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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1164793
審判番号 不服2005-11907  
総通号数 95 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-06-23 
確定日 2007-09-20 
事件の表示 特願2003-284953「データ送信装置」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 4月15日出願公開、特開2004-120731〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯
本願は、平成15年8月1日(優先権主張平成14年9月4日)の出願であって、平成17年5月19日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成17年6月23日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。

2.本願発明
本願特許請求の範囲の請求項1?10に係る発明は、平成17年3月25日付けの手続補正により補正された明細書及び図面の記載からみてその特許請求の範囲の請求項1?10に記載されたとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。」)は、次のとおりのものである。

「【請求項1】 受信確認結果の送信要求と共に電子メールを所定の送信先に送信する送信手段と、
前記送信先からの受信確認結果を受信する受信手段と、
前記受信確認結果の内容に基づいて、複数の送信についての送信結果を記載した送信管理レポートを、所定のタイミングで出力する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記所定のタイミングにおいて送信結果が確定していない送信を前記送信管理レポートに記載し、さらに、前回に出力した送信管理レポートに記載した送信結果が確定していない送信を、送信管理レポートに記載することを特徴とするデータ送信装置。」

2.引用刊行物
これに対して、原審が拒絶の理由で引用した特開2001-265675号公報(平成13年9月28日出願公開)(以下、「引用例1」という。)には、図面と共に次の各記載がある。

