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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1166977
審判番号 不服2004-7842  
総通号数 96 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-04-16 
確定日 2007-11-02 
事件の表示 特願2000-274341「ゲーム装置」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 3月19日出願公開、特開2002- 78962〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
1.手続の経緯

本願は、平成12年9月11日の出願であって、平成16年3月11日付で拒絶査定がなされ、これに対して、平成16年4月16日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、平成16年5月17日付で手続補正がなされたものである。


2.平成16年5月17日付の手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

平成16年5月17日付の手続補正を却下する。

(1)補正後の内容

平成16年5月17日付の手続補正(以下、「本件補正」という。)は、本件補正前の特許請求の範囲についての、
「【請求項1】
キャラクターのセリフを複数の位置で区切った複数の変化前セリフと、前記複数の変化前セリフそれぞれに対応した変化後セリフと、を記憶した記憶部と、プレーヤの操作を入力する入力部と、前記複数の変化前セリフ又は変化後セリフを順次表示を行う表示部と、前記表示部に変化前セリフが順次表示されている際に、前記入力部がプレーヤの操作が行われたと検出した場合、プレーヤの操作が行われた時に表示されていた変化前セリフに対応した変化後セリフを、次に表示予定の変化前セリフに代えて前記表示部に表示するように制御する制御部と、を備えたことを特徴としたゲーム装置。
【請求項2】
請求項1において、前記複数の変化前セリフ及び変化後セリフに対応した音声が記憶された記憶部と、前記表示部に、変化前セリフ及び変化後セリフを表示している際に、表示されているセリフに対応した音声を出力する音声出力手段とを備えたことを特徴としたゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記制御部は、前記表示部に変化前セリフ又は変化後セリフを表示している際に、プレーヤに対して操作を促す表示を行うことを特徴としたゲーム装置。
【請求項4】
請求項3において、前記プレーヤに対して操作を促す表示は、方向を示す表示であり、上・下・左・右の向きを表す表示を行うこと特徴としたゲーム装置。
【請求項5】
請求項3又は4において、前記プレーヤに対して操作を促す表示は、複数回行われることを特徴としたゲーム装置。
【請求項6】
第1のセリフデータと、第1のセリフデータに繋がる第2のセリフデータと、第1のセリフデータに繋がり前記第2のセリフデータとは異なる第3のセリフデータとを記憶する記憶部と、前記第1のセリフデータを出力した後、前記第2のセリフデータを出力する出力部と、入力を行う操作部と、前記操作部からの入力を検知する検知部とからなり、前記出力部は、前記第1のセリフデータの出力中に前記検知部にて入力が検知されたとき、前記第1のセリフデータの出力後、前記第2のセリフデータに代えて、前記第3のセリフデータを出力することを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
前記セリフデータは前記出力部にて画像出力されることを特徴とする請求項6記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記セリフデータは前記出力部にて音声出力されることを特徴とする請求項6記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記操作部への入力を指示する操作指示を出力する操作指示出力部であって、前記セリフデータと前記操作指示は略同時に出力する前記操作指示出力部を有することを特徴とする請求項6または7または8記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記検知部は、前記操作指示出力部により出力された操作指示と前記操作部からの入力との一致を検知することを特徴とする請求項9記載のゲーム装置。」
の記載を、
「【請求項1】
前のセリフと、前のセリフに繋がる以降のセリフと、前のセリフに繋がり前記以降のセリフとは異なる別のセリフとを記憶する記憶部と、前記前のセリフを出力した後、前記以降のセリフを出力する出力部と、入力を行う入力部と、前記入力部からの入力を検知する制御部とからなり、前記出力部は、前記前のセリフの出力中に前記制御部にて入力が検知されたとき、前記前のセリフの出力後、前記以降のセリフに代えて、前記別のセリフを出力することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記セリフは前記出力部にて画像出力されることを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記セリフは前記出力部にて音声出力されることを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記入力部への入力を指示する操作指示を出力する操作指示出力部であって、前記セリフと前記操作指示を略同時に出力する前記操作指示出力部を有することを特徴とする請求項1または2または3記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記操作指示出力部により出力された操作指示と前記入力部からの入力との一致を検知することを特徴とする請求項4記載のゲーム装置。」
と補正するものを含み、前記補正に伴い、発明の詳細な説明の段落【0004】?【0016】の記載を特許請求の範囲の記載と整合するように補正するものを含むものである。

