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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04Q
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04Q
管理番号 1164426
審判番号 不服2005-8704  
総通号数 95 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-05-11 
確定日 2007-09-13 
事件の表示 平成 7年特許願第338264号「プログラムロード機能を有するボタン電話装置」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 6月20日出願公開、特開平 9-163419〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本件は、平成7年12月1日の出願であって、平成16年11月12日付けで拒絶理由が通知され、平成17年4月4日付けで拒絶査定され、これに対し、同年5月11日に拒絶査定不服の審判が請求されるとともに、同年5月11日に手続補正がされたものである。

第2.補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成17年5月11日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正後の本願発明
上記手続補正(以下、「本件補正」という。)は補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明を、
「ボタン電話装置を制御する制御ユニット内の記憶媒体の動作プログラム記憶領域に保存されている動作プログラムに基づいて動作するボタン電話装置において、
制御ユニット(UN1)はボタン電話装置(ME)に外部機器を接続するための標準インタフェース(IF1)を包有し、
制御ユニット(UN1)内の記憶媒体は、標準インタフェース(IF1)を介して接続された外部機器内の記憶媒体に書込まれている動作プログラムを前記動作プログラム記憶領域(MEM)に転送して該領域が保存する動作プログラムを更新するロードプログラム(BOOT)を保存し、
制御ユニット(UN1)は制御用プロセッサ(CPU)を含み、動作プログラム記憶領域(MEM)の更新された動作プログラムに基づいてボタン電話装置を動作させることを特徴とするプログラムロード機能を有するボタン電話装置。」
という発明(以下、「補正後の発明」という。)に変更することを含むものである。

2.新規事項の有無、補正の目的要件について
上記補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内において、補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された「外部の機器と接続するための標準インタフェースを前記制御ユニット内に設け」を「制御ユニット(UN1)はボタン電話装置(ME)に外部機器を接続するための標準インタフェース(IF1)を包有し」に限定することで特許請求の範囲を減縮し、さらに、「接続された外部の機器内の記憶媒体に書込まれている動作プログラムを前記動作プログラム記憶領域に転送するロードプログラムを前記制御ユニット内の記憶媒体に保存し」を「制御ユニット(UN1)内の記憶媒体は、標準インタフェース(IF1)を介して接続された外部機器内の記憶媒体に書込まれている動作プログラムを前記動作プログラム記憶領域(MEM)に転送して該領域が保存する動作プログラムを更新するロードプログラム(BOOT)を保存し」に、「前記制御ユニット内の制御用プロセッサによって」を「制御ユニット(UN1)は制御用プロセッサ(CPU)を含み」に、「動作プログラム記憶領域」を「動作プログラム記憶領域(MEM)」にすることにより、その記載内容をより明りょうにするものであるから、特許法第17条の2第3項(新規事項)及び第4項第2号(補正の目的)の規定に適合している。

3.独立特許要件について
上記補正は特許請求の範囲の減縮を目的とすることを含むものであるから、上記補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのかどうかについて以下に検討する。

(1)補正後の発明
上記「1.補正後の本願発明」の項で認定したとおりである。

(2)引用発明
A.原審の拒絶理由に引用された特開平1-120986号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

イ.「〔問題点を解決するための手段〕
本発明による電話交換処理プログラムの修正方式は、オフラインモニタプログラムを内蔵しパーソナルコンピュータを接続した電話交換システムにおいて、前記オフラインモニタプログラムが前記パーソナルコンピュータを介してフロッピーディスクから修正プログラムを読みだし、前記修正プログラムによって電話交換処理プログラムを修正するようにして実現される。
〔実施例〕
以下、図面に基づき本発明の実施例を詳細に説明する。
第1図は本発明による電話交換処理プログラムの修正方式の一実施例を示すシステム構成図である。同図において、PCCはPC制御装置、PCはパーソナルコンピュータ、FDはフロッピーディスクを示し、第2図と同符号のものは相当部分を示す。
まず、プログラムの変更内容をPCを使用してFD内に書き込んでおく。多くの変更がある場合でも変更項目毎に管理番号を与えて1枚のFDに書き込む。そして、プログラムの変更を行う人はCRTによりオフラインモニタプログラムに対してプログラム変更項目番号を指示する。オフラインモニタプログラムは変更項目番号をPCCを経由してPCに送出する。PCは変更項目番号により指定されたプログラム変更内容を取り出してオフラインモニタプログラムに返送する。オフラインモニタプログラムはその変更内容をFMに書き込むことにより電話交換処理プログラムの修正を行う。」(2頁右上欄1行?左下欄11行)

