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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04N 審判 査定不服 4項1号請求項の削除 取り消して特許、登録 H04N |
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管理番号 | 1166590 |
審判番号 | 不服2004-22250 |
総通号数 | 96 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2007-12-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-10-28 |
確定日 | 2007-11-13 |
事件の表示 | 平成 9年特許願第198721号「監視カメラ」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 2月12日出願公開、特開平11- 41496、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1.経緯 (1)手続 本願は、平成9年7月24日の出願である。 本件は、本願についてされた拒絶査定(平成16年9月17日付け)を不服とする平成16年10月28日の請求であり、同年同日付けで手続補正書(明細書又は図面について請求の日から30日以内にする補正)が提出された。 (2)査定 原査定の理由は、概略、下記のとおりである。 記(査定の理由) 〈理由の1(29条第1項第3号)〉 請求項1から請求項6、及び請求項9に係る発明は、下記刊行物1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 〈理由の2(29条第2項)〉 請求項1から請求項9までに係る発明は、下記刊行物1及び2に記載された各発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 記 刊行物1:特開平08-085385号公報 刊行物2:特開平03-276976号公報 2.補正の適合性 平成16年10月28日付けの手続補正(本件補正)は、特許法第17条の2第3項、第4項の各規定に適合する。 詳細は、以下のとおりである。 〈補正の内容〉 本件補正は、本件補正前、平成16年1月16日付け手続補正書記載の特許請求の範囲の 「【請求項1】 撮像素子と、 上記撮像素子の撮像面に複数の監視領域の像を結像させる光学手段と、 上記撮像素子の出力信号を処理して映像信号を得る信号処理手段とを持つ監視カメラにおいて、 上記複数の監視領域内の監視対象をそれぞれ分別する監視対象分別手段と、 上記監視対象分別手段より出力される監視対象分別信号に基づいて、上記映像信号による上記複数の監視領域内の監視対象の画像がほぼ一定の明るさになるように、少なくとも光学系または信号処理系を制御する制御手段と を備えることを特徴とする監視カメラ。 【請求項2】 上記制御手段は、露出制御手段であって、 上記露出制御手段は、上記監視対象分別手段で分別された監視対象部分毎に測光する監視対象別測光手段と、上記撮像素子の撮像面に結像される上記複数の監視領域の像の明るさをそれぞれ調整する複数の調光手段と、上記監視対象別測光手段の出力信号に基づいて、上記複数の調光手段を駆動するドライブ手段とからなる ことを特徴とする請求項1に記載の監視カメラ。 【請求項3】 上記監視対象別測光手段は、上記監視対象分別手段で分別された監視対象部分毎に上記撮像素子の出力信号を検波する複数の検波手段からなる ことを特徴とする請求項2に記載の監視カメラ。 【請求項4】 上記制御手段は、利得制御手段であって、 上記利得制御手段は、上記監視対象分別手段で分別された上記複数の監視領域の監視対象部分毎に測光する監視対象別測光手段と、上記撮像素子の出力信号を増幅して上記信号処理手段に供給する利得可変アンプと、上記複数の監視領域にそれぞれに対応して、上記監視対象別測光手段の出力信号に基づき、上記利得可変アンプの利得を制御する利得制御手段とからなる ことを特徴とする請求項1に記載の監視カメラ。 【請求項5】 上記監視対象別測光手段は、上記監視対象分別手段で分別された監視対象部分毎に上記利得可変アンプの出力信号を検波する複数の検波手段からなる ことを特徴とする請求項4に記載の監視カメラ。 