなどソフトウェアに関する障害であった場合は、ユーザでは手に負えないため、従来はサービスセンタへの問い合わせなどが発生し、ユ-ザおよびサ-ビスセンタのオペレ-タ共に、対処方が不明確になりがちであった。本発明によれば、管理サーバ(401)が画像処理装置に、問題のプログラムをダウンロ-ドするので、ユ-ザおよびサ-ビスセンタのオペレ-タ共に連絡の手間がかからず、サ-ビスマンの労力の節減となる。なお、本発明の好ましい実施例では、ダウンロ-ドに先立って管理サーバ(401)は、対処情報、例えば“ソフトウェアの再投入が必要。再投入をしますか?”などというようなメンテナンス方法と同意の要請が通知されることにより、どのような対処を行えばスムーズに効率よく行えるかをユ-ザは判断でき対処できる。
【0011】
【発明の実施の形態】(3)前記管理サ-バ(401)は、その記憶手段に、画像処理装置の機能を実現するプログラムを有し、それがバ-ジョンアップされると、バ-ジョンアップしたプログラムを、ネットワークを使用して画像処理装置にダウンロ-ドする。
【0012】従来の画像処理装置のバージョンアップは、サービスマンが直接ユーザ先へ出向き行っていた。これは、数分の作業である場合もありユーザ先へ行くまでの時間などの方が何倍もかかるケースが多い。本実施態様のように、ネットワーク経由におけるソフトのダウンロードが可能になればサービスマンやユーザも時間や手を煩わせることがなくなる。
(4)前記画像処理装置(200)は、通知先の管理サ-バ(401)のネットワ-ク上のID,画像処理装置(200)に宛てられた管理者のネットワ-ク上のID,画像処理装置(200)のネットワ-ク上のID、および、管理サ-バに通知すべき、画像記録に支障を来たす状態(図10の(b))を、オペレ-タ入力に応じてメモリに登録するための入力手段(31)を含む。
【0013】これにより、画像処理装置(200)の納入先,移転先で、納入者又はユ-ザが管理情報を適宜設定し、変更しあるいは消去することができ、管理サ-バ(401)を介するメンテナンス機能の選択自由度が高い。
(中略)
【0015】
【実施例】図1に、本発明の一実施例の管理システムの概要を示す。画像形成装置200は、パ-ソナルコンピュ-タ(以下PCと表現)等のホスト300a,300bから、LAN又はパラレルI/Fを通じてプリントデ-タが与えられるとそれをプリントアウト(画像出力)できるシステム構成である。図1に示す画像形成装置200はデジタル複写機であり、それ自身で、原稿のコピ-を生成することもできる。複写機200は、構内交換器PBXを介して公衆電話網に接続され、公衆電話網を介して、サ-ビスセンタ400の管理サ-バ401と交信することができる。」

