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審決分類 |
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A01N 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A01N |
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管理番号 | 1167007 |
審判番号 | 不服2006-5666 |
総通号数 | 96 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2007-12-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2006-03-28 |
確定日 | 2007-11-02 |
事件の表示 | 平成8年特許願第269277号「粒状除草組成物」拒絶査定不服審判事件〔平成9年6月3日出願公開、特開平9-143015〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成8年9月18日(特許法第41条に基づく優先権主張 平成7年9月21日)の出願であって、その手続の経緯は、以下のとおりである。 ・平成17年11月24日付けで拒絶理由を通知 ・平成18年1月27日に意見書及び手続補正書を提出 ・平成18年2月20日付けで拒絶査定 ・平成18年3月28日に拒絶査定に対する審判請求 ・平成18年4月27日に手続補正書を提出 ・平成19年2月5日付けで補正の却下の決定 (平成18年4月27日付けの手続補正を却下) ・平成19年2月5日付けで拒絶理由を通知(最後の拒絶理由通知) ・平成19年3月9日に手続補正書を提出 第2 平成19年3月9日付けの手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成19年3月9日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1 補正の内容 平成19年3月9日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に 「除草活性成分としての1-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-3-(3-トリフルオロメチル-2-ピリジルスルホニル)ウレア又はその塩を0.02?1.0重量部、ジアルキルスルホコハク酸塩及び安息香酸塩より成る群から選ばれた少なくとも1種の安定化剤を0.1?10.0重量部含有し、残分の主成分が担体であり、16?100メッシュ(1000?150μm)の粒度を有する粒状除草組成物。」 とあるのを、 「除草活性成分としての1-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-3-(3-トリフルオロメチル-2-ピリジルスルホニル)ウレア又はその塩を0.02?1.0重量部、ジアルキルスルホコハク酸塩及び安息香酸塩より成る群から選ばれた少なくとも1種の安定化剤を0.1?10.0重量部含有し、残分の主成分がベントナイト、タルク及びクレーより成る群から選ばれた少なくとも1種の担体であり、22?83メッシュ(710?180μm)の粒度を有する粒状除草組成物。」 と補正することを含むものである。 2 補正の適否 上記補正は、発明を特定するために必要な事項である「担体」及び「16?100メッシュ(1000?150μm)の粒度を有する」を、それぞれ「ベントナイト、タルク及びクレーより成る群から選ばれた少なくとも1種の担体」及び「22?83メッシュ(710?180μm)の粒度を有する」と限定するものであるから、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立として特許を受けることができるものであるかについて以下に検討する。 (1) 刊行物及び記載事項 刊行物1:特開平5-70313号公報 刊行物2:特開平4-235106号公報 刊行物3:住友化学,1982-II,3-19ページ,「農薬製剤-現状と最近の動向-」(辻孝三,岡本幸和,前田尚良,住友化学工業株式会社,1982年11月20日発行) ア 刊行物1記載事項 <1-1> 【特許請求の範囲】の【請求項1】 「【請求項1】 1-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-3-(3-トリフルオロメチル-2-ピリジルスルホニル)ウレア又はその塩と、N-(ホスホノメチル)グリシン及びその塩、1,1’-ジメチル-4,4’-ビピリジニウムイオン及びその塩並びに1,1’-エチレン-2,2’-ビピリジリウムイオン及びその塩から成る群より選ばれた少なくとも1種とを有効成分として含有することを特徴とする除草組成物。」 <1-2> 発明の詳細な説明 段落【0001】 「【産業状の利用分野】本発明は、1-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-3-(3-トリフルオロメチル-2-ピリジルスルホニル)ウレア(以下化合物Aと略す)又はその塩と、N-(ホスホノメチル)グリシン(以下化合物Bと略す)及びその塩、1,1’-ジメチル-4,4’-ビピリジニウムイオン(以下化合物Cと略す)及びその塩並びに1,1’-エチレン-2,2’-ビピリジリウムイオン(以下化合物Dと略す)及びその塩から成る群より選ばれた少なくとも1種とを有効成分として含有することを特徴とする除草組成物に関するものである。」 <1-3> 発明の詳細な説明 段落【0009】 「本発明の除草組成物は、化合物A又はその塩と他の特定の除草性化合物とを通常の農薬の製剤方法に準じて各種補助剤と配合し、水和剤、懸濁剤、顆粒水和剤、粒剤、粉剤、水溶剤、液剤などの形態に製剤して調製されるが、その際化合物A又はその塩と他の特定の除草性化合物とを一緒に混合、製剤しても或いは別々に製剤してそれらを混合してもよい。」 <1-4> 発明の詳細な説明 段落【0010】 「前記補助剤としては、珪藻土、消石灰、炭酸カルシウム、滑石、ホワイトカーボン、カオリン、ベントナイト、ジークライト、水溶性デンプン、炭酸ナトリウム、重曹、芒硝などの固形担体;エチレングリコール、プロピレングリコールなどの凍結防止剤;アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリカルボン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジグリコールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール燐酸エステル塩、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、スチリルフェニル燐酸塩、ナフタレンスルホン酸塩とホルマリンの縮合物などの展着剤や界面活性剤;・・・などが挙げられる。前記補助剤は必要に応じて混合してもよい。」 <1-5> 発明の詳細な説明 段落【0011】 「【実施例】次に本発明の除草組成物の製剤例を記載するが製剤例はこれらのみに限定されるものではない。」 <1-6> 発明の詳細な説明 段落【0018】 「製剤例8 (1) 化合物Bのイソプロピルアミン塩 2 重量部 (一般名:グリホサート-イソプロピルアミン塩) (2) 化合物A 0.2 重量部 (3) 炭酸カルシウム(微粒) 92.8 重量部 (4) ネオコールYSK(第一工業製薬製) 1 重量部 (5) ノイゲンEA-92(第一工業製薬製) 2 重量部 (6) ホワイトカーボン 2 重量部 以上の各成分を混合して粒剤が得られる。」 イ 刊行物2記載事項 <2-1> 発明の詳細な説明 段落【0020】 「製剤例8 (1) 化合物BのDL体のアンモニウム塩 2 重量部 (2) 化合物A 0.2 重量部 (3) 炭酸カルシウム(微粒) 92.8 重量部 (4) ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム (ネオコールYSK:第一工業製薬製) 1 重量部 (5) ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル (ノイゲンEA-92:第一工業製薬製) 2 重量部 (6) ホワイトカーボン 2 重量部 以上の各成分を混合して粒剤が得られる。」 ウ 刊行物3記載事項 <3-1> 4ページ 第1表 農薬製剤の分類 固形剤のうち、剤形が「粒剤」のものは、希釈媒体が「鉱物質担体」、形態が「細粒(48?10mesh 297?1680μ)」、主な組成が「鉱物質担体+有効成分(+結合剤)」、施用法が「そのまま手あるいは散粒機でまく」であることが記載されている。 <3-2> 6ページ 第6表 農薬製剤に用いられる担体 鉱物質粉末では、「CaCO3 」、「滑石(talc)」、「montmorillonite(ベントナイト,酸性白土)」などが、合成品では「含水ケイ酸(ホワイトカーボン)」などが、一般に用いられる担体であることが記載されている。 (2) 刊行物1に記載された発明について 刊行物1には、摘記<1-1>のとおり「1-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-3-(3-トリフルオロメチル-2-ピリジルスルホニル)ウレア又はその塩と、N-(ホスホノメチル)グリシン及びその塩、1,1’-ジメチル-4,4’-ビピリジニウムイオン及びその塩並びに1,1’-エチレン-2,2’-ビピリジリウムイオン及びその塩から成る群より選ばれた少なくとも1種とを有効成分として含有することを特徴とする除草組成物」が記載されている。 この除草組成物は、摘記<1-3>及び<1-6>のとおり「通常の農薬の製剤方法に準じて各種補助剤と配合し・・粒剤・・の形態に製剤して調製されるもの」であって、さらに、摘記<1-4>には、製剤に際して配合する各種補助剤について具体的に記載されている。 ところで、摘記<1-4>には、製剤に際して配合する各種補助剤のうち「固形担体」として炭酸カルシウムを用いることが記載されており、そして、製剤例8で用いられている「炭酸カルシウム(微粒)」は、「固形担体」として用いられたものではないとする事情も見いだせないことから、製剤例8で得られた粒剤において成分の92.8重量%を占める「炭酸カルシウム(微粒)」は、「固形担体」であるということができる。 また、摘記<1-1>及び<1-2>から明らかなように、刊行物1に記載された発明は、特定の化合物を有効成分として用いたことを特徴としているのであって、特徴的成分ではない固形担体については、摘記<1-4>に記載されている固形担体が基本的に同等に用いられるものであるといえる。 