上記引用例1の記載及び図面ならびにこの分野における技術常識を考慮すると、上記イ.において、「処理プログラム」「修正プログラム」「プログラム」は、いずれも「動作プログラム」の一形態である。そして、「本発明による電話交換処理プログラムの修正方式は、オフラインモニタプログラムを内蔵しパーソナルコンピュータを接続した電話交換システムにおいて、」との記載から、当然、電話交換システムは、FMに保存されている動作プログラムに基づいて動作している。
また、上記イ.および第1図において、「CC」「FM」「MM」等は、交換処理の制御を行うものであるから、制御ユニットということができ、パーソナルコンピュータを接続する以上、事実上インターフェースを包有している。さらに、「まず、プログラムの変更内容をPCを使用してFD内に書き込んでおく。・・・プログラムの変更を行う人はCRTによりオフラインモニタプログラムに対してプログラム変更項目番号を指示する。オフラインモニタプログラムは変更項目番号をPCCを経由してPCに送出する。PCは変更項目番号により指定されたプログラム変更内容を取り出してオフラインモニタプログラムに返送する。オフラインモニタプログラムはその変更内容をFMに書き込むことにより電話交換処理プログラムの修正を行う。」との記載から、PC(パーソナルコンピュータ)のFD(フロッピーディスク)に書込まれている動作プログラムをFMに転送して、FMが保存する動作プログラムを更新することが読み取れる。
また、当然、制御ユニットは、FMの更新された動作プログラムに基づいて電話交換システムを動作させる。
また、パーソナルコンピュータ及びFDを除いた電話交換システムは、電話交換装置ということができる。

したがって、上記引用例1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が開示されている。

「電話交換装置を制御する制御ユニット内のFMに保存されている動作プログラムに基づいて動作する電話交換装置において、
制御ユニットは、電話交換装置にパーソナルコンピュータを接続するためのインタフェースを包有し、
制御ユニットは、インタフェースを介して接続されたパーソナルコンピュータのFDに書込まれている動作プログラムをFMに転送してFMが保存する動作プログラムを更新するオフラインモニタプログラムを保存し、
制御ユニットは、CCを含み、FMの更新された動作プログラムに基づいて電話交換システムを動作させる電話交換装置。」

B.同じく、原審の拒絶理由に引用された特開平7-283867号公報(以下、「引用例2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

ロ.「【0013】図1においてAはボタン電話システムにおける主装置であり、主装置Aは複数のボタン電話端末3a1?3al、標準電話端末3b1?3bm、モデム3c1およびプリンタ3c3を接続している。また主装置Aは複数の局線51?5nを接続している。
【0014】主装置Aは、制御ユニット1を備えており、この制御ユニット1には音声信号や各種データ信号の送受信のためのスピーチハイウェイ6と制御データ信号送受信のための制御データハイウェイ7が接続されている。」(3頁3欄5行?14行、段落13?14)

ハ.「【0022】そしてボタン電話端末インタフェースユニット2a1?2alには、それぞれ多機能電話機からなるボタン電話端末3a1?3alが接続され、標準電話端末インタフェースユニット2b1?2bmには標準電話端末3b1?3bmが接続され、外部インタフェースユニット2cにはモデム3c1およびプリンタ3c3が接続されている。ここでモデム3c1には、RS232Cケーブルを介して保守端末としてパーソナルコンピュータ3c2が接続されており、プリンタ3c3からは検査結果が出力される。また局線インタフェースユニット41?4nにはそれぞれ局線51?5nが接続されている。」(3頁4欄17行?28行、段落22)

上記引用例2の記載及び図面ならびにこの分野における技術常識を考慮すると、上記ハ.において、「RS232Cケーブル」は標準インタフェースであり、「パーソナルコンピュータ」は外部機器である。

したがって、上記引用例2には、以下の発明(以下、「引用発明2」という。)が開示されている。

「外部機器を接続するために標準インタフェースを用いる発明」

(3)対比・判断
補正後の発明と引用発明1とを対比すると、
a.「電話交換装置」は、電話装置であるから、引用発明1の「電話交換装置」と、補正後の発明の「ボタン電話装置」とはいずれも「電話装置」であり、
b.引用発明1の「オフラインモニタプログラム」は、ロードプログラムの一種であり、
c.FMは、記憶媒体の一種であり、その中に、動作プログラム記憶領域を有することは自明であるから、引用発明1の「FMに保存されている動作プログラム」は、「記憶媒体の動作プログラム記憶領域に保存されている動作プログラム」ということができ、
d.引用発明1の「パーソナルコンピュータ」は、「電話交換装置」に対して、外部機器ということができ、
e.引用発明1の「FD」は、記憶媒体であり、
f.引用発明1の「CC」は、制御用プロセッサである。

