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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 E04C
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 E04C
管理番号 1162152
審判番号 不服2005-24122  
総通号数 93 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-09-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-12-15 
確定日 2007-08-09 
事件の表示 平成11年特許願第322886号「せん断補強筋の定着構造」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 5月22日出願公開、特開2001-140405〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成11年11月12日の出願であって、平成17年11月10日付けで拒絶査定がされ、これに対し、平成17年12月15日に拒絶査定不服審判の請求がされるとともに、平成18年1月13日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成18年1月13日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成18年1月13日付けの手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、以下のとおりとなった。
「鉄筋コンクリート構造体の厚さ方向両側に配筋された縦横の主筋間に、両側の主筋間を結ぶように厚さ方向に多数配筋されるせん断補強筋の定着構造であって、該せん断補強筋の少なくとも一方の端部にはねじ状の凹凸が形成されており、せん断補強筋の前記端部の凹凸に螺合する凹凸を有するナット部と、該ナット部の一端に形成された定着板部とからなる定着金具を、前記定着板部が厚さ方向の外側となるようにして前記せん断補強筋の凹凸に螺合し定着させ、該せん断補強筋の軸力(P1)とせん断補強筋外周面におけるコンクリートとの付着力(P2)と前記定着金具の定着板部における支圧力(P3)によって定着させてあり、前記定着板部の大きさを必要とする支圧抵抗力に応じて決めてあることを特徴とするせん断補強筋の定着構造。」

上記補正は、補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「定着板部」について、その大きさを「定着板部の大きさを必要とする支圧抵抗力に応じて決めてある」と、形式上限定するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の前記請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項の規定において読み替えて準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について、以下に検討する。

(2)刊行物に記載された事項
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である、特開平10-196120号公報(以下、「引用文献」という。)には、「せん断補強筋及びその連結方法」の発明に関し、図面の図1?図12とともに以下の事項が記載されている。

(ア)「【特許請求の範囲】
【請求項1】 並設した二本の主筋又は配力筋間を連結するせん断補強筋において、
一端側に前記主筋等の一方に引っ掛けるためのフック部を有する鋼棒と、
前記主筋等の他方に引っ掛けるために、前記鋼棒の他端側に着脱自在に設けた掛止板とよりなる、
せん断補強筋。
【請求項2】 並設した二本一組の主筋又は配力筋を複数組に亘って連結するせん断補強筋において、
一端側に前記各組の主筋等の一方に引っ掛けるためのフック部を有する複数本の鋼棒と、
前記各組の主筋等の他方に掛け渡して引っ掛けるために、前記各鋼棒の他端側に着脱自在に設けた一枚の掛止板とよりなる、
せん断補強筋。
【請求項3】 並設した二本の主筋又は配力筋間を連結するせん断補強筋において、
鋼棒と、
この鋼棒の一端側に前記主筋等の一方に引っ掛けるために設けた掛止板Aと、
前記主筋等の他方に引っ掛けるために、前記鋼棒の他端側に着脱自在に設けた掛止板Bとよりなる、
せん断補強筋。
【請求項4】 並設した二本一組の主筋又は配力筋を複数組に亘って連結するせん断補強筋において、
複数本の鋼棒と、
各鋼棒の一端側に、前記各組の主筋等の一方に掛け渡して引っ掛けるために設けた一枚の掛止板Aと、
前記各組の主筋等の他方に掛け渡して引っ掛けるために、前記各鋼棒の他端側に着脱自在に設けた一枚の掛止板Bとよりなる、
せん断補強筋。
【請求項5】 請求項3又は4に記載のせん断補強筋において、掛止板Aを鋼棒の一端側に着脱自在に設けた、せん断補強筋。
【請求項6】 請求項3に記載のせん断補強筋において、掛止板Aを鋼棒の一端側に着脱自在に設けると共に、掛止板A及び掛止板Bには、鋼棒の両端に形成したねじ部に螺合するナット部を一体に設けた、せん断補強筋。」