(ア)「【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、ネットワーク上のメールシステムにより電子メールを前記ネットワークを介して送信する通信端末装置において、前記ネットワークを介した電子メールによる通信に関連した、通信結果の項目を少なくとも含む通信管理情報を記憶登録する通信管理テーブルと、その通信管理テーブルの登録内容に基づいたレポートデータを作成して可視出力する通信管理レポート出力手段と、前記ネットワーク上のメールシステムにより送信した電子メールついて前記メールシステムから返送されてくる送達確認メールを検出する送達確認メール検出手段と、その送達確認メール検出手段により前記送達確認メールが検出されると、前記送信した電子メールについて前記通信管理テーブルに登録された通信管理情報の前記通信結果の項目として、通信成功を示す情報を登録する通信結果追加登録手段とを備えたものである。
【0025】また、ネットワーク上のメールシステムにより電子メールを前記ネットワークを介して送信する通信端末装置の制御方法において、前記ネットワークを介した電子メールによる通信に関連した、通信結果の項目を少なくとも含む通信管理情報を記憶登録する通信管理テーブルを有し、その通信管理テーブルの登録内容に基づいたレポートデータを作成して可視出力する一方、前記ネットワーク上のメールシステムにより送信した電子メールついて前記メールシステムから返送されてくる送達確認メールを検出すると、前記送信した電子メールについて前記通信管理テーブルに登録された通信管理情報の前記通信結果の項目として、通信成功を示す情報を登録するようにしたものである。
【0026】また、前記ネットワーク上のメールシステムにより送信した電子メールついて前記メールシステムから返送されてくるエラーメールを検出するエラーメール検出手段を更に備え、前記通信結果追加登録手段は、前記送達確認メール検出手段により前記送達確認メールが検出されると、前記送信した電子メールについて前記通信管理テーブルに登録された通信管理情報の前記通信結果の項目として、通信成功を示す情報を登録する一方、前記エラーメール検出手段により前記エラーメールが検出されると、前記送信した電子メールについて前記通信管理テーブルに登録された通信管理情報の前記通信結果の項目として、通信失敗を示す情報を登録するようにしたものである。
【0027】また、前記ネットワーク上のメールシステムにより送信した電子メールついて前記メールシステムから返送されてくるエラーメールをも検出し、前記送達確認メールが検出されると、前記送信した電子メールについて前記通信管理テーブルに登録された通信管理情報の前記通信結果の項目として、通信成功を示す情報を登録する一方、前記エラーメールが検出されると、前記送信した電子メールについて前記通信管理テーブルに登録された通信管理情報の前記通信結果の項目として、通信失敗を示す情報を登録するようにしたものである。
【0028】また、ネットワーク上のメールシステムにより電子メールを前記ネットワークを介して送信する通信端末装置において、前記ネットワークを介した電子メールによる通信に関連した、通信結果の項目を少なくとも含む通信管理情報を記憶登録する通信管理テーブルと、その通信管理テーブルの登録内容に基づいたレポートデータを作成して可視出力する通信管理レポート出力手段と、前記ネットワーク上のメールシステムにより送信した電子メールついて前記メールシステムから返送されてくる送達確認メールを検出する送達確認メール検出手段と、前記ネットワーク上のメールシステムにより電子メールを送信する際に、各メール送信を識別するためのファイル番号を当該送信する電子メールの内容のうちの前記送達確認メールの内容として返送される部分に埋め込むと共に、当該ファイル番号を当該メール送信について前記通信管理テーブルに登録される通信管理情報と関連付けて記憶するファイル管理手段と、前記送達確認メール検出手段により前記送達確認メールが検出されると、その検出された送達確認メールに内容として含まれるファイル番号に対応して前記通信管理テーブルに登録された通信管理情報の前記通信結果の項目として、通信成功を示す情報を登録する通信結果追加登録手段とを備えたものである。
【0029】また、ネットワーク上のメールシステムにより電子メールを前記ネットワークを介して送信する通信端末装置の制御方法において、前記ネットワークを介した電子メールによる通信に関連した、通信結果の項目を少なくとも含む通信管理情報を記憶登録する通信管理テーブルを有し、その通信管理テーブルの登録内容に基づいたレポートデータを作成して可視出力する一方、前記ネットワーク上のメールシステムにより送信した電子メールついて前記メールシステムから返送されてくる送達確認メールを検出すると共に、前記ネットワーク上のメールシステムにより電子メールを送信する際に、各メール送信を識別するためのファイル番号を当該送信する電子メールの内容のうちの前記送達確認メールの内容として返送される部分に埋め込むと共に、当該ファイル番号を当該メール送信について前記通信管理テーブルに登録される通信管理情報と関連付けて記憶し、前記送達確認メールが検出されると、その検出された送達確認メールに内容として含まれるファイル番号に対応して前記通信管理テーブルに登録された通信管理情報の前記通信結果の項目として、通信成功を示す情報を登録するようにしたものである。
【0030】また、ネットワーク上のメールシステムにより電子メールを前記ネットワークを介して送信する通信端末装置において、前記ネットワークを介した電子メールによる通信に関連した、通信結果の項目を少なくとも含む通信管理情報を記憶登録する通信管理テーブルと、その通信管理テーブルの登録内容に基づいたレポートデータを作成して可視出力する通信管理レポート出力手段と、前記ネットワーク上のメールシステムにより送信した電子メールついて前記メールシステムから返送されてくる送達確認メールを検出する送達確認メール検出手段と、前記ネットワーク上のメールシステムにより送信した電子メールついて前記メールシステムから返送されてくるエラーメールを検出するエラーメール検出手段と、前記ネットワーク上のメールシステムにより電子メールを送信する際に、各メール送信を識別するためのファイル番号を当該送信する電子メールの内容のうちの前記送達確認メール及びエラーメールの内容として返送される部分に埋め込むと共に、当該ファイル番号を当該メール送信について前記通信管理テーブルに登録される通信管理情報と関連付けて記憶するファイル管理手段と、前記送達確認メール検出手段により前記送達確認メールが検出されると、その検出された送達確認メールに内容として含まれるファイル番号に対応して前記通信管理テーブルに登録された通信管理情報の前記通信結果の項目として、通信成功を示す情報を登録する一方、前記エラーメール検出手段により前記エラーメールが検出されると、その検出されたエラーメールに内容として含まれるファイル番号に対応して前記通信管理テーブルに登録された通信管理情報の前記通信結果の項目として、通信失敗を示す情報を登録する通信結果追加登録手段とを備えたものである。
【0031】また、ネットワーク上のメールシステムにより電子メールを前記ネットワークを介して送信する通信端末装置の制御方法において、前記ネットワークを介した電子メールによる通信に関連した、通信結果の項目を少なくとも含む通信管理情報を記憶登録する通信管理テーブルを有し、その通信管理テーブルの登録内容に基づいたレポートデータを作成して可視出力する一方、前記ネットワーク上のメールシステムにより送信した電子メールついて前記メールシステムから返送されてくる送達確認メールを検出し、また、前記ネットワーク上のメールシステムにより送信した電子メールついて前記メールシステムから返送されてくるエラーメールを検出し、前記ネットワーク上のメールシステムにより電子メールを送信する際に、各メール送信を識別するためのファイル番号を当該送信する電子メールの内容のうちの前記送達確認メール及びエラーメールの内容として返送される部分に埋め込むと共に、当該ファイル番号を当該メール送信について前記通信管理テーブルに登録される通信管理情報と関連付けて記憶し、前記送達確認メールが検出されると、その検出された送達確認メールに内容として含まれるファイル番号に対応して前記通信管理テーブルに登録された通信管理情報の前記通信結果の項目として、通信成功を示す情報を登録する一方、前記エラーメールが検出されると、その検出されたエラーメールに内容として含まれるファイル番号に対応して前記通信管理テーブルに登録された通信管理情報の前記通信結果の項目として、通信失敗を示す情報を登録するようにしたものである。
【0032】また、前記送達確認メール検出手段により前記送達確認メールが検出されると、予め記憶設定されたメールアドレス宛に前記メールシステムにより送達確認通知メールを送信する送達確認通知手段を更に備えたものである。
【0033】また、前記送達確認メールが検出されると、予め記憶設定されたメールアドレス宛に前記メールシステムにより送達確認通知メールを送信するようにしたものである。
【0034】また、各ユーザに対応したユーザ識別情報とメールアドレスとを対応付けて記憶したユーザ識別情報/メールアドレス変換テーブルと、前記ネットワーク上のメールシステムにより電子メールを送信する際に入力指定されたユーザ識別情報を当該メール送信について前記通信管理テーブルに登録される通信管理情報と関連付けて記憶するユーザ識別情報記憶手段と、前記送達確認メール検出手段により前記送達確認メールが検出されると、その検出された送達確認メールに対応して前記通信管理テーブルに登録された通信管理情報に対応して前記ユーザ識別情報記憶手段が記憶するユーザ識別情報に前記ユーザ識別情報/メールアドレス変換テーブルにおいて対応するメールアドレス宛に前記メールシステムにより送達確認通知メールを送信する送達確認通知手段とを更に備えたものである。
【0035】また、各ユーザに対応したユーザ識別情報とメールアドレスとを対応付けて記憶したユーザ識別情報/メールアドレス変換テーブルを有し、前記ネットワーク上のメールシステムにより電子メールを送信する際に入力指定されたユーザ識別情報を当該メール送信について前記通信管理テーブルに登録される通信管理情報と関連付けて記憶し、前記送達確認メールが検出されると、その検出された送達確認メールに対応して前記通信管理テーブルに登録された通信管理情報に対応して記憶するユーザ識別情報に前記ユーザ識別情報/メールアドレス変換テーブルにおいて対応するメールアドレス宛に前記メールシステムにより送達確認通知メールを送信するようにしたものである。
【0036】また、前記ネットワーク上のメールシステムにより電子メールを送信した後、一定時間内に当該送信した電子メールについての送達確認メールを前記送達確認メール検出手段が検出しなかった場合は、前記予め記憶設定されたメールアドレス宛または、前記電子メールの送信時に入力指定されたユーザ識別情報に前記ユーザ識別情報/メールアドレス変換テーブルにおいて対応するメールアドレス宛に前記メールシステムにより、時間内に送達確認がなかった旨の通知メールを送信する送達未確認通知手段を更に備えたものである。
【0037】また、前記ネットワーク上のメールシステムにより電子メールを送信した後、一定時間内に当該送信した電子メールについての送達確認メールを前記送達確認メール検出手段が検出しなかった場合は、前記予め記憶設定されたメールアドレス宛または、前記電子メールの送信時に入力指定されたユーザ識別情報に前記ユーザ識別情報/メールアドレス変換テーブルにおいて対応するメールアドレス宛に前記メールシステムにより、時間内に送達確認がなかった旨の通知メールを送信するようにしたものである。
【0038】また、インターネットに接続され、電子メールを用いて画情報をやりとりするとともに、電子メールの送受信履歴情報テーブルを作成し、その送受信履歴情報テーブルの内容を一覧表示する通信管理レポートを可視出力する機能を備えたネットワークファクシミリ装置において、電子メールにより画情報を送信する際に、MDNによる受信確認要求をするとともに、MDNの受領確認メールを受信すると、上記通信管理レポートのその受領確認メールの表示欄と、その受領確認メールの元になった送信電子メールの表示欄に、上記受領確認メールと送信電子メールとを関連づける内容を表示する制御手段を備えたものである。
【0039】また、前記制御手段は、前記送受信履歴情報テーブルの一部の情報に基づいて前記通信管理レポートを作成する一方、前記送信電子メールに関する内容を含む上記通信管理レポートを可視出力した後に、その送信電子メールに対応したMDNの受領確認メールを受信すると、その送信電子メールの履歴情報を上記送受信履歴情報テーブルに新たに保存し、同一通信管理レポートに、送信電子メールとそれに対応する受領確認メールの表示内容が含まれるようにするようにしたものである。また、前記通信管理レポートには、前記受領確認メールの受信日時の表示を含む。
【0040】また、インターネットに接続され、電子メールを用いて画情報をやりとりするとともに、電子メールの送受信履歴情報テーブルを作成し、その送受信履歴情報テーブルの内容を一覧表示する通信管理レポートを可視出力する機能を備えたネットワークファクシミリ装置において、電子メールにより画情報を送信する際に、DSNによる受信確認要求をするとともに、DSNの確認メールを受信すると、上記通信管理レポートのその確認メールの表示欄と、その受領確認メールの元になった送信電子メールの表示欄に、上記確認メールと送信電子メールとを関連づける内容を表示する制御手段を備えたものである。
【0041】また、前記制御手段は、前記送受信履歴情報テーブルの一部の情報に基づいて前記通信管理レポートを作成する一方、前記送信電子メールに関する内容を含む上記通信管理レポートを可視出力した後に、その送信電子メールに対応したDSNの確認メールを受信すると、その送信電子メールの履歴情報を上記送受信履歴情報テーブルに新たに保存し、同一通信管理レポートに送信電子メールとそれに対応する確認メールの表示内容が含まれるようにするようにしたものである。また、前記通信管理レポートには、前記確認メールの受信日時の表示を含む。
【0042】また、インターネットに接続され、電子メールを用いて画情報をやりとりするとともに、電子メールの送受信履歴情報テーブルを作成し、その送受信履歴情報テーブルの内容を一覧表示する通信管理レポートを可視出力する機能を備えたネットワークファクシミリ装置の制御方法において、電子メールにより画情報を送信する際に、MDNによる受信確認要求をするとともに、MDNの受領確認メールを受信すると、上記通信管理レポートのその受領確認メールの表示欄と、その受領確認メールの元になった送信電子メールの表示欄に、上記受領確認メールと送信電子メールとを関連づける内容を表示するようにしたものである。
【0043】また、インターネットに接続され、電子メールを用いて画情報をやりとりするとともに、電子メールの送受信履歴情報テーブルを作成し、その送受信履歴情報テーブルの内容を一覧表示する通信管理レポートを可視出力する機能を備えたネットワークファクシミリ装置の制御方法において、上記送受信履歴情報テーブルの一部の情報に基づいて上記通信管理レポートを作成する一方、電子メールにより画情報を送信する際に、MDNによる受信確認要求をするとともに、MDNの受領確認メールを受信すると、上記通信管理レポートのその受領確認メールの表示欄と、その受領確認メールの元になった送信電子メールの表示欄に、上記受領確認メールと送信電子メールとを関連づける内容を表示し、さらに、上記送信電子メールに関する内容を含む上記通信管理レポートを可視出力した後に、その送信電子メールに対応したMDNの受領確認メールを受信したときには、その送信電子メールの履歴情報を上記送受信履歴情報テーブルに新たに保存し、同一通信管理レポートに、送信電子メールとそれに対応する受領確認メールの表示内容が含まれるようにしたものである。また、前記通信管理レポートには、前記受領確認メールの受信日時の表示を含む。
【0044】また、インターネットに接続され、電子メールを用いて画情報をやりとりするとともに、電子メールの送受信履歴情報テーブルを作成し、その送受信履歴情報テーブルの内容を一覧表示する通信管理レポートを可視出力する機能を備えたネットワークファクシミリ装置の制御方法において、電子メールにより画情報を送信する際に、DSNによる受信確認要求をするとともに、DSNの確認メールを受信すると、上記通信管理レポートのその確認メールの表示欄と、その確認メールの元になった送信電子メールの表示欄に、上記確認メールと送信電子メールとを関連づける内容を表示するようにしたものである。
【0045】また、インターネットに接続され、電子メールを用いて画情報をやりとりするとともに、電子メールの送受信履歴情報テーブルを作成し、その送受信履歴情報テーブルの内容を一覧表示する通信管理レポートを可視出力する機能を備えたネットワークファクシミリ装置の制御方法において、上記送受信履歴情報テーブルの一部の情報に基づいて上記通信管理レポートを作成する一方、電子メールにより画情報を送信する際に、DSNによる受信確認要求をするとともに、DSNの確認メールを受信すると、上記通信管理レポートのその確認メールの表示欄と、その確認メールの元になった送信電子メールの表示欄に、上記確認メールと送信電子メールとを関連づける内容を表示し、さらに、上記送信電子メールに関する内容を含む上記通信管理レポートを可視出力した後に、その送信電子メールに対応したDSNの確認メールを受信したときには、その送信電子メールの履歴情報を上記送受信履歴情報テーブルに新たに保存し、同一通信管理レポートに、送信電子メールとそれに対応する確認メールの表示内容が含まれるようにしたものである。また、前記通信管理レポートには、前記受領確認メールの受信日時の表示を含む。」
なお、下線は審決において附された。以下、同様。