したがって、補正後の発明と引用発明1は、以下の点で一致ないし相違している。

(一致点)

「電話装置を制御する制御ユニット内の記憶媒体の動作プログラム記憶領域に保存されている動作プログラムに基づいて動作する電話装置において、
制御ユニットは、電話装置に外部機器を接続するためのインタフェースを包有し、
制御ユニットは、インタフェースを介して接続された外部機器の記憶媒体に書込まれている動作プログラムを前記動作プログラム記憶領域に転送して該領域が保存する動作プログラムを更新するロードプログラムを保存し、
制御ユニットは、制御用プロセッサを含み、動作プログラム記憶領域の更新された動作プログラムに基づいて電話装置を動作させるプログラムロード機能を有する電話装置。」

(相違点1)

「電話装置」に関し、補正後の発明は、「ボタン電話装置」であるのに対し、引用発明1は、「電話交換装置」である点。

(相違点2)

「インタフェース」に関し、補正後の発明は、「外部機器を接続するための標準インタフェース」であるのに対し、引用発明1は、「外部機器を接続するためのインタフェース」である点。

(相違点3)

「ロードプログラム」に関し、補正後の発明では、「制御ユニット内の記憶媒体」が、ロードプログラムを保存しているのに対し、引用発明1では、「制御ユニット」がロードプログラムを保存している点。

(相違点4)

「外部機器の記憶媒体」に関し、補正後の発明は、「外部機器内の記憶媒体」であるのに対し、引用発明1は、「外部機器の記憶媒体」である点。

そこで、まず、上記相違点1の「電話装置」について検討する。
ボタン電話装置は周知であり、引用発明1の電話交換装置を、類似の機能を有する周知のボタン電話装置に適用して、補正後の発明のように構成することは当業者であれば容易に想到し得ることである。
次に、上記相違点2の「インタフェース」について検討する。
パーソナルコンピュータは一般的に標準インタフェースを利用しているから、引用発明1のインターフェースにおいて、引用発明2を適用して、補正後の発明のように構成することは当業者であれば容易に想到し得ることである。
次に、上記相違点3の「ロードプログラム」について検討する。
ロードプログラムを記憶媒体に保存することは自明あり、制御ユニット内の記憶媒体に保存する程度のことは当業者であれば適宜成し得ることである。
次に、上記相違点4の「外部機器の記憶媒体」について検討する。
記憶媒体を外部機器の内部に設けることは周知慣用手段であり、引用発明1の外部機器において、周知慣用手段を用い、補正後の発明のように構成することは当業者であれば容易に想到し得ることである。

したがって、補正後の発明は引用発明1及び2に基づいて容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4.結語
以上のとおり、本件補正は、補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、特許法第17条の2第5項の規定により準用する特許法第126条第5項の規定に適合していない。
したがって、本件補正は、特許法第159条第1項において準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3.本願発明について
1.本願発明
平成17年5月11日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、願書に最初に添付した明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものと認める。
「ボタン電話装置を制御する制御ユニット内の記憶媒体の動作プログラム記憶領域に保存されている動作プログラムに基づいて動作するボタン電話装置において、
外部の機器と接続するための標準インタフェースを前記制御ユニット内に設け、
接続された外部の機器内の記憶媒体に書込まれている動作プログラムを前記動作プログラム記憶領域に転送するロードプログラムを前記制御ユニット内の記憶媒体に保存し、
前記制御ユニット内の制御用プロセッサによって、前記動作プログラム記憶領域の更新された動作プログラムに基づいてボタン電話装置を動作させることを特徴とするプログラムロード機能を有するボタン電話装置。」

2.引用発明
引用発明は、上記「第2.補正却下の決定」の項中の「3.独立特許要件について」の項中の「(2)引用発明」の項で認定したとおりである。

3.対比・判断
そこで、本願発明と引用発明1とを対比するに、本願発明は上記補正後の発明から当該本件補正に係る限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成に当該本件補正に係る限定を付加した補正後の発明が、上記「第2.補正却下の決定」の項中の「3.独立特許要件について」の項で検討したとおり、引用発明1及び2に基づいて容易に発明できたものであるから、本願発明も同様の理由により、容易に発明できたものである。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明1及び2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-07-10 
結審通知日 2007-07-17 
審決日 2007-07-30 
出願番号 特願平7-338264
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H04Q)
P 1 8・ 121- Z (H04Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松元 伸次  
特許庁審判長 山本 春樹
特許庁審判官 中木 努
萩原 義則
発明の名称 プログラムロード機能を有するボタン電話装置  
代理人 高山 道夫  

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