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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1163472
審判番号 不服2004-10093  
総通号数 94 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-05-13 
確定日 2007-08-31 
事件の表示 特願2000-214524「パチンコ機」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 1月29日出願公開、特開2002- 28327〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
本願は、平成12年7月14日の出願であって、平成15年12月3日付でなされた拒絶理由の通知に対して、平成16年2月3日付で意見書の提出及び手続補正がなされ、同年4月7日付で拒絶査定がなされたところ、これに対し、同年5月13日に拒絶査定に対する審判が請求されるとともに、同年5月31日付で手続補正がなされたものである。

2 平成16年5月31日付の手続補正についての補正却下の決定
〔補正却下の決定の結論〕
平成16年5月31日付の手続補正を却下する。

〔理由〕
(1)補正後の本願発明
平成16年5月31日付の手続補正(以下、「本件補正」という)により、特許請求の範囲の請求項1は、次のとおりに補正された。

「遊技盤面に複数の入賞口を備え、該複数の入賞口のそれぞれの入賞口に対して、遊技球が入賞する口の近傍であって遊技者が目視可能な位置に入賞検出部を設けると共に、遊技球が排出される口の近傍であって遊技盤の裏面に排出検出部を設け、前記入賞検出部によって入賞口への遊技球の入賞の検出を行い、前記排出検出部によって入賞口から排出された遊技球の検出を行って、それぞれ検出した遊技球の検出数を比較し、比較結果に基づいて賞球の払出しを行うことを特徴とするパチンコ機。」

上記補正は、平成16年2月3日付の手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「遊技球が入賞する口の近傍に入賞検出部を設ける」及び「遊技球が排出される口の近傍に排出検出部を設け」について、それぞれ「遊技球が入賞する口の近傍であって遊技者が目視可能な位置に入賞検出部を設ける」及び「遊技球が排出される口の近傍であって遊技盤の裏面に排出検出部を設け」との限定を付加するものであって、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開平6-327828号公報(以下、「引用例1」という)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。

(a)「本発明に係る遊技機の不正行為防止装置10は、図1に示すように、入賞球センサ20を構成する、打球Bを検出する第1入賞センサ21及び第2入賞センサ22と、前記両入賞センサ21,22と前記利益付与手段30との間に位置し、第1入賞センサから出力される第1検出信号aと第2入賞センサから出力される第2検出信号bとを比較し、両検出信号a,bの発生が時間的に一致した場合には、不正信号を出力し、前記利益付与手段30における利益の付与を中止させるた不正行為判断手段40とを主な構成要素とする。また、前記不正行為防止装置10の出力側には、両入賞センサ21,22からの両検出信号a,bに基づいて遊技者に利益を付与する利益付与手段30が接続されている。」(段落0012)
(b)「前記第1入賞センサ20及び第2入賞センサ22は、近接センサからなり、通過する打球を検出して信号を出力する。具体的には、打球が通過すると、第1入賞センサは、第1検出信号aを出力し、第2入賞センサは、第2検出信号bを出力する。この第1入賞センサ21及び第2入賞センサ22は、図2に示すように、打球が入賞する入賞口50を備えた入賞球流下路60の打球の流下途中に位置するとともに、第1入賞センサ21が第2入賞センサ22の上流側に位置するように設けてある。両入賞センサ21,22とも、入賞球流下路60を流下する打球を1個毎検出可能に形成されている。」(段落0013)
(c)「また、両入賞センサ21,22は、打球Bの流下方向に上下に設けてあればよいが、望ましくは、第1入賞センサ21の第1検出信号aが立ち下がった後、第2入賞センサ22の第2検出信号bが立ち上がるように、打球Bの直径以上の間隔をおいて設けるとよい。このように配置すると、両入賞センサ21,22による検出信号a,bの発生の時間的比較がより確実なものとなるからである。」(段落0014)
(d)「以下に、不正行為判断手段40による不正行為の判断手順を説明する。入賞口50に入賞した打球Bは、入賞球流下路60を流下し、先ず第1入賞センサ21により検出され、第1入賞センサ21が打球Bの第1検出信号aを出力する。入賞球流下路60を流下する打球Bは、さらに第2入賞センサ22により検出され、第2入賞センサ22が打球の第2検出信号bを出力する。」(段落0017)
(e)「このように、正規に入賞口50に入賞した場合には、図3に示すように、両入賞センサ21、22が出力する検出信号a,bは、第1入賞センサ21の第1検出信号aの出力が第2入賞センサ22の第2検出信号bの出力に先行し、その発生が時間的にずれたものとなっている。一方、無線機等から発信した電波は、第1入賞センサ21及び第2入賞センサ22に同時に到達し、両入賞センサ21,22を同時に動作させるため、図4に示すように、両入賞センサ21,22が出力する検出信号a,bは、その発生が時間的に一致したものとなる。」(段落0018)
(f)「不正行為判断手段40では、上記した両検出信号a,bの動作特性に基づき、第1入賞センサ21及び第2入賞センサ22が出力する打球Bの第1検出信号aと第2検出信号bの発生を時間的に比較する。そして、両検出信号a,bの発生が時間的にずれている場合には、上記したように正規の打球Bによる検出信号であると判断する。」(段落0019)
(g)「不正行為判断手段40が正規の打球Bによる検出信号であると判断した場合には、利益付与手段30により、例えば賞球を排出したり、特別の権利を発生させたり、ランプを点灯して遊技者に利益を与える。一方、第1検出信号aと第2検出信号bとの発生が時間的に一致する場合には、正規の打球Bの検出信号ではなく、無線機等から発信した電波により、両入賞センサ21、22が誤動作し、不正行為が発生したものと判断する。」(段落0020)