(2)本件補正についての検討

a.本件補正の具体的内容

本件補正は、次に示すとおりのものである。

補正1:本件補正前の請求項1ないし5の記載を削除した。

補正2:本件補正前の請求項6に記載のうち、「第1のセリフデータ」、「第2のセリフデータ」、「第3のセリフデータ」、「操作部」及び「検知部」の記載をそれぞれ「前のセリフ」、「以降のセリフ」、「別のセリフ」、「入力部」及び「制御部」に変更し、本件補正後の請求項1の記載の
「前のセリフと、前のセリフに繋がる以降のセリフと、前のセリフに繋がり前記以降のセリフとは異なる別のセリフとを記憶する記憶部と、前記前のセリフを出力した後、前記以降のセリフを出力する出力部と、入力を行う入力部と、前記入力部からの入力を検知する制御部とからなり、前記出力部は、前記前のセリフの出力中に前記制御部にて入力が検知されたとき、前記前のセリフの出力後、前記以降のセリフに代えて、前記別のセリフを出力することを特徴とするゲーム装置。」と補正した。

補正3:本件補正前の請求項7の記載のうち、「前記セリフデータ」の記載を「前記セリフ」と変更し、本件補正後の請求項2を引用する本件補正後の請求項2の記載の
「前記セリフは前記出力部にて画像出力されることを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。」と補正した。

補正4:本件補正前の請求項8の記載のうち、「前記セリフデータ」の記載を「前記セリフ」と変更し、本件補正後の請求項2を引用する本件補正後の請求項3の記載の
「前記セリフは前記出力部にて音声出力されることを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。」と補正した。

補正5:本件補正前の請求項9の記載のうち、「前記操作部」及び「前記セリフデータ」をそれぞれ「前記入力部」及び「前記セリフ」と変更し、本件補正後の請求項1または2または3を引用する本件補正後の請求項4の記載の
「前記入力部への入力を指示する操作指示を出力する操作指示出力部であって、前記セリフと前記操作指示を略同時に出力する前記操作指示出力部を有することを特徴とする請求項1または2または3記載のゲーム装置。」と補正した。

補正6:本件補正前の請求項10の記載のうち、「前記検知部」及び「前記操作部」をそれぞれ「前記制御部」及び「前記入力部」と変更し、本件補正後の請求項4を引用する本件補正後の請求項5の記載の
「前記制御部は、前記操作指示出力部により出力された操作指示と前記入力部からの入力との一致を検知することを特徴とする請求項4記載のゲーム装置。」と補正した。

補正7:上記補正1?補正6の各補正により、特許請求の範囲の記載が変更されたことに伴い、発明の詳細な説明の段落【0004】?【0016】の記載を上記補正1?補正6の各補正により補正された特許請求の範囲の記載と整合するように補正した。

b.新規事項追加禁止要件についての検討

そこで、本件補正が、特許法第17条の2第3項の規定に適合するか否かについて検討する。

請求項1になされた上記補正1が新規事項を追加する補正に該当するか否かについて検討する。

本願特許の願書に最初に添付した明細書または図面(以下、「以下当初明細書」という。)には、上記補正1と関連して、以下の事項が記載されている。

1)「【0005】
本発明によれば、ゲーム中のプレイ画面に表示されたキャラクターの1つのセリフが、プレーヤによるボタン入力終了時のタイミングでその1つのセリフが変化したり、あるいは変化しなかったりしてプレイ画面に表示される。
即ち、プレーヤのボタン入力操作が表示された1つのセリフのどのタイミングで完了したかを制御部で判断し、ボタン入力が、セリフの分割ポイントのどの地点で終了したかによって、それ以降のセリフが変化する。変化するセリフは前のセリフと別のセリフを繋げて変化した1つのセリフを表示する。プレーヤがボタン入力を失敗した場合には、表示されたセリフは変化せず、プレーヤはゲームのライフポイントを減少される。例えば、ゲーム時間が短くなったり、得点が減点されたりする。」

2)「【0007】
本発明によれば、プレーヤによるボタン入力が成功した場合である。ボタン入力のタイミングが1つのセリフの途中で終了した時に、中断前のセリフと別のセリフを繋げて1つの新しいセリフとして表示することができる。
そして、1つのセリフは複数に分割されており、分割ポイントのどの地点でボタン入力が終了したかによって、表示される別のセリフが変化するので、プレーヤはキャラクターの様々に変化したセリフの表現を楽しむことができる。」

3)「【0009】
本発明によれば、1つのセリフが4分割して記憶されている。例えば、敵キャラの「いい度胸してるじゃねぇかぁ!!」というセリフが、「いいど」「きょうして」「るじゃね」「ぇかぁ!!」のように4分割されている。プレーヤによるボタン入力が分割ポイントのどの地点で終了したかによって、それ以降のセリフが変化する。」