(エ)「【0046】図10の(a)に示す設定メニュ-No.3の画面は、複写機200の管理者とサ-ビスセンタ400とのメンテナンス契約に基づいて、複写機200および管理者とサ-ビスセンタ400の管理サ-バ401との間の交信を設定する画面であり、通知登録を行なうときには、まず「サ-ビスセンタに通知」の項に「1」を入力する。そして、メンテナンスサ-ビスを提供するサ-ビスセンタ400の管理サ-バ401のPBXの電話番号(IPアドレス)ならびにサ-ビスセンタ400の音声会話のための電話番号(電話通話番号)を、「サ-ビスセンタ」の欄に入力する。次に、複写機200の管理者のパソコン又はファクシミリの電話番号(IPアドレス)ならびに音声会話のための電話番号(電話通話番号)を、「管理者」の欄に入力する。更に、複写機200のPBX45の電話番号(IPアドレス)ならびにその場所の音声会話のための電話番号(電話通話番号)を、「対象機」の欄に入力する。入力デ-タは、NVRAM223に、設定メニュ-No.3宛てに書込まれる。これらのデ-タ群を書込んだメモリ領域を、以下においてはメンテ交信テ-ブルと称す。設定メニュ-No.3の画面上の「登録」キ-にオペレ-タがタッチすると、メインコントロ-ラ20が、通信コントロ-ラ44を介して、サ-ビスセンタ400(の管理サ-バ401)のIPアドレスに、メンテ交信テ-ブルと、後述するメンテ要請項目テ-ブルおよびソフトウェアリストを、送信する(33?36)。管理サ-バ401はその内部のメンテ登録メモリ(デ-タベ-ス)に、受信した各テ-ブルおよびリストを、送信元の複写機(のIPアドレス)宛てに書込む。
【0047】設定メニュ-No.3の画面上の「次頁」キ-にオペレ-タがタッチすると、液晶タッチパネル31の表示は、図10の(b)に示す設定メニュ-No.4の画面に切換わる。これは、複写機200のハ-ドウェア要素の不具合,動作異常(ソフトの異常による場合も含む)ならびに消耗品の不足等、画像読取,プリント,コピ-,画像蓄積/出力等、画像処理に支障を来たす事項をリストアップしたものであり、各項目にオペレ-タがタッチして、それをメンテ要請のための通知事項に選択設定するためのものである。いわゆるサ-ビスマンによる修理,点検を要する重度の異常(プログラムバグ,プログラムバ-ジョンの相違など、ソフト不良による動作異常,不動作も含む)は、スパナマ-クで表わし、デフォルトとして選択指定が済んだものとして網掛け表示となっている。網掛け表示項目にタッチすると、網掛けが消えて指定が解除となる。網掛けが無い項目にタッチすると網掛けとなって指定ありとなる。指定項目(網掛け項目)は、NVRAM223に、設定メニュ-No.4宛てに書込まれる。これらの指定項目を書込んだメモリ領域を、以下においてはメンテ要請項目テ-ブルと称す。
【0048】NVRAM223には更に、ソフトウェアリストおよび状態テ-ブルが割り宛てられている。ソフトウェアリストは、複写機200にロ-ドされているプログラム名およびバ-ジョンNo.を列記したテ-ブル(デ-タ群)であり、ロ-ドされたときに自動的にそのプログラム名およびバ-ジョンNo.が書込まれ、また、プログラムの不良又はバ-ジョンアップのために再投入があったときには、再投入されたものにソフトウェアリストが書替えられる。状態テ-ブルは、複写機200の機構状態,使用状態を書込むものであり、その中の代表的なデ-タは各種異常の有無を表わすものである。複写機200の電源オン直後にこの状態テ-ブルからデ-タ(前回の電源オフ直前の状態)が読出されて、画像形成可否,異常処理要否が判定される。複写機200の、画像処理可否に影響する状態変化がある度に、また、使用管理上監視項目とされている状態に変化がある度に、状態テ-ブルが、複写機200の最新の状態を表わすものに書き替えられる。
(中略)
【0052】「コピ-出力処理」(14)又は「P出力処理」(15)を実行している間、ならびにそれを終了し待機しているときに、メインコントロ-ラ20は状態読取を行ない(17)、重度の異常又は軽度の異常を表わす状態を認識すると、メンテ交信テ-ブルの「サ-ビスセンタに通知」の項に「1」(通知登録あり)があるかをチェックして(20)、それがあると、図8を参照すると、今回認知した異常が、メンテ要請項目テ-ブルに登録(指定)されたものであるかをチェックする(22)。メンテ要請項目テ-ブルに登録された異常であると、それがすでに管理サ-バ401に通知済かをチエックして(23)、未通知であると、メンテ交信テ-ダル上の複写機(対象機)IDおよび管理者ID、該異常を表わすデ-タ、状態テ-ブル(該異常状態デ-タを含む)ならびにソフトウェアリストを、送信情報フレ-ムに編集して(24)、サ-ビスセンタ400の管理サ-バ401と交信して、該送信情報フレ-ムを管理サ-バ401に送信する。すなわち、メンテ要請通知を行なう。その後メインコントロ-ラ20(のCPU221)は、「各部状態読取」(図7の17)で、管理サ-バ401からの返信を認知する。
【0053】図12に、管理サ-バ401の、複写機200(のメインコントロ-ラ20)のメンテ要請通知に応答した処理を示す。管理サ-バ401は、メンテ要請通知を受信すると、受信情報フレ-ムのデ-タ(異常を表わす情報,状態テ-ブル,ソフトウェアリスト)をデコ-ドして、異常がハ-ドウェア原因(故障又は消耗品不足)かプログラムの不良(による異常動作,動作不可)のいずれかに大別し、異常対応の、対処方法の情報すなわち返信情報を対処情報デ-タベ-スより読出して、管理サ-バ401を管理するPC(パ-ソナルコンピュ-タ)402に出力(CRTディスプレイに表示)する。そこのオペレ-タは、送信元のメンテ対象機(複写機200)の異常情報と対処情報を確認し、その組合せが適であると、実行を管理サ-バ401に指示する。なお、対処情報に、サ-ビスマン派遣があるときには、オペレ-タは、そこに表示された日時空欄に、予定の日時を入力してから実行を指示する。