【請求項6】 上記制御手段として、露出制御手段および利得制御手段を備え、 上記露出制御手段は、上記監視対象分別手段で分別された監視対象部分毎に測光する第1の監視対象別測光手段と、上記撮像素子の撮像面に結像される上記複数の監視領域の像の明るさをそれぞれ調整する複数の調光手段と、上記第1の監視対象別測光手段の出力信号に基づいて、上記複数の調光手段を駆動するドライブ手段とからなり、 上記利得制御手段は、上記監視対象分別手段で分別された上記複数の監視領域の監視対象部分毎に測光する第2の監視対象別測光手段と、上記撮像素子の出力信号を増幅して上記信号処理手段に供給する利得可変アンプと、上記複数の監視領域のそれぞれに対応して、上記第2の監視対象別測光手段の出力信号に基づき、上記利得可変アンプの利得を制御する利得制御手段とからなる ことを特徴とする請求項1に記載の監視カメラ。 【請求項7】 上記監視対象分別手段は、 上記複数の監視領域内の移動体を検出する移動体検出手段と、 上記移動体検出手段で検出された移動体を含む監視対象範囲に対応して上記監視対象分別信号を出力する範囲設定手段とを有する ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の監視カメラ。 【請求項8】 上記監視対象分別手段は、 上記複数の監視領域に対して監視対象範囲を入力する対象範囲入力手段と、 上記対象範囲入力手段で入力された監視対象範囲に対応して上記監視対象分別信号を出力し続けるデコード手段とを有する ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の監視カメラ。 【請求項9】 上記監視対象分別手段は、 上記複数の監視領域内に対してそれぞれ複数の監視対象範囲を記憶しておく対象範囲記憶手段と、 上記対象範囲記憶手段から必要とする監視対象範囲を選択する監視対象範囲選択手段と、 上記監視対象範囲選択手段で選択された監視対象範囲に対応して上記監視対象分別信号を出力し続けるデコード手段とを有する ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の監視カメラ。」 の記載を、 「【請求項1】 撮像素子と、 上記撮像素子の撮像面に複数の監視領域の像を結像させる光学手段と、 上記撮像素子の出力信号を処理して映像信号を得る信号処理手段とを持つ監視カメラにおいて、 上記複数の監視領域内の監視対象をそれぞれ分別する監視対象分別手段と、 上記監視対象分別手段より出力される監視対象分別信号に基づいて、上記映像信号による上記複数の監視領域内の監視対象の画像がほぼ一定の明るさになるように、少なくとも光学系または信号処理系を制御する制御手段とを備え、 上記監視対象分別手段は、 上記複数の監視領域内の移動体を検出する移動体検出手段と、 上記移動体検出手段で検出された移動体を含む監視対象範囲に対応して上記監視対象分別信号を出力する範囲設定手段と を有することを特徴とする監視カメラ。 【請求項2】 上記制御手段は、露出制御手段であって、 上記露出制御手段は、上記監視対象分別手段で分別された監視対象部分毎に測光する監視対象別測光手段と、上記撮像素子の撮像面に結像される上記複数の監視領域の像の明るさをそれぞれ調整する複数の調光手段と、上記監視対象別測光手段の出力信号に基づいて、上記複数の調光手段を駆動するドライブ手段とからなる ことを特徴とする請求項1に記載の監視カメラ。 【請求項3】 上記監視対象別測光手段は、上記監視対象分別手段で分別された監視対象部分毎に上記撮像素子の出力信号を検波する複数の検波手段からなる ことを特徴とする請求項2に記載の監視カメラ。 【請求項4】 上記制御手段は、利得制御手段であって、 上記利得制御手段は、上記監視対象分別手段で分別された上記複数の監視領域の監視対象部分毎に測光する監視対象別測光手段と、上記撮像素子の出力信号を増幅して上記信号処理手段に供給する利得可変アンプと、上記複数の監視領域にそれぞれに対応して、上記監視対象別測光手段の出力信号に基づき、上記利得可変アンプの利得を制御する利得制御手段とからなる ことを特徴とする請求項1に記載の監視カメラ。 【請求項5】 上記監視対象別測光手段は、上記監視対象分別手段で分別された監視対象部分毎に上記利得可変アンプの出力信号を検波する複数の検波手段からなることを特徴とする請求項4に記載の監視カメラ。 【請求項6】 上記制御手段として、露出制御手段および利得制御手段を備え、 上記露出制御手段は、上記監視対象分別手段で分別された監視対象部分毎に測光する第1の監視対象別測光手段と、上記撮像素子の撮像面に結像される上記複数の監視領域の像の明るさをそれぞれ調整する複数の調光手段と、上記第1の監視対象別測光手段の出力信号に基づいて、上記複数の調光手段を駆動するドライブ手段とからなり、 上記利得制御手段は、上記監視対象分別手段で分別された上記複数の監視領域の監視対象部分毎に測光する第2の監視対象別測光手段と、上記撮像素子の出力信号を増幅して上記信号処理手段に供給する利得可変アンプと、上記複数の監視領域のそれぞれに対応して、上記第2の監視対象別測光手段の出力信号に基づき、上記利得可変アンプの利得を制御する利得制御手段とからなる ことを特徴とする請求項1に記載の監視カメラ。」 