4)「【0020】
【発明の実施の形態】
本発明はゲーム装置に関する。
即ち、本装置はキャラクターの1つのセリフを複数に分割して記憶すると共に、そのセリフに対応する別のセリフを記憶した記憶部を有する。そして、プレイ画面毎に各セリフを表示する表示部と、プレーヤによるボタン入力を検知し、そのボタン入力が画面表示されている1つのセリフのどの位置で終了したかを検知する制御部を有する。そして、プレーヤによるボタン入力結果に対応した1つのセリフがプレイ画面に表示されるように構成されている。」

5)「【0021】
【実施例】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
・・・(略)・・・ROM32にはキャラクターの多数のセリフパターンとこれらのセリフパターンに対応する別のセリフパターンが記憶されている。RAM31には、メインコントロール部22からの信号により1つのセリフがゲーム画面である表示部4に表示される時に、このセリフを変化させて書き換える別のセリフが書き込まれるようになっている。」

6)「【0022】
プレーヤがゲーム機2のスタートボタンを入力すると、制御部21が制御信号をメインコントロール部22に転送した後、ROM32からプレイ画面を読み出し、ゲーム画面が表示部4に表示されてゲームが開始する。ゲームが開始すると、プレーヤは入力部1を構成する4つのボタンを操作して、上下左右方向のボタン入力を行う。このボタン入力はゲーム機の制御部21で検知され、入力が成功した場合と、失敗した場合とをメインコントロール部22で判定する。
ボタン入力が成功した場合には、1つのセリフが4分割されており、分割ポイントのどの地点でボタン入力が終了したかを判定し、それ以降の別のセリフをRAM31から読み出して前のセリフを書き換えて変化したセリフを表示部4に表示する。この時、前のセリフと別のセリフを繋げて1つの新しいセリフを音声出力部5から音声で出力する。
一方、プレーヤがボタン入力を失敗した場合には、制御部21からの制御信号がメインコントロール部22に転送され、メインコントロール部でボタン入力を失敗したことを判定し、表示部4に表示されたセリフを変化させないで表示すると共に、音声出力部5から変化前のセリフを音声で出力する。」

7)「【0023】
図2は、1つのセリフが変化する形態の一例を示す図である。
変化前のセリフは、キャラクターが話す1つのセリフであって、ゲーム画面毎に多数のセリフパターンの中から1つずつセリフがROM32から読み出されゲーム画面に表示される。図に示すセリフ「いい度胸してるじゃねぇかぁ!!」は、3ポイントで分割されている。即ち、このセリフは、「いいどaきょうしてbるじゃねcぇかぁ!!d」というように3ポイントで分割されている。そして、プレーヤによるボタン入力のタイミングでa?dのどの地点でボタン入力が終了したかによって、各地点以降のセリフが別のセリフに変化するようにプログラムされている。
即ち、aで入力が終了した場合には、「いいど…きょう、きょ、きょ、きょっぴあ!!」のように前のセリフ「いいど」と別のセリフを繋げて変化したセリフが表示部に表示され、音声で出力される。bで入力が終了した場合には、「いい度胸して…る、てる、て、て、てらば!!」のように変化する。cで入力が終了した場合には、「いい度胸してるじゃね…え、ねえ、え、えんでばあ!!」のように変化する。dで入力が終了した場合には、「いい度胸してるじゃねぇかぁ!!…あ、あ、あ、あっ、あのば!!」のように前のセリフに続けて別のセリフを繋げ変化する。」

8)「【0024】
次に、本発明に用いるゲーム画面の一例を説明する。
・・・(略)・・・
図4は、初期画面の次のゲーム画面を示し、主人公と敵キャラガ対戦する場面である。この対戦モードに入ると、敵キャラの「お、おい、無抵抗の男を殺ろうってのか?」という変化前のセリフが表示されると共に、音声で出力される。ゲーム画面上にこのセリフが表示されるとほぼ同時にボクシンググローブの絵をしら7つの画像が左側から順番に表示され、各グローブはボタン入力の方向を指示している。この画面では、「左、左、下、下、下、右、右」の方向をボタンで入力するように指示している。プレーヤは、ボクシンググローブが指示している方向をボタン入力する。プレーヤによるボタン入力がセリフのどの位置で終了したかが判定される。このゲーム画面では、プレーヤによるボタン入力はセリフの「お、おい、無抵抗の男を殺ろ」の位置で終了している。
図5は、図4の次のゲーム画面を示したものである。ゲーム画面には、前のセリフの一部と、別のセリフを繋げて変化したセリフを表示している。即ち、変化後のセリフは、「お、おい。無抵抗の男を殺ろ やろ、やろろ、やーめーで」となる。このセリフは表示後、画面左へスクロールするために、ゲーム画面上には「お、おい。」の部分は表示されていない。
・・・(略)・・・」

