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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する G03G
審判 訂正 特120条の4、2項訂正請求(平成8年1月1日以降) 訂正する G03G
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する G03G
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する G03G
管理番号 1167899
審判番号 訂正2007-390104  
総通号数 97 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-01-25 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2007-09-11 
確定日 2007-11-03 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2087119号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第2087119号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1.請求の要旨
本件審判の請求の要旨は、特許第2087119号(平成1年2月14日出願(優先権主張昭和63年2月18日、日本国)、平成8年9月2日設定登録)の明細書(以下「本件明細書」という)を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、下記(1)ないし(3)のとおり訂正することを求めるものである。

(1)訂正事項a
本件明細書の特許請求の範囲の請求項2の
「熱可塑性樹脂(A)が、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエステル共重合体、ポリエーテルアミド共重合体、ポリウレタン、ポリオレフィン共重合体、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニール、塩化ビニール共重合体、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォンおよび熱可塑性フッ素樹脂の群から選ばれる少なくとも1種以上である請求項1記載の制電性エンドレスベルト。」

「熱可塑性樹脂(A)が、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエステル共重合体、ポリウレタン、ポリオレフィン共重合体、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニール、塩化ビニール共重合体、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォンおよび熱可塑性フッ素樹脂の群から選ばれる少なくとも1種以上である請求項1記載の制電性エンドレスベルト。」
と訂正する(下線は訂正箇所を示す)。

(2)訂正事項b
本件明細書の第8頁第9行目(特公平8-7505号公報(以下「特許公報」という)第2頁右欄第50行目から第3頁左欄第1行目)の「ポリエーテルアミド共重合体、」を削除する。

(3)訂正事項c
本件明細書の第10頁第9行目から第10行目、同頁第16行目から第17行目、及び第11頁第7行目(特許公報第3頁左欄第26行目から第27行目、同頁同欄第32行目、及び同頁同欄第41行目)の「ポリエーテルエステル共重合体」を各々「ポリエーテルエステルアミド共重合体」に訂正する。

2.当審の判断
(1)訂正事項aについて
訂正事項aに係る訂正は、特許請求の範囲の請求項2において、熱可塑性樹脂(A)として選択的に列挙されている「ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエステル共重合体、ポリエーテルアミド共重合体、ポリウレタン、ポリオレフィン共重合体、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニール、塩化ビニール共重合体、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォンおよび熱可塑性フッ素樹脂の群から選ばれる少なくとも1種以上である」から「ポリエーテルアミド共重合体」を削除するものであり、請求項1における熱可塑性樹脂(A)とポリエーテルアミド(B)が異なるものであることを明確にするものである。よって、当該訂正は、本件明細書に記載した事項の範囲内であって、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
そして、当該訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(2)訂正事項bについて
訂正事項bに係る訂正は、本件明細書の発明の詳細な説明の記載を、特許請求の範囲の第2項の記載に整合させるものである。よって、訂正事項bに係る訂正は、本件明細書に記載した事項の範囲内であって、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
そして、当該訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)訂正事項cについて
訂正事項cに係る訂正箇所の文脈から判断すると、当該訂正箇所の「ポリエーテルエステル共重合体」が、特許請求の範囲の請求項1の「ポリエーテルエステルアミド」を指すことは明らかである。そして、本件明細書の第8頁第16行目から第9頁第5行目(特許公報第3頁左欄第7行目から同頁同欄第15行目)には、「本発明においてポリエーテルエステルアミドとは、・・(中略)・・から誘導された共重合体である。」と記載されている。したがって、訂正事項cに係る訂正箇所の「ポリエーテルエステル共重合体」は、本来「ポリエーテルエステルアミド共重合体」と記載されるべきところを、誤って記載されたものであることは明らかである。
よって、訂正事項cに係る訂正は、本件明細書に記載した事項の範囲内であって、誤記の訂正を目的とするものである。
そして、当該訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(4)独立特許要件について
訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により構成される発明について拒絶をすべき理由を発見しない。よって、当該発明は特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。

