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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1166354
審判番号 不服2005-15884  
総通号数 96 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-08-18 
確定日 2007-10-18 
事件の表示 平成11年特許願第190752号「通信装置」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 8月11日出願公開、特開2000-224364〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続きの経緯
本願は、平成11年7月5日(優先権主張平成10年11月24日)の出願であって、平成17年7月11日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年8月18日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに同年9月16日に手続補正書が提出されたものである。

第2 平成17年9月16日付けの手続補正の却下について
1 補正却下の決定の結論
平成17年9月16日付けの手続補正を却下する。

2 理由
(1) 補正後の本願発明
本件補正後の本願の発明は、平成17年9月16日付けで補正された特許請求の範囲の請求項1ないし19に記載されたものと認められるところ、その請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)は、次のとおりのものである。
「【請求項1】 外部端末と接続され、該外部端末に対して相手先へのメモリ送信状態を通知する通信装置であって、
前記外部端末からの状態通知要求を受信する受信手段と、
前記状態通知要求を受け付けた場合に、メモリ送信待機中の未送信ファイルを外部端末に返送通知する通知手段とを備えたことを特徴とする通信装置。」

本件補正は、平成17年4月11日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「通知手段」における「通信状態」を、より具体的に「相手先へのメモリ送信状態」及び「メモリ送信待機中の未送信ファイル」と限定する補正であり、平成18年改正前特許法17条の2第4項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法17条の2第5項において準用する同法126条5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2) 引用例
原査定の拒絶の理由で引用された特開平10-173847号公報(以下、「引用例」という。)には次の事項が図面と共に開示されている。(記載箇所は段落番号等で表示)
ア 「【請求項1】 ホストコンピュータからデータ及び宛先情報を受け取り、そのデータをファクシミリイメージデータに変換し、その宛先へ通信回線を通して送信するファクシミリ通信制御装置において、
前記ファクシミリイメージデータとその状態情報とを格納する格納手段と、
前記ファクシミリ通信制御装置の立ち上がり時に前記格納手段から前記状態情報のうち通信結果情報を読み出して前記ホストコンピュータへ送信する通信結果処理手段と、
からなることを特徴とするファクシミリ通信制御装置。
【請求項2】(略)
【請求項3】 前記状態情報は、送信処理待ち、送信処理中、及び送信処理済みの各情報からなり、前記通信結果情報は前記送信処理済み情報であることを特徴とする請求項1又は2記載のファクシミリ通信制御装置。」
イ 「【0002】【従来の技術】ファクシミリ通信制御装置は、ホストコンピュータからドキュメントデータ及び宛先情報を受信し、ドキュメントデータをファクシミリイメージ情報に変換してから通信回線を通して送信し、その通信結果をホストコンピュータへ通知する、という一連の動作手順を制御している。
【0003】通信結果の通知は、図2に示すように、ホストコンピュータからの結果通知要求を受けてからファクシミリ通信制御装置が返送するという方式が採用されている。例えば特開平1-126059号公報には、ホストコンピュータからのデータ送信が終了すると、ファクシミリ制御装置がホストコンピュータへ送信完了時間を通知し、その時間経過後にホストコンピュータが結果通知要求を行う、というシーケンスが開示されている。これによって、例えばファクシミリ通信制御装置に障害が発生した場合でも、傷害復旧時にホストコンピュータが結果通知を要求し、ホストコンピュータ側で全ての通信結果を確実に把握することができる。」
ウ 「【0008】【発明の実施の形態】図1は、本発明によるファクシミリ通信制御装置の一実施形態を示すブロック構成図である。ファクシミリ通信制御装置はホスト通信制御部101を通してホストコンピュータと接続され、ホストコンピュータからドキュメントデータ及びその宛先番号を受信する。ホスト通信制御部101は、ホストコンピュータから受信したドキュメントデータDD及び宛先番号をイメージ変換部102へ転送し、そこでドキュメントデータDDはファクシミリイメージデータIDに変換される。イメージデータID及び宛先番号はメモリ103に格納され送信待ち状態となる。
【0009】通信制御部104は公衆網等の通信回線に接続され、メモリ103に格納されているイメージデータIDを順次呼び出して、その宛先との間に回線接続が確立すると、当該イメージデータIDを宛先へ送信する。」

上記イの記載によると、引用例には、「通信結果をホストコンピュータへ通知するファクシミリ通信制御装置であって、ホストコンピュータからの結果通知要求を受けてから通信結果を返送するファクシミリ通信制御装置。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