【0054】管理サ-バ401は、実行の指示に応答して、返信情報をメンテ対象機(複写機200)に送信する(66/67)。異常対処方法がプログラムの再投入であるときには、返信情報は、それが必要であることを表明し同意を求めるものとなり(67)、ハ-ドウェアの故障(サ-ビスマンの派遣が必要な重度の障害)の場合には、故障箇所と部品交換要,故障箇所と点検要,故障箇所不明,原因不明等、原因情報と何月何日何時頃にサ-ビスマンが出向く旨の告知となる。消耗品の補充,ペ-パジャムの修復等、軽度の、ユ-ザが対処可の異常であった場合には、対処方法,修復方法の説明となる。管理サ-バ401が自己に登録している、今異常を通知して来たメンテ対象機(複写機200)のメンテ交信テ-ブルの管理者の欄にIPアドレス(又はファクシミリ電話番号)があると管理サ-バ401はそこに返信情報を送信する。管理者の欄のIPアドレスが空欄であると、対象機の欄のIPアドレス(又はファクシミリ電話番号)に返信情報を送信するが、対象機の欄のIPアドレスも空欄であると、管理サ-バ401はPC402に、返信情報の送信不可を表示出力する。オペレ-タはこれに対応して、管理者の通話電話又は対象機(がある場所)の通話電話にて、返信情報を伝える。
【0055】図11に、「各部状態読取」(17)の中の、管理サ-バ401からの送信に応答するメインコントロ-ラ20(のCPU221)の処理を示す。上記返信情報を受信すると複写機200(のコントロ-ラ20)は、返信情報を液晶パネル31に表示する(41?43)。異常がハ-ドウェア関連である場合、コントロ-ラ20はプリント可であると、返信情報をプリントアウトする(44?46)。プリント不可であると、そのまま表示を継続する。返信情報がプログラムの再投入を勧誘し同意を求めるものであるときには、OKキ-とNGキ-が返信情報と共に液晶パネル31に表示される。ユ-ザがOKキ-にタッチするとコントロ-ラ20は、管理サ-バ401にプログラム再投入要求を送信し(47,48)、これに応答して管理サ-バ401が公衆回線を介して問題のプログラムを複写機200にダウンロ-ドする(49)。このダウンロ-ドが完了すると、NVRAM223のソフトウェアリストの、該当プログラムの欄の投入回数がインクレメントされる。管理サ-バ401は、ダウンロ-ド作業終了直後に、メンテ対象機(複写機200)にソフトウェアリストの転送を要求し、それを受信してダウンロ-ドの完了を確認する(50)。ユ-ザがNGキ-にタッチしたときには再投入拒否情報が管理サ-バ401に送信される。いずれにしても、管理サ-バ401/管理サ-バ401間の一連の通信が終了するとコントロ-ラ20は、プリント可であると、返信情報をプリントアウトする(45,46)。 【0056】管理サ-バ401には、メンテ対象機の上述のメンテ交信テ-ブル,メンテ要請項目テ-ブルおよびソフトウェアリストを登録するメンテ対象機デ-タベ-ス(メモリ),想定される異常に対する対処方を、各異常対応で登録した対処方デ-タベ-ス(メモリ)、ならびに、サ-ビスセンタ400がメンテサ-ビスの対象とする画像処理装置の、メンテ対象全プログラムを登録したプログラムデ-タベ-ス(メモリ)がある。管理サ-バ401は、上述の、メンテ対象機からの異常通知に応答する処理の他に、メンテ対象機のバ-ジョンアップの管理も行なう。
【0057】プログラムデ-タベ-スの各プログラムは、PC401を介したオペレ-タの操作によってバ-ジョンアップ(プログラムデ-タの入れ替え)することができる。管理サ-バ401は、このバ-ジョンアップがある度に、バ-ジョンアップリストのデ-タを更新する。すなわち、バ-ジョンアップリストに、バ-ジョンアップがあったプログラムと新旧バ-ジョンNo.デ-タを加える。そしてPC401を介してオペレ-タよりメンテ対象機のバ-ジョンアップの実行が指示されると、メンテ対象機デ-タベ-スに登録されている対象機のそれぞれに対するバ-ジョンアップ処理を行なう。
【0058】図13に、このバ-ジョンアップ処理の内容を示す。ここでは、メンテ対象機デ-タベ-スに登録されている対象機iが、今回バ-ジョンアップされたプログラムjに適合するものであるかを、対象機iのソフトウェアリストのデ-タに基づいてチェックして(72?77)、適合するものであると、対象機iに状態テ-ブルの転送を要求して(79)、送られて来た状態テ-ブルのデ-タに基づいて対象機iが自動ダウンロ-ド可状態であるかを判定し(80)、可であると、バ-ジョンアップしたプログラムを対象機iに、公衆回線を介してダウンロ-ドする(81)。ここでも、ダウンロ-ド作業終了直後に、メンテ対象機(複写機200)にソフトウェアリストの転送を要求し、それを受信してダウンロ-ドの完了(新たなバ-ジョンNo.になっているか)を確認する。そして、完了していると、対象機iの管理者に、バ-ジョンアップの完了を通知する(82)。
【0059】対象機iが、自動ダウンロ-ドに適さない状態であると、管理サ-バ401は、対象機iの管理者に、バ-ジョンアップの勧誘と同意を求める情報を送信する。管理者に対する通知が不可のときには、対象機iに送信する(85)。管理者(又は対象機i)からOKの返信を受けると、バ-ジョンアッププログラムを、対象機iにダウンロ-ドする(81)。管理サ-バ401は以上の処理を、バ-ジョンアップがあった全プログラムに関し、全対象機に対して実行する。なお、対象機i(複写機200)においては、そのコントロ-ラ20が、図11のステップ41?44-52?56の処理で、管理サ-バ401からのアクセスに応答する。この処理の内容は、すでに説明した41?44-47?51と同様である。」