と補正することを含むものである。 〈補正の適合性の判断〉 上記補正は、補正前請求項7(補正前請求項1から請求項6までのいずれか1項を引用する)記載の特定事項を補正前請求項1に付加して補正後請求項1とすると共に、補正前請求項7?9を削除する態様によるものである。 形式上は、補正の前後を通じて請求項2?6については文言の変更はないが、補正前および補正後請求項2?6はいずれも補正前及び補正後請求項1に従属する請求項であるから、上記補正は、補正前請求項1?6のそれぞれについて、補正前請求項7記載の特定事項により限定する内容となっていて、この点からすれば特許請求の範囲の減縮とみることができ、その適合性については独立特許要件(特許法第17条の2第5項)の検討を要するものとなる。 しかしながら、補正前請求項7と補正後請求項1?6に着目し対比すれば、本件補正は、補正前請求項1から請求項6までのいずれか1項を引用する多数項引用形式により発明を特定するものであったところ、これらを単に複数項に分割して補正後請求項1?6とし、すなわち、 補正前請求項1を引用するものを、補正後請求項1とし、 補正前請求項2を引用するものを、補正後請求項2とし、 補正前請求項3を引用するものを、補正後請求項3とし、 補正前請求項4を引用するものを、補正後請求項4とし、 補正前請求項5を引用するものを、補正後請求項5とし、 補正前請求項6を引用するものを、補正後請求項6として残したものにすぎないといえ、それらの対応関係も明白であり、かつ、その内容の実質は補正の前後を通じて全く変更がない。 すなわち、本件補正は、一つの補正前請求項7に記載された発明を複数の請求項に分割して,新たな補正後請求項1?6とする態様による補正ではあるが、多数項引用形式により発明を特定するものであった補正前請求項7を、単に複数項に分割して補正後請求項1?6として残したものであって、その他の補正前請求項1?6,8,9を削除する補正とみるのが相当である。 したがって、本件補正は、願書に最初に添付した明細書及び図面に記載した事項の範囲内においてする補正であって、請求項の削除を目的とするものに該当するから、特許法第17条の2第3項、第4項の各規定に適合するものである。(よって、独立特許要件を検討するまでもなく本件補正は適法である。) 3.本願発明 本願の請求項1から請求項6までに係る発明(まとめて本願各発明という)は、本願明細書及び図面(平成16年1月16日付け,平成16年10月28日付けの各手続補正書により補正された明細書及び図面)の記載からみて、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1から請求項6までに記載した事項により特定される下記のとおりでのものである。 記(本願各発明、再掲) 【請求項1】 撮像素子と、 上記撮像素子の撮像面に複数の監視領域の像を結像させる光学手段と、 上記撮像素子の出力信号を処理して映像信号を得る信号処理手段とを持つ監視カメラにおいて、 上記複数の監視領域内の監視対象をそれぞれ分別する監視対象分別手段と、 上記監視対象分別手段より出力される監視対象分別信号に基づいて、上記映像信号による上記複数の監視領域内の監視対象の画像がほぼ一定の明るさになるように、少なくとも光学系または信号処理系を制御する制御手段とを備え、 上記監視対象分別手段は、 上記複数の監視領域内の移動体を検出する移動体検出手段と、 上記移動体検出手段で検出された移動体を含む監視対象範囲に対応して上記監視対象分別信号を出力する範囲設定手段と を有することを特徴とする監視カメラ。 【請求項2】 上記制御手段は、露出制御手段であって、 上記露出制御手段は、上記監視対象分別手段で分別された監視対象部分毎に測光する監視対象別測光手段と、上記撮像素子の撮像面に結像される上記複数の監視領域の像の明るさをそれぞれ調整する複数の調光手段と、上記監視対象別測光手段の出力信号に基づいて、上記複数の調光手段を駆動するドライブ手段とからなる ことを特徴とする請求項1に記載の監視カメラ。 【請求項3】 上記監視対象別測光手段は、上記監視対象分別手段で分別された監視対象部分毎に上記撮像素子の出力信号を検波する複数の検波手段からなる ことを特徴とする請求項2に記載の監視カメラ。 【請求項4】 上記制御手段は、利得制御手段であって、 上記利得制御手段は、上記監視対象分別手段で分別された上記複数の監視領域の監視対象部分毎に測光する監視対象別測光手段と、上記撮像素子の出力信号を増幅して上記信号処理手段に供給する利得可変アンプと、上記複数の監視領域にそれぞれに対応して、上記監視対象別測光手段の出力信号に基づき、上記利得可変アンプの利得を制御する利得制御手段とからなる ことを特徴とする請求項1に記載の監視カメラ。 【請求項5】 上記監視対象別測光手段は、上記監視対象分別手段で分別された監視対象部分毎に上記利得可変アンプの出力信号を検波する複数の検波手段からなることを特徴とする請求項4に記載の監視カメラ。 