(イ)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主筋又は配力筋間を連結するせん断補強筋及びその連結方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、壁状構造物などの内部に配置される鉄筋は、縦横方向の主筋又は配力筋と、主筋等の間を連結するせん断補強筋などから構成されている。そして、従来のせん断補強筋は、図11に示すように、鋼棒aの一端にフック部b1を曲げ加工して、並設された一方の主筋c1等に引っ掛けた後、鋼棒aの他端を現場で曲げ加工してフック部b2を形成し、他方の主筋c2等に引っ掛けるものが存在する。
【0003】また、図12に示すように、一端にねじ部dを設けたフック状部材e1、e2を各主筋c1、c2等に引っ掛け、それらのねじ部dを、貫通ねじ孔を有するカプラ-fで螺着連結するものも存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】鋼棒aの両端にフック部bを形成する場合は、現場において鉄筋を曲げ加工する手間を要し、施工効率が悪い。また、太径鉄筋を用いる場合には曲げ加工が困難なこともある。
【0005】一方、カプラ-fにより二つのフック状部材eを連結する場合はコストが高くなる。また、主筋等の間の幅が狭い場合には、カプラ-fの継手長が短くなるため、二つのフック状部材eの継手強度を十分に確保できない。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、施工効率の向上とコストの低減を図ることができるせん断補強筋及びその連結方法を提供することを目的とする。」

(ウ)「【0018】
【発明の実施の形態1】図1に示すように、実施の形態1のせん断補強筋は、鋼棒110 と掛止板120 及びナット130 よりなる。鋼棒110 は、その一端側にU字状、V字状、L字状等のフック部111 を有し、他端側にねじ部112 を有する。鋼棒110 の長さは主筋c1、c2間の所定の間隔よりやや長く形成され、その径は現場で曲げ加工する必要がないため太径のものであってもよい。また、鋼棒110 の端部のみにねじ部112を形成してもよいが、全長にねじ部を有するねじふし鋼棒を用いてもよい。なお、主筋のほかに配力筋の場合もあり、以下の実施の形態においても同じとする。
【0019】掛止板120 は、補強筋としての所定の強度を確保できるだけの板圧(当審注:「板厚」の誤記と考えられる。)と、主筋に十分に掛止できるだけの面積を有しており、その形状は角形、円形、楕円形などの種々の形状を採用できる。また、鋼棒110 のねじ部112 を挿入するための図示しない穴を有している。ナット130 は、ねじふし鉄筋用や通常の機械ねじ用など種々のものを用いることができる。
【0020】主筋への取り付けは、先ず、フック部111 を主筋c1に掛止し、その状態でねじ部112 に掛止板120 を嵌め込む。そして、ナット130 をねじ部112 に螺着して締結することによって、主筋c1、c2間に確実に取り付けることができる。
【0021】なお、ナット130 は、予め掛止板120 の内面側あるいは外面側の穴の周囲に固定しておき、掛止板120 自体を回転させることによって締結することも可能である。ナット130 を掛止板120 に固定する場合は、鍛造や摩擦圧接などで行う。また図1は、一本の主筋c2に掛止板120 を掛止する場合であるが、掛止板120 に複数本の主筋を掛止する構造であってもよい。」

(エ)「【0029】
【発明の実施の形態6】図7は、鋼棒270 の両端の掛止板280 を着脱自在に形成した場合である。鋼棒270 の両端にはねじ部271 が形成される。一方、掛止板280 は主筋c1、c2側の面にナット部290 を鍛造や摩擦圧接により一体に設ける。連結する場合は、先ず、鋼棒270 を主筋c1、c2間に差し込んで掛け渡す。次に、両端のねじ部271 にナット部290 を螺合し、掛止板280 ごと回して取り付けを行う。
【0030】上記のように掛止板280 にナット部290 を一体に設けることによって、掛止板280 に穴を開ける必要がなくなり経済的である。また掛止板とナットが別体の場合よりも掛止板のガタツキが少なく、強固な連結構造が得られる。
【0031】なお、掛止板280 に穴を開け、ナット部290 を掛止板280 の主筋c1、c2と反対側の面に一体に設けてもよい。また、掛止板とナット部を別体に形成し、鋼棒270 を主筋c1、c2間に差し込んだ後、その両端に掛止板を取り付け、その外側からナットで締結する方法も採用できる。」