3.むすび
したがって、本件審判請求が求める訂正は、平成6年改正前特許法第126条第1項乃至第3項の規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
制電性エンドレスベルト
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】熱可塑性樹脂(A)98?75重量%に、ポリエーテルエステルアミドまたはポリエーテルアミド(B)2?20重量%およびスルフォン酸金属塩0?3重量%を配合してなる熱可塑性樹脂フィルムまたはシート状物からなり、かつ該フィルムまたはシート状物の体積固有抵抗が1×1010?1×1014Ωcmの範囲にあることを特徴とする制電性エンドレスベルト。
【請求項2】熱可塑性樹脂(A)が、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエステル共重合体、ポリウレタン、ポリオレフィン共重合体、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニール、塩化ビニール共重合体、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォンおよび熱可塑性フッ素樹脂の群から選ばれる少なくとも1種以上である請求項1記載の制電性エンドレスベルト。
【請求項3】さらに厚み5?50μの熱可塑性樹脂フィルムからなる表面層を有することを特徴とする請求項1記載の制電性エンドレスベルト。
【請求項4】表面層を形成する熱可塑性樹脂フィルムが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリ弗化ビニリデン、弗化ビニリデン共重合体、エチレンテトラフロロエチレン共重合体、ポリ塩化ビニール、塩化ビニール共重合体、ポリ塩化ビニリデンおよびアクリル共重合体から選ばれた少なくとも1種以上の熱可塑性樹脂(C)からなる請求項3記載の制電性エンドレスベルト。
【請求項5】表面層を形成する熱可塑性樹脂フィルムが、熱可塑性樹脂(C)98?75重量%に、ポリエーテルエステルアミドまたはポリエーテルアミド(B)2?20重量%およびスルフォン酸金属塩0?3重量%を配合してなる熱可塑性樹脂フィルムである請求項3記載の制電性エンドレスベルト。
【請求項6】表面または内面にさらに体積固有抵抗が108Ωcm以下の導電層を有する請求項1または2記載の制電性エンドレスベルト。
【請求項7】表面層の表面粗さRmaxが1?30μの範囲である請求項3記載の制電性エンドレスベルト。
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、制電性エンドレスベルトに関するものであり、電子写真式複写機、光プリンターの転写分離装置用および現像器用等に好適に使用される制電性エンドレスベルトに関するものである。
[従来の技術]
電圧を印加し帯電させることによって、静電気的に被転写体を支持・搬送または現像剤を搬送するエンドレスベルトもしくは円周上に段差継目のないスリーブを被覆した回転体は電子写真複写機や光プリンター等に使用され、装置の信頼性向上、高速化に役立っている。
一例として、被転写体を転写位置に搬送するベルトに帯電器により電圧を印加することにより被転写体を吸引して像担持体から分離する転写分離ベルトとして、体積固有抵抗1016Ωcmのポリエステルフィルム等からなる絶縁層と導電層からなるエンドレス転写ベルトが提案されている(特開昭49-31326号、特開昭52-42125号公報)。
この提案は、転写ベルトの絶縁層において、帯電器により電圧が印加されることにより、電荷が飽和しかつ一定の帯電電位が持続され、転写ならびに像担持体から被転写紙を確実に分離することに特長があるが、被転写体をエンドレスベルトの絶縁層から分離し、定着装置に搬送するためには、該エンドレスベルトに交流または帯電器電極と逆特性の除電器により絶縁層を除電する必要がある。
一方、エンドレスベルト自体の体積固有抵抗を1×1010?1×1014Ωcmの材料で形成させることができれば、印加された電荷が短時間で飽和するが、帯電電位が減衰するため、除電器を使用しなくとも転写を終了した被転写体をエンドレスベルトから分離することが可能であるとともにベルト表面の電位が次第に上昇し非常な高電位となるトラブルがないため、装置の簡略化・信頼性の向上・画像性能の向上に寄与させることができるものと考えられる。