【請求項6】 上記制御手段として、露出制御手段および利得制御手段を備え、 上記露出制御手段は、上記監視対象分別手段で分別された監視対象部分毎に測光する第1の監視対象別測光手段と、上記撮像素子の撮像面に結像される上記複数の監視領域の像の明るさをそれぞれ調整する複数の調光手段と、上記第1の監視対象別測光手段の出力信号に基づいて、上記複数の調光手段を駆動するドライブ手段とからなり、 上記利得制御手段は、上記監視対象分別手段で分別された上記複数の監視領域の監視対象部分毎に測光する第2の監視対象別測光手段と、上記撮像素子の出力信号を増幅して上記信号処理手段に供給する利得可変アンプと、上記複数の監視領域のそれぞれに対応して、上記第2の監視対象別測光手段の出力信号に基づき、上記利得可変アンプの利得を制御する利得制御手段とからなる ことを特徴とする請求項1に記載の監視カメラ。 4.査定の検討 (a)主要構成 査定で引用された各刊行物のいずれにも、本願各発明が備える下記の主要構成は記載されていない。また、各刊行物を組み合わせても、同主要構成を導くことはできない。 記(本願各発明が備える主要構成) 「監視対象を分別する監視対象分別手段」「より出力される監視対象分別信号に基づいて、映像信号による」「複数の監視領域内の監視対象の画像がほぼ一定の明るさになるように、少なくとも光学系または信号処理系を制御する制御手段」が基づく「監視対象分別信号」を、 「監視領域内の移動体を検出する移動体検出手段」「で検出された移動体を含む監視対象範囲に対応」するものとする こと。 そして、本願各発明は、上記主要構成を備えることにより、本願明細書に記載された「監視対象以外の照度状況に左右されることなく、各監視領域内の監視対象の画像がそれぞれ適切な明るさとなる映像信号を得ることができる。また、各監視領域の移動体(監視対象)の範囲を監視対象範囲として設定でき、監視対象分別信号を得ることができ、各監視領域内の監視対象としての移動体の画像がそれぞれ適切な明るさとなる映像信号を得ることができる。」(段落0062)等の効果を奏するものと認められる。 以上によれば、本願各発明は、査定で引用された各刊行物に記載された発明であるとすることができないし、査定で引用された各刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることもできない。 (b)引用刊行物の記載等 各刊行物の記載について見ておく。 (b1)刊行物1:特開平08-085385号公報 刊行物1(本願が従来の技術とするものである。)には、図面と共に、「車両用監視装置」に関し、以下の事項が記載されている。 「【0040】次に作用を説明する。例えば、車両先端部左右側方から入射した光が、偏光手段1により撮影手段2へと偏光され、撮影手段2の撮像素子上に同時に像が結ばれる。撮影手段2からその像に対応する電気信号が出力され、これにより利得可変増幅器18をへて、ディスプレイ6上に表示がなされる。従って、ディスプレイ6上には、例えば車両先端部から見た左右側方の画像が同時に表示される。タイミングジェネレータ16は、撮影手段2から出力されるビデオ信号に含まれる水平同期信号、垂直同期信号から左右の撮像領域内で光束を測定する領域を示す領域認識信号を発生し、利得設定器15は領域認識信号に基づいて、光束の測定領域でのビデオ信号に含まれる輝度信号から利得可変増幅器18の利得を演算する。利得切り換え器17は領域認識信号が左を示していた場合には左の領域の利得設定信号を選択する。領域認識信号が右を示した場合にも同様に右の領域の利得設定信号を選択する。利得可変増幅器18は利得設定信号に基づいてビデオ信号を増幅し、ディスプレイ6に出力する。もし、建築物等により影ができ左右の光束に変化が生じた場合、例えば、車両の左側に影ができ暗くなった場合、左のビデオ信号を高い利得で増幅する。または、その代わりに右の利得を低くしてもよい。光束の量に対する利得値は、利得設定器15により自由に設定することができる。」 (段落0040) 「【0042】次に作用を説明する。例えば、車両の先端部左右側方から入射した光は、偏光手段により偏光され、撮影手段2の撮像素子上に同時に像が結ばれる。撮影手段2からはその像に対応する電気信号が出力され、ディスプレイ6上に表示される。従って、ディスプレイ6上には、例えば、車両先端部から見た左右側方の画像が同時に表示される。タイミングジェネレータ19は、ビデオ信号に含まれる水平同期信号、垂直同期信号から左右の撮像領域内で光束を測定する領域を示す領域認識信号を発生する。透過率制御装置20は領域信号に基づいて、光束の測定領域でのビデオ信号に含まれる輝度信号から左右のそれぞれの透過率可変フィルタの透過率制御信号を生成し、各撮像領域の光束の変化を抑制する。