(イ)「【0072】次に、ネットワークファクシミリ装置NFAにおけるメール送信処理手順の第1例について図5を参照して説明する。
【0073】同図において、ネットワークファクシミリ装置NFAは、スキャナ5に原稿がセットされるかを監視し(判断301のNoループ)、スキャナ5に原稿がセットされると(判断301のYes)、操作表示部9を介して宛先メールアドレスの指定があるかを監視し(判断302のNoループ)、宛先メールアドレスの指定があると(判断302のYes)、更に、操作表示部9を介して送信開始を指示する操作入力があるかを監視し(判断303のNoループ)、送信開始を指示する操作入力があると(判断303のYes)、スキャナ5にセットされた原稿を読み取り(処理304)、得られた画情報をMIMEによりエンコードしたメールを作成し(処理305)、メールサーバ装置MSAにSMTPプロトコルにより接続して送信する(処理306)。なお、処理305で作成され処理306で送信される電子メールは、図22に示すように、メールヘッダに「Disposition-Notification-To:」フィールドを設け、このフィールドに確認メールを送付するアドレス(この場合自メールアドレス「ifaxa@abc.co.jp」である)を記述し、送達確認要求を行うMDN(Message Disposition Notification)の送達確認方式(RFC2298)に対応したものである。
【0074】そして処理306における送信時に得られた通信管理情報を通信管理テーブル4bに登録する(処理307)。なお、その場合の通信結果の項目は、不明を示す「--」とする。
【0075】図9にレコード番号01の通信管理情報として、処理307の通信管理情報が登録されている通信管理テーブル4bについて示す。
【0076】同図において、通信管理テーブル4bは、RAM4に記憶登録されいるもので、各レコード番号に対応した通信管理情報のレコードの集合として構成されている。
【0077】通信管理情報のレコードは、通信が送信または受信のいずれかを別を示す「送受信」のフィールド、通信(公衆網を介したファクシミリ通信をネットワークを介した電子メールの通信とがある)の開始時に時計回路7から読み出した日付及び時刻をそれぞれ示す「通信日付」及び「通信時刻」のフィールド、通信相手先を示す「通信相手先」のフィールド、公衆網を介したG3ファクシミリ通信またはネットワークを介したメール(Mail)通信を示す「通信モード」のフィールド、通信に要した時間を示す「通信時間」のフィールド、通信した画情報の枚数を示す「通信枚数」のフィールド、通信の結果(成功(OK)したか否か(ERR)、または、結果が不明(--)を示す「通信結果」のフィールド、及び、各通信を付された通し番号である「ファイル番号」のフィールドから構成されている。
【0078】レコード番号「01」の通信管理情報は、前述したように、図5の処理307によるものなので、「通信結果」が結果不明を示す「--」であるが、レコード番号「02」の通信管理情報は、公衆網を介したG3ファクシミリ受信にかかるもので、相手装置と直接通信を行うため、「通信結果」が結果不明となることはなく、「OK」または「ERR」となる(図においては、「OK」)。
【0079】ネットワークファクシミリ装置NFAは、通信管理レポートの出力機能を備えていて、任意のタイミングで操作表示部9を介して通信管理レポートの出力を指示する所定の操作入力がなされると、通信管理テーブル4bの登録内容に基づいた通信管理レポートを作成してプロッタ6により記録紙に記録出力するきとにより可視出力する。もっとも、通信管理レポートの可視出力形態としては、操作表示部9の図示しない表示器への表示出力による形態であってもよい。また、通信管理レポートの出力形態は、一定件数(例えば50件)の通信管理情報が蓄積されるごとに通信管理レポートを自動作成・記録して、作成・記録済の通信管理情報を消去する形態であってもよい。
【0080】図10に、図9の登録内容の通信管理テーブル4bに基づいて作成・記録される通信管理レポートについて示す。図10に示すように、ファイル番号「0001」の電子メールの送信にかかる「結果」は、結果不明を示す「--」となっていて、まだ、通信結果が不明な状態であることが確認できる。
【0081】さて、ネットワークファクシミリ装置NFAが図5のメール送信処理手順により、送達確認要求付きの電子メールを送信すると、ネットワークファクシミリ装置NFBにおける図3のメール受信処理手順において、判断102がYesとなって、処理103により、図23に示すような送達確認メールが返信されてくる。
【0082】それに対応してネットワークファクシミリ装置NFAにおける図3のメール受信処理手順において、判断104がYesとなり、処理105の送達確認メール受信対応処理が行われる。
【0083】ここで、図5に示す第1例のメール送信処理手順に対応して図3の処理105として行われる第1例の送達確認メール受信対応処理の具体的な処理手順について、図6を参照して説明する。
【0084】同図において、ネットワークファクシミリ装置NFAは、図5の処理307で通信管理テーブル4bに登録した通信管理情報の「通信結果」フィールドを、結果不明を示す「--」から、正常に送信できたことを示す「OK」に変更する。(処理401)。
【0085】図11に、図9において結果不明を示す「--」が登録されていた「通信結果」フィールドが、処理401により「OK」に変更された通信管理テーブル4bについて示す。
【0086】また、図12に、図11の登録内容の通信管理テーブル4bに基づいて作成・記録される通信管理レポートについて示す。図12に示すように、ファイル番号「0001」の電子メールの送信にかかる「結果」は、送信成功を示す「OK」となっていて、メールが宛先に正しく届いたことが確認できる。
【0087】図6において、第1例の送達確認メール受信対応処理としては、処理401を行うのみでもよいが、更に、通知宛先に、図24に示すような送達確認通知メールを送信するようにしてもよい(処理402)、その場合の通知宛先は、図8に示すように、送達確認メール通知宛先情報4aとしてRAM4に予め設定・記憶されている。この場合通知宛先は、ワークステーション装置WS1のメールアドレス(wsa1@abc.co.jp)が設定・記憶されていて、処理402では、図24に示すような送達確認通知メールがワークステーション装置WS1宛に通知される。それにより、ネットワークファクシミリ装置NFAより送信されたメールの送達結果を、ネットワークファクシミリ装置NFAを管理する担当者等が一括把握できるようになる。
【0088】また、ネットワークファクシミリ装置NFAにおいて、判断106においてエラーメールが検出された場合(判断106のYes)に行われる、処理107のエラーメール受信対応処理の具体的な処理手順の第1例について、図7を参照して説明する。
【0089】同図において、ネットワークファクシミリ装置NFAは、図5の処理307で通信管理テーブル4bに登録した通信管理情報の「通信結果」フィールドを、結果不明を示す「--」から、送信が失敗したこと示す「ERR」に変更する。(処理501)。
【0090】図13に、図9において結果不明を示す「--」が登録されていた「通信結果」フィールドが、処理501により「ERR」に変更された通信管理テーブル4bについて示す。
【0091】また、図14に、図13の登録内容の通信管理テーブル4bに基づいて作成・記録される通信管理レポートについて示す。図14に示すように、ファイル番号「0001」の電子メールの送信にかかる「結果」は、送信失敗を示す「ERR」となっていて、メールが宛先に正しく届かなかったことが確認できる。
【0092】以上説明した、第1例にかかる、図5のメール送信処理、図6の送達確認メール受信対応処理、及び、図7のエラーメール受信対応処理のそれぞれに代えて、第2例にかかる、図15のメール送信処理、図16の送達確認メール受信対応処理、及び、図17のエラーメール受信対応処理を行うようにしてもよい。」

