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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01M
審判 査定不服 (159条1項、163条1項、174条1項で準用) 特許、登録しない。 H01M
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 H01M
管理番号 1164706
審判番号 不服2005-11830  
総通号数 95 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-06-23 
確定日 2007-09-18 
事件の表示 特願2001-365965「熱伝導を改良するためのリチウム二次電池構造」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 7月26日出願公開、特開2002-208439〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.経緯
この出願は、平成13年11月30日(優先権主張、平成12年11月30日、米国)に出願されたもので、平成16年5月10日付け拒絶理由通知書が送付され、その願書に添付した明細書又は図面についての、平成16年9月3日付け手続補正書により補正された同年8月16日付け手続補正書が提出されたものの、平成17年3月18日付けで拒絶査定されたものである。
そして、本件審判は、この拒絶査定を不服として請求されたものであって、平成17年6月23日付け審判請求書が提出されると共に、上記明細書又は図面についての同年7月25日付けの手続補正書が提出され、平成18年11月13日付け審尋を送付したところ、何らの回答がなかったものである。
なお、この出願を実質的には放棄する旨の書面が、特許庁に対して平成19年4月9日付けでファクシミリにより送付されている。

2.原査定
原査定の拒絶の理由は、概要、以下の拒絶理由a及びbであると認める。

拒絶理由a;この出願の請求項1に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された特開平6-150973号公報又は特開平1-311569号公報に記載された発明に基いて、その出願前当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
拒絶理由b;この出願の請求項2に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された特開平6-150973号公報又は特開平1-311569号公報に記載された発明に基いて、その出願前当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

3.平成17年7月25日付けの手続補正書による手続補正(以下、「本件補正」という。)について

1)平成18年11月13日付け審尋(以下、「本件審尋」という。)は、概要、本件補正は、特許法17条の2第3項又は第4項に規定する要件に違反するものであるから、同法第53条第1項の規定により却下すべきものである、と判断されることについての回答書を求めるものであるが、請求人からは回答書の提出が未だに無い。
なお、本件審尋には、以下の指摘がある。

「・審判請求時の補正が新規事項を含む点から
審判請求時の補正により「陰極(負極の誤訳と思われる)の銅集電装置が缶内面の『全体』と直接的に熱接触している」と補正されたが、出願当初の明細書等によれば、缶内面にはテープ片20と銅集電装置とが接触しているから、「陰極(負極の誤訳と思われる)の銅集電装置が缶内面の『一部』と直接的に熱接触している」ことになり、この補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものではない。・・・
・審判請求時の特許請求の範囲についてする補正の目的の点から
審判請求時の特許請求の範囲についてする補正は、特許法第17条の2第4項に規定される事項(第1号から第4号まで)を目的とするものに限られているが、「陰極(負極の誤訳と思われる)の銅集電装置が缶内面の『一部』と直接的に熱接触している」を「陰極(負極の誤訳と思われる)の銅集電装置が缶内面の『全体』と直接的に熱接触している」とする補正の目的は、第1号乃至第4号の何れにも該当しない。」

2)そこで、本件補正について検討すると、本件補正は、特許法17条の2第3項又は第4項に規定する要件に違反するものといえ、特許法第159条の規定により読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

4.原査定について

4-1.本件の発明
本件補正は、先に「3」で述べたように、却下すべきものであって、この出願の請求項1又は2に係る発明(以下、「本件発明1」又は「本件発明2」という。)は、願書に添付した明細書又は図面の特許請求の範囲請求項1又は2に記載の事項により特定されるものと認められ、これら請求項の記載は、以下のとおりであると認める。

「【請求項1】
銅集電装置と、該集電装置上の電極活性混合物と、該集電装置に付加されたタブとを有する、陰極と、
集電装置と、該集電装置上の電極活性混合物と、該集電装置に付加されたタブとを有する、陽極と、
前記電極間に挟まれた微孔性のセパレータ膜と、
前記セパレータ膜を含浸し、前記それぞれの電極と液連絡している電解液と、
内面を有する缶と、蓋と、該缶に電気的に接続された前記1つのタブと、該蓋に電気的に接続された前記他の1つのタブと、を備えるとともに、前記電極、前記セパレータ膜及び前記電解液を収容するのに適合した円筒状又は角柱状の金属パッケージとを含み、
かつ、前記陰極の銅集電装置が、前記缶の内面の一部と直接的に熱接触していることを特徴とするリチウム二次電池。
【請求項2】
銅集電装置と、該集電装置上の電極活性混合物と、該集電装置に付加されたタブとを有する、陰極と、
集電装置と、該集電装置上の電極活性混合物と、該集電装置に付加されたタブとを有する、陽極と、
前記電極間に挟まれた微孔性のセパレータ膜と、
前記セパレータ膜を含浸し、前記それぞれの電極と液連絡している電解液と、
内面を有する缶と、蓋と、該缶に電気的に接続された前記1つのタブと、該蓋に電気的に接続された前記他の1つのタブと、を備えるとともに、前記電極、前記セパレータ膜及び前記電解液を収容するのに適合した金属パッケージと
を有する、再充電可能なリチウム電池であって、
前記陰極の銅集電装置が、前記缶の内面の一部と直接的に熱接触していることを特徴と
する構造。」

4-2.拒絶理由aについて
本件発明1は、特開平6-150973号公報又は特開平1-311569号公報に記載された発明に基いて、その出願前当業者が容易に発明をすることができたものであるといえ、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、拒絶理由aは相当である。

4-3.拒絶理由bについて
本件発明2は、特開平6-150973号公報又は特開平1-311569号公報に記載された発明に基いて、その出願前当業者が容易に発明をすることができたものであるといえ、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないといえる。
よって、拒絶理由bは相当である。

4-4.まとめ
拒絶理由aと拒絶理由bは相当であるから、原査定は妥当である。

5.結び
原査定は、妥当である。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-04-20 
結審通知日 2007-04-24 
審決日 2007-05-08 
出願番号 特願2001-365965(P2001-365965)
審決分類 P 1 8・ 561- Z (H01M)
P 1 8・ 121- Z (H01M)
P 1 8・ 56- Z (H01M)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 青木 千歌子天野 斉  
特許庁審判長 鈴木 由紀夫
特許庁審判官 吉水 純子
長者 義久
発明の名称 熱伝導を改良するためのリチウム二次電池構造  
代理人 奥山 尚一  
代理人 松島 鉄男  
代理人 有原 幸一  

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