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審決分類 |
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 D04B 審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 特許、登録しない。 D04B 審判 査定不服 4項3号特許請求の範囲における誤記の訂正 特許、登録しない。 D04B 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 D04B 審判 査定不服 4項1号請求項の削除 特許、登録しない。 D04B 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 D04B |
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管理番号 | 1166984 |
審判番号 | 不服2004-25315 |
総通号数 | 96 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2007-12-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-11-11 |
確定日 | 2007-11-02 |
事件の表示 | 特願2001-118905「ミニアフガン編み」拒絶査定不服審判事件〔平成14年9月18日出願公開、特開2002-266205〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成13年3月12日の出願であって、その手続の経緯は、以下のとおりである。 ・平成14年3月7日(差出日平成14年3月8日)に手続補正書を提出 ・平成16年4月6日付けで拒絶理由を通知 ・平成16年9月30日付けで拒絶査定 ・平成16年11月11日に拒絶査定に対する審判請求 ・平成16年12月10日に意見書及び手続補正書を提出 ・平成19年4月12日付けで審尋 ・平成19年5月15日に回答書を提出 第2 平成16年12月10日付けの手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成16年12月10日付けの手続補正を却下する。 [補正の却下の決定の理由] 1 補正の内容 平成16年12月10日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、本件補正前の特許請求の範囲に 「【請求項1】 レース糸や夏糸、毛糸で編む手編みの中でもアフガン編みの新しい編み方の発明である。 【請求項2】 それを商品化するにあたっての発明である。」 とあるのを、 「【請求項1】 アフガン編みの配色編みを、全く糸替えせずにできる(縦縞、菱形模様)や毎段糸替えしなくてもできる(チェック、格子、レンガ模様)の編み方 【請求項2】 アフガン編みで円の中心から外側にむかって編む円編みの編み方」 と補正することを含むものである。 2 補正の適否 はじめに、上記補正のうちの請求項1についてした補正について検討する。 本件補正により、請求項1に、アフガン編みの配色編みが「全く糸替えせずにできる」こと及び「毎段糸替えしなくてもできる」ことが追加されたが、このような事項は、願書に最初に添付した明細書又は図面に何ら記載されていないものである。 さらに、請求項1において、補正前に「レース糸や夏糸、毛糸で編む手編み」のアフガン編みと特定されていたものを、「レース糸や夏糸、毛糸で編む手編み」という特定を削除することは、「レース糸や夏糸、毛糸」を使わない場合や「手編み」でない場合(機械編みなど)が含まれるようにするものであるから、このような補正は、「請求項の削除」、「特許請求の範囲の減縮」、「誤記の訂正」及び「明りょうでない記載の釈明」のいずれにも該当しない。 そうすると、本件補正のうち、請求項1についてした補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第3項及び第4項各号に規定する要件を満たさないものである。 次に、上記補正のうちの請求項2についてした補正について検討する。 本件補正により、請求項2に、「アフガン編みで円の中心から外側にむかって編む円編み」の編み方であることが追加されたが、このような事項は、願書に最初に添付した明細書又は図面に何ら記載されていないものである。 さらに、請求項2において、補正前の「それを商品化するにあたっての発明」を、「アフガン編みで円の中心から外側にむかって編む円編みの編み方」とすることは、補正前と補正後で特許を受けようとする発明の対象を異にするもので、実質上特許請求の範囲を変更するものであるから、このような補正は、「請求項の削除」、「特許請求の範囲の減縮」、「誤記の訂正」及び「明りょうでない記載の釈明」のいずれにも該当しない。 そうすると、本件補正のうち、請求項2についてした補正も、平成18年改正前特許法第17条の2第3項及び第4項各号に規定する要件を満たさないものである。 3 むすび 以上のとおり、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第3項及び第4項各号に規定する要件を満たさないものであるから、その余のことを検討するまでもなく、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 平成16年12月10日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願発明は、平成14年3月7日付けの手続補正書(差立日平成14年3月8日)により補正された明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?2に記載された事項により特定される下記のものである。 