しかしながら、工業的に1×1010?1×1014Ωcmの安定した品質の材料を作ることが困難であるため、現在1×1010?1×1014Ωcmの体積固有抵抗を持つエンドレスベルトは本格的に実用化されていない。従来、体積固有抵抗を低下させるには、エンドレスベルトの材料となる樹脂に導電性フィラーとして、カーボンブラック、カーボン短繊維、金属粉などを充填して、体積固有抵抗の高い樹脂の抵抗値を下げることが行なわれているが、上記導電性フィラーを樹脂中に均一に分散させることが困難であるとともに部分的に導電性フィラーの分散不均一に起因する現象として、エンドレスベルトに帯電器により電荷を印加したとき、導電性フィラーの分散性不均一に起因した個所で、電気的短絡を起し、絶縁破壊もしくは表面電位が希望値に上昇しない問題点を有している。
一方、導電性材料として高級脂肪酸アルコールならびに4級アンモニウム塩等の有機系静電防止剤は、樹脂中に分散させて体積固有抵抗を1×1010?1×1014Ωcmの範囲にすることは比較的容易であるが、有機系静電防止剤はブリードアウトし経日的に抵抗値が変化することと湿度、温度の変化によって抵抗値が変動する問題点を有するため、各種環境条件下で安定した抵抗値が要求される電子写真複写機・光プリンター用のエンドレスベルト材料として使用できなかった。
[発明が解決しようとする課題]
本発明は、実用上要求される2KV以上の耐絶縁破壊電圧を有し、温度、湿度変化に対し抵抗値が安定であり、しかも帯電した電荷が容易に減衰する1×1010?1×1014Ωcmの体積固有抵抗をもつ制電性エンドレスベルトを提供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段]
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂(A)98?75重量%に、ポリエーテルエステルアミドまたはポリエーテルアミド(B)2?20重量%およびスルフォン酸金属塩0?3重量%を配合してなる熱可塑性樹脂フィルムまたはシート状物からなり、かつ該フィルムまたはシート状物の体積固有抵抗が1×1010?1×1014Ωcmの範囲にあることを特徴とする制電性エンドレスベルトを要旨としている。
さらに表面層として厚み5?50μの熱可塑性樹脂フィルム、好ましくは表面層を形成する熱可塑性樹脂フィルムが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリ弗化ビニリデン、弗化ビニリデン共重合体、エチレンテトラフロロエチレン共重合体、ポリ塩化ビニール、塩化ビニール共重合体、ポリ塩化ビニリデンおよびアクリリル共重合体から選ばれた少なくとも1種以上の熱可塑性樹脂(C)からなる制電性エンドレスベルト、または
表面層を形成する熱可塑性樹脂フィルムが、上記熱可塑性樹脂(C)98?75重量%に、ポリエーテルエステルアミドまたはポリエーテルアミド(B)2?20重量%およびスルフォン酸金属塩0?3重量%を配合してなる熱可塑性樹脂フィルムである制電性エンドレスベルトも本発明の目的を達成できる。
本発明において使用される熱可塑性樹脂(A)としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエステル共重合体、ポリウレタン、ポリオレフィン共重合体、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニール、塩化ビニール共重合体、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォンおよび熱可塑性フッ素樹脂の群から選ばれる少なくとも1種またはこれらの混合物からなるものが使用される。
本発明においてポリエーテルエステルアミドとは、ナイロン6,66,11または12等のポリアミドブロック単位とポリエーテルエステル単位とからなるブロック共重合体であり、炭素数6以上のラクタムまたはアミノカルボン酸もしくは炭 数6以上のラクタムまたはアミノカルボン酸の塩(a)、ポリエチレングリコール(b)および炭素数4?20のジカルボン酸、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸等のジカルボン酸(c)から誘導された共重合体である。
また、ポリエーテルアミドとは、ナイロン6,66,11または12等のポリアミドブロック単位とポリエーテル単位とから成るブロック共重合体であり、実質的にはポリエチレングリコールジアミンとジカルボン酸、脂肪族ジアミン、ε-カプロラクタムを主たる成分とする共重合体を言う。
これらポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドの重合方法は公知の方法を採用することができる。
本発明で使用されるスルフォン酸金属塩としては、核置換ベンゼンスルフォン酸金属塩が好ましく、その具体例としては例えば下記に挙げるスルフォン酸のLi、Na、K、Ca、Mg、Zn等の塩が挙げられる。