請求項1に係る発明特定事項「前のセリフ」、「以降のセリフ」及び「別のセリフ」という文言自体は、当初明細書の上記摘記事項1)、2)、3)、6)、7)及び8)に存在する。

しかしながら、当初明細書の記載をみると、「前のセリフ」と前のセリフに繋がる「以降のセリフ」の両者で構成される「セリフ」は、例えば、「いい度胸してるじゃねぇかぁ!!」(摘記事項7)の記載)のような、ゲーム装置においてキャラクタが話す「1つのセリフ」であって(摘記事項6)?摘記事項7)の記載)、「・・・1つのセリフが4分割されており、・・・」の記載(摘記事項6)の記載)や、「図に示すセリフ「いい度胸しているじゃねぇかぁ!!」は、3ポイントで分割されている。」の記載(摘記事項7)の記載)のように、前記「1つのセリフ」は複数に分割されるものであって、「記憶部」に、「1つのセリフを複数に分割して記憶する」(摘記事項4)の記載)ものである。

さらに、「このセリフは、「いいどaきょうしてbるじゃねcぇかぁ!!d」というように3ポイントで分割されている。そして、プレーヤによるボタン入力のタイミングでa?dのどの地点でボタン入力が終了したかによって、各地点以降のセリフが別のセリフに変化するようにプログラムされている。
即ち、aで入力が終了した場合には、「いいど…きょう、きょ、きょ、きょっぴあ!!」のように前のセリフ「いいど」と別のセリフを繋げて変化したセリフが表示部に表示され、音声で出力される。bで入力が終了した場合には、「いい度胸して…る、てる、て、て、てらば!!」のように変化する。cで入力が終了した場合には、「いい度胸してるじゃね…え、ねえ、え、えんでばあ!!」のように変化する。dで入力が終了した場合には、「いい度胸してるじゃねぇかぁ!!…あ、あ、あ、あっ、あのば!!」のように前のセリフに続けて別のセリフを繋げ変化する。」(摘記事項7)の記載)の記載からみて、「前のセリフ」とは「1つのセリフ」のうち、プレーヤによるボタン入力のタイミングで前記「1つのセリフ」が分割された地点のうちボタン入力が終了した地点より前のセリフであり、「以降のセリフ」とは、前記地点以降のセリフであり、「別のセリフ」とは前記「以降のセリフ」に代えるセリフである。

そして、「制御部」は「プレーヤのボタン入力操作が表示された1つのセリフの分割ポイントのどの地点で終了したか」(摘記事項1)、4)、5)及び6)の記載)を検知するものであり、「出力部」は、前記制御部により検知した「地点以降のセリフが別のセリフに変化して」出力するもの(摘記事項6)及び7)の記載)である。

そうすると、当初明細書には、
ア.記憶部が「1つのセリフを複数に分割して記憶する」点。
イ.「前のセリフ」とは「1つのセリフ」のうち、プレーヤによるボタン入力のタイミングで前記「1つのセリフ」が分割された地点のうちボタン入力が終了した地点より前のセリフであり、「以降のセリフ」とは、前記地点以降のセリフであり、「別のセリフ」とは前記「以降のセリフ」に代えるセリフである点。
ウ.制御部が「プレーヤのボタン入力操作が表示された1つのセリフの分割ポイントのどの地点で終了したか」を検知する点。
エ.出力部が、前記制御部により検知した「地点以降のセリフが別のセリフに変化して」出力する点。
の上記ア.?エ.の各点がゲーム装置を構成するのに必要不可欠な発明特定事項として特定されたゲーム装置が開示されているといえる。

しかしながら、請求項1の記載には、上記ア.?エ.の各点が記載されていない。

そして、当初明細書に接した当業者が、上記ア.?エ.の各点を特定しないゲーム装置がそこに記載されているのと同然と理解する事項であるともいえない。

よって、請求項1の記載において、上記ア.?エ.の各点を特定していない点は当初明細書から自明な事項であるとはいえない。

したがって、上記各ア.?エ.の各点を特定しない請求項1になされた補正1及び、請求項1の記載に対応する記載を含む発明の詳細な説明になされた補正7を含む本件補正は、当初明細書に記載した事項の範囲内においてするものとはいえない。


(3)むすび

以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないので、特許法第159条第1項で読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