「【請求項1】 レース糸や夏糸、毛糸で編む手編みの中でもアフガン編みの新しい編み方の発明である。 【請求項2】 それを商品化するにあたっての発明である。」 第4 原査定の理由の概要 原査定の理由は、以下の内容を含むものである。 「3.この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 ・・・ 請求項1には「アフガン編みの新しい編み方」との記載があるが、特許請求の範囲には、「新しい編み方」の具体的内容が記載されてないため、通常のアフガン編みと比較して、どの点で「新しい」のか理解できず、発明の範囲が不明確となっている。 ・・・ また、請求項2に記載の「商品化する」こととは、具体的にどのようなことを示すのか理解できず、発明の範囲が不明確となっている。 さらに、請求項2は、請求項1を引用しておらず、請求項2に記載の「それ」とは何を示すのか不明であり、発明の範囲が不明確となっている。」 第5 当審の判断 1 請求項1について 請求項1において、「アフガン編みの新しい編み方」と規定されているが、請求項1には、「新しい編み方」の具体的内容が記載されていない。さらに、通常のアフガン編みと比較して、どの点が「新しい」のかも、何ら明確でない。 なお、明細書の発明の詳細な説明の段落【0005】には、「以下本発明の実施の形態について説明する。」と記載され、さらに、 「◆その1)アフガン編みを普通のかぎ針を使用して少ない目数で編む。 (3?15目程度を基準とする。) ループ状に編みこれを織る、はる、つなぐ等の方法で作品を作る。 [織る]・・・ループ状に編んだのを縦横に織り合わせたり他の素材とを織りあわせたりする。 [はる場合]・・・布シール、両面テープ、接着剤などを利用してはる。 [つなぐ場合]従来よりある色々な技法を利用してつなぎ、作品を作る。 組合せとしては同じ目数どうしをつなぐ(図1) 異なった目数のものをつなぐ。(図2) また直線のループ編みだけでなく丸、三角、四角、五角、六角等のモチーフをつなぐ場合もある。(ちろんミニアフガン編みで編んだモチーフである。) [つなぎ方]の例を何通りか説明する。 イ)とじ針を利用して・・・巻きかがりする。 表を上にしてとじる方法と裏側を上にしてとじる方法がある。(刺しゅうのステッチ風につなぐ事も可) ロ)かぎ針を利用して・・・交互に引抜きつなぐ。交互に引抜き1鎖1でつなぐ 交互に引抜き1鎖2でつなぐ等のほかにも色々ある。 帯状に編んだまわりを鎖で編み鎖どおしをつなぐ。 ◆その2)1列目はAで編み、目的の作品の寸法を決め2列目以降たちあがりをつけ前列の端目とつなぎながら編む。Aとは最初に決めた編目の数である。 この場合裏表と交互に編む場合と表目だけをいかすため1列目の終わりで糸を切り2列目の編みはじめは1列目の編みはじめと同じ方向にもっていきたちあがりをつけて編む場合がある。(図3-イ、ロ) 縦、横、同じ出来上がり寸法でも目数と段数の違いによりチェックや格子編み等1マスの大きさが違ってくる。(図3-イ、ロ、ハ、ニ) これもこの編み方の大きな特徴である。 (図3-イ、ロ)は連続編み(ハ、ニ)は1列ずつの編みつないだものである。 従来の手編みの編み出しや縁取りにも利用できる。(機械編みの縁取りも可)又編みぐるみのほとんどは細編みで作られているが、この方法を利用することもできる。特に細かい(手、足の部分に最適である。)」 との記載があるが、当該記載を参酌しても、請求項1における「新しい編み方」とは、具体的にどのような編み方のことを指すのかは、何ら明確ではない。 したがって、特許を受けようとする発明が明確ではない。 2 請求項2について 請求項2において、「それ」とは何を示すのか明確でないし、「商品化する」こととは、具体的に何を行うことを意味しているのかは、何ら明確でない。 なお、明細書の発明の詳細な説明の段落【0005】には、「以下本発明の実施の形態について説明する。」と記載され、さらに、 「◆ 請求項2に於いてはループ編みを内職扱いにし作品は経験のあるスタッフが作る。それにより質のよい商品を作る事ができる。 又このループ編みをそのまま商品として販売する。つまりリボンの切り売りと同じである。途中でカットすることができるのである。 消費者が好みの目数や色、長さ、素材を選んで自分で作りたいのを作ることができる。それに専門のスタッフやデザイナーが作品を作る時間の短縮にもなる。 アクセサリー用にビーズを刺しゅうしたり、くっつけたりして利用する事もできる。」 との記載があるが、当該記載を参酌しても、請求項2における「商品化する」こととは、具体的に何を行うことを意味しているのかは、何ら明確ではない。 したがって、特許を受けようとする発明が明確ではない。 第6 むすび 以上のとおり、この出願の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-08-21 |
結審通知日 | 2007-08-28 |
審決日 | 2007-09-11 |
出願番号 | 特願2001-118905(P2001-118905) |
審決分類 |
P
1
8・
572-
Z
(D04B)
P 1 8・ 574- Z (D04B) P 1 8・ 573- Z (D04B) P 1 8・ 571- Z (D04B) P 1 8・ 537- Z (D04B) P 1 8・ 561- Z (D04B) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 馳平 裕美、穴吹 智子 |
特許庁審判長 |
柳 和子 |
特許庁審判官 |
安藤 達也 鈴木 紀子 |
発明の名称 | ミニアフガン編み |