以上の記載事項を参酌すると、引用例1には次の発明(以下、「引用発明1」という)が記載されているものと認められる。

「打球Bが入賞する入賞口50を備えた入賞球流下路60の打球Bの流下途中に、打球Bを検出する第1入賞センサ21及び第2入賞センサ22を打球Bの流下方向に上下に設け、第1入賞センサ21及び第2入賞センサ22が出力する打球Bの第1検出信号aと第2検出信号bの発生を時間的に比較し、両検出信号a,bの発生が時間的にずれている場合には、正規の打球Bによる検出信号であると判断し、賞球を排出する遊技機。」

また、原査定の拒絶の理由に引用された特開2000-70446号公報(以下、「引用例2」という)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。

(ア)「本実施の形態では、遊技者の操作に応じて変化するパチンコ機の遊技状態を検出するべく、遊技盤3には、入賞球検出手段としての種々の検出スイッチが取付けられている。より詳しくは、図4,5,6に示すように、作動ゲート11bには、作動ゲート用スイッチ31が設けられている。また、作動口11a近傍には作動口用スイッチ32が設けられている。これらのスイッチ31,32は、いずれも遊技盤3の裏面よりも前側に設けられており、かつ、遊技者が視認可能な位置に設けられている。」(段落0031)
(イ)「また、図4に示すように、大入賞口12a近傍には、2つの大入賞口用スイッチ33,34が設けられている。シャッタ14の内側面には、逆ハの字状をなす案内レール14aが一体形成されており、該案内レール14aにより、大入賞口12aに入賞した入賞球は円滑に、かつ、速やかにいずれかの大入賞口用スイッチ33,34を通過しうる。また、これら大入賞口用スイッチ33,34も遊技盤3の裏面よりも前側に設けられており、かつ、遊技者が視認可能な位置に設けられている。」(段落0032)
(ウ)「さらに、図4,7,8に示すように、一般入賞口15a?18a近傍には、一般入賞口用スイッチ35,36,37,38が設けられている。これらの一般入賞口用スイッチ35,36,37,38もまた、遊技盤3の裏面よりも前側で、かつ、遊技者が視認可能な位置に設けられている。」(段落0033)
(エ)「併せて、図2,4に示すように、通過ゲート23,24には、通過ゲート用スイッチ39,40が設けられている。これらのスイッチ39,40も同様にして、遊技盤3の裏面よりも前側で、かつ、遊技者が視認可能な位置に設けられている。」(段落0034)
(オ)「本実施の形態では、これらのスイッチ31?40により、遊技球Bの作動ゲート11bの通過や作動口11aへの入賞、大入賞口12aへの入賞、或いは一般入賞口15a?18aへの入賞や、通過ゲート23a,24aの通過等が検出されるようになっている。また、本実施の形態では、従来技術で説明したような入賞球処理装置は設けられておらず、各スイッチ31?40の検出結果に基づき、景品球払出装置41(図2参照)の駆動制御が導出されるようになっている。」(段落0035)

以上の記載事項を参酌すると、引用例2には次の発明(以下、「引用発明2」という)が記載されているものと認められる。

「作動ゲート11b、作動口11a、大入賞口12a、一般入賞口15a?18a及び通過ゲート23,24近傍にスイッチ31?40が、いずれも遊技盤3の裏面よりも前側に、かつ、遊技者が視認可能な位置に設けられ、これらのスイッチ31?40により、遊技球Bの作動ゲート11bの通過や作動口11aへの入賞、大入賞口12aへの入賞、或いは一般入賞口15a?18aへの入賞や、通過ゲート23a,24aの通過等が検出されるパチンコ機。」