よって、結論のとおり決定する。


3.本願発明について

平成16年5月17日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし10に係る発明は、平成16年2月9日付の手続補正により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、特に、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された次のとおりのものである。
「キャラクターのセリフを複数の位置で区切った複数の変化前セリフと、前記複数の変化前セリフそれぞれに対応した変化後セリフと、を記憶した記憶部と、プレーヤの操作を入力する入力部と、前記複数の変化前セリフ又は変化後セリフを順次表示を行う表示部と、前記表示部に変化前セリフが順次表示されている際に、前記入力部がプレーヤの操作が行われたと検出した場合、プレーヤの操作が行われた時に表示されていた変化前セリフに対応した変化後セリフを、次に表示予定の変化前セリフに代えて前記表示部に表示するように制御する制御部と、を備えたことを特徴としたゲーム装置。」


4.引用例

これに対して、原査定の拒絶理由に引用された、本願特許出願前に頒布された刊行物であるトゥハート公式ガイドブック?The Essence of ToHeart?,株式会社エンターブレイン,2000年6月29日第二版発行,(以下、「引用例1」という。)には、図面の図示とともに次の事項が記載されている。

a-1.14頁の上部に、
「ゲームを始めるまえの基礎知識
表示される文字を読み、時に自分で行動を選びながら、物語を形作る。難しい操作のない本作だが、それでも知っておきたい知識は存在する。ここでは、そんな基礎的な事項についてまとめてみた。」と記載されている。

a-2.14頁の中央部に、
「ゲームのおおまかな流れ
本作は基本的に1日を単位として、設定された約2ヶ月間のなかで物語が進んでいく。1日の大まかな流れは以下の図のとおりで、プレイヤーはいくつかの行動や会話の選択をしながら、いろいろな女の子と接していく。」と記載されている。

a-3.14頁の右下部に、
「2 メッセージスキップ
すでに1度読んだ文章に限り、ゲーム中にL1ボタンを押すことで高速スキップすることができる。未読の文章や選択肢ではそこでストップする。」と記載されている。

a-4.引用例1に記載のゲームである「トゥハート」は、表紙右上隅のマークの記載からみてプレイステーション用ゲームソフトであるので、前記「The Essence of ToHeart」のゲームを実行するプレイステーションがゲーム装置であり、プレイステーションであるゲーム装置には、ゲームプログラム、データ等を記憶する記憶部、プレイヤーの操作を入力する入力ボタンを含むコントローラ等の入力部、ディスプレイ等の表示部、ゲームプログラムを実行し、前記ゲームプログラムを実行した結果を前記表示部に表示するように制御する制御部を備えることは自明である。

上記記載事項及び記載事項から自明な事項であるa-1.?a-4.及び引用例1の第14頁右下欄に図示されている図によれば、引用例1には、
「ゲームプログラム、データ等を記憶する記憶部、プレイヤーの操作を入力する入力ボタンを含むコントローラ等の入力部、ディスプレイ等の表示部、ゲームプログラムを実行し、前記ゲームプログラムを実行した結果を前記表示部に表示するように制御する制御部を備えたゲーム装置であって、
前記ゲームは、基本的に1日を単位として、設定された約2ヶ月間のなかで物語が進んでいき、プレイヤーはいくつかの行動や会話を選択しながら、いろいろな女の子と接していくゲームであり、また、すでに1度読んだ文章に限り、ゲーム中にL1ボタンを押すことで高速スキップすることができ、未読の文章や選択肢ではそこでストップするメッセージスキップができるゲーム装置。」
の発明(以下、「引用例1発明」という。)の記載が認められる。

原査定の拒絶理由に引用された、本願特許出願前に頒布された刊行物である特開平7-163754号公報(以下、「引用例2」という。)には、図面の図示とともに次の事項が記載されている。

b-1.「【請求項1】 モニタに表示されるキャラクタに動作指示を与える複数の操作部材と、該操作部材を操作することでゲームプログラムに従ってゲーム進行を行う制御部を備えたゲーム機において、ゲーム進行上必要な実況用語をそれぞれゲーム進行状況及び操作部材の操作内容に対応させて記憶する記憶手段と、ゲーム進行状況及び操作部材の操作内容に応じて対応する実況用語を指定する用語指定手段と、入力された実況用語を一時的に保持しつつ、その保持内容を可聴速度で音声に変換して出力する音声出力手段と、指定された実況用語を上記記憶手段から音声出力手段に転送する転送手段とを備えたことを特徴とする実況中継機能付きゲーム機。
【請求項2】 請求項1記載の実況中継機能付きゲーム機において、上記記憶手段は、ゲーム進行上必要な実況用語をアドレスと対応させて記憶する実況用語記憶部と、ゲーム進行状況及び操作部材の操作内容に対応する実況用語を上記実況用語記憶部のアドレスと該アドレス内の記憶内容を所定データ量ずつ分割転送するに要する転送回数とで関連付けて記憶する対照記憶部と、実況用語記憶部から読み出された実況用語が順次記憶可能なバッファとからなり、上記用語指定手段は、上記対照記憶部の対応するアドレスを用いて実況用語記憶部の実況用語を読み出して上記バッファに記憶するとともに、上記転送手段は、上記バッファに記憶された実況用語を上記転送回数だけ順次時分割で転送するものであることを特徴とする実況中継機能付きゲーム機。」