(ウ)「【0093】先ず、図15の第2例のメール送信処理においては、ネットワークファクシミリ装置NFAは、スキャナ5に原稿がセットされるかを監視し(判断601のNoループ)、スキャナ5に原稿がセットされると(判断601のYes)、操作表示部9を介して宛先メールアドレスの指定があるかを監視し(判断602のNoループ)、宛先メールアドレスの指定があると(判断602のYes)、更に、操作表示部9を介して送信開始を指示する操作入力があるかを監視し(判断603のNoループ)、送信開始を指示する操作入力があると(判断603のYes)、スキャナ5にセットされた原稿を読み取り(処理604)、得られた画情報をMIMEによりエンコードしたメールを作成すると共に、その作成したメールの、例えば、ヘッダ部の「Subject:」フィールドに、今回のメール送信の通信に付したファイル番号(通信管理情報の「ファイル番号」のフィールドに登録されるもと同じで、この場合番号「0001」であるとする)を、例えば「Subject:fax message(FILE=0001)」といった所定の形式で追加する(処理605)。
【0094】そして、メールサーバ装置MSAにSMTPプロトコルにより接続して送信する(処理606)。なお、処理605で作成され処理606で送信される電子メールは、メールヘッダに「Disposition-Notification-To:」フィールドを設け、このフィールドに確認メールを送付するアドレス(この場合自メールアドレス「ifaxa@abc.co.jp」である)を記述し、送達確認要求を行うMDN(Message Disposition Notification)の送達確認方式(RFC2298)に対応したものである。
【0095】そして処理606における送信時に得られた通信管理情報を、通信管理テーブル4bに登録する(処理607)。なお、その場合の通信結果の項目は、図9に示すように、不明を示す「--」とする。
【0096】さて、ネットワークファクシミリ装置NFAが図15のメール送信処理手順により、送達確認要求付きの電子メールを送信すると、ネットワークファクシミリ装置NFBにおける図3のメール受信処理手順において、判断102がYesとなって、処理103により、図23に示すような送達確認メールが返信されてくる。
【0097】それに対応してネットワークファクシミリ装置NFAにおける図3のメール受信処理手順において、判断104がYesとなり、処理105の送達確認メール受信対応処理が行われる。
【0098】ここで、図15に示す第2例のメール送信処理手順に対応して図3の処理105として行われる第2例の送達確認メール受信対応処理の具体的な処理手順について、図16を参照して説明する。
【0099】同図において、ネットワークファクシミリ装置NFAは、受信した図23に示すような送達確認メールのテキストパート部のうちの、図15の処理605により「ファイル番号」を「Subject:」フィールドに埋め込んで処理607により送信した自メールのヘッダ部の「Subject:」フィールドから、ファイル番号(この場合番号「0001」)を抽出する(処理701)。
【0100】そして、その抽出したファイル番号の通信管理情報の「通信結果」フィールドを、図11に示すように、結果不明を示す「--」から、正常に送信できたことを示す「OK」に変更する。(処理702)。
【0101】更に、図8に示したように、送達確認メール通知宛先情報4aとしてRAM4に予め設定・記憶されている通知宛先に、図24に示すような送達確認通知メールを送信する(処理703)。
【0102】このように、送達確認要求付きのメール送信時に、当該メール送信にかかる通信を他の通信と識別するための情報であるファイル番号を付加して、送達確認メールの内容としてそのファイル番号を受信することで、当該送達確認メールが、どのメール送信にかかるものであるかのを特定することができる。したがって、送達確認要求付きのメール送信が、短時間に多数行われたような場合に、それらの各メール送信をファイル番号により容易かつ確実に識別でき、メール送信の通信管理の精度を高めることが可能となる。
【0103】また、ネットワークファクシミリ装置NFAにおいて、判断106においてエラーメールが検出された場合(判断106のYes)に行われる、処理107のエラーメール受信対応処理の具体的な処理手順の第2例について、図17を参照して説明する。
【0104】同図において、ネットワークファクシミリ装置NFAは、受信した図23に示すような送達確認メールのテキストパート部のうちの、図15の処理605により「ファイル番号」を「Subject:」フィールドに埋め込んで処理606により送信した自メールのヘッダ部の「Subject:」フィールドから、ファイル番号(この場合番号「0001」)を抽出する(処理801)。
【0105】そして、その抽出したファイル番号の通信管理情報の「通信結果」フィールドを、図13に示すように、結果不明を示す「--」から、送信が失敗したこと示す「ERR」に変更する。(処理802)。
【0106】このように、送達確認要求付きのメール送信時に、当該メール送信にかかる通信を他の通信と識別するための情報であるファイル番号を付加して、エラーメールの内容としてそのファイル番号を受信することで、当該エラーメールが、どのメール送信にかかるものであるかのを特定すことができる。したがって、メール送信が、短時間に多数行われたような場合に、それらの各メール送信をファイル番号により容易かつ確実に識別でき、メール送信の通信管理の精度を高めることが可能となる。なお、ここでは、「Subject:」フィールドにファイル番号を格納する例をあげたが、「Message-ID:」フィールドにファイル番号を格納する等の方法もある。その場合、送達確認メールの第2テキストパート部の「Original-Message-ID:」フィールドにファイル番号が格納され返信されてくる。
【0107】以上説明した、第2例にかかる、図15のメール送信処理、及び、図16の送達確認メール受信対応処理のそれぞれに代えて、第3例にかかる、図19のメール送信処理、及び、図20の送達確認メール受信対応処理を行うようにしてもよい。
【0108】それら第3例の各処理手順を行う前提として、ネットワークファクシミリ装置NFAは、図18に示すような、ユーザコード/メールアドレス変換テーブル4cをRAM4に予め登録しておくことが前提となる。ユーザコードは、ネットワークファクシミリ装置NFAを利用する各ユーザを識別するために割り当てられた番号で、各ユーザコードには、対応するユーザのメールアドレスが対応付けられて登録されている。」