スルフォン酸金属塩の添加量は、全組成物に対して0?3重量%であり、好ましくは0?1.5重量%である。スルフォン酸金属塩の添加は、ポリエーテルエステルアミド共重合体またはポリエーテルアミド共重合体に含浸させるか、溶融混練とか、重合時に添加した一体化させたものを熱可塑性樹脂(A)に添加するのが、操作性、分散性の点からみて好ましい。
本発明の制電性エンドレスベルトは、熱可塑性樹脂(A)98?75重量%、ポリエーテルエステルアミド共重合体またはポリエーテルアミド(B)2?20重量%およびスルフォン酸金属塩0?3重量%を配合してなる熱可塑性樹脂フィルムまたはシート状物からなり、かつ該フィルムまたはシート状物の体積固有抵抗が1×1010?1×1014Ωcmの範囲にあることを特徴とするもので、かかる構成を有することにより湿度変化に対し抵抗の変化が2桁以下であり、実用上要求される耐絶縁破壊電圧も2KV以上あるものとなすことができる。
なおポリエーテルエステルアミド共重合体またはポリエーテルアミド共重合体の配合量が20重量%を越えると、強度低下ならびに高湿度下で体積固有抵抗が3桁以上の低下が認められ、また、スルフォン酸金属塩の配合量が3重量%を越えると粘着性が増大するため好ましくない。
本発明の制電性エンドレスベルトにおいて、特にトナー除去性向上、耐コロナ性およびトナー除去用ブレードの滑り性を付与するためには、制電性エンドレスベルトの表面に、厚み5?50μの熱可塑性樹脂フィルムからなる表面層を接合するのが好ましい。
かかる表面層を形成するための熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリ弗化ビニリデン、弗化ビニリデン共重合体、エチレンテトラフロロエチレン共重合体、ポリ塩化ビニール、塩化ビニール共重合体、ポリ塩化ビニリデンおよびアクリリル共重合体の群から選ばれた少なくとも1種以上の熱可塑性樹脂(C)からなるフィルムが挙げられる。
また表面層を形成するための他の好ましい熱可塑性樹脂フィルムとしては、熱可塑性樹脂(C)98?75重量%に、ポリエーテルエステルアミドまたはポリエーテルアミド(B)2?20重量%およびスルフォン酸金属塩0?3重量%を配合してなる熱可塑性樹脂フィルムが挙げられる。
特に好ましい表面層形成用熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ弗化ビニリデンおよび弗化ビニリデン共重合体が挙げられる。
本発明の制電性エンドレスベルトは、電荷をより安定して印加させるため、その内面または表面に導電層を設けることができる。導電層としては、例えば熱可塑性樹脂(A)に導電性フィラーとしてカーボンブラック、金属粉、カーボン繊維等から選ばれる少なくとも1種を配合した、体積固有抵抗108Ωcm以下のシート状物が好ましく、エンドレスベルト上に接合またはコーティング等の方式により形成される。
また上記制電性エンドレスベルトを転写分離装置に使用して、弾性体ブレードでトナーを除去する場合、弾性体ブレードと制電性エンドレスベルトの間の摩擦抵抗を減少させるために、該制電性エンドレスベルトの表面粗さRmaxを1?20μの範囲にすることが好ましく、これにより該制電性エンドレスベルトの回転走行性を著しく向上させることができる。なおここで表面粗さRmaxはJIS B0601-1976に準拠して測定したものである。
制電性エンドレスベルトの成形方法としては、Tダイ法による押出成形により製膜した単層または複合フィルムもしくはシートから一定寸法に切断したエンドレスベルト基材の両端を公知の方法により接着・接合することにより作ることができるが、後者の接合方式によるものは接合面にトナーが溜まり、被転写材に黒い筋としてトナーの汚れが付着するので、あまり好ましくない。
シームレス状エンドレスベルトを成形する一例として、単層または二層あるいは三層(中間接着層または導電層を設ける場合)を共押出し口金から筒状物の押出し成形により一体に成形し、チューブ状成形物を得た後、所定寸法に切断することにより作製することができる。
制電性エンドレスベルトの表面層に粗さを付与する方法としては、例えば表面に凹凸を有するシート状物もしくは円筒状物を該制電性エンドレスベルトに熱圧着し、凹凸を熱転写する方法が挙げられる。必要ならば熱転写した後さらに表面層を機械的に研削してもよい。
次に、本発明の制電性エンドレスベルトを、転写分離装置において使用する場合について説明する。