そして、摘記<1-4>には、「固形担体」として、炭酸カルシウムと同様に滑石やベントナイトも用いることができる旨が記載されているし、農薬製剤に用いられる担体として滑石やベントナイトは周知慣用(摘記<3-2>)のものである。 さらに、摘記<1-5>には、「【実施例】次に本発明の除草組成物の製剤例を記載するが製剤例はこれらのみに限定されるものではない。」と記載されているところである。 以上、刊行物1の摘記<1-1>?<1-6>の記載からすれば、少なくとも、その製剤例8で記載された製剤例において、固形担体として炭酸カルシウム(微粉)を滑石やベントナイトに置き換えたものについても記載されていると等しいということができるから、刊行物1には、 「 (1) 化合物Bのイソプロピルアミン塩 2 重量部 (一般名:グリホサート-イソプロピルアミン塩) (2) 化合物A 0.2 重量部 (3) 滑石又はベントナイト 92.8 重量部 (4) ネオコールYSK(第一工業製薬製) 1 重量部 (5) ノイゲンEA-92(第一工業製薬製) 2 重量部 (6) ホワイトカーボン 2 重量部 以上の各成分を混合して得られる粒剤である除草組成物。」 についての発明(以下、「刊行物1発明」という。)も記載されているといえる。 ここで、刊行物1発明において、「化合物A」は「1-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-3-(3-トリフルオロメチル-2-ピリジルスルホニル)ウレア」(摘記<1-2>)であり、「ネオコールYSK(第一工業製薬製)」はジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(摘記<2-1>)であり、また、「滑石」が「タルク」であることは、摘記<3-2>にも記載されているし、当業者に周知の事項である。 (3) 対比 そこで、本願補正発明と刊行物1発明とを対比する。 本願補正発明の「1-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-3-(3-トリフルオロメチル-2-ピリジルスルホニル)ウレア」、「ジアルキルスルホコハク酸塩」、「ベントナイト、タルク及びクレーより成る群から選ばれた少なくとも1種の担体」及び「粒状」は、それぞれ刊行物1発明の「化合物A」、「ネオコールYSK」、「滑石又はベントナイト」及び「粒剤」に相当するものである。 さらに、刊行物1発明では、化合物Aが0.2重量部、ネオコールYSKが1重量部、滑石又はベントナイトが92.8重量部用いられているところ、「化合物A」及び「ネオコールYSK」の含有量はそれぞれ本願補正発明で定められた含有量の範囲内にあるものであるし、滑石又はベントナイトの含有量についても「残分の主成分」を占めるものということができる。 したがって、両者は、 「除草活性成分としての1-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-3-(3-トリフルオロメチル-2-ピリジルスルホニル)ウレア又はその塩を0.2重量部、ジアルキルスルホコハク酸塩を1重量部含有し、残分の主成分がベントナイト又はタルクである担体である、粒状除草組成物。」 で一致する。 そして、 ・粒状除草組成物の粒度について、本願補正発明においては「22?83メッシュ(710?180μm)」と規定しているのに対して、刊行物1発明においては「粒剤」と記載されているものの、その粒度について特に明らかにされていない点(以下、「相違点1」という。)、 ・粒状除草組成物の組成について、刊行物1発明においては「ノイゲンEA-92(第一工業製薬製)」、「化合物Bのイソプロピルアミン塩(一般名:グリホサート-イソプロピルアミン塩)」及び「ホワイトカーボン」をさらに含有している点(以下、「相違点2」という。)、 で相違する。 (4) 相違点についての検討・判断 相違点1について検討すると、農薬製剤において「粒剤」とは、通常10?48mesh(メッシュ)の粒度を有する(摘記<3-1>)形態のことであるから、粒剤である刊行物1発明の粒度も10?48メッシュの粒度を有するものと認められるので、相違点1は実質的に相違点とはいえないものである。 相違点2について検討すると、刊行物1発明の「ノイゲンEA-92(第一工業製薬製)」は、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(摘記<2-1>)であって、本願補正発明で必要に応じて含有される「各種補助剤」(本願明細書段落【0009】中で、非イオン系の界面活性剤としてあげられるポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルに包含される)であり、「化合物Bのイソプロピルアミン塩(一般名:グリホサート-イソプロピルアミン塩)」は、本願補正発明で含有してもよい「他の除草活性成分」(本願明細書段落【0015】)であり、「ホワイトカーボン」は、本願補正発明で必要に応じて含有される各種補助剤(本願明細書段落【0009】の吸油剤としてあげられる成分である二酸化ケイ素などに包含される)である。そして、それらの配合量は、いずれも本願明細書中で規定される各配合量範囲内のものといえるので、相違点2も実質的に相違点とはいえないものである。 