(3)対比
本願補正発明と引用発明1を比較する。
引用発明1の「打球B」は本願補正発明の「遊技球」に相当し、以下同様に、「入賞口50」は「入賞口」に、「賞球を排出する」は「賞球の払出しを行う」に、「遊技機」は「パチンコ機」にそれぞれ相当する。また、以下のことが言える。
(い)一般的にパチンコ機は「遊技盤面に複数の入賞口を備え」ており、引用発明1の「第1入賞センサ21及び第2入賞センサ22」が「該複数の入賞口のそれぞれの入賞口に対して」設けられていることは実質的に明らかである。
(ろ)引用発明1の「打球が入賞する入賞口50を備えた入賞球流下路60の打球の流下途中に、打球Bを検出する第1入賞センサ21及び第2入賞センサ22を打球Bの流下方向に上下に設け」た構成は、本願補正発明の「遊技球が入賞する口の近傍であって遊技者が目視可能な位置に入賞検出部を設けると共に、遊技球が排出される口の近傍であって遊技盤の裏面に排出検出部を設け、前記入賞検出部によって入賞口への遊技球の入賞の検出を行い、前記排出検出部によって入賞口から排出された遊技球の検出を行」う構成と、「入賞口へ入賞した遊技球の検出を行う検出部を二つ設け」た構成である点で共通する。
(は)引用発明1の「第1入賞センサ21及び第2入賞センサ22が出力する打球Bの第1検出信号aと第2検出信号bの発生を時間的に比較し、両検出信号a,bの発生が時間的にずれている場合には、正規の打球Bによる検出信号であると判断し、賞球を排出する」構成は、本願補正発明の「それぞれ検出した遊技球の検出数を比較し、比較結果に基づいて賞球の払出しを行う」構成と、「それぞれ検出した遊技球の情報を比較し、比較結果に基づいて賞球の払出しを行う」構成である点で共通する。

したがって、両者は、
「遊技盤面に複数の入賞口を備え、該複数の入賞口のそれぞれの入賞口に対して、入賞口へ入賞した遊技球の検出を行う検出部を二つ設け、それぞれ検出した遊技球の情報を比較し、比較結果に基づいて賞球の払出しを行うパチンコ機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点1)
入賞口へ入賞した遊技球の検出を行う二つの検出部について、本願補正発明では、遊技球が入賞する口の近傍であって遊技者が目視可能な位置に入賞検出部を設けると共に、遊技球が排出される口の近傍であって遊技盤の裏面に排出検出部を設け、前記入賞検出部によって入賞口への遊技球の入賞の検出を行い、前記排出検出部によって入賞口から排出された遊技球の検出を行うのに対して、引用発明1では、二つの検出部を設ける具体的な位置関係が明確でない点。

(相違点2)
入賞口へ入賞した遊技球の検出を行う二つの検出部がそれぞれ検出した遊技球の情報を比較し、比較結果に基づいて賞球の払出しを行うにあたり、本願補正発明では、遊技球の検出数を比較するのに対して、引用発明1では、各検出信号の発生を時間的に比較している点。

(4)判断
相違点1について検討する。
本願補正発明と引用発明2を比較すると、引用発明2の「作動ゲート11b、作動口11a、大入賞口12a、一般入賞口15a?18a及び通過ゲート23,24近傍」、「スイッチ31?40」、「遊技者が視認可能な位置」及び「これらのスイッチ31?40により、遊技球Bの作動ゲート11bの通過や作動口11aへの入賞、大入賞口12aへの入賞、或いは一般入賞口15a?18aへの入賞や、通過ゲート23a,24aの通過等が検出される」は、本願補正発明の「遊技球が入賞する口の近傍」、「入賞検出部」、「遊技者が目視可能な位置」及び「入賞検出部によって入賞口への遊技球の入賞の検出を行う」にそれぞれ相当するから、引用発明2は、本願補正発明の「遊技球が入賞する口の近傍であって遊技者が目視可能な位置に入賞検出部を設け」、「入賞検出部によって入賞口への遊技球の入賞の検出を行」う構成を実質的に備えている。
また、本願補正発明の「遊技球が排出される口の近傍であって遊技盤の裏面に排出検出部を設け」、「排出検出部によって入賞口から排出された遊技球の検出を行う」構成は、入賞球の検出技術として従来周知である(引用例2の段落0003乃至0008及び図9(従来の技術)における「スイッチ76?80」、特開平11-300018号公報の段落0014及び図3における「検知スイッチ45?49」参照)。
そして、引用例1の「この第1入賞センサ21及び第2入賞センサ22は、・・・打球が入賞する入賞口50を備えた入賞球流下路60の打球の流下途中に位置するとともに、第1入賞センサ21が第2入賞センサ22の上流側に位置するように設けてある。」(段落0013)、「また、両入賞センサ21,22は、・・・打球Bの直径以上の間隔をおいて設けるとよい。」(段落0014)という記載を考慮すると、「入賞口へ入賞した遊技球の検出を行う二つの検出部」の内、遊技球の流下方向の上流側に設けられた検出部に引用発明2の構成を適用し、他方、遊技球の流下方向の下流側に設けられた検出部に上記周知技術を適用することは、当業者にとっては容易になしえる設計的事項である。
よって、本願補正発明の相違点1に係る構成は、引用発明1、引用発明2及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到しえたものである。