ずなわち、図において、1は像担持体、2は転写分離装置、3はそのエンドレスベルトであり、像把持体1には公知の方法で、トナー像を形成される。トナー像は転写分離装置2のエンドレスベルト3により搬送される被転写材4に直流電源5と接続された帯電器6の電圧印加のもとで転写されるとともに、ベルトに帯電された電荷の吸引力により被転写材4は像担持体1より分離され、エンドレスベルト3により搬送される。必要に応じ、エンドレスベルト1は被転写材搬送後、図示していない交流またはエンドレスベルトの帯電電極と逆特性の除電器により除電して、再び転写位置に回動するようにしてもよい。
本発明の制電性エンドレスベルトの厚みは通常1mm以下、好ましくは0.1?0.6mmの範囲で使用するのがよい。
本発明の制電性エンドレスベルトは1×1010?1×1014の体積固有抵抗を有し、良好な転写画像を得ることができる1KV以上の表面電位を繰り返し印加することができるため、このエンドレスベルトを使用した転写分離装置は、被転写材が像担持体に付着することなく分離性が良好で、分離による画像乱れもなく、エンドレスベルトから被転写材を容易に剥離することができる。さらに、本発明の制電性エンドレスベルトをウレタンもしくはシリコーン等の弾性体の導電性ゴムローラに円筒状に被覆固着した半導電性ローラを構成し、該ローラの芯金に直流電源を接続して電圧印加のもとで、該半導電性ローラと像担持体の間に被転写紙を挿入して転写を行う方式の転写ローラとして使用することが可能である。
また本発明の制電性エンドレスベルトを現像装置において使用する場合、公知の電子写真プロセスあるいは静電記録方式により、像担持体上に静電画像が形成される。
すなわち、この現像装置は、例えば現像剤容器内に一成分系非磁性トナーが収容され、該容器の下部に半導電性回転体として、ウレタンもしくはシリコーン導電性ゴムローラの周面に、本発明の制電性エンドレスベルトを被覆固着した半導電性ローラを設け、これに電圧が印加されている。半導電性ローラに付着したトナーは、規制片によりその付着量が調整され搬送される。
また、上記導電性ローラの下部には現像剤の供給手段として、本発明の制電性エンドレスベルトが一対のローラを介して回転されており、このローラの一方には電源より高電圧を印加し、エンドレスベルトを帯電させるようにしている。このため、現像剤はこのエンドレスベルトに静電付着し、ベルトの移動とともに像担持体に対向した位置で像担持体に向って飛翔し、像担持体上の静電潜像に付着させることができる。この場合、現像剤の飛翔を確実に行なうために、前記ベルト回転用の他方のローラに一方のローラと逆電極の直流電圧または交流バイアス電圧を印加することにより、さらに鮮明な画像を得ることができる。
なお、現像器の現像剤供給手段として、ウレタンまたはシリコーン導電性ゴムローラ上に、本発明の制電性エンドレスベルトを円筒状に被覆固着した半導電性ローラで構成し、これに交互電圧を電源により印加し、像担持体に近接させた半導電性ローラ上の現像剤を像担持体上の静電潜像に飛翔させることも可能である。またこの半導電性ローラを像担持体に圧接し、該半導電性ローラ上の現像剤で像担持体上の静電潜像を現像することも可能である。
さらに上記半導電性ローラの表面に表面粗さRmaxで10?30μの粗さを付与することにより、トナーの搬送性を向上させるとともにカブリを減少させる効果が得られる。
本発明の制電性エンドレスベルトの体積固有抵抗は1×1010?1×1014Ωcmの範囲で、任意の抵抗値にコントロールできるとともに、帯電電位が減衰するので、ベルト表面の電位が次第に上昇して帯電器による電圧印加ができなくるトラブルがなく、また本エンドレスベルトを使用することで、感光体の電圧破壊の危険性がないため、信頼性のある現像器を提供することができる。
本発明の制電性エンドレスベルトの応用例として、転写分離装置用および現像器用に適用した例を説明したが、この他、帯電させた本発明の制電性エンドレスベルトを像担持体に摩擦接触させて、電圧を印加し、連続的に均一な帯電を付与することにより、像担持体の損傷を防止し、確実かつ均一な連続帯電を行なうこともできる。また現像により得られた像担持体上の可視像を、本発明の制電性エンドレスベルトを中間像転写ベルトとして使用し、ベルト上の中間像を被転写紙に転写することを繰り返すことにより、画像転写を効率よく行なうことができる。その他、皿の中から転写紙を静電的に吸引して搬送するベルトとして本発明の制電性エンドレスベルトを使用することができるなど各種の用途有効に使用できるものである。
[実施例]
比較例1?2、実施例1?5
(1)ポリエーテルエステルアミド共重合体(PEEA)の製造
表1に示す原料配合比率で計量し、重合装置に仕込み、窒素雰囲気下240℃で2時間反応させエステル化反応によって水を流出させ均質透明溶液とした後、三酸化アンチモン触媒1部を添加し、減圧下で3時間重合させ、ポリエーテルエステルアミドを得た。