b-2.「【0012】
【実施例】図1は、本発明に係る実況中継機能付きゲーム機のブロック構成図を示す。1は操作レバーやスイッチ、あるいは釦等からなる操作部材で、操作内容は入出力ポート2を介してメインCPU3に入力されるようになっている。操作部材1の操作レバーはキャラクタの移動方向を主に指示するもので、スイッチ、釦はキャラクタに所要の動作を、例えば野球ゲームでは投球、送球、バットスイング等野球ゲームに必要な所要の動作を所要のタイミングで指示可能にするものである。また、この種のゲーム機は、周知のように操作部材1を用いてプレーヤが自由にチーム名や選手を選べるようなチーム作成ステップを有している。
【0013】メインCPU3は本ゲーム機全体の動作を統括的に制御するとともに、ゲームプログラムを記憶したROM31(図2参照)や処理データを一時的に保存するRAM32(図2参照)等を備えている。なお、ゲームプログラムが別体のゲームカセットの形で記憶されており、本ゲーム機のカセット装着部に着脱可能に装填してゲームを行うタイプの場合には上記ROMは特に必要ではない。」

b-3.「【0014】メモリ部4は、図2で詳細構造を説明するが、ゲーム進行上必要な実況用語をそれぞれゲーム進行状況及び操作部材1の操作内容に対応させて記憶しているものである。例えば野球ゲームの場合には、大別して、バッティング画面、守備画面、チェンジ画面及びゲームセット画面の4種類の画面が準備されている。そして、それぞれに画面において、ゲーム進行に応じた実況中継のための用語が対応して準備されている。
【0015】バッティング画面では、例えば、「変化球」、「ストレート」、「チェンジアップ」、「ストライク」、「ボール」、「ランナーありません」、「ランナー1塁」、「バッターアウト」、「1塁アウト」、「チェンジ」、「(チーム名)」、「打順」、「守備」、「選手名」、「背番号」等があり、これらを利用して、例えば「変化球、ストライク」、「1番、センター、新庄、背番号5」、「ストライク、バッターアウト、スリーアウト」等の実況が、後述するようにして行われる。
【0016】守備画面では、例えば、「打った」、「打ちました」、「捕りました」、「1塁へ」、「バックホーム」、「これは大きい」、「フェンス直撃」、「ホームラン」、「ヒット」、「2塁打」、「2ラン」、「抜けた」、「ナイスプレイ」、「先制の」、「ファール」等があり、これらを利用して、例えば「打った、これは大きい、先制の、ホームラン」、「捕りました、ナイスプレイ、バックホーム、アウト」等の実況が行われる。
【0017】チェンジ画面では、例えば、「(イニング数)の」、「裏」、「表」、「終わりまして」、「(チーム名)」、「無得点です」、「逆転です」等がある。
【0018】ゲームセット画面では、例えば、「ご覧の通り本日は」、「(チーム名)が」、「勝ちました」等がある。
【0019】また、同じ意味のもの、例えば上記で「打った」は逆転となるような場合とかランナーがいる場合に用い、それ以外の時には「打ちました」を用いるというように使い分けることで、より実況の雰囲気を出すことができる。同じように、同じ言葉を複数種類準備しておいて、状況によって好ましいテンションの方を用いるようにすることもできる。」

b-4.「【0020】メインCPU3はゲームの進行状況や操作部材1の操作内容に応じて合致可能な用語を順次指定するとともに、この指定用語データをパルス変調(PCM)し、かつ所要のデータ圧縮処理を施して後述のサウンドCPU5に転送するようにしている。・・・(略)・・・」