(エ)「【0109】図15の第3例のメール送信処理においては、ネットワークファクシミリ装置NFAは、スキャナ5に原稿がセットされるかを監視し(判断901のNoループ)、スキャナ5に原稿がセットされると(判断901のYes)、操作表示部9を介して宛先メールアドレスの指定があるかを監視する(判断902のNoループ)。なお、この第3例では判断902における宛先メールアドレスの指定と同時に、ユーザコードの指定も、必要に応じて行われる。
【0110】宛先メールアドレス(及びユーザコード)の指定があると(判断902のYes)、更に、操作表示部9を介して送信開始を指示する操作入力があるかを監視し(判断903のNoループ)、送信開始を指示する操作入力があると(判断903のYes)、スキャナ5にセットされた原稿を読み取り(処理904)、得られた画情報をMIMEによりエンコードしたメールを作成すると共に、その作成したメールのヘッダ部の「Subject:」フィールドに、今回のメール送信の通信に付したファイル番号(通信管理情報の「ファイル番号」のフィールドに登録されるもと同じで、この場合番号「0001」であるとする)を、例えば「Subject:fax message(FILE=0001)」といった所定の形式で追加する(処理905)。そして、メールサーバ装置MSAにSMTPプロトコルにより接続して送信する(処理906)。なお、処理905で作成され処理906で送信される電子メールは、メールヘッダに「Disposition-Notification-To:」フィールドを設け、このフィールドに確認メールを送付するアドレス(この場合自メールアドレス「ifaxa@abc.co.jp」である)を記述し、送達確認要求を行うMDN(Message Disposition Notification)の送達確認方式(RFC2298)に対応したものである。
【0111】そして処理906における送信時に得られた通信管理情報を、通信管理テーブル4bに登録する(処理907)。なお、その場合の通信結果の項目は、図9に示すように、不明を示す「--」とする。
【0112】更に、判断902において、ユーザコードの指定があったか否かを判断し(判断908)、ユーザコードの指定がなかった場合には(判断908のNo)、処理を終了するが、ユーザコードの指定があった場合には(判断908のYes)、その指定されたユーザコードを処理907に登録した通信管理情報と対応付けて記憶する(処理909)。
【0113】さて、ネットワークファクシミリ装置NFAが図19のメール送信処理手順により、送達確認要求付きの電子メールを送信すると、ネットワークファクシミリ装置NFBにおける図3のメール受信処理手順において、判断102がYesとなって、処理103により、図23に示すような送達確認メールが返信されてくる。
【0114】それに対応してネットワークファクシミリ装置NFAにおける図3のメール受信処理手順において、判断104がYesとなり、処理105の送達確認メール受信対応処理が行われる。
【0115】ここで、図19に示す第6例のメール送信処理手順に対応して図3の処理105として行われる第3例の送達確認メール受信対応処理の具体的な処理手順について、図20を参照して説明する。
【0116】同図において、ネットワークファクシミリ装置NFAは、受信した図23に示すような送達確認メールのテキストパート部のうちの、図19の処理905により「ファイル番号」を「Subject:」フィールドに埋め込んで処理906により送信した自メールのヘッダ部の「Subject:」フィールドから、ファイル番号(この場合番号「0001」)を抽出する(処理1001)。
【0117】そして、その抽出したファイル番号の通信管理情報の「通信結果」フィールドを、図11に示すように、結果不明を示す「--」から、正常に送信できたことを示す「OK」に変更する(処理1002)。
【0118】更に、その抽出したファイル番号の通信管理情報に対応して、図19の処理909によりユーザコードが記憶されているか否かを判断し(判断1003)、対応するユーザコードが記憶されていない場合には(判断1003のNo)、図8に示したように、送達確認メール通知宛先情報4aとしてRAM4に予め設定・記憶されている既定の通知宛先に、図24に示すような送達確認通知メールを送信する(処理1005)。
【0119】対応するユーザコードが記憶されている場合には(判断1003のYes)、当該記憶されているユーザコードに、図18に示したユーザコード/メールアドレス変換テーブル4cにおいて対応するメールアドレスを通知宛先として読み出し(処理1004)、その読み出した通知宛先に、図24に示すような送達確認通知メールを送信する(処理1005)。
【0120】このように、送達確認要求付きのメール送信時に、当該メール送信にかかる通信を他の通信と識別するための情報であるファイル番号を付加して、送達確認メールの内容としてそのファイル番号を受信することで、当該送達確認メールが、どのメール送信にかかるものであるかのを特定することができる。したがって、送達確認要求付きのメール送信が、短時間に多数行われたような場合に、それらの各メール送信をファイル番号により容易かつ確実に識別でき、メール送信の通信管理の精度を高めることが可能となる。
【0121】更に、送達確認要求付きのメール送信時に、ユーザコードが指定された場合には、当該ユーザコードに対応するメールアドレス宛に送達確認通知メールを送信てきるため、送達確認要求付きのメール送信を行ったユーザに直接送達確認通知を行うことができる。
【0122】図19に示した第3例のメール送信処理の判断908のNo、または、処理909に引き続いて、図21に示す第4例の処理手順を引き続いて行うようにしてもよい。
【0123】図21において、先ず、12時間タイマをスタートさせた後(処理1101)、送達確認メールを受信するか、または、12時間経過したか、すなわち、処理1101でスタートさせたタイマがタイムアウトしたかを監視する(判断1102のNo、判断1103のNoループ)。
【0124】そして、12時間経過する前に送達確認メールを受信した場合には(判断1102のYes)、送達確認メール受信対応処理を行う(処理1104)。その処理1104の送達確認メール受信対応処理の具体的な処理手順としては、図20に示した第3例の処理手順が適用される。
【0125】送達確認メールを受信する前に12時間経過してしまった場合には(判断1103のYes)、図19の処理909によりユーザコードが記憶されているか否かを判断し(判断1105)、対応するユーザコードが記憶されていない場合には(判断1105のNo)、図8に示したように、送達確認メール通知宛先情報4aとしてRAM4に予め設定・記憶されている既定の通知宛先に、図25に示すような、12時間経過したがまだ送達確認メールが未達でまだ受信していない旨を示す送達確認通知メールを送信する(処理1107)。
【0126】対応するユーザコードが記憶されている場合には(判断1105のYes)、当該記憶されているユーザコードに、図18に示したユーザコード/メールアドレス変換テーブル4cにおいて対応するメールアドレスを通知宛先として読み出し(処理1106)、その読み出した通知宛先に、図25に示すような、12時間経過したがまだ送達確認メールが未達でまだ受信していない旨を示す送達確認通知メールを送信する(処理1107)。
【0127】このように、送達確認要求付きのメール送信時に対する送達確認のメールが長時間返送されてこない状態であることを管理者またはメール送信をした各ユーザに確認させることができる。なお、図21の処理手順では待ち時間を12時間としたが、その時間に任意に設定可能なものである。また、所定の待ち時間を過ぎても送達確認メールを受信しなかった場合にその旨の通知メールを管理者または各ユーザに送信後に、再度待ち時間タイマをスタートさせて、再度送達確認メールを待つ動作を繰り返すようにして、送達確認メールの受信または未受信状況を随時管理者または各ユーザに通知できるようにするのも有効である。
【0128】このように、本実施の形態によれば、送信した電子メールに関してネットワーク上のメールシステムから返送される送達確認メールやエラーメールにより通知される送信結果を通常のメール受信と同様に単純にプロッタ6により記録出力したりすのではなく、通信管理テーブル4bに登録された通信管理情報の通信結果として、その他の通信管理情報と共に一括管理することができるようになる。
【0129】なお、以上説明した実施の形態においては、本発明を、ネットワークファクシミリ装置に適用したが、本発明は、電子メールよりやりとりされるデータの内容により検定されるものではなく、ネットワークを介して電子メールによる通信を行うその他の通信端末装置に対しても同様に適用可能なものである。また、接続されるネットワークとしては、インターネットに限定されるものではなく、また、ネットワークプロトコルや電子メール送受信プロトコルにより本発明は限定されるものではなく、ネットワーク上のメールシステムからの送達確認メールやエラーメールを受信可能な通信端末装置であれば同様に適用可能なものである。また、本発明は、ネットワーク上のメールシステムが提供する送達確認メールやエラーメールの返送機能の形式や形態により限定されるものではない。」