(オ)「【0060】以上に説明した、複写機200とサ-ビスセンタ400との交信によって実現するメンテナンスサ-ビスを、要約して図14?図16に示し、次に要約して説明する。
【0061】メンテ登録&管理サ-バに報知(図14)A:各画像処理装置(200)と管理サーバ(401)間で、各画像処理装置が有する機能(ネットワーク,ファクス,スキャナなど)と、機能を使用する上で必要な情報(IPアドレス,ファクス番号)及び、管理サーバから画像処理装置への通知手段などの情報を受け渡す初期化処理を行う。各画像処理装置には、あらかじめ各エラーが発生した場合に、管理サーバへ通知するか否かを設定しておく。これは、ジャムなどユーザ対応できる軽度なエラー情報まで管理サーバに常に通知することがないようにするためである;
B1,B2:画像処理装置(200)においてエラーやイベント(情報)が発生した場合、Aにより設定されている内容から管理サーバ(401)へ通知するものかどうかを判断する;
B3,B4:管理サーバへ通知するものだと判断した場合は、Aにおいて設定してあった通知手段において、管理サーバ(401)へ通知を行う。
【0062】管理サ-バのメンテナンス送信(図15)
C1:画像処理装置からエラー(異常通知)を受信;
C2:部品関連のエラーかソフト関連のエラーかを判断する;
C4:部品関連のエラーであれば、部品関連情報等を画像処理装置に送信する。管理サーバ上で管理する情報としては、リカバリー方法,部品の交換が必要な場合は部品の名称及び部品番号、また、ソフト的に問題があると判断した場合はソフトの提供などがある。
C5:ソフトウェア関連のエラーであれば、ソフトウェアの再投入を奨める情報を、管理者もしくは画像処理装置(ユ-ザ)へ通知する;
C6:管理者又はユーザがソフトウェアの再投入を依頼しなければ、そのまま終
了する;
C7:管理者又はユーザからソフトウェアの再投入を依頼された場合は、管理サーバから対象となる画像処理装置へネットワークを介してソフトウェアのダウンロードを行う;
C8:管理サーバは、ダウンロ-ド作業が終了した旨を管理者又はユーザへ通知し、動作確認を行うよう促す;
C9:ダウンロ-ドが正常に終わっていれば、そのまま作業を終了する;
C10:異常終了もしくは正常に起動されない場合は、異常処理を行う;
バ-ジョンアップメンテナンス(図16)
C11:管理サーバがメンテナンスしているプログラムがバージョンアップされた;
C12:管理サーバがメンテナンス対象とする画像処理装置とバ-ジョンアップに関する通信を開始;
C13,C14:ダウンロード可能な状態であるかチェック;
C17,C18:ダウンロードを開始する前にユーザに通知する設定であった場合は、ユーザへ通知し返答を待つ;
C15:自動的にダウンロードするといった設定であれば、管理サーバと画像処理装置間で、バ-ジョンアップしたプログラムのダウンロードを開始;
C16:ダウンロード終了後、ユーザへ通知する。」