b-5.「【0022】図2は、メモリ部4とその周辺回路部の詳細な構成を示す図である。メモリ部4はゲーム進行上必要な実況用語をアドレスと対応させて記憶する実況用語記憶部41、ゲーム進行状況及び操作部材1の操作内容に対応する実況用語を上記実況用語記憶部41のアドレスと該アドレス内の記憶内容を所定データ量ずつ分割転送するに要する転送回数とで関連付けて記憶する対照記憶部42及び上記メインCPU3で指定された実況用語を指定の毎に順次記憶するバッファとから構成されている。
【0023】実況用語記憶部41は、所要のメモリ容量を有するROMで、所要アドレス分に対して実況用語がそれぞれデジタルの音声波形データの形で記憶されており、例えば、アドレス1?10には「ストライク」なる用語が、アドレス11?39には「バッターアウト」なる用語が、アドレス100?119には「スリーアウト」なる用語が順次記憶されている。対照記憶部42は、所要のメモリ容量を有するROMで、ゲーム進行状況及び操作部材1の操作内容という条件設定に対して、それぞれ先頭アドレスと割込数とが関連付けて記憶されている。この対照記憶部42内の割込数とはデータ転送の回数を意味するもので、例えば「ストライク」の音声波形データであれば10回の転送に分けて行うことを意味している。なお、実況用語記憶部41のメモリマップにおいて、各用語の記憶アドレス数は、説明の便宜上のものであって、割込数とは一般的に一致する必然性はない。本実施例では、1回の転送処理で転送量として80H(ほぼ128バイトに相当)を予定している。
【0024】また、上記条件設定とは、ゲーム進行状況や操作部材1の操作内容により得られるゲーム進行結果で、メインCPU3によって、例えば投球されたボールがストライクであれば実況用語記憶部41の「ストライク」(アドレス1,割込数10)が指定され、この場合に「ストライク」が3球目であれば「バッターアウト」(アドレス11,割込数29)が指定され、更にこの場合に、3人がアウトであれば「スリーアウト」(アドレス100,割込数20)が指定されるようになっている。RAMならなるバッファ43は指定された実況用語が、上記の例では「ストライク」、「バッターアウト」、「スリーアウト」の順番で取り込まれている。
【0025】そして、条件設定が確定する毎に、順次、実況用語が指定され、更にバッファ43に取り込まれ、メインCPU3はこの取り込まれた実況用語を取り込み順に逐次転送する。・・・(略)・・・」

上記摘記事項b-1.?b-5.及び図面の記載からみて、引用例2には、
「モニタに表示されるキャラクタに動作指示を与える操作レバーやスイッチ、あるいは釦等からなる複数の操作部材1と、該操作部材を操作することでゲームプログラムに従ってゲーム進行を行うメインCPU3である制御部を備えたゲーム機において、ゲーム進行上必要な実況用語をそれぞれゲーム進行状況及び操作部材1の操作内容に対応させて記憶するメモリ部4である記憶手段と、ゲーム進行状況及び操作部材1の操作内容に応じて対応する実況用語を指定する用語指定手段と、入力された実況用語を一時的に保持しつつ、その保持内容を可聴速度で音声に変換して出力する音声出力手段と、指定された実況用語を上記記憶手段から音声出力手段に転送する転送手段とを備え、
上記記憶手段は、ゲーム進行上必要な実況用語をアドレスと対応させて記憶する実況用語記憶部41と、ゲーム進行状況及び操作部材の操作内容に対応する実況用語を上記実況用語記憶部のアドレスと該アドレス内の記憶内容を所定データ量ずつ分割転送するに要する転送回数とで関連付けて記憶する対照記憶部42と、実況用語記憶部から読み出された実況用語が順次記憶可能なバッファ43とからなり、上記用語指定手段は、上記対照記憶部の対応するアドレスを用いて実況用語記憶部の実況用語を読み出して上記バッファに記憶するとともに、上記転送手段は、上記バッファに記憶された実況用語を上記転送回数だけ順次時分割で転送する実況中継機能付きゲーム機。」
の発明(以下、「引用例2発明」という。)の記載が認められる。


5.対比

本願発明と引用例1発明とを対比する。

引用例1発明の「ゲームプログラム、データ等を記憶する記憶部」が、本願発明の「記憶部」に相当する。

引用例1発明の「プレイヤー」が、本願発明の「プレーヤ」に相当する。

引用例1発明の「プレイヤーの操作を入力する入力ボタンを含むコントローラ等の入力部」が、本願発明の「プレーヤの操作を入力する入力部」に相当する。

引用例1発明の「ディスプレイ等の表示部」が、本願発明の「表示部」に相当する。

引用例1発明では、メッセージスキップにより「すでに1度読んだ文章に限り、ゲーム中にL1ボタンを押すことで高速スキップできる」ので、L1ボタンを押すことにより高速スキップすると、既に表示部に表示されている文章の次にスキップの対象となっていない文章が表示されることになる。一方、本願発明の「変化後セリフ」は、「入力部がプレーヤの操作が行われたと検出した場合、プレーヤの操作が行われた時に表示されていた変化前セリフに対応した変化後セリフを、次に表示予定の変化前セリフに代えて前記表示部に表示する」ものである。
そうすると、引用例1発明の、既に表示部に表示されている文章やスキップされた文章は、本願発明の「変化前セリフ」に対応する構成であるといえ、引用例1発明のスキップの対象となっていない文章が、本願発明の「変化後セリフ」に対応する構成であるといえる。