なお、請求人は、審判請求書において、引用発明1に関して「両入賞センサの設けられる位置はいずれも、遊技機の前面から発信された不正電波が届く位置であって、且つ、不正電波を同時に検出できる位置であることが条件となる。従って、一方の入賞センサ(例えば第1の入賞センサ21)を入賞口の近傍であって遊技者が目視可能な位置に設け、他方の入賞センサ(例えば第2の入賞センサ22)を排出口の近傍であって遊技盤の裏面に設けたのでは(本願請求項1と同じ構成にしたのでは)、引用文献1の発明の作用・効果を達成することができないことになる。」と主張している。また、出願当初明細書の段落0021には、「…各入賞口等の排出検出部(5b,8b,9b,10b,11b,12b,16b)を、不正な電波信号等によって作動しない遊技盤1の裏面上に設けている。」と記載されている。しかしながら、本願出願時の技術常識から見て、電波信号を遮断する機能を有する遊技盤は一般的なものではなく(例えば、特開2000-33167号公報には、電磁波や磁気等による不正操作の監視センサ15を遊技盤2の裏面に取付けた技術が示されており、特開平11-300018号公報の段落0028には、遊技盤の裏面に備えられた入賞検出スイッチ45?49に不正に電波又は圧電ノイズ等により信号を発生させる不正を未然に防ぐ技術が記載されている)、本願補正発明の遊技盤がかかる特殊な(電波信号を遮断する)機能を有したものであるとも認められないから(発明の詳細な説明の欄にはかかる特殊な遊技盤に関する開示がなく、特許請求の範囲の請求項1にも記載がない)、請求人のかかる主張は採用することができない。

次に、相違点2について検討する。
入賞口へ入賞した遊技球の検出を行う二つの検出部を設け、それぞれ検出した遊技球の検出数を比較し、比較結果に基づいて賞球の払出しを行う技術は、賞球の払出しにおいて従来周知であり(引用例2の段落0003乃至0008及び図9(従来の技術)、特開平11-300018号公報の段落0028、及び、特開平10-244058号公報参照)、引用発明1の各検出信号の発生を時間的に比較する技術に換えて当該周知技術を採用することは、当業者であれば必要に応じて容易になしえるものである。
よって、本願補正発明の相違点2に係る構成は、引用発明1及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到しえたものである。

そして、本願補正発明の作用効果も、引用発明1、引用発明2及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本願補正発明は、引用発明1、引用発明2及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3 本願発明について
(1)本願発明
平成16年5月31日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1乃至4に係る発明は、平成16年2月3日付手続補正書の請求項1乃至4に記載された事項により特定されるとおりのものであり、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は、次のとおりのものである。

「遊技盤面に複数の入賞口を備え、該複数の入賞口のそれぞれの入賞口に対して、遊技球が入賞する口の近傍に入賞検出部を設けると共に、遊技球が排出される口の近傍に排出検出部を設け、前記入賞検出部によって入賞口への遊技球の入賞の検出を行い、前記排出検出部によって入賞口から排出された遊技球の検出を行って、それぞれ検出した遊技球の検出数を比較し、比較結果に基づいて賞球の払出しを行うことを特徴とするパチンコ機。」

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、及び、その記載事項は、前記2(2)に記載したとおりである。

(3)対比・判断
本願発明は、前記2で検討した本願補正発明を特定するために必要な事項である「遊技球が入賞する口の近傍であって遊技者が目視可能な位置に入賞検出部を設ける」及び「遊技球が排出される口の近傍であって遊技盤の裏面に排出検出部を設け」について、それぞれ下線部分の限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに上記限定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記2(4)に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も引用発明1、引用発明2及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。

(4)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明1、引用発明2及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そして、請求項2乃至4に係る発明については検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-06-29 
結審通知日 2007-07-04 
審決日 2007-07-18 
出願番号 特願2000-214524(P2000-214524)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 土屋 保光  
特許庁審判長 小原 博生
特許庁審判官 小田倉 直人
中槙 利明
発明の名称 パチンコ機  
代理人 宮崎 嘉夫  
代理人 小野塚 薫  
代理人 萼 経夫  
代理人 中村 壽夫  

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