そうすると、本願補正発明は、刊行物1に記載された発明といえる。 (5) 補正の適否についてのまとめ したがって、本願補正発明は、本願の優先権主張の日前に日本国内において頒布された刊行物1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 むすび 以上のとおり、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではないので、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反し、その余のことを検討するまでもなく、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 平成19年3月9日付けの手続補正は、上記のとおり却下され、また、平成18年4月27日付けの手続補正も平成19年2月5日付けで却下されているので、本願発明は、平成18年1月27日付けの手続補正書により補正された明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定される下記のものである(以下、それぞれ、「本願発明1」?「本願発明4」という。)。 「【請求項1】除草活性成分としての1-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-3-(3-トリフルオロメチル-2-ピリジルスルホニル)ウレア又はその塩を0.02?1.0重量部、ジアルキルスルホコハク酸塩及び安息香酸塩より成る群から選ばれた少なくとも1種の安定化剤を0.1?10.0重量部含有し、残分の主成分が担体であり、16?100メッシュ(1000?150μm)の粒度を有する粒状除草組成物。 【請求項2】粒状除草組成物が、界面活性剤、結合剤、吸油剤、溶剤及び有機酸より成る群から選ばれた少なくとも1種の各種補助剤を総量として0.1?80.0重量部さらに含有する、前記請求項1に記載の粒状除草組成物。 【請求項3】粒状除草組成物が、他の除草活性成分を0.01?30.0重量部さらに含有する、前記請求項1に記載の粒状除草組成物。 【請求項4】粒状除草組成物が、界面活性剤、結合剤、吸油剤、溶剤及び有機酸より成る群から選ばれた少なくとも1種の各種補助剤を総量として0.1?80.0重量部、他の除草活性成分を0.01?30.0重量部さらに含有する、前記請求項1に記載の粒状除草組成物。」 第4 当審における拒絶理由の概要 当審において、平成19年2月5日付けの拒絶理由通知書で、以下の内容を含む拒絶理由が通知された。 (1)本願発明1?4は、刊行物1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当するので特許を受けることができない。 記 刊行物1:特開平5-70313号公報 刊行物2:特開平4-235106号公報 刊行物3:住友化学,1982-II,3-19ページ,「農薬製剤-現状と最近の動向-」(辻孝三,岡本幸和,前田尚良,住友化学工業株式会社,1982年11月20日発行) ここで、上記刊行物1?3は、上記「第2」において引用された刊行物1?3にそれぞれ対応するものであって、その記載事項は、上記「第2」に示したとおりである。 第5 当審の判断 1 本願発明1について 本願発明1は、「担体」の種類を何ら特定していないものであって、上記第2における本願補正発明を包含する発明であるところ、本願補正発明が、刊行物1に記載された発明であることは、上記「第2」において示したとおりであるから、これを包含する本願発明1は、同様の理由で、本願の優先権主張の日前に日本国内において頒布された刊行物1に記載された発明である。 2 本願発明2?4について 本願発明2?4は、本願発明1の粒状除草組成物が、所定の各種補助剤の少なくとも1種や他の除草活性成分を、それぞれ所定量さらに含有するものであることを特定したものである。 しかしながら、刊行物1発明において配合される「ノイゲンEA-92(第一工業製薬製)」及び「ホワイトカーボン」が、「各種補助剤」であること、「化合物Bのイソプロピルアミン塩(一般名:グリホサート-イソプロピルアミン塩)」が「他の除草活性成分」であることは、上記「第2」において示したとおりであって、さらに、それらの配合量も、本願発明2?4で規定される配合量範囲内のものである。 その余の点については、本願発明1についての理由と同様である。 したがって、本願発明2?4も、本願の優先権主張の日前に日本国内において頒布された刊行物1に記載された発明である。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明1?4は、本願の優先権の主張の日前に日本国内において頒布された刊行物1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-08-23 |
結審通知日 | 2007-08-28 |
審決日 | 2007-09-11 |
出願番号 | 特願平8-269277 |
審決分類 |
P
1
8・
575-
WZ
(A01N)
P 1 8・ 113- WZ (A01N) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 藤原 浩子、太田 千香子、山田 泰之 |
特許庁審判長 |
西川 和子 |
特許庁審判官 |
井上 彌一 安藤 達也 |
発明の名称 | 粒状除草組成物 |