(オ)「【0150】また、本実施例では、ネットワークファクシミリ装置FXは、画情報の送受信動作を行うたびに、その送受信動作について、図28に示すような交信情報を作成し、図29に示したような送受信履歴情報テーブルに保存する。
【0151】ここで、交信情報は、それぞれの通信を区別するための通信参照情報、通信を開始した年月日時分秒をあらわす通信開始日時、交信に要した分秒をあらわす交信時間、交信したページ数をあらわす交信ページ数、この通信に関与する送受信画情報ファイルのファイル番号、宛先を指定するために用いられた宛先ファイルをあらわす宛先ファイルID、交信の通信モードを記憶するための交信種別、画情報の線密度、時刻指定の有無、通信が送信であるか受信であるかを区別するための送受信区別、および、通信結果をあらわす交信結果からなる。
【0152】また、本実施例の送受信履歴情報テーブルは、100個の交信情報を記憶できるように構成されており、リングバッファ的に用いられる。また、新規の交信情報を記憶する領域を記憶するための入力ポインタPIと、通信管理レポート(図示略)を記録出力した部分の最後の領域を記憶するための出力ポインタPOが設定されている。
【0153】したがって、1つも交信情報が保存されておらず、また、通信管理レポートを出力していない状態では、入力ポインタPIは、1番目の交信情報#1を指示する位置PI1に設定され、また、出力ポインタPOは、初期位置PO1に設定される。
【0154】そして、交信情報が作成されると、入力ポインタPIが示す送受信履歴情報テーブルの領域にその交信情報が保存されるとともに、入力ポインタPIの位置が1つ下に下がる。
【0155】このようにして交信情報が送受信履歴情報テーブルに蓄積され、その数が50個になると、その50個分の交信情報に基づいた通信管理レポートが作成され、プロッタ6より記録出力される。
【0156】この状態では、入力ポインタPIは、51番目の交信情報#51を指示する位置PI1に設定され、また、出力ポインタPOは、50番目の交信情報#50を指示する位置PO2に設定される。
【0157】また、通信管理レポートは、上下2段に分かれ、上段に送信に関する情報が配置され、下段に受信に関する情報が配置される。また、それぞれの表示要素は、1つの交信情報のほぼ全てを一覧する内容となる。
【0158】さて、上述したように、インターネットにおいては、電子メールが目的の宛先へ配送されたか否かを確認できるための仕組みとして、確認メールを配送するシステムが、電子メールシステムの拡張機能として実現されている。
【0159】これらの送達確認メールのシステムとしては、RFC1891,1894で規定されているDSN(Delivery Status Notification)、あるいは、RFC2298で規定されているMDN(Message Delivery Notification)が実用されている。
【0160】ここで、一般に、DSNは、メールサーバまでの送達確認のために用いられ、また、MDNは、受信端末までの送達確認のために用いられる。したがって、DSNの機能は、通常メールサーバ装置SMに搭載され、また、MDNの機能は、端末であるネットワークファクシミリ装置FXに搭載される。
【0161】例えば、本実施例において、MDNによる送達確認、すなわち、受領確認を受けようとする場合、画情報を送信する電子メールのヘッダ情報には、「Disposition-Notification-To」フィールドを設ける。また、この「Disposition-Notification-To」フィールドの値は、自端末に設定されているメールボックスのアドレス、すなわち、メールアドレスを配置する。ここで、本実施例では、画情報送信の電子メールを送信する際、常に、MDNによる送達確認を行うこととする。
【0162】また、本実施例では、画情報を送信する電子メールのヘッダ情報の「Message-ID」フィールドには、送信画情報のファイル番号を配置する。また、そのために、本実施例では、送信画情報のファイル番号を決定する場合、周知の方法により、重複しない値を算出するようにしている。
【0163】一方、MDNの受領確認メールは、ヘッダ情報に「Final-Recipient」フィールドを含み、さらに、「Original-Message-ID」フィールドを含む。「Final-Recipient」フィールドの値は、ユーザが電子メールを表示したり、あるいは、処理した旨をあらわす内容が配置され、また、「Original-Message-ID」フィールドには、MDNを要求した電子メールの「Message-ID」の値が配置される。
【0164】したがって、ネットワークファクシミリ装置FXは、受信した電子メールに「Final-Recipient」フィールドが含まれる場合には、その電子メールがMDNの受領確認メールであると判断することができ、さらに、その受領確認メールの「Original-Message-ID」フィールドの値と同じファイル番号の交信情報を探し出すことで、その受領確認メールがどの画情報送信の電子メールに対応するものであるかを判断することができる。
【0165】一方、画情報を送信する電子メール(以下、「送信電子メール」という)に対応した交信情報では、交信結果の内容は、当初は、不明をあらわす「--」が記録される。そして、その電子メールに対応した受領確認メールを受信できた場合、対応する交信情報の交信結果の内容を「OK」に書き換える。
【0166】それとともに、受領確認メールの受信にかかる交信情報のファイル番号には、それに対応する送信電子メールのファイル番号をセットする。
【0167】したがって、通信管理レポートを記録出力した際、送信電子メールの交信結果の表示欄には、受領確認メールを受信できた場合には、「OK」が表示されるとともに、受領確認メールを受信できていない場合には、「--」が表示されるので、ユーザは、画情報通信の状況を明確に判断することができる。
【0168】また、受領確認メールに対応した受信履歴の表示欄には、送信電子メールと同じファイル番号が表示されるので、ユーザは、その受領確認メールが、どの送信電子メールに対応するものであるかを明確に判断することができ、非常に便利である。
【0169】また、通信管理レポート上で、受領確認メールと送信電子メールとを対応づける方法としては、受領確認メールと送信電子メールの表示欄に同一のマークを付加表示するという方法もある。
【0170】図30は、この場合の電子メール受信処理の一例を示している。なお、この電子メール受信処理は、所定態様の時間間隔で繰り返し実行されるものである。
【0171】ネットワークファクシミリ装置FXは、メールサーバ装置SMに接続すると(処理1201)、自端末宛の電子メールが受信されているかどうかを問い合わせる(処理1202)。
【0172】自端末宛の電子メールが受信されている場合で、判断1203の結果がYESになるときには、その受信電子メールを全て取得し(処理1204)、メールサーバ装置SMとの間の接続を終了する(処理1205)。
【0173】次に、受信した電子メールを1つ選び(処理1206)、その電子メールについての交信情報を作成して、送受信履歴情報テーブルに保存する(処理1207)。また、上述した方法により、その電子メールがMDNの受領確認メールであるかどうかを調べ(判断1208)、判断1208の結果がYESになるときには、上述した方法により、その受領確認メールに対応する送信電子メールを探す(処理1209)。
【0174】その受領確認メールに対応する送信電子メールが見つかった場合で、判断1210の結果がYESになるときには、その送信電子メールに対応した交信情報の交信結果の内容を「--」から「OK」に変更する(処理1211)。それとともに、その受信確認メールの交信情報のファイル番号に、そのときに見つけた送信電子メールの交信情報のファイル番号と同じ値をセットする(図示略)。 【0175】そして、受信した全ての電子メールについての処理が終了したかどうかを調べ(判断1212)、判断1212の結果がNOになるときには、処理1206に移行し、次の電子メールについて同様の処理を適用する。また、判断1212の結果がYESになるときには、この処理を終了する。
【0176】また、判断1208の結果がNOになるとき、または、判断1210の結果がNOになるときには、判断1212に進み、それ以降の処理を実行する。
【0177】また、自端末宛の電子メールが受信されていない場合で、判断1203の結果がNOになるときには、その時点でメールサーバ装置SMとの間の接続を終了し(処理1213)、この処理を終了する。
【0178】ところで、受領確認メールの受信が遅れ、送信電子メールについての交信情報の内容を含む通信管理レポートが記録出力された後に、受領確認メールを受信するという事態も想定される。
【0179】この場合、上述した実施例では、同一の通信管理レポートに、送信電子メールと受領確認メールの表示内容が含まれないこととなるため、ユーザは、受領確認できたかどうかを明確に知ることができない。
【0180】このような事態を回避するためには、受領確認メールを受信したとき、それに対応する送信電子メールの交信情報が、送受信履歴情報テーブルの入力ポインタPIと出力ポインタPOの間にないときには、送信電子メールの交信情報を送受信履歴情報テーブルに再度保存するようにすればよい(図29、入力ポインタPI3参照)。
【0181】このようにすることで、次回、通信管理レポートが記録出力される際に、送信電子メールと受領確認メールの表示内容が含まれることとなり、ユーザは、受領確認できた旨を明確に知ることができる。
【0182】図31は、この場合の電子メール受信処理の一例を示している。なお、この電子メール受信処理は、所定態様の時間間隔で繰り返し実行されるものである。
【0183】ネットワークファクシミリ装置FXは、メールサーバ装置SMに接続すると(処理1301)、自端末宛の電子メールが受信されているかどうかを問い合わせる(処理1302)。
【0184】自端末宛の電子メールが受信されている場合で、判断1303の結果がYESになるときには、その受信電子メールを全て取得し(処理1304)、メールサーバ装置SMとの間の接続を終了する(処理1305)。
【0185】次に、受信した電子メールを1つ選び(処理1306)、その電子メールについての交信情報を作成して、送受信履歴情報テーブルに保存する(処理1307)。また、上述した方法により、その電子メールがMDNの受領確認メールであるかどうかを調べ(判断1308)、判断1308の結果がYESになるときには、上述した方法により、その受領確認メールに対応する送信電子メールを探す(処理1309)。
【0186】その受領確認メールに対応する送信電子メールが見つかった場合で、判断1310の結果がYESになるときには、その送信電子メールの交信情報が、送受信履歴情報テーブルの入力ポインタPIと出力ポインタPOの間にあるかどうかを調べる(判断1311)。
【0187】その送信電子メールの交信情報が、送受信履歴情報テーブルの入力ポインタPIと出力ポインタPOの間にない場合で、判断1311の結果がNOになるときには、その送信電子メールに対応した交信情報の交信結果の内容を「--」から「OK」に変更した後に、送受信履歴情報テーブルに新たにコピー保存する(処理1312)。
【0188】また、その送信電子メールの交信情報が、送受信履歴情報テーブルの入力ポインタPIと出力ポインタPOの間にある場合で、判断1311の結果がYESになるときには、その送信電子メールに対応した交信情報の交信結果の内容を「--」から「OK」に変更する(処理1313)。
【0189】また、処理1312,1313を実行すると、それとともに、その受信確認メールの交信情報のファイル番号に、そのときに見つけた送信電子メールの交信情報のファイル番号と同じ値をセットする(図示略)。
【0190】そして、受信した全ての電子メールについての処理が終了したかどうかを調べ(判断1314)、判断1314の結果がNOになるときには、処理1306に移行し、次の電子メールについて同様の処理を適用する。また、判断1314の結果がYESになるときには、この処理を終了する。
【0191】また、判断1308の結果がNOになるとき、または、判断1310の結果がNOになるときには、判断1314に進み、それ以降の処理を実行する。
【0192】また、自端末宛の電子メールが受信されていない場合で、判断1303の結果がNOになるときには、その時点でメールサーバ装置SMとの間の接続を終了し(処理1315)、この処理を終了する。」