以上の記載からみて、引用例1には、次のような発明が記載されているものと認められる。
「画像記録手段(22),画像記録に支障を来たす故障および消耗を検出する状態検出手段(22,20)およびネットワーク通信手段(44)を含む画像処理装置と、該画像処理装置(200)とネットワ-クを介して交信する管理サ-バ(401)とを含む、画像処理装置の管理システムにおいて、前記画像処理装置(200)は、前記状態検出手段(22,20)が画像記録に支障を来たす状態を検出したとき、それが画像処理装置(200)のメモリに登録されたものであるとそれを、前記ネットワーク通信手段(44)を介して、メモリに登録された管理サ-バに通知する報知手段(20)を含み、前記管理サ-バ(401)は、画像処理装置(200)から通知があった状態に対応する対処情報を管理サ-バ(401)の記憶手段より読み出して該画像処理装置(200)に宛てられた管理者に送信する返信手段を含む画像処理装置の管理システム。」

3.対比
本願発明と引用例1に記載された発明を対比すると、引用例1に記載された発明の「サービスセンターの管理サーバ401」は、本願発明の「メーカー側のマイクロコンピュータ」に相当し、引用例1に記載された発明の「公衆回線網」は、本願発明の「通信回線」に相当し、引用例1に記載された発明の「メンテナンスシステムすなわち画像処理装置の管理システム」は、本願発明の「メンテナンスシステム」に相当し(段落【0004】、【0009】、【0046】参照。)、引用例1に記載された発明の「ユーザ側のメインコントローラ20」は、本願発明の「ユーザー側のマイクロコンピュータ」に相当することは、明らかである。

そして、引用例1には、サービスセンターの管理サーバ401(メーカー側のマイクロコンピュータ相当)と、この管理サーバ401に公衆回線(通信回線に相当)を介して接続されたユーザー側の画像処理装置及び該画像処理装置を制御するユーザー側のメインコントローラ20(ユーザー側のマイクロコンピュータに相当)とからなる画像処理装置のメンテナンスシステムが記載されているから、本願発明と引用例1に記載された発明とは、
「メーカー側のマイクロコンピュータに通信回線によって接続されたユーザー側の処理装置に装着されたマイクロコンピュータとからなる装置のメンテナンスシステム」
である点で差異はない。

引用例1には、ユーザー側の画像処理装置に異常が発生した時、ユーザー側の画像処理装置のメインコントローラ20からサービスセンターの管理サーバ401へ連絡することが記載されている(前記(エ)の段落【0052】及び【0053】の記載を参照。)から、本願発明と引用例1に記載された発明とは、
「ユーザー側の処理装置が故障した時、前記ユーザー側の処理装置のマイクロコンピュータからメーカー側の装置のマイクロコンピュータに連絡する」
点で差異はない。

そうすると、本願発明と引用例1に記載された発明とは、
(一致点)
「メーカー側のマイクロコンピュータに通信回線によって接続されたユーザー側の処理装置に装着されたマイクロコンピュータとからなる木工機械のメンテナンスシステムにおいて、前記ユーザー側の処理装置が故障した時、前記ユーザー側の処理装置のマイクロコンピュータからメーカー側の装置のマイクロコンピュータに連絡することによって、前記ユーザー側の前記処理装置の修理をする処理装置のメンテナンスシステム。」
である点で一致し、次の各点で相違する。