(オ)「【0032】
【発明の実施の形態7】図8に示すせん断補強筋は、対向する二枚の掛止板310 間を鋼棒320 で連結した構造である。掛止板310 は、長方形や楕円形などの形状であり、その面状の直線距離において長い部分と短い部分ができる形状とする。
【0033】このせん断補強筋により、図9に示すように、縦筋、横筋よりなる格子状の主筋群のうち、二本の主筋c1、c2と、それに対向する二本の主筋c3、c4とを連結する。この場合、格子状の主筋群の縦筋又は横筋のピッチを、せん断補強筋の連結部分は大きく、その他の部分は小さく形成しておく。そして、掛止板310 の長辺は、格子状の升目の長辺より短くかつ升目の短辺より長く形成する。
【0034】連結方法は、先ず、主筋c1、c2間と、主筋c3、c4間に形成される縦長の升目k1、k2に、掛止板310 を縦長の状態で差し込んで掛け渡す。そして、図10に示すように、掛止板310 を回転させて横長にし、各掛止板310 を主筋c1?c4の外側に交差するように掛け渡す。これによって、主筋c1?c4を連結することができる。」

そして、上記記載事項(ア)?(オ)並びに図面に記載された内容を総合すると、引用文献には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

(引用発明)
「壁状構造物などの内部に配置される、縦横方向の主筋又は配力筋と、並設した二本の主筋間を連結するせん断補強筋において、
せん断補強筋は、鋼棒と掛止板及びナットよりなり、
鋼棒は、一端側に主筋の一方に引っ掛けるためのフック部を有し、全長にねじ部を有するねじふし鋼棒であり、
掛止板は、主筋の他方に引っ掛けるために、前記鋼棒の他端側に着脱自在に設けられ、補強筋としての所定の強度を確保できるだけの板厚と、主筋に十分に掛止できるだけの面積を有し、
ナットは、予め掛止板の内面側あるいは外面側の穴の周囲に固定され、掛止板自体を回転させることによって鋼棒に締結するようにし、
せん断補強筋の主筋への取り付けは、先ず、鋼棒のフック部を主筋に掛止し、ナットをねじ部に螺着して締結することによって、主筋間に確実に取り付けることとした、せん断補強筋。」

(3)対比
本願補正発明と引用発明を対比すると、引用発明の、「縦横方向の主筋又は配力筋」、「ねじ部」、「ナット」、「掛止板」、「鋼棒」、「取り付け」は、本願補正発明の、「縦横の主筋」、「ねじ状の凹凸」、「ナット部」、「定着板部」、「せん断補強筋」、「定着」にそれぞれ相当する。
また、引用発明の「ナットは、予め掛止板の内面側の穴の周囲に固定し」は、本願補正発明の「ナット部の一端に形成された定着板部とからなる定着金具を、前記定着板部が厚さ方向の外側となるようにし」に相当する。
さらに、引用発明の「壁状構造物」は、その内部に、主筋並びにせん断補強筋が配置されるものであることから、本願補正発明の「鉄筋コンクリート構造物」に相当することが、当業者にとって自明である。