3.対比
本願発明と引用例1に記載された発明とを対比すると、引用例1に記載された発明の「LAN通信制御部11、モデム12、網制御部13等の送受信手段」は、本願発明の「送受信手段」に相当し、
引用例1に記載された記載された発明の「受信確認、送達確認、または受領確認」は、本願発明の「受信確認」に相当し、
引用例1に記載された発明の「通信結果(例えば、通信の成功、失敗、不明を示す“OK”,“ERR”,“--”という記号で表される通信の結果)」は、本願発明の「通信確認結果」に相当し、
引用例1に記載された記載された発明の「通信管理レポート」は、本願発明の「送信管理レポート」に相当し、
引用例1に記載された記載された発明の「通信管理情報を記憶登録する通信管理テーブル4bと、その通信管理テーブル4bの登録内容に基づいたレポートデータを作成して所定のタイミングで可視出力する通信管理レポート出力手段(段落【0024】、【0079】、【0155】参照。)」は、本願発明の「送信管理レポートを所定のタイミングで出力する制御手段」に相当し、
引用例1に記載された発明の「通信端末装置およびネットワークファクシミリ装置」は、本願発明の「データ送信装置」に相当することは、明らかである。

そして、引用例1には、送信元であるネットワークファクシミリ装置NFが、所定の送信先に対して、LAN通信制御部11、モデム12、及び網制御部13等から成る送受信手段のうちの送信手段を介して、送達確認要求付きの送信電子メールを送信すると、
前記所定の送信先は、前記送達確認要求付き送信電子メールを所定の時間内に受領したか否かを示す受信確認メール(すなわち送達確認メール又は受領確認メールのこと)を、前記送信元のネットワークファクシミリ装置NFに返信し、
次に、前記送信元のネットワークファクシミリ装置NFは、前記返信された受信確認メールを、前記LAN通信制御部11、モデム12、及び網制御部13等から成る送受信手段のうちの受信手段を介して受信することが記載されている(前掲(ア)?(オ)参照。)から、本願発明と引用例1に記載された発明とは、
「受信確認結果の送信要求と共に電子メールを所定の送信先に送信する送信手段と、前記送信先からの受信確認結果を受信する受信手段」
を備えている点で差異はない。

引用例1には、ネットワークファクシミリ装置NFの通信管理レポート出力手段は、通信が成功したか、失敗したか、あるいは通信管理レポートを作成時点では受信確認メールの返信が届いていない故に通信結果が不明であるかを示す通信結果の内容(受信確認結果の内容に相当)等を、通信管理テーブル4bに登録した通信管理情報の各フィールドに記録し、通信管理レポートの作成が指示された時に前記通信管理テーブル4bの登録内容に基づいて送信管理レポートを作成し、プロッタ6や表示装置等により可視出力することが記載されている(前掲(ア)?(オ)参照。)から、本願発明と引用例1に記載された発明とは、
「前記受信確認結果の内容に基づいて、複数の送信についての送信結果を記載した送信管理レポートを、あるタイミングで出力する制御手段」
を備えている点で差異はない。