もし、建築物などにより影ができ左右の光束に変化が生じた場合、例えば、車両の左側に影ができ暗くなった場合、左側のフィルタの透過率を増加させるようにフィルタの制御を行う。または、右側の透過率を減少させるように制御してもよい。また、光束の量に対する透過率の変化は透過率制御装置20により自由に変えることができる。」(段落0042) 上記記載によれば、刊行物1には、 領域認識信号に基づいて、映像信号による複数の領域内の画像がほぼ一定の明るさになるように、少なくとも光学系または信号処理系を制御する制御手段が基づく領域認識信号を、画面の左右各領域とすること が記載されている。 しかし、上記領域認識信号は、「監視領域内の移動体を検出する移動体検出手段」「で検出された移動体を含む監視対象範囲に対応」するものではない。 (b2)刊行物2:特開平03-276976号公報 刊行物2には、「符号化装置」に関し、以下の事項が記載されている。 「【特許請求の範囲】 (1)撮像素子により撮像された2次元画像を複数のブロックに分割し、各ブロック毎に画像データの最大値を検出する検出手段と、上記各ブロック毎の画像データの最大値に対応する画像データにそれぞれ所望の係数を乗算し、乗算後の各画像データに基づいてアイリスを制御する制御手段を備えたことを特徴とするビデオカメラ。 (2)撮像素子により撮像された2次元画像を複数のブロックに分割し、各ブロック毎に画像データの最大値を検出する検出手段と、上記各ブロック毎の画像データの最大値に対応する画像データにそれぞれ所望の係数を乗算し、乗算後の各画像データに基づいて上記撮像素子の出力信号のレベルを制御する制御手段を備えたことを特徴とするビデオカメラ。」(特許請求の範囲) 「ブロック9A?9Iの各々の平均値データをDa?Diとすると、マイコン19では、これらの平均値データに対して係数K11?K9を乗じて加算することでアイリスコントロール信号を発生する。つまり、(K1Da+K2Db+K3Dc+・・・+K9Dl)の演算処理を行う、ここで係数K1,K2,K3を0とすれば、画面の上部の1/3のデータが無関係とされる。また、中央のブロック9Eと対応する係数K5のみを1とし、その他の係数を全て0とすれば、中央測光を行うことになる。」(2頁左下欄9行?18行) 「上述のように、この発明では、画面を複数ブロックに分割し、各ブロック単位の平均値又は最大値を形成し、これをマイコン等により演算するので、データレートが下がり、ハードウェアが簡単になると共に、マイコンを用いて処理することが可能となる。」(3頁左下欄16行?同頁右上欄1行) 上記記載によれば、刊行物2には、 特定ブロックであることを示す信号に基づいて、映像信号による特定ブロック内の画像がほぼ一定の明るさになるように、少なくとも光学系または信号処理系を制御すること は記載されている。 しかし、上記の「特定ブロックであることを示す信号」号は、「監視領域内の移動体を検出する移動体検出手段」「で検出された移動体を含む監視対象範囲に対応」するものではない。 (b3)まとめ 以上のとおり、刊行物1,刊行物2は、いずれも、本願各発明のように、 「複数の監視領域内の監視対象の画像がほぼ一定の明るさになるように、少なくとも光学系または信号処理系を制御する制御手段」が基づく「監視対象分別信号」を、 「監視領域内の移動体を検出する移動体検出手段」「で検出された移動体を含む監視対象範囲に対応」するものとするものではなく、本願各発明が備える上記主要構成を示唆するものではない。 (c)前置審査 (c1)前置審査報告書は、「監視技術において、移動体の監視対象を枠で領域指定し、その領域の移動を追尾させたり、領域内が適正撮影条件となるように制御することは、 先の引用例2(以下、周知例1という。上記刊行物2に同じ)や、 先の拒絶査定時に示した特開昭47-024215号公報(以下、周知例2という)・ 特公昭51-013535号公報(以下、周知例3という)のほかにも、 特開平08-205021号公報(以下、周知例4という)・ 特開平08-251474号公報(以下、周知例5という)・ 特開平07-081459号公報(以下、周知例6という)・ 特開平06-006801号公報(以下、周知例7という)等に示されているように周知・慣用の技術であるから、補正された請求項及び審判請求理由を検討しても先の拒絶査定を取り消すべき理由は見当たらない。」と報告する。 しかし、以下に検討するように、上記周知技術の例示として挙げられたいずれの刊行物も、本願各発明のように、 「複数の監視領域内の監視対象の画像がほぼ一定の明るさになるように、少なくとも光学系または信号処理系を制御する制御手段」が基づく「監視対象分別信号」を、 「監視領域内の移動体を検出する移動体検出手段」「で検出された移動体を含む監視対象範囲に対応」するものとするものではなく、本願各発明が備える上記主要構成を示唆するものではない。 (c2)周知例記載技術の検討 〈周知例1(刊行物2):特開平03-276976号公報〉 この周知例1(刊行物2)が、上記主要構成を示唆するものではないことは、既に(b2)で上述したとおりである。 〈周知例2:特開昭47-024215号公報〉 記載事項:「テレビカメラを利用して被写体の変化を検出する方法として、水平及び垂直偏向バルスの少なくとも一方を利用してテレビジョン受像器画面の所定位置に相当する信号を生成し、この信号によってテレビカメラの映像信号の一部を抽出して、その映像信号レベルを基準信号レベルと比較し、映像信号レベルに変化があった場合に発生する基準信号レベルとのレベル差を検出することによって被写体の変化を検出する方法が近時開発されている。」(1頁右下欄6行?15行) 上記「テレビジョン受像器画面の所定位置に相当する信号」は、「監視領域内の移動体を検出する移動体検出手段」「で検出された移動体を含む監視対象範囲に対応」するものではない。 〈周知例3:特公昭51-013535号公報〉 記載事項:「水平偏向バルス及び垂直偏向バルスを利用してテレビジョン受像機画面の小面積の所定位置に相当するゲート信号を発生するゲート信号発生回路と、前記所定位置が水平方向或いは垂直方向に移動するように前記ゲート信号発生回路を制御する制御回路と、前記ゲート信号発生回路により得られたゲート信号が供給され前記所定位置に相当する映像信号を抽出する映像信号抽出回路と、この回路によって抽出された映像信号が変化したときに、その変化を検出する手段と、この手段によって検出された変化の回数を計数して設定値と比較する手段と、この比較した結果を表示或いは記録する手段とを具備したことを特徴とする監視装置。」(特許請求の範囲) 上記「ゲート信号」は、「監視領域内の移動体を検出する移動体検出手段」「で検出された移動体を含む監視対象範囲に対応」するものではない。 〈周知例4:特開平08-205021号公報〉 記載事項:「【0016】 【課題を解決するための手段】本発明に係る画像入力装置は、光学像を電気信号に変換する撮像手段と、当該撮像手段による撮影画像の画面内で少なくとも1つの画像情報枠を設定する画像情報枠設定手段と、当該画像情報枠設定手段によって設定された画像情報枠内の被写体の動きを検出する動き検出手段と、当該画像情報枠設定手段によって設定される画像情報枠内の撮影画像に従い画質を調整する画質調整手段と、当該画像情報枠設定手段によって設定される1以上の画像情報枠の位置情報を記憶する画像情報枠記憶手段とを備えることを特徴とする。 【0017】画質調整手段は、シャッタ速度を変化させるシャッタ速度制御手段、絞りを制御するアイリス制御手段、及びゲインを制御するゲイン制御手段の1つ以上を具備する。 【0018】更に、外部制御信号に従い、上記画像情報枠設定手段、上記画質調整手段、上記画像情報枠記憶手段及び上記動き検出手段を制御するシステム制御手段を具備する。 【0019】更に、上記画像情報枠設定手段によって設定される画像情報枠を操作者に表示する画像情報枠表示手段を具備する。 【0020】更に、上記動き検出手段の検出結果に従い、該当する画像情報枠を更新する画像情報枠更新手段を具備する。 【0021】 【作用】上記手段により、フォーカス及び画質を調整するのに必要な情報を得る画像情報枠を、撮影画面内で任意に設定できる。これにより、画面内で大きな輝度差があったり、被写体が中央にいなかったり、複数の被写体があっても、所望の被写体に適切に焦点を合わせ、露出を適正値に制御できる。また、画像情報枠を被写体に追尾させることにより、被写体に動きがあっても、支障無く、焦点を合わせ、露出を適正値に制御できる。」(段落0016?0021) 「【0032】即ち、操作者は、コンピュータ40を操作して、枠表示切替部48により画像情報枠を表示状態にし、所望の被写体がその画像情報枠に入るように当該画像情報枠を位置決めする。画像情報枠の位置データは画像情報枠設定装置50に供給され、画像情報枠設定装置50は、カメラ・システム制御回路38に指定位置への画像情報枠の設定を指示する。 【0033】カメラ・システム制御回路38は、新たに設定された画像情報枠内の撮影画像情報から制御用パラメータを算出し、その算出結果に従いゲイン制御回路25、シャッタ制御回路26及びアイリス制御回路28を介してゲイン、シャッタ速度及び絞り値を制御する。また、カメラ・システム制御回路38は、新たに設定された画像情報枠の位置情報を動き検出回路36に供給し、動き検出回路36は、カメラ・システム制御回路38により指定される画像情報枠に従い、その画像情報枠内で動き量及び方向を検出する。検出された動き量及び方向はカメラ・システム制御回路38を介して制御用コンピュータ40に転送される。 【0034】制御用コンピュータ40は、動き検出結果に基づき、即ち、画像情報枠内の被写体の動きに従い、新たな画像情報枠の移動方向及び距離を算出する。