そして、引用例1発明の、L1ボタンを押すことにより高速スキップする際に、既に表示部に表示されている文章が、本願発明の「前記表示部に変化前セリフが順次表示されている際に、前記入力部がプレーヤの操作が行われたと検出した場合、プレーヤの操作が行われた時に表示されていた変化前セリフ」に対応する構成であるといえ、引用例1発明の、既に表示部に表示されている文章に続いて、スキップの対象となっていない次に表示される文章が、本願発明の「プレーヤの操作が行われた時に表示されていた変化前セリフに対応した変化後セリフ」に対応する構成であるといえ、引用例1発明のL1ボタンにより高速スキップされた文章が、本願発明の「次に表示予定の変化前セリフ」に対応する構成であるといえる。

また、引用例1発明の「文章」は、ゲームプログラムに用いるデータであり、記憶部に記憶することは自明であるので、引用例1発明の記憶部と、本願発明の「キャラクターのセリフを複数の位置で区切った複数の変化前セリフと、前記複数の変化前セリフそれぞれに対応した変化後セリフと、を記憶した記憶部」とはともに、「キャラクターのセリフである変化前セリフと、前記変化前セリフに対応した変化後セリフと、を記憶した記憶部」の点で一致する。

また、引用例1発明の「文章」は、表示部に表示するものなので、引用例1発明は、本願発明と同様に「変化前セリフ又は変化後セリフを順次表示を行う表示部」の構成を備えているといえる。

したがって、本願発明と引用例1発明の両者は、
「キャラクターのセリフである変化前セリフと、前記変化前セリフに対応した変化後セリフと、を記憶した記憶部と、プレーヤの操作を入力する入力部と、前記変化前セリフ又は変化後セリフを順次表示を行う表示部と、前記表示部に変化前セリフが順次表示されている際に、前記入力部がプレーヤの操作が行われたと検出した場合、プレーヤの操作が行われた時に表示されていた変化前セリフに対応した変化後セリフを、次に表示予定の変化前セリフに代えて前記表示部に表示するように制御する制御部と、を備えたゲーム装置。」
の点で一致し、次の点で相違する。

相違点1:記憶部に記憶され、キャラクターのセリフである変化前セリフ及び変化前に対応する変化後セリフが、本願発明では、セリフを複数の位置で区切った複数の変化前セリフ及び前記複数の変化前それぞれに対応した変化後セリフであるのに対して、引用例1発明では、そのような限定がない点。


6.判断

相違点1について
引用例2発明は、本願発明や引用例1発明と同じゲーム装置の技術分野に属する発明であって、ゲームの進行状況及び操作部材の操作に応じて、記憶手段に記憶されたゲーム進行上必要な実況用語を用語指定手段により指定し、指定された実況用語を音声に変換して音声手段により出力し、実況を行うものであり、具体的には、記憶されている実況用語としては、例えば、「変化球」、「ストレート」、「チェンジアップ」、「ストライク」、「ボール」、「ランナーありません」、「ランナー一塁」、「バッタアウト」、「1塁アウト」、「チェンジ」、「(チーム名)」、「打順」、「守備」、「選手名」、「背番号」等があり、実際に出力される実況は、例えば、「変化球、ストライク」、「1番、センター、新庄、背番号5」、「ストライク、バッターアウト、スリーアウト」等がある(引用例2の摘記事項b-3.を参照)。
そうすると、引用例2発明の実況用語が組み合わされて実況を構成しているので、引用例2発明の実況が、本願発明の「セリフ」に相当するものであり、引用例2発明の実況用語が、本願発明の、「セリフを複数の位置で区切った複数」の「セリフ」に相当するものといえる。
そうすると、引用例2には、ゲーム装置において、1つのセリフを複数の位置で区切った複数のセリフを記憶する記憶部を備える発明が開示されているといえ、前記引用例2発明を引用例1発明に適用して、本願発明の相違点1に係る発明の発明特定事項を得ることは当業者が容易になし得る事項にすぎない。

そして、本願発明の効果は、引用例1発明及び引用例2発明から当業者が予測できる範囲内のものである。

したがって、本願発明は、引用例1発明及び引用例2発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。


7.まとめ

以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明及び引用例2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-08-22 
結審通知日 2007-08-28 
審決日 2007-09-11 
出願番号 特願2000-274341(P2000-274341)
審決分類 P 1 8・ 561- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 植野 孝郎  
特許庁審判長 末政 清滋
特許庁審判官 森口 良子
森内 正明
発明の名称 ゲーム装置  

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