(3) 対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
引用発明の「ホストコンピュータ」が「ファクシミリ通信制御装置」に接続されていることは明らかであり、「ファクシミリ通信制御装置」を中心に考えると接続された「ホストコンピュータ」は「外部端末」といえ、また、引用発明の「通信結果」は、前掲イの箇所に記載されたとおり、宛先情報にファクシミリイメージ情報を送信した結果であり、相手先への「送信状態」といえる。
引用発明の「ファクシミリ通信制御装置」は、前掲イの箇所に記載されたとおり、ホストコンピュータからドキュメントデータ及び宛先情報を受信し、ドキュメントデータをファクシミリイメージ情報に変換してから通信回線を通して送信する装置であるから、本願補正発明と同じ「通信装置」に関するものといえる。
引用発明の「結果通知要求」は本願補正発明の「状態通知要求」に相当し、引用発明の「ファクシミリ通信制御装置」は「ホストコンピュータからの結果通知要求を受け」るものであるから、引用発明は「外部端末からの状態通知要求を受信する受信手段」を備えているといえる。
引用発明の「ファクシミリ通信制御装置」は、ホストコンピュータからの結果通知要求を受けてから通信結果を返送するものであるから、「状態通知要求を受け付けた場合に、」相手先への送信状態を「外部端末に返送通知する通知手段」を備えているといえる。

以上を踏まえると、両者の一致点及び相違点は以下のとおりである。
【一致点】
外部端末と接続され、該外部端末に対して相手先への送信状態を通知する通信装置であって、
前記外部端末からの状態通知要求を受信する受信手段と、
前記状態通知要求を受け付けた場合に、相手先への送信状態を外部端末に返送通知する通知手段とを備えたことを特徴とする通信装置。
【相違点】
本願補正発明が相手先への送信状態として「相手先へのメモリ送信状態」を通知し、「メモリ送信待機中の未送信ファイル」を返信通知するのに対し、引用発明では当該処理を行っていない点。

(4) 当審の判断
上記相違点について検討する。
引用例の前掲ウに示されるように、イメージデータを一度メモリなどの格納手段に格納した後に送信するメモリ送信方式、及び、引用例の前掲アの請求項3に示されるように、メモリ送信待機中といえる「送信処理待ち」の状態を相手先への送信状態とすることは、いずれもファクシミリ通信において周知技術である。
そして、イメージデータをファイルとして管理することは情報処理の属する技術分野において慣用技術であるから、引用発明に前記周知技術及び前記慣用技術を適用することにより、ファクシミリ通信としてメモリ送信方式を採用し、相手先への送信状態として「相手先へのメモリ送信状態」を通知し、「メモリ送信待機中の未送信ファイル」を返信通知することは、いずれも当業者が容易に想到し得ることといえる。

一方、本願補正発明の奏する効果は、引用例に記載された発明、前記周知技術、及び前記慣用技術から想定できる程度のものにすぎず、格別なものとはいえない。
したがって、本願補正発明は、引用例に記載された発明、前記周知技術、及び前記慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5) むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年改正前特許法17条の2第5項で準用する同法126条5項の規定に違反するものであり、特許法159条1項で準用する同法53条1項の規定により却下されるべきものである。

第3 本願発明について
1 平成17年9月16日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成17年4月11日付けで補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものである。
「【請求項1】 外部端末と接続され、該外部端末に対して通信状態を通知する通信装置であって、
前記外部端末からの状態通知要求を受信する受信手段と、
前記状態通知要求を受け付けた場合に、前記外部端末に前記通信状態を返送通知する通知手段とを備えたことを特徴とする通信装置。」

2 引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、及びその記載事項は、前記「第2 2(2)」に記載したとおりである。

3 対比・判断
本願発明は、前記第2で検討した本願補正発明から「通知手段」における「通信状態」を、より具体的に「相手先へのメモリ送信状態」及び「メモリ送信待機中の未送信ファイル」とする限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、更に他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第2 2」で判断したとおり、引用例に記載された発明、前記周知技術、及び前記慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例に記載された発明、前記周知技術、及び前記慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明、前記周知技術、及び前記慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-08-16 
結審通知日 2007-08-21 
審決日 2007-09-05 
出願番号 特願平11-190752
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H04N)
P 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大野 雅宏  
特許庁審判長 原 光明
特許庁審判官 伊知地 和之
松永 稔
発明の名称 通信装置  
代理人 有我 軍一郎  

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