算出された新たな画像情報枠の情報は画像情報枠設定装置50を介してカメラ・システム制御回路38に転送される。このようにして、画像情報枠は、最初に指定された位置から、被写体の動きに追従して移動する。撮影条件は、画像情報枠内の撮影画像により決定されるので、結局、最初に設定された被写体に追従しつつ、その被写体に露出及びフォーカスを合わせた撮影を続行できる。」(段落0032?0034) この周知例4には、画像情報枠内の被写体の動きに従い、新たな画像情報枠の移動方向及び距離を算出し、算出された新たな画像情報枠の情報に基づいてアイリス制御やゲイン制御することは記載されていて、本願各発明の主要構成である「監視対象分別信号」を、「監視領域内の移動体を検出する移動体検出手段」「で検出された移動体を含む監視対象範囲に対応」するものとすることに類似する技術は記載されている。 しかしながら、この周知例4の「画像情報枠」は、操作者がコンピュータを操作して、所望の被写体がその画像情報枠に入るように当該画像情報枠を位置決めして設定するものであり、その画像情報枠内で動き量及び方向を検出した動き検出結果に基づき、新たな画像情報枠の移動方向及び距離を算出するものであるから、 その「画像情報枠」(本願各発明の「監視対象分別信号」、「監視対象範囲」に対応する)は、最初に所望の被写体が入るように操作者が設定した範囲の枠であり、この枠が、枠内画像の動きの量と方向にしたがって移動していくものである(移動体部分を検出して決めた範囲ではない。)。 これに対して、本願各発明の「監視対象分別信号」は、「監視領域内の移動体を検出する移動体検出手段」「で検出された移動体を含む監視対象範囲に対応」するものであるから、移動体部分を検出して監視対象範囲を定める(これに対応して監視対象分別信号が決まる)ものであるから、上記「画像情報枠」とは異なるものでその技術的意味も異なるものである。 上記周知例4は、明るさ制御用の範囲を示す信号(「監視対象分別信号」)を、「監視領域内の移動体を検出する移動体検出手段」「で検出された移動体を含む監視対象範囲に対応」するものでもなく、また、これを示唆するものでもなく、本願各発明が備える上記主要構成を示唆するものではない。 〈周知例5:特開平08-251474号公報〉 記載事項:「【0015】 【課題を解決するための手段】本発明に係る動きベクトル検出装置は、次のように構成したものである。 【0016】(1)画面中の複数の位置での画像の動きベクトルを検出する動きベクトル検出回路と、画面をそれぞれ動きベクトルの異なる複数の領域に分割する画面分割手段と、分割された領域の一つを所定の条件に従って選択する領域選択手段と、選択された領域の動きベクトルから画像全体の動きを代表する動きベクトルを決定する動きベクトル決定手段とを備えた。」(段落0015?0016) 上記「画面分割手段」により分割された領域は、「監視領域内の移動体を検出する移動体検出手段」「で検出された移動体を含む監視対象範囲に対応」するものではない。 〈周知例6:特開平07-081459号公報〉 記載事項:「【0011】2つのカメラ11,12で撮像した画像を、コントローラ6の画像処理部にて画像処理をすることにより、次の認識をする。 ○1 先行する自動車(先行車)の認識。 ○2 高速道路の複数の車線(レーン)のうち、自車が走行している車線を示す白線の認識。 ○3先行車と自車との間の車間距離の認識。 【0012】上述したの○1の先行車の認識は、例えば次のようにして行う。即ち画像の中から縦方向の直線に囲まれるエリアを抽出し、抽出したエリアのうち左右対称で、且つ、次々と取り込んでいく画像の中で位置があまり動かないものを、先行車として認識する。」(段落0011?0012) 「【0025】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記「自動車の走行制御装置」では、ステレオ視カメラ1の露出が画面全体の平均的な明るさに合うようにそのアイリスが制御されているため、図11(ステレオ視カメラ1で撮らえた画像の一例)に示すように、自車がまだトンネル28の手前を走行しているときに先行車26がトンネル28内に進入すると、この先行車26を含めてトンネル28内の画像が暗くなりすぎてしまうため、画像処理を行っても先行車26を認識できずに見失ってしまう。また逆に自車がまだトンネル28内を走行しているときに先行車26がトンネル28の外に出ると、先行車26及びその周囲の画像が明るくなりすぎてしまうため、やはり先行車26を認識できずに見失ってしまう。 【0026】本発明は、上述の如き「自動車の走行制御装置」に鑑み、トンネルの出入口のように先行車が占位する領域とその周囲とで明暗の差がある場合にも先行車を見失うことなく追尾することができる自動車の走行制御装置を提供することを目的とする。 