してみれば、両者の一致点及び一応の相違点は、次のとおりである。

(一致点)
「鉄筋コンクリート構造体の縦横の主筋間に、両側の主筋間を結ぶように配筋されるせん断補強筋の定着構造であって、該せん断補強筋の少なくとも一方の端部にはねじ状の凹凸が形成されており、せん断補強筋の前記端部の凹凸に螺合する凹凸を有するナット部と、該ナット部の一端に形成された定着板部とからなる定着金具を、前記定着板部が厚さ方向の外側となるようにして前記せん断補強筋の凹凸に螺合し定着させた、せん断補強筋の定着構造。」

(一応の相違点1)
本願補正発明の主筋は、鉄筋コンクリート構造体の厚さ方向両側に配筋され、せん断補強筋は厚さ方向に多数配筋されているのに対し、引用発明の主筋は、構造体内での位置が定かでなく、またせん断補強筋の数が定かでない点。

(一応の相違点2)
本願補正発明のせん断補強筋は、「せん断補強筋の軸力(P1)とせん断補強筋外周面におけるコンクリートとの付着力(P2)と前記定着金具の定着板部における支圧力(P3)によって定着」されているのに対し、引用発明では、せん断補強筋にかかる力が定かでない点。

(一応の相違点3)
本願補正発明の定着板部の大きさは、「必要とする支圧抵抗力に応じて決めてある」のに対し、引用発明の「掛止板」は、補強筋としての所定の強度を確保できるだけの板厚と、主筋に十分に掛止できるだけの面積である点。

(4)当審の判断
上記の一応の相違点について検討する。

(一応の相違点1について)
コンクリート構造物のせん断補強筋による補強において、せん断補強筋を鉄筋コンクリート構造体の厚さ方向両側に主筋を配置し、その間にせん断補強筋を多数配筋することが、特開平8-260619号公報や特開平9-242260号公報等にみられるように従来より周知の配筋手法であることを考慮すれば、引用発明における、縦横配置の主筋とせん断補強筋を、コンクリート構造体内で上記配置とすることは、当業者が当然行う配置手法にすぎないものである。

(一応の相違点2について)
本願補正発明では、「せん断補強筋は、せん断補強筋の軸力(P1)とせん断補強筋外周面におけるコンクリートとの付着力(P2)と前記定着金具の定着板部における支圧力(P3)によって定着」としており、上記構成が「コンクリートとの付着力」を定着の要件としていることからすると、本願補正発明における「定着」状態とは、主筋及びせん断補強筋のみによるコンクリート打設前の状態における定着状態ではなく、コンクリートを含むコンクリート構造体内でのせん断補強筋の定着状態を指しているものと解される。

一方、引用発明では、せん断補強筋は、一端側のフック部を主筋等の一方に引っ掛け、そして、掛止板自体を回転させることによって締結し、主筋間に確実に取り付けている。ネジの締結により確実な取り付けが行われていることからすれば、鋼棒は、引っ掛けたフック部側から引っ張り力の作用、すなわち軸力を受け、掛止板側に、これに抗する力である支圧力がはたらくものといえる。
また、引用発明のせん断補強筋は、鋼棒の全長にねじ部を有するねじふし鋼棒を用いており、凹凸であるねじ部にコンクリートが付着することは明らかである。鋼棒の凹凸にコンクリートが付着した状態で鋼棒が力を受ければ、その力を鋼棒に付着したコンクリートに伝達することは自明のことであるから、鋼棒に引っ張り力が作用すれば、鋼棒の外周に付着したコンクリートとの間で、引っ張りに抗する力がはたらくことは当業者にとって自明のことであるといえる。
さらに、引用発明のせん断補強筋が、コンクリート構造体内に埋設した状態で定着した状態で存在しているものであることは、当業者にとってみれば疑いようのないことである。

そうすると、引用発明においても、せん断補強筋の軸力と、せん断補強筋外周面におけるコンクリートとの付着力と、前記定着金具の定着板部における支圧力によってせん断補強筋が定着されていることは、当業者にとって明らかなことであるといえる。