(酸化防止剤)
(2)ポリエーテルアミド共重合体(PEA)の製造
表2に示す原料比率で計量し、常圧で内部温度が110℃になるまで2時間加熱した。続いて窒素雰囲気下で240℃18時間加熱重合させ、ポリエーテルアミド共重合体を得た。

(3)組成物フィルムの製造ならびにエンドレスベルトの製造
表3に示す原材料を表4に示す配合比率でブレンドしたものを常法によりペレタイズを行ない、得られたペレットを押出機のTダイから加熱押出しを行ない、表4に示す厚みの無延伸フィルムを得た。
なおPETフィルムとしては、二軸延伸ポリエステルフィルム“ルミラー”(東レ(株)製)を用いた。
得られたフィルムを表4に示す組み合わせに従い、二枚の離型紙に挟みながら各フィルム中で最も低い融点より20℃高い温度で、熱ラミネートを行ない、エンドレスベルト基材を得た。なお単層のエンドレスベルト基材については熱ラミネート工程を通さなかった。
上記エンドレスベルト基材から所定寸法に切断

したカットシートの両端を高周波接着機を用いて接合し、制電性エンドレスベルトを得た。
得られた制電性エンドレスベルトの体積固有抵抗率を超絶縁抵抗計を用い測定し、絶縁耐圧についてはJIS C 2318-75(DC)に従い測定した(20℃、33%RH)。
結果を表4に示す。
表4から明らかなごとく、本発明を満足する実施例1?5の制電性エンドレスベルトは、電子写真機、光プリンター用エンドレスベルトに要求される1×1010?1×1014Ωcmの体積固有抵抗をもち、しかもこの値は沸騰水で処理しても変化がなく、絶縁耐圧も8KV以上を有するものであり、比較例1?2に比べて著しく優れていることがわかる。
なお、沸騰水処理の場合は、サンプルを沸騰水で1時間処理し、乾燥後の体積固有抵抗を測定したものである。
実施例6
上記表3の原材料を使用し、表4の実施例6に記載の原材料配合比率でブレンドしたものを常法によりペレタイズを行ない、ポリエーテルエステル/ポリエーテルエステルアミド/ポリ弗化ビニリデン/ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダのブレンドポリマーチップを得た。
口径45mmの単軸押出機で上記ブレンドポリマーチップを、口径35mmの単軸押出機でポリ弗化ビニリデンを表面層として2層共押出口金を通じて円筒状に押出し、該口金の中心から押出された円筒状フィルムに圧空を導入し、その寸法形状を一定にし、冷却後、所定の寸法に切断して、継目のない制電性エンドレスベルトを得た。
このベルトを図に示す転写分離器の転写分離ベルトに使用して評価した。すなわち、帯電器の印加電圧を6KVベルトにチャージし、ベルト表面に1.4KVの表面電位が得られた。転写分離機後、ベルトの表面電位は減衰し、被転写材はベルトから容易に剥離し、引続き行なわれる電圧印加も問題なく行なわれ、1万枚の被転写材を複写し、長期画像転写性は良好であった。
本制電性エンドレスベルトはシームレスであるため、継目部にトナー溜りによる転写紙汚れもなく、ベルト表面からのトナーの除去も容易に行なうことができた。

[発明の効果]
本発明の制電性エンドレスベルトは、上述のごとく熱可塑性樹脂に特定量のポリエーテルエステルアミド共重合体またはポリエーテルアミド共重合体を配合したものを基材として使用するようにしたので、体積固有抵抗を1×1010?1×1014Ωcmの範囲にコントロールできるとともにと実用上要求される2KV以上の耐絶縁破壊電圧を有するので、ベルト上に必要な電荷量を帯電させ、しかも一定時間後にその電荷を減衰させることが可能である。さらにベルト形成方法の選択ならびにベルトの構成層を組合わせることにより、シームレスで表面のトナー除去性、クリーニング性、耐コロナ性を付与することができる。
従って、従来のエンドレスベルト方式に比べて、電子写真複写機の転写分離装置、現像機等の簡略化および性能向上をはかることが可能になる等の優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の制電性エンドレスベルトの使用例を説明する概略図である。
1:像担持体、2:転写分離装置、3:エンドレスベルト、4:被転写材、5:直流電源、6:帯電器
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2007-10-23 
出願番号 特願平1-34253
審決分類 P 1 41・ 853- Y (G03G)
P 1 41・ 852- Y (G03G)
P 1 41・ 851- Y (G03G)
P 1 41・ 832- Y (G03G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小宮山 文男伊藤 昌哉  
特許庁審判長 木村 史郎
特許庁審判官 岡田 和加子
下村 輝秋
登録日 1996-09-02 
登録番号 特許第2087119号(P2087119)
発明の名称 制電性エンドレスベルト  

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