【0027】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明の第1の構成は、自車の前方をカメラで撮像し、このときの画像を画像処理して自車と同一の車線を走行する先行車を認識し、この先行車との間に所定の車間距離を保持しつつこの先行車を追尾する追尾走行制御を行う自動車の走行制御装置において、前記画像処理によって前記先行車を認識したとき、この先行車が占位する前記画像内の領域をアイリス制御エリアとして設定するアイリス制御エリア設定部と、前記画像の明度を表わす全体の画像データのうち前記アイリス制御エリア内の画像データを抽出する画像データ抽出部と、前記アイリス制御エリア内の画像データに基づき前記カメラのアイリスを制御するためのアイリス値を計算するアイリス値計算部と前記アイリス値を前記カメラのアイリスを駆動する駆動部へ出力する出力部とを有するアイリス制御部を備えたことを特徴とする。 【0028】上記目的を達成する本発明の第2の構成は、上記第1の構成において、アイリス制御エリア設定部では、前回設定したアイリス制御エリアをメモリーし、今回撮像した画像から先行車を認識することができなかったときには、前回設定したアイリス制御エリアをそのままこのときのアイリス制御エリアとして設定することを特徴とする。」(段落0025?0028) この周知例6には、画像処理によって、画像の中から縦方向の直線に囲まれるエリアを抽出し、抽出したエリアのうち左右対称で、且つ、次々と取り込んでいく画像の中で位置があまり動かないものを、先行車として認識すること、そのように先行車を認識したとき、この先行車が占位する前記画像内の領域をアイリス制御エリアとして設定することは記載されている。 しかしながら、その「アイリス制御エリア」は、「監視領域内の移動体を検出する移動体検出手段」「で検出された移動体を含む監視対象範囲に対応」するものではない。 〈周知例7:特開平06-006801号公報〉 記載事項:「【0011】それ故にこの発明の目的は、画像の所望される部分について、つねに適正な露光量を自動的にかつ容易に得ることのできるテレビモニタ装置を提供することである。 【0012】 【課題を解決するための手段】この発明にかかるテレビモニタ装置は、被写体における反射光を入射し、応じて該入射光を処理して映像信号を出力する撮像部と、この撮像部と通信接続され、撮像部から出力される映像信号を入力してモニタに画像表示するモニタ部とを有して構成され、前述のモニタ部はさらにスイッチ手段を備え、前述の撮像部は、さらに信号重畳手段および露光調整手段を備えて構成される。 【0013】前述のスイッチ手段は、モニタ部に表示される画像の所望部分を選択するために外部操作され、応じてこの所望された部分を選択する信号を出力するように構成される。 【0014】前述の信号重畳手段は、スイッチ手段から出力された選択信号を入力し、この選択信号に基いて映像信号に、前述の所望される部分を他の部分と区別して画像表示させるための信号を重畳しながら出力するように構成される。 【0015】前述の露光調整手段は、スイッチ手段から出力される選択信号を入力し、映像信号のうちこの選択信号に基づいて抽出された所望される部分に該当する信号レベルに従ってこの映像信号を露光調整処理するように構成される。」(段落0011?0015) この周知例7の「所望された部分を選択する信号」は、スイッチ手段により外部操作して選択するものであって、「監視領域内の移動体を検出する移動体検出手段」「で検出された移動体を含む監視対象範囲に対応」するものではない。 (c3)まとめ(前置審査) 以上のように、前置報告で挙げられた刊行物のものは、いずれも、本願各発明が備える上記主要構成を示唆するものではない。 また、前置報告で挙げられたこれらの刊行物および査定で引用された上記刊行物1、2を組み合わせても上記主要構成を導くことはできない。 5.むすび 以上のとおりであるから、本願の請求項1から請求項6までに係る発明が刊行物1および刊行物2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるという原査定の理由によっては本願を拒絶することはできない。 また、他に、本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2007-11-01 |
出願番号 | 特願平9-198721 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H04N)
P 1 8・ 571- WY (H04N) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 山本 章裕、益戸 宏 |
特許庁審判長 |
乾 雅浩 |
特許庁審判官 |
奥村 元宏 南 義明 |
発明の名称 | 監視カメラ |
代理人 | 古川 秀利 |
代理人 | 曾我 道治 |
代理人 | 鈴木 憲七 |
代理人 | 梶並 順 |