してみれば、上記(一応の相違点2)は、当業者にとって明らかな事項を示したにすぎず、実質的な相違とはいえないものである。

(一応の相違点3について)
本願補正発明の、定着板部の大きさに関する、「必要とする支圧抵抗力に応じて決めてある」との構成は、定着板部の大きさと支圧抵抗力の関係を「応じて決め」とのみしたものであって、例えば必要とされる支圧抵抗力に応じて定着板部の大きさをどのように決定するのか等、支圧抵抗力と定着板部の大きさの関連性を具体的に何ら限定しているものではない。
してみると、上記構成は、定着板部の大きさに関する実質的な限定とはいえないものであるから、上記相違点3は、実質的な相違とはいえないものである。

仮に、本願補正発明の定着板部の大きさに関する「必要とする支圧抵抗力に応じて決めてある」との構成が、「定着板部の大きさを、必要とする支圧抵抗力と同じ支圧力を発生させられる大きさに設定する」ことであったと仮定しても、上記(相違点2について)にて説示したとおり、引用発明の定着板部においても、コンクリート構造体内において、フック側からの引っ張り力に対する支圧力が発生しているものといえ、さらに引用発明の掛止板(定着板)が、補強筋としての所定の強度を確保し、主筋に十分に掛止できるだけの面積を有したものであることからすれば、引用発明の掛止板は、主筋からの支圧力を受ける強度を有し、かつ主筋から支圧力を受ける大きさを有したものといえるから、引用発明の掛止板(定着板)も、必要とする支圧抵抗力を発生させられる大きさであるといえる。

してみれば、上記定着板部の大きさに関する「必要とする支圧抵抗力に応じて決めてある」との構成が仮に上記仮定のとおりであったとしても、上記一応の相違点3は実質的な相違とはいえない。

したがって、本願補正発明は、引用発明と同一であるから、特許法29条第1項第3号の規定に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年度改正前特許法17条の2第5項の規定において準用する同法126条第5項の規定に適合しないものであり、同法159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により、却下されるべきものである。

3.本願発明について
平成18年1月13日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成17年7月14日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

(本願発明)
「鉄筋コンクリート構造体の厚さ方向両側に配筋された縦横の主筋間に
、両側の主筋間を結ぶように厚さ方向に多数配筋されるせん断補強筋の定着構造であって、該せん断補強筋の少なくとも一方の端部にはねじ状の凹凸が形成されており、せん断補強筋の前記端部の凹凸に螺合する凹凸を有するナット部と、該ナット部の一端に形成された定着板部とからなる定着金具を、前記定着板部が厚さ方向の外側となるようにして前記せん断補強筋の凹凸に螺合し定着させ、該せん断補強筋鉄筋の軸力とせん断補強筋外周面におけるコンクリートとの付着力と前記定着金具の定着板部における支圧力によって定着させてあることを特徴とするせん断補強筋の定着構造。」

(1)刊行物に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物に記載された事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明は、前記2.にて検討した本願補正発明の「定着板部」について、その大きさを「定着板部の大きさを必要とする支圧抵抗力に応じて決めてある」との一応の限定を削除したものである。

そうすると、本願発明を特定する事項をすべて含み、さらに一応の限定をしたものに相当する本願補正発明が、前記2.(4)に記載したとおり、引用発明と同一であるから、本願発明も同様の理由により、引用発明と同一である。

(3)むすび
したがって、本願発明は、引用発明と同一であり、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、特許を受けることができないから、本願の他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-06-08 
結審通知日 2007-06-12 
審決日 2007-06-25 
出願番号 特願平11-322886
審決分類 P 1 8・ 113- Z (E04C)
P 1 8・ 575- Z (E04C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 渋谷 知子  
特許庁審判長 伊波 猛
特許庁審判官 石井 哲
峰 祐治
発明の名称 せん断補強筋の定着構造  
代理人 久門 知  
代理人 久門 享  
代理人 久門 享  
代理人 久門 知  

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