引用例1には、例えば、
(i)「【0077】通信管理情報のレコードは、通信が送信または受信のいずれかを別を示す「送受信」のフィールド、通信(公衆網を介したファクシミリ通信をネットワークを介した電子メールの通信とがある)の開始時に時計回路7から読み出した日付及び時刻をそれぞれ示す「通信日付」及び「通信時刻」のフィールド、通信相手先を示す「通信相手先」のフィールド、公衆網を介したG3ファクシミリ通信またはネットワークを介したメール(Mail)通信を示す「通信モード」のフィールド、通信に要した時間を示す「通信時間」のフィールド、通信した画情報の枚数を示す「通信枚数」のフィールド、通信の結果(成功(OK)したか否か(ERR)、または、結果が不明(--)を示す「通信結果」のフィールド、及び、各通信を付された通し番号である「ファイル番号」のフィールドから構成されている。
【0078】レコード番号「01」の通信管理情報は、前述したように、図5の処理307によるものなので、「通信結果」が結果不明を示す「--」であるが、レコード番号「02」の通信管理情報は、公衆網を介したG3ファクシミリ受信にかかるもので、相手装置と直接通信を行うため、「通信結果」が結果不明となることはなく、「OK」または「ERR」となる(図においては、「OK」)。
【0079】ネットワークファクシミリ装置NFAは、通信管理レポートの出力機能を備えていて、任意のタイミングで操作表示部9を介して通信管理レポートの出力を指示する所定の操作入力がなされると、通信管理テーブル4bの登録内容に基づいた通信管理レポートを作成してプロッタ6により記録紙に記録出力するきとにより可視出力する。もっとも、通信管理レポートの可視出力形態としては、操作表示部9の図示しない表示器への表示出力による形態であってもよい。また、通信管理レポートの出力形態は、一定件数(例えば50件)の通信管理情報が蓄積されるごとに通信管理レポートを自動作成・記録して、作成・記録済の通信管理情報を消去する形態であってもよい。
【0080】図10に、図9の登録内容の通信管理テーブル4bに基づいて作成・記録される通信管理レポートについて示す。図10に示すように、ファイル番号「0001」の電子メールの送信にかかる「結果」は、結果不明を示す「--」となっていて、まだ、通信結果が不明な状態であることが確認できる。
(ii)「【0126】対応するユーザコードが記憶されている場合には(判断1105のYes)、当該記憶されているユーザコードに、図18に示したユーザコード/メールアドレス変換テーブル4cにおいて対応するメールアドレスを通知宛先として読み出し(処理1106)、その読み出した通知宛先に、図25に示すような、12時間経過したがまだ送達確認メールが未達でまだ受信していない旨を示す送達確認通知メールを送信する(処理1107)。
【0127】このように、送達確認要求付きのメール送信時に対する送達確認のメールが長時間返送されてこない状態であることを管理者またはメール送信をした各ユーザに確認させることができる。なお、図21の処理手順では待ち時間を12時間としたが、その時間に任意に設定可能なものである。また、所定の待ち時間を過ぎても送達確認メールを受信しなかった場合にその旨の通知メールを管理者または各ユーザに送信後に、再度待ち時間タイマをスタートさせて、再度送達確認メールを待つ動作を繰り返すようにして、送達確認メールの受信または未受信状況を随時管理者または各ユーザに通知できるようにするのも有効である。」
(iii)「【0167】したがって、通信管理レポートを記録出力した際、送信電子メールの交信結果の表示欄には、受領確認メールを受信できた場合には、「OK」が表示されるとともに、受領確認メールを受信できていない場合には、「--」が表示されるので、ユーザは、画情報通信の状況を明確に判断することができる。」
との記載がなされており、これらの記載からみて、引用例1には、ネットワークファクシミリ装置NFの通信管理レポート出力手段は、通信管理レポートを記録出力するあるタイミングにおいて、通信結果(送信結果に相当)が未だ不明であって確定していない送信を、記号“--”を付して通信管理レポートに記載していることが明記されているから、本願発明と引用例1に記載された発明とは、
「前記制御手段は、前記あるタイミングにおいて送信結果が確定していない送信を前記送信管理レポートに記載」
している点で差異はない。

そうすると本願発明と引用例1に記載された発明とは、
(一致点)
「受信確認結果の送信要求と共に電子メールを所定の送信先に送信する送信手段と、
前記送信先からの受信確認結果を受信する受信手段と、
前記受信確認結果の内容に基づいて、複数の送信についての送信結果を記載した送信管理レポートを、あるタイミングで出力する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記あるタイミングにおいて送信結果が確定していない送信を前記送信管理レポートに記載するデータ送信装置。」
である点で一致し、次の各点で相違する。

(相違点1)
本願発明が、送信管理レポートを、所定のタイミングで出力するのに対して、引用例1に記載された発明は、通信管理レポートを、任意のタイミングで、又は一定件数の通信管理情報が蓄積される毎に(段落【0079】及び【0155】参照。)出力している点。

(相違点2)
本願発明が、「前回に出力した送信管理レポートに記載した送信結果が確定していない送信を、送信管理レポートに記載する」のに対して、引用例1に記載された発明は、そのようなことを明記しない点。

4.当審の判断
(相違点1について)
相違点1について判断するに、(i)所定のタイミングは、技術的に解釈すると、任意のタイミング及び不定期ながらも確定されたタイミングをも意味することは明らかであり、したがって引用例1に記載されたタイミングも所定のタイミングに含まれているといえる。(ii)また、情報処理、通信、及び画像処理等の技術分野においては、診断プログラムを自動的に起動しシステムを診断しシステムの運行状況の診断履歴を記録しておき、定期的にシステムの診断結果をレポートとして作成し報知することは、本件出願以前から常套されている技術常識である。(iii)そして、所定時間経過後に送信結果レポートを出力することは、例えば、特開2001-309109号公報にその旨が記載されているように当業者には周知であるから、引用例1に記載された発明に上記定期的タイミングに関する周知技術事項を適用して本願発明の如く構成することは、当業者が適宜なし得ることである。

(相違点2について)
相違点2について判断するに、引用例1には、
(a)「【0100】そして、その抽出したファイル番号の通信管理情報の「通信結果」フィールドを、図11に示すように、結果不明を示す「--」から、正常に送信できたことを示す「OK」に変更する。(処理702)。」
(b)「【0105】そして、その抽出したファイル番号の通信管理情報の「通信結果」フィールドを、図13に示すように、結果不明を示す「--」から、送信が失敗したこと示す「ERR」に変更する。(処理802)。」
(c)「【0117】そして、その抽出したファイル番号の通信管理情報の「通信結果」フィールドを、図11に示すように、結果不明を示す「--」から、正常に送信できたことを示す「OK」に変更する(処理1002)。」
(d)「【0167】したがって、通信管理レポートを記録出力した際、送信電子メールの交信結果の表示欄には、受領確認メールを受信できた場合には、「OK」が表示されるとともに、受領確認メールを受信できていない場合には、「--」が表示されるので、ユーザは、画情報通信の状況を明確に判断することができる。」
との記載がなされており、これらの記載、特に記載(d)からみるに、引用例1に記載された発明は、「前回に出力した通信管理レポート(送信管理レポートに相当)に記載した通信結果(送信結果に相当)が確定していない送信を、通信管理レポート(送信管理レポートに相当)に記載している」ことは明白である。
したがって、本願発明は、引用例1に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

なお、本願発明の「前回に出力した送信管理レポートに記載した送信結果が確定していない送信を、送信管理レポートに記載する」という記載を

「前回に出力した送信管理レポートに記載した送信結果が不明で確定していない送信を、前回は不明であったことを明示すると共に今回の送信管理レポート作成時点においては、送信成功、送信失敗、あるいは依然として不確定であると、今回出力する送信管理レポートに記載する」
の意味に、敢えて限定的に解釈するにしても、(i)先に(a)?(d)に示されたように、引用例1に記載された発明は、前回の通信管理レポートの通信結果フィールドに、通信成功(OK)、通信失敗(ERR)、不明(--)を記録し、かつ今回の通信管理レポートの通信結果フィールドにも、通信成功(OK)、通信失敗(ERR)、依然として不明(--)を記録している(特に、前記記載(d)参照。)から、前回と今回の通信管理レポートを継続して見ている操作者は、前回の通信管理レポートの通信結果フィールドに記号(--)が記載され、かつ今回の通信管理レポートの通信結果フィールドにも記号(--)が記載されている場合、依然として当該通信の通信結果は不明であると認識することになる。しかも、この点は引用例1に記載された発明では明確に意識されている(段落【0039】から【0045】の履歴情報に関する記載参照。)。(ii)そして、通信管理レポートのフォーマットつまり記載様式及び採用するフィールドの個数等の設定は、プログラマーが自由に選択できる微細な設計事項であるから、利用者すなわち操作者の便宜を考える時、今回出力する通信管理レポート(送信管理レポートに相当)に、前回は不明(不確定に相当)であったことを明示する程度のことは、当業者が適宜なし得ることである。
また、その奏する効果の程も当業者が容易に予測できる範囲内のことである。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、他の請求項について検討するまでもなく、本願は特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-06-28 
結審通知日 2007-07-03 
審決日 2007-08-09 
出願番号 特願2003-284953(P2003-284953)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 坂本 聡生堀井 啓明  
特許庁審判長 関川 正志
特許庁審判官 伊知地 和之
井上 健一
発明の名称 データ送信装置  
代理人 石野 正弘  

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