(相違点1)
本願発明では、ユーザー側の処理装置が木工機械であるのに対して、
引用例1に記載された発明では、ユーザー側の処理装置が画像処理装置である点。

(相違点2)
本願発明は、ユーザー側の木工機械が故障した時、メーカー側のマイクロコンピュータが、ユーザー側のマイクロコンピュータにアクセスし、ユーザー側のマイクロコンピュータの木工機械を操作するデータを読み取りこのデータをチェックしエラーを修正しているのに対して、
引用例1に記載された発明は、ユーザー側の画像処理装置に異常が発生した時、ユーザー側の画像処理装置のメインコントローラ20が、対象機ID、管理者ID、異常を表すデータ、状態テーブル、及びソフトウエアリストを、送信情報フレームに編集して、サービスセンターの管理サーバ401に送信し、送信情報フレームを受信したサービスセンターの管理サーバ401は、送信情報フレームのデータを解析して異常原因を特定し、異常原因に対する対処方法及び情報をユーザー側に返送している点。
すなわち、本願発明は、故障原因を特定しその対処方法を通知するプログラムいわゆる診断プログラムを、メーカー側のマイクロコンピュータが保有し、ユーザー側の装置のすべての故障について対処するのに対して、引用例1に記載された発明は、ユーザー側のメインコントローラ20が異常原因を解析する機能の一部を有し、それにより異常原因を編集し、ユーザー側の装置に発生した異常のうちメンテ要請項目テーブルに登録されたものだけを、サービスセンターの管理サーバ401に送信し診断要請を行い、特に異常原因がソフトウエアのバグにあると判断された場合、そのソフトウエアをダウンロードしてもらう点。

4.当審の判断
(相違点1について)
上記相違点1について判断するに、
(i)まず、通信回線を介して結ばれた複数の工作機械の遠隔メンテナンスシステム、通信回線を介して結ばれた複数の画像処理装置の遠隔メンテナンスシステム、通信回線を介して結ばれた複数の通信機器の遠隔メンテナンスシステム、及び通信回線を介して結ばれた複数のコンピュータの遠隔メンテナンスシステム等があり、いずれの遠隔メンテナンスシステムも、当業者には周知である。
(ii)次に、本願明細書の発明の詳細な説明の欄には、木工機械に特有な故障原因及びそれに対処する方法が詳細に記載されておらず、しかも本願特許請求の範囲には、木工機械に特有な故障原因及びその対処方法が記載されていない。
(iii)そして、工作機械(木工機械を含む。)の遠隔メンテナンスシステムは、例えば、次の刊行物1-3
【1】特開平06-095723号公報
【2】特開平06-149330号公報
【3】特開昭64-058001号公報
にその旨の記載のあるとおり、当業者には周知な技術常識である。
以上の(i)?(iii)に示される技術事項に鑑みると、引用例1に記載された発明に上記周知技術を適用する阻害要因はなく、したがって引用例1に記載された発明に上記周知技術事項を適用して、引用例1に記載された発明の画像処理装置を木工機械に代え、本願発明の如く構成することは当業者が適宜なし得ることである。

(相違点2について)
上記相違点2について判断するに、
(i)サービスセンターの記憶装置にすべての診断プログラムを格納しておき、サービスセンターの診断コンピュータが定期的にユーザー側のコンピュータにアクセスし、ユーザー側のコンピュータの制御データを読み取りこれにエラーがあれば修復することは、定期遠隔診断システムとして当業者には周知のものであり、
(ii)また、メーカーのサービスセンターからの指示で、診断プログラムを保有しているサービスセンターの診断コンピュータが、ユーザー側のCPUにアクセスし、診断データの収集を行い、これをメーカー側の診断コンピュータで解析し、エラーがあればデータを修正し、この修正データで故障したユーザー側の工作機械(木工機械を含む。)を修復することは、先に示した刊行物1
【1】特開平06-095723号公報
にその旨の記載のあるとおり、当業者には周知自明な技術常識であるから、引用例1に記載された発明にこの周知技術事項を適用して本願発明の如く構成することは当業者が適宜なし得ることである。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-05-08 
結審通知日 2007-05-15 
審決日 2007-05-31 
出願番号 特願2000-384734(P2000-384734)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 谷口 信行  
特許庁審判長 関川 正志
特許庁審判官 伊知地 和之
井上 健一
発明の名称 木工機械のメンテナンスシステム